- フックの法則って結局何を言ってるの?一言で知りたい
- σ=Eε と F=kx、どっちを覚えればいい?
- ヤング係数って何?硬さのこと?
- 応力とひずみの違いがそもそも曖昧
- ヤング係数の単位がGPaとかN/mm²とかバラバラで混乱する
- 弾性域でしか使えないって聞くけど、適用範囲は?
- 例題が解けない。数字を公式にどう当てはめる?
- 試験(施工管理技士・建築士)でどう出るの?
上記の様な悩みを解決します。
フックの法則は、構造力学のいちばん最初に出てくる基礎であり、施工管理技士や建築士の試験でも避けて通れないテーマです。ただ、世の中の解説はばねの話(高校物理)か機械系の材料力学が中心で、建築・土木の文脈や「例題の解き方」まで踏み込んだものは意外と少ないです。今回は公式・応力ひずみ・ヤング係数・適用範囲といった基本を押さえた上で、鋼とコンクリートの実際のヤング係数やRCとの関係、単位換算つきの例題、試験での出方まで、現場と受験の両方で使える形で整理しました。
構造力学が苦手な方でも追えるように、なるべくかみ砕いて進めます。それではいってみましょう!
フックの法則とは?まず一言で
フックの法則とは、結論「材料に加える力(応力)と、その変形量(ひずみ)は、ある範囲までは比例する」という法則です。一番身近な例がばねで、「ばねを引く力を2倍にすれば、伸びも2倍になる」というあれです。
1678年にイギリスの物理学者ロバート・フックが提唱した法則で、構造力学・材料力学のすべての土台になっています。「結局何を言っているのか」への答えはシンプルで、「力と変形は比例する(ただし一定範囲まで)」、これだけです。
「現場で使う場面はあるのか」については、後の章で詳しく触れますが、結論を先に言うと「梁のたわみ計算」「部材の伸び縮み」「RCで鉄筋とコンクリートをどう働かせるか」など、構造設計の根っこに常に効いています。机上だけの話ではありません。
- 力(応力)と変形(ひずみ)は比例する
- 比例するのは「一定の範囲まで」(後述の弾性域)
- ばねの伸びが力に比例するのが最も身近な例
- 構造力学・材料力学すべての出発点
僕の考えでは、フックの法則は「比例する」という一点さえ腹落ちすれば、あとは公式と適用範囲を肉付けするだけなので、ここで身構える必要はないです。
2つの公式:F=kx と σ=Eε の関係
フックの法則の公式は2つの顔を持っています。「どちらを覚えればいいのか」「ばね定数とヤング係数の違い」をここで解消します。
| 公式 | 使う場面 | 記号の意味 |
|---|---|---|
| F = kx | ばね・物体全体の力と変形 | F:力、k:ばね定数、x:伸び |
| σ = Eε | 材料内部の応力とひずみ | σ:応力、E:ヤング係数、ε:ひずみ |
この2つは「同じことを別の見方で表している」だけです。F=kxは物体全体(ばね1本)を外から見た式、σ=Eεは材料の中身(単位断面・単位長さあたり)を見た式です。
違いは、ばね定数kが「そのばね固有の値」(同じ材料でも太さや長さで変わる)なのに対し、ヤング係数Eは「材料固有の値」(鋼なら太さに関係なく一定)という点です。構造力学・建築の試験で主役になるのは圧倒的にσ=Eεのほうなので、まずこちらを押さえてください。
- F=kx:ばね全体の式。kは「そのばね」固有
- σ=Eε:材料内部の式。Eは「その材料」固有
- 両者は同じ法則を別スケールで表したもの
- 建築・土木で主に使うのはσ=Eε
正直なところ、ここを「2つも公式があって難しい」と捉えると損です。σ=Eε一本に絞り、F=kxはその身近な入口、と整理すれば十分です。
応力とひずみとは(フックの法則の前提)
σ=Eεを理解するには、応力σとひずみεが何かを押さえる必要があります。「応力とひずみの違いが曖昧」という方への回答です。
応力(σ)とは、部材の断面に生じる「単位面積あたりの力」です。同じ力でも、断面が細ければ応力は大きく、太ければ小さくなります。式で書くと次の通りです。
- 応力 σ = 力P ÷ 断面積A(単位はN/mm²など)
- ひずみ ε = 変形量ΔL ÷ 元の長さL(単位なし。無次元)
ひずみ(ε)とは、「元の長さに対してどれだけ変形したか」の割合です。1mの棒が1mm伸びたら、ひずみは0.001(無次元)です。割合なので単位はありません。
ここがフックの法則の肝で、σ=Eεは「応力(断面あたりの力)と、ひずみ(長さあたりの変形)が比例する」と言っているわけです。つまり力そのものではなく、断面と長さで規格化した量どうしが比例する、というのがポイントです。応力とひずみそれぞれの詳細は別記事でも解説しています。


ヤング係数(ヤング率)とは?意味と単位
σ=Eεの比例定数Eが、ヤング係数(ヤング率、縦弾性係数)です。「ヤング係数とは硬さのことか」「単位がバラバラで混乱する」をここで整理します。
ヤング係数とは、ざっくり言えば「その材料の変形しにくさ(硬さ)」を表す値です。Eが大きいほど、同じ応力でも変形(ひずみ)が小さい=硬い材料、ということになります。σ=Eεを変形すると E=σ/ε なので、「応力に対してひずみがどれだけ出にくいか」を表しているわけです。
単位がバラバラに見えるのは、表記の流儀が複数あるからです。中身は同じものです。
| 単位表記 | 換算 |
|---|---|
| GPa(ギガパスカル) | 1 GPa = 1,000 N/mm² = 1,000 MPa |
| N/mm² | = MPa(メガパスカル)と同じ |
| kN/mm² | 1 kN/mm² = 1,000 N/mm² = 1 GPa |
単位の混乱は、ここを押さえれば解けます。N/mm² と MPa は完全に同じ、GPa はその1,000倍、と覚えるだけです。例えば鋼のヤング係数は「205 GPa」とも「205,000 N/mm²」とも「205 kN/mm²」とも書きますが、全部同じ値です。ヤング係数と単位の詳細はこちらが詳しいです。


鋼とコンクリートのヤング係数とRCの関係
ここが、機械系・高校物理の競合記事が触れていない、建築・土木ならではの章です。「覚えるべき値はあるか」「なぜRCは鉄筋とコンクリートを組み合わせるのか」に答えます。
代表的な建築材料のヤング係数の目安は次の通りです。試験でもよく出る値なので押さえておきましょう。
| 材料 | ヤング係数の目安(N/mm²) |
|---|---|
| 鋼材(鉄筋・鉄骨) | 約205,000(205 GPa) |
| コンクリート(普通・Fc24程度) | 約22,000〜25,000 |
| 木材(針葉樹) | 約7,000〜10,000 |
| アルミニウム | 約70,000 |
注目すべきは、鋼とコンクリートのヤング係数の差です。鋼はコンクリートのおよそ7〜10倍硬い(変形しにくい)。この比のことを「ヤング係数比 n」と呼び、RC(鉄筋コンクリート)設計では n=15 を使うのが慣習です(コンクリートのクリープ等を考慮した設計上の値)。
なぜRCで鉄筋とコンクリートを組み合わせるのか。コンクリートは圧縮に強いが引張りに弱い。鉄筋は引張りに強い。だから引張りがかかる部分を鉄筋に負担させるわけですが、ここでフックの法則が効いてきます。鉄筋とコンクリートは一体で変形する(同じひずみが生じる)ので、ヤング係数が大きい鉄筋のほうに大きな応力が集中する、という理屈です。σ=Eεで、εが同じならEが大きい鉄筋のσが大きくなる、ということですね。
- 鋼のヤング係数は約205,000 N/mm²(コンクリの7〜10倍)
- RC設計ではヤング係数比 n=15 を使う
- 鉄筋とコンクリートは一体で同じひずみを受ける
- 同じひずみならヤング係数の大きい鉄筋に応力が集中する
実務だと、この「鉄とコンクリートのヤング係数の違い」が分かると、RCがなぜ成立するのかが構造的に腑に落ちます。フックの法則は、RCという日本で最も多い構造の原理そのものなんです。
フックの法則の適用範囲(弾性域・比例限度・降伏点)
フックの法則は「いつでも成り立つ」わけではありません。「塑性域では使えないのか」「比例限度・弾性限度・降伏点が整理できない」「応力ひずみ線図のどこまで成り立つのか」をここで解きます。
材料に力を加えていくと、応力-ひずみ線図上を次の順で進みます。用語の順番と意味を押さえるのがコツです。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| 比例限度 | ここまでは σ=Eε が成立(応力とひずみが比例)。フックの法則が使えるのはここまで |
| 弾性限度 | ここまでは力を抜けば元に戻る(弾性変形)。比例限度のすぐ上 |
| 降伏点 | これを超えると、力を抜いても戻らない(塑性変形が始まる) |
| 引張強さ | 最大の応力。ここを超えると破断に向かう |
ポイントは、フックの法則(σ=Eε)が厳密に成り立つのは「比例限度まで」だということです。比例限度を少し超えても元に戻る範囲(弾性限度まで)はありますが、そこではもう比例関係=直線ではありません。降伏点を超えると塑性域に入り、力を抜いても変形が残ります。
構造設計では、部材を常に弾性域(フックの法則が成り立つ範囲)で使うのが基本です。だからこそ「適用範囲=弾性域」という理解が重要になります。降伏点や応力ひずみ曲線の詳細はこちらで深掘りしています。


部材の伸び δ=PL/AE の意味
試験で頻出なのに、急に出てきて戸惑うのがこの式です。「δ=PL/AEの意味が分からない」「たわみとつながっているのか」に答えます。
実はこの式は、これまでの式を組み合わせただけです。導出を追えば暗記不要になります。
- σ=P/A(応力=力÷断面積)
- σ=Eε(フックの法則)
- ε=ΔL/L(ひずみ=伸び÷長さ)
これらを連立すると、伸び δ(=ΔL)は次のようになります。
δ = PL ÷ (A × E)
つまり「部材の伸びは、力Pと長さLに比例し、断面積Aとヤング係数Eに反比例する」と読めます。直感的にも、強く引くほど・長いほど伸び、太いほど・硬い材料ほど伸びにくい、と納得できるはずです。
この考え方は梁のたわみ計算にも直結します。たわみの公式にもヤング係数Eと断面の量(断面二次モーメント)が必ず登場し、根っこはフックの法則です。曲げ剛性やたわみの話はこちらが参考になります。

せん断のフックの法則とポアソン比
発展として、引張・圧縮だけでなく「せん断」にもフックの法則があります。「τ=Gγも覚えなきゃいけないのか」「ポアソン比は関係あるのか」に答えます。
せん断(材料をずらすような力)に対しても、応力とひずみは比例します。
- せん断のフックの法則:τ=Gγ(τ:せん断応力、G:せん断弾性係数、γ:せん断ひずみ)
- Gは「横弾性係数(せん断弾性係数)」と呼ばれ、ヤング係数Eと同じく材料固有の値
ヤング係数E、せん断弾性係数G、そしてポアソン比νの3つには関係式があります。ポアソン比とは「縦に縮めると横に膨らむ」割合のことで、縦ひずみと横ひずみの比です。鋼ならν≒0.3です。3者の関係は G=E / {2(1+ν)} で結ばれており、2つ分かれば残りが求まります。
試験対策としては、まずσ=Eε(縦)を完璧にし、その横展開としてτ=Gγ(せん断)とポアソン比がある、という位置づけで十分です。せん断弾性係数やポアソン比の詳細は別記事で扱っています。


例題で解いてみる(単位換算つき)
ここが受験生にとって一番ありがたい章になるはずです。「数字を公式にどう当てはめるか」「単位換算でいつもミスる」に、実際の手順で答えます。
例題:長さ2,000mm、断面積500mm²の鋼材(SS400)に、軸方向の引張力50kNが作用した。この鋼材の伸び δ を求めよ。ただし鋼のヤング係数 E=205,000 N/mm² とする。
手順を一つずつ追います。単位を最初にN/mm²系に揃えるのがミス防止のコツです。
- ステップ1:力の単位を揃える。50kN = 50,000 N(kは1,000倍)
- ステップ2:応力を求める。σ=P/A=50,000 N ÷ 500 mm²=100 N/mm²
- ステップ3:ひずみを求める。ε=σ/E=100 ÷ 205,000≒0.000488(無次元)
- ステップ4:伸びを求める。δ=ε×L=0.000488×2,000≒0.98 mm
答えは約0.98mmです。δ=PL/AEに一気に代入しても同じで、δ=(50,000×2,000)÷(500×205,000)=0.98mmとなります。
検算として、応力100 N/mm²はSS400の降伏点(約235〜245 N/mm²)より小さいので、弾性域内=フックの法則が成立する範囲です。だからこの計算が成り立つ、というところまで確認できると完璧です。
- 力はkN→Nに直す(×1,000)
- 応力σ=P/A、ひずみε=σ/E、伸びδ=εL の順
- またはδ=PL/AEに直接代入
- 最後に「弾性域内か(降伏点未満か)」を確認
僕の整理では、例題は「単位を揃える→σ→ε→δの順で進む」と手順化してしまえば、数字が変わっても同じ流れで解けます。構造力学の公式一覧も手元に置いておくと安心です。

試験での出方と押さえどころ
「試験でどう出るのか」「ここだけ押さえるべき点は何か」に答えます。施工管理技士・建築士の構造分野でフックの法則は、次のパターンで出ます。
- 用語の正誤問題:「フックの法則は塑性域でも成立する」→誤り、などの引っかけ
- 計算問題:δ=PL/AE や σ=Eε に数値を代入して伸び・応力・ひずみを求める
- 応力-ひずみ線図の読み取り:比例限度・弾性限度・降伏点の位置を問う
- ヤング係数の知識:鋼とコンクリートの大小関係、単位
押さえどころを優先順位順に挙げると、第一にσ=Eεとその意味、第二に適用範囲(弾性域・比例限度まで)、第三にδ=PL/AEの計算、第四に鋼・コンクリートのヤング係数の大小です。逆に言えば、この4つを固めれば試験のフックの法則関連はほぼ取れます。
個人的には、構造力学が苦手な人ほど「公式を丸暗記」しようとして失敗します。σ=Eεの意味と、そこからδ=PL/AEを導ける流れさえ押さえれば、暗記量は最小で済みます。構造力学の勉強法や問題集選びはこちらも参考になります。


現場でフックの法則はどう効くか
最後に、「結局は机上の話では?」という疑問に正面から答えます。フックの法則は、現場の判断にもしっかり効いています。
- 梁のたわみ:ヤング係数Eが大きい材料・断面が大きい部材ほどたわまない。仮設の支保工や足場の計画でも効く
- 部材選定:同じ荷重でも変形を抑えたいなら、Eの大きい材料や断面の大きい部材を選ぶ
- RCの成立原理:鉄筋とコンクリートが同じひずみで一体に働く前提そのもの
- 許容応力度設計:部材を弾性域で使うという考え方は、フックの法則が成り立つ範囲で設計するということ
例えば「この梁、もう少しスパンを飛ばしたいけどたわみが心配」という現場の会話は、突き詰めればヤング係数と断面とフックの法則の話です。鉄骨が重宝されるのは、ヤング係数が大きく(変形しにくく)強度も高いからで、その背景にもこの法則があります。
現場目線で言えば、フックの法則は「変形と力の関係を予測する物差し」です。これが体に入っていると、図面の部材寸法や材料選定の理由が「なるほど」と読めるようになります。強度と剛性の違いも合わせて理解しておくと、現場での材料の見方が一段深まります。

フックの法則に関する情報まとめ
- フックの法則とは:力(応力)と変形(ひずみ)は一定範囲まで比例するという法則
- 2つの公式:F=kx(ばね全体)とσ=Eε(材料内部)。建築で主役はσ=Eε
- 応力σ=P/A、ひずみε=ΔL/L。ひずみは無次元
- ヤング係数E:材料の変形しにくさ。N/mm²=MPa、GPaはその1,000倍
- 鋼は約205,000 N/mm²、コンクリは約22,000〜25,000。RCではヤング係数比n=15
- 適用範囲:比例限度まで。降伏点を超えると塑性変形で成立しない
- 伸びの式:δ=PL/AE(力と長さに比例、断面積とEに反比例)
- せん断:τ=Gγ。E・G・ポアソン比νは関係式で結ばれる
- 例題:単位を揃える→σ→ε→δの順、最後に弾性域内かを確認
- 現場:たわみ・部材選定・RCの原理・許容応力度設計の根っこ
以上がフックの法則に関する情報のまとめです。
フックの法則は「力と変形は比例する」という一点さえ腹落ちすれば、σ=Eε→δ=PL/AEと無理なくつながる、構造力学の入口にして土台です。鋼とコンクリートのヤング係数の違いやRCの成立原理まで理解できれば、試験で点を取れるだけでなく、現場で図面を読む目も変わってきます。応力ひずみ線図や降伏点と合わせて押さえておくと、構造力学の苦手意識がぐっと薄れるはずです。
フックの法則に関するよくある質問
Q1:F=kx と σ=Eε はどちらを覚えればいいですか?
建築・土木で主に使うのはσ=Eεです。両者は同じ法則を別のスケールで表したもので、F=kxはばね全体(物体全体)を外から見た式、σ=Eεは材料内部の応力とひずみを見た式です。違いは、ばね定数kがそのばね固有の値(太さ・長さで変わる)なのに対し、ヤング係数Eは材料固有の値である点です。試験で主役になるのはσ=Eεなので、まずこちらを押さえてください。
Q2:ヤング係数の単位がGPaだったりN/mm²だったりして混乱します。
中身は同じで、表記の流儀が違うだけです。N/mm² と MPa(メガパスカル)は完全に同じ値です。GPa(ギガパスカル)はその1,000倍で、1 GPa=1,000 N/mm² です。例えば鋼のヤング係数は「205 GPa」「205,000 N/mm²」「205 kN/mm²」と書かれますが、すべて同じ値を指しています。計算するときは N/mm² 系に統一するとミスが減ります。
Q3:鋼とコンクリートのヤング係数はどれくらいですか?
目安として、鋼材は約205,000 N/mm²(205 GPa)、普通コンクリート(Fc24程度)は約22,000〜25,000 N/mm²です。鋼はコンクリートのおよそ7〜10倍硬い(変形しにくい)ことになります。RC設計ではこの比を考慮し、ヤング係数比 n=15 を使うのが慣習です。この差が、RCで鉄筋に引張りを負担させられる理由につながっています。
Q4:フックの法則はどこまで成り立つんですか?
応力とひずみが比例する「比例限度」までです。それを超えると、たとえ力を抜けば元に戻る範囲(弾性限度まで)でも、もう直線=比例ではありません。さらに降伏点を超えると塑性変形が始まり、力を抜いても変形が残ります。構造設計では部材を弾性域(フックの法則が成り立つ範囲)で使うのが基本なので、「適用範囲=弾性域」と覚えておくとよいです。
Q5:δ=PL/AE の式はどう覚えればいいですか?
丸暗記せず、導出を追うのがおすすめです。σ=P/A、σ=Eε、ε=ΔL/L の3つを連立すると δ=PL/AE が出てきます。意味は「伸びは力Pと長さLに比例し、断面積Aとヤング係数Eに反比例する」。強く引くほど・長いほど伸び、太いほど・硬い材料ほど伸びにくい、と直感とも一致します。
Q6:施工管理技士や建築士の試験では、フックの法則はどう出ますか?
主に4パターンです。用語の正誤問題(「塑性域でも成立する」などの引っかけ)、δ=PL/AEやσ=Eεへの数値代入計算、応力-ひずみ線図で比例限度・降伏点の位置を問う問題、ヤング係数の大小や単位の知識です。優先して押さえるべきはσ=Eεの意味、適用範囲、δ=PL/AEの計算、鋼とコンクリートのヤング係数の大小の4点です。
Q7:現場でフックの法則を意識する場面はありますか?
あります。梁のたわみ(ヤング係数と断面が効く)、変形を抑えたい部材の選定、RCで鉄筋とコンクリートが一体で働く原理、許容応力度設計(弾性域で設計する考え方)など、構造の判断の根っこに常にあります。「この梁のスパンを飛ばすとたわみが心配」といった現場の会話も、突き詰めればヤング係数とフックの法則の話です。
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