排水ポンプとは?種類、選定、揚程、電気仕様、設置基準など

  • 排水ポンプって結局何のための設備?
  • 給水ポンプと何が違うの?
  • 雑排水・汚水・雨水・湧水ポンプの使い分けは?
  • 揚程ってどう計算するんだっけ
  • 「2台1組」の根拠はどこ?
  • 三相200Vと400Vの使い分けは?
  • フロートスイッチの4段制御って何?
  • 1級電気工事・管工事施工管理技士の試験でどう出る?

上記の様な悩みを解決します。

排水ポンプは「敷地内で発生した水を、自然流下では排水できない場所から排水できる場所まで強制的に持ち上げる」ための基幹設備です。地下階の排水、雨水ピット、湧水処理、汚水槽など、ビル・マンション・工場で当たり前のように出てきます。電気施工管理として担当するのは電源・制御盤・自動運転回路・警報まわり、設備施工管理として担当するのは機械選定・配管・揚程計算まわりです。給水ポンプと似ていそうで、選定ロジックも電気仕様も大きく違うので、整理して理解しておくと現場で迷いません。この記事では、教科書的な定義と種類の解説に加えて、揚程と吐出量の計算式、2台1組の根拠(建築設備設計基準)、フロートスイッチ4段制御の中身、主要メーカーの製品ラインナップ、1級電気工事・管工事施工管理技士の試験対策まで踏み込んで整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

排水ポンプとは?

排水ポンプとは、結論「自然流下では排水できない位置に溜まった水を、強制的に汲み上げて排水管に送り出すためのポンプ」のことです。

英語ではDrainage Pump、扱う水が汚水ならSewage Pump、雨水ならStorm Water Pumpとも呼ばれます。建築設備の世界では、地下階の排水ピット、雨水ピット、湧水ピット、汚水槽などに必ず設置される基幹設備です。

排水ポンプの基本特徴を整理するとこうです。

  • 水を「下から上」へ持ち上げる(給水ポンプは「タンク→各階」へ送る方向)
  • 通常は2台1組で設置され、交互運転+故障時の同時運転で冗長性を確保
  • フロートスイッチや電極棒で水位を検知し、自動運転するのが基本
  • 電気仕様は単相100Vから三相400Vまで幅が広い
  • 揚水ポンプ(湧水を上に汲み上げる)もこの仲間に含める

要するに「下に溜まった水を捨てに行く役割」を担うのが排水ポンプです。給水ポンプ(上の階に水を送る)と用途が真逆と覚えると整理しやすいです。

排水ポンプと給水ポンプを一覧で比較するとこうです。

項目 排水ポンプ 給水ポンプ
水の方向 下→上(汲み上げ) タンク→各階(送水)
扱う水 雑排水・汚水・雨水・湧水 上水(清水)
設置場所 地下ピット内・水中 受水槽の脇・ポンプ室
台数 2台1組が原則 1〜複数台
主な制御 水位連動の自動運転 圧力一定制御・流量制御
主な警報 満水警報・故障警報 渇水警報・故障警報

僕の感覚だと、排水ポンプは「ビルの下半身を守るインフラ」と捉えると重要性がストンと落ちます。給水ポンプが止まっても各階の水道が出ないだけで済みますが、排水ポンプが止まると地下階の排水が逆流し、トイレ・厨房が使えなくなって建物全体の機能が止まる、というレベルの大事件になります。だから「2台1組」の冗長設計が建築設備設計基準で原則化されています。

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排水ポンプの種類(扱う水・設置形式)

排水ポンプは「扱う水の種類」と「設置形式」の2軸で分類できます。施工管理として、どの組合せが現場に来るかを判断するのが選定の出発点です。

扱う水による分類を一覧化するとこうです。

種類 扱う水 用途例 羽根車形状
雑排水ポンプ 厨房・浴室・洗面の水(固形物少) 地下シャワー室、地下厨房 ボルテックスまたはセミオープン
汚水ポンプ 便器排水を含む水(固形物あり) 地下トイレ、汚水槽 ノンクロッグ(つまりにくい構造)
雨水ポンプ 雨水・湧水(比較的きれい) 雨水ピット、ドライエリア排水 標準クローズド
湧水ポンプ 地中からの湧水(清水) 湧水ピット、地下ピット排水 標準クローズド
揚水ポンプ 河川水・井水 工業用・農業用・防災用 クローズドまたは多段

汚水ポンプは便器排水の固形物を通せるよう「ノンクロッグ羽根車(最低50mm径の固形物通過径)」を採用するのが特徴です。雑排水ポンプも厨房残渣を通せるよう20〜35mmの通過径が必要です。雨水・湧水ポンプは固形物がほぼ無い前提なので、効率重視の標準羽根車を使います。

設置形式による分類を一覧化するとこうです。

形式 設置場所 主な用途 特徴
水中ポンプ(潜水ポンプ) 水中に直接沈めて使用 ピット内の汚水・雑排水・湧水 水中冷却で過熱しにくい、現場主流
横軸ポンプ ピット脇の機械室の床 大水量・高揚程の排水処理プラント メンテ性◯、設置面積大
縦軸ポンプ ピット上部に直立 大規模ビル、高揚程の地下排水 設置面積小、メンテ性△
自吸式ポンプ 水面より上に設置(吸い上げ式) 簡易排水、仮設用 吸い込み高さに限界(6m程度)

建物の地下排水で圧倒的に多いのが水中ポンプです。フロートスイッチ式の自動運転にしやすく、設置が簡単で、水中冷却なのでオーバーヒートしにくいからです。揚程が大きい・水量が多い大規模プラントでは横軸・縦軸も使われます。

僕としては、現場で「何ポンプか分からない」と詰まったら、扱う水と設置形式の2軸で順番に確認するのが整理の早道だと感じます。「汚水+水中ポンプ」「雨水+水中ポンプ」「湧水+水中ポンプ」のように2軸で識別すれば、メーカーカタログから機種を絞り込む速度が圧倒的に上がります。

雨水排水の設計と流量計算はこちらが詳しいです。

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用途別の選定パターン

「どのタイプを選べばいいか」は、扱う水の種類と求められる揚程・水量で決まります。代表的な選定パターンを4つ整理します。

①地下階トイレ・厨房の排水

項目 仕様目安
機種 汚水水中ポンプ(ノンクロッグタイプ)
容量 30〜100L/分 × 2台
揚程 5〜10m程度
制御 フロートスイッチ自動運転+満水警報
通過粒径 50mm以上(トイレットペーパー・厨房残渣を通す)

②地下ピット雨水排水

項目 仕様目安
機種 雨水水中ポンプ
容量 時間最大降雨量×流域面積×安全率1.2〜1.5
揚程 地下ピット深さ+公共桝の高さ+損失水頭
制御 水位連動+停電時警報
流域面積 屋根面積+外構の排水流入面積

③工事中の山留め・釜場排水

項目 仕様目安
機種 工事用水中ポンプ(ステンレス羽根車推奨)
容量 地下水位の実測湧水量×1.5〜2倍
揚程 仮設のためフレキシブル対応機種
制御 手動主体、簡易自動運転
注意点 砂・泥で消耗激しい、レンタル機の活用が多い

④大型ビルの排水処理プラント

項目 仕様目安
機種 横軸または縦軸ポンプ(多段式)
容量 建物全体の最大排水量
揚程 ピット〜屋上排水管までの全揚程
制御 PLC制御+水質監視+緊急停止インターロック
担当領分 電気施工管理は動力盤・操作盤を担当

僕の感覚だと、用途別選定で施工管理が一番悩むのが「雨水ピットの容量計算」だと感じます。時間最大降雨量は地域差が大きく、東京なら50mm/h、ゲリラ豪雨対応なら100mm/h以上を見込むケースもあります。流域面積×降雨強度×安全率の式は単純ですが、安全率を1.2にするか1.5にするかで容量が3割変わります。設計者と合議して決める部分で、業者任せにすると容量不足で雨水溢水のリスクが残ります。

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揚程と吐出量の計算方法

排水ポンプ選定の核になるのが「揚程(ヘッド)」と「吐出量(流量)」の2つです。式と考え方をシンプルに整理します。

全揚程の計算式はこうです。

全揚程 H = 実揚程(h_a)+ 損失水頭(h_l)
  • 実揚程h_a:ポンプの中心から、吐出側水面までの実際の高さ(m)
  • 損失水頭h_l:配管内を水が流れるときの摩擦損失(m)

具体例で計算するとこうです。

条件 数値
地下ピット水位(基準面より) -3.0m
屋外排水桝水面(基準面より) +0.5m
配管の損失水頭(直管+継手・弁類) 1.5m

→ 実揚程 = +0.5 – (-3.0) = 3.5m
→ 損失水頭 = 1.5m
→ 全揚程 = 3.5 + 1.5 = 5.0m

実務では損失水頭は「配管直線長×1.5(管継手・弁類込みの概算係数)」で出すことが多いです。詳細計算が必要なら、各継手・弁の相当長さを足して合算します。

吐出量Qの決め方も整理しておきます。

「ピット内の水を許容時間内に空にできる量」と「最大流入量」のうち大きい方で決めます。

計算基準 計算式 結果
流入量基準 時間最大流入量×安全率1.2 例:60L/分×1.2=72L/分
排水時間基準 ピット容量÷許容空転時間 例:1500L÷25分=60L/分
採用値 両者の大きい方 72L/分

動力(kW)の概算式はこうです。

電動機容量 P [kW] ≒ (Q × H × 0.163) ÷ 効率
  • Q:吐出量 [m³/分]
  • H:全揚程 [m]
  • 効率:50〜70%程度

カタログ機種の動力をそのまま使えばOKですが、概算式を知っておくと「この揚程でこの容量なら、何kWクラスの幹線が必要か」が打合せ中に即イメージできます。

僕としては、揚程計算で施工管理が一番詰まるのが「損失水頭の見積もり」だと感じます。直管だけの損失なら計算は単純ですが、エルボ・チーズ・仕切弁・逆止弁などの局所損失を相当長で換算する作業が初学者には難しい。最初は「直管長×1.5倍」の概算で全揚程を出し、設計者にチェックしてもらうフローを取るのが安全です。

主要メーカーと製品ラインナップ

排水ポンプの国内主要メーカーを押さえておくと、業者からの提案を妥当性で評価できます。施工管理として、5大メーカーの製品群と得意分野を整理しておきます。

国内主要メーカー5社を一覧化するとこうです。

メーカー 主要シリーズ 強み 主な用途
荏原製作所(EBARA) DV・DVS・DLシリーズ 水中ポンプの定番、品揃え豊富 ビル排水・雨水・湧水・汚水
鶴見製作所(TSURUMI) KTV・LB・PUシリーズ 工事用水中ポンプの最大手 工事現場・建設仮設・汚水・雑排水
テラル KMW・PVRシリーズ ビル排水・揚水で長年実績 ビル設備・住宅・農業
新明和工業 CR・CN・CWシリーズ 汚水・雑排水で大容量機が充実 大規模ビル・公共設備
川本製作所 YUKシリーズ ビル設備での採用が広い ビル排水・住宅・小規模設備

機種選定の手順を整理しておきます。

  • 必要揚程と吐出量を計算で算出(前章の式)
  • メーカーカタログの揚程曲線(H-Q線図)を確認
  • 必要揚程のラインを横引きし、必要吐出量のラインを縦引き
  • 両者の交点を含む機種を候補に絞る
  • 通過粒径・電動機容量・電源仕様で最終選定

メーカー選定で見る項目を整理するとこうです。

  • 揚程曲線(H-Q線図)の余裕度(運転点が右に寄りすぎると効率低下)
  • 締切揚程(吐出弁全閉時の揚程)
  • 効率最良点(カタログに記載される最高効率の運転点)
  • 通過粒径(汚水なら50mm以上)
  • 異物耐性(砂・泥の混入耐性)
  • 保証期間と保守体制(部品供給期間、サービス拠点)

僕の感覚だと、メーカー選定で施工管理が一番効くのが「業者の見積に複数メーカーの相見積を取らせる」ことだと感じます。1社見積だけで決めると、価格・納期・サービスの妥当性が判断できません。荏原・鶴見・テラルの3社見積を取ると、その用途で各社がどう得意かが見えてきて、最終選定の根拠が明確になります。

設置基準と電気仕様(建築設備設計基準)

電気施工管理として一番関わるのが、ここから先の話です。建築設備設計基準・浄化槽法・電気設備技術基準などの法令を押さえます。

設置基準を整理するとこうです。

項目 基準 出典
設置台数 2台1組が原則(交互運転+同時運転) 建築設備設計基準(国土交通省)
浄化槽放流ポンプ 浄化槽法、自治体条例に従う 浄化槽法
警報設備 故障時警報、満水警報の設置 建築設備設計基準
防爆 油・ガスを含む水のピットは防爆形式必須 工場電気設備防爆指針
換気 ピット内の換気計画必須 建築基準法施行令

電源仕様を整理するとこうです。

項目 標準仕様
電源電圧 三相200V(小型〜中型)/三相400V(大容量・大規模ビル)
始動方式 直入始動(〜3.7kW)/Y-Δ始動(5.5kW以上)/インバータ始動(用途特殊)
制御盤機能 自動交互運転+同時運転+故障警報+満水警報
接地工事 D種接地(300V以下)/C種接地(300V超)
保護装置 過電流継電器(OCR)、欠相保護、温度センサー
電源ケーブル CVケーブルが標準、湿気対策で接続部はプルボックス内処理

Y-Δ始動を採用する理由は、直入始動だと始動電流が定格の5〜7倍に達して、上位ブレーカーをトリップさせるリスクがあるためです。5.5kW以上の電動機ではY-Δ始動で始動電流を1/3に抑えるのが標準です。

防爆対応が必要なケースを押さえます。

  • ガソリンスタンド・整備工場のオイルピット
  • 化学工場の排水ピット
  • ガス漏れの可能性がある地下空間
  • 防爆指針の危険区域分類で1類・2類に該当する場所

僕としては、電気仕様で施工管理が一番見落としやすいのが「接地工事の種類」だと感じます。三相200Vなら D種接地(接地抵抗100Ω以下)、三相400Vなら C種接地(接地抵抗10Ω以下)と基準が違うので、設計図書の接地工事種別を必ず確認します。接地抵抗の規定値を満たさないと、漏電時に感電事故のリスクが出ます。

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制御盤の自動運転回路と警報

排水ポンプは「No.1(リード機)」と「No.2(フォロー機)」で運用するのが標準です。フロートスイッチ4本で4段階の階層制御を組むのが定番手法です。

フロートスイッチ4段制御の中身を整理するとこうです。

段階 水位レベル 制御動作 説明
第1段(Low) 最低水位 両ポンプ停止 ピット内が空に近い
第2段(Mid) 通常運転水位 リード機が起動 通常の運転水位
第3段(High) 異常水位 フォロー機も起動(両ポンプ同時運転) リード機が処理しきれない流入量
第4段(Alarm) 満水警報水位 満水警報+同時運転継続 監視室に警報、要対応

交互運転の仕組みも押さえます。同じ運転条件ならNo.1とNo.2を交互に運転して、稼働時間を均等化します。1日交代、または1回起動ごとに切替の制御が一般的です。これで両機の寿命を均等化し、片方だけが先に劣化することを防ぎます。

制御盤の主要構成部品を整理するとこうです。

  • 電磁開閉器(マグネット・サーマル):ポンプの始動・停止と過負荷保護
  • 過電流継電器(OCR):過電流保護
  • 補助リレー:交互運転の論理回路
  • 単安定タイマー:起動遅延・停止遅延
  • カウンター:稼働時間管理(交互運転の切替判定)
  • 警報接点:故障警報・満水警報の出力
  • 表示灯:運転中・停止・故障・満水を点灯表示

配線ルートも押さえます。

  • 動力配線:CVケーブルが標準、接続部はプルボックス内処理
  • 制御配線:CVV(多芯制御線)を別ルートで敷設
  • 防水処理:ピット内のジョイントは完全防水処理(ケーブルグランド+シリコン充填)
  • 給排気:ピット内の換気が悪いと電動機が短命化するため、換気計画も必ず確認

僕の感覚だと、制御盤の確認で施工管理が一番効くのが「実水位での試運転」です。フロートスイッチを取付高さで設置しても、ピット形状や水流の影響で実動作水位がズレることが珍しくありません。試運転時はホースで実際に水を流し込み、4段階すべてが設計通りに動作するかを目視で確認します。

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施工管理として押さえる注意点と試験対策

排水ポンプで施工管理が現場で詰まりやすい5つの注意点と、1級電気工事・管工事施工管理技士の試験での出題パターンを整理します。

施工管理として押さえる5つの注意点はこうです。

①フロートスイッチの動作確認は実水位で

机上の図面確認だけだとピット形状や水流の影響で実動作水位がズレます。試運転時は水を実際にピットに張って、4段階すべてが正しく動くか目視確認します。

②ピット内の臭気・腐食ガス対策

汚水ピット内は硫化水素ガスが発生します。電気品(端子台・接続箱)はステンレス筐体推奨、ケーブルもエコケーブルなど耐薬品性の良いものを選びます。普通のIV線で配線すると半年で被覆が劣化することがあります。

③予備電源(非常電源)の整理

排水ポンプは満水になると建物機能を直撃するため、防災電源(自家発電機)に接続することが多い設備です。設計図で「非常用電源対象」と書かれているか必ず確認します。非常用発電機の容量計算にも影響します。

④メンテナンス性を見越した配置

水中ポンプは数年で羽根車・メカニカルシールの交換が必要です。ピット蓋からの引き上げが可能なように、ガイドレール式の固定金物を採用するのが定石です。ガイドレール仕様を抜かしていると、メンテ時に毎回ピット内潜水作業になります。

⑤試運転調整の立ち会い

電気・機械・建築・元請の4者立ち会いで、シーケンスを通しで動かすのが試運転調整の標準です。「正しく自動運転するか」「警報が制御室に上がるか」「停電時の挙動」をすべて確認します。

1級電気工事・管工事施工管理技士の試験での出題パターンを整理するとこうです。

出題系統 一次(学科) 二次(実地)
種類・選定系 雑排水/汚水/雨水の使い分け、水中/縦軸/横軸の特徴 経験記述で機種選定理由を書く
揚程・容量系 全揚程の計算、損失水頭、吐出量計算 計算過程を記述
電気仕様系 Y-Δ始動、接地工事種別、制御盤機能 始動方式と保護装置を記述
制御系 フロートスイッチ4段制御、交互運転 自動運転回路の説明
安全系 防爆対応、満水警報、非常電源接続 安全対策を経験記述

二次試験で書ける材料を5つ整理しておきます。

  • 汚水水中ポンプを2台1組で設置し、フロートスイッチ4段制御で自動交互運転とした
  • 5.5kW電動機にY-Δ始動を採用し、始動電流を1/3に抑えた
  • D種接地工事を施し接地抵抗100Ω以下を確保した
  • 満水警報を中央監視盤に接続し、24時間監視体制とした
  • 防災電源系統に接続し、停電時も30分以上の連続運転を確保した

頻出キーワードを整理しておきます。

  • 2台1組、交互運転、同時運転
  • 全揚程、実揚程、損失水頭
  • フロートスイッチ4段制御
  • Y-Δ始動、直入始動
  • D種接地、C種接地
  • ノンクロッグ羽根車、通過粒径50mm
  • 満水警報、故障警報
  • 非常用電源、防災電源
  • 建築設備設計基準

僕としては、試験対策で一番効くのが「建築設備設計基準の『2台1組』を口で言える状態にしておく」ことだと感じます。一次試験では選択肢で「2台1組の根拠は?」と問われ、二次試験では経験記述で「2台1組で交互運転とした」と書く場面が出てきます。この基本原則を出発点に、揚程計算・電気仕様・制御回路の知識を肉付けすると、試験対策が体系化されます。

非常用発電機の容量計算はこちらが詳しいです。

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排水ポンプに関する情報まとめ

  • 排水ポンプとは:自然流下できない場所の水を強制的に汲み上げて排水するポンプ
  • 給水ポンプとの違い:水の方向が下→上、ピット内設置、2台1組が原則
  • 扱う水の種類:雑排水(厨房・浴室)/汚水(便器排水)/雨水(屋外)/湧水(地中)/揚水(河川井水)
  • 設置形式:水中ポンプ(地下排水で主流)/横軸/縦軸/自吸式
  • 全揚程:実揚程+損失水頭、建物地下排水で5〜10mが目安
  • 吐出量:流入量と排水時間のうち大きい方で決定
  • 動力:P [kW]≒(Q×H×0.163)÷効率
  • 主要メーカー:荏原/鶴見/テラル/新明和/川本
  • 設置基準:2台1組(建築設備設計基準)、満水警報、防爆対応(必要時)
  • 電気仕様:三相200V/400V、Y-Δ始動(5.5kW以上)、D種接地(200V)
  • 制御盤:フロートスイッチ4段制御、自動交互運転+同時運転、故障警報+満水警報
  • 配線:動力CV、制御CVV、湿気対策にケーブルグランド+シリコン充填
  • 注意点:実水位試運転/腐食ガス対策/非常電源接続/メンテ性/4者立会試運転
  • 試験対策:2台1組原則・Y-Δ始動・4段制御・損失水頭計算を経験記述で書ける状態に

以上が排水ポンプに関する情報のまとめです。

排水ポンプは「機械設備の領分」と思われがちですが、電源・制御・警報まわりは全部電気施工管理の仕事です。「揚程5〜10m/吐出量100L/分/三相200V/Y-Δ始動/2台1組/4段制御」の数字とキーワードを口で言える状態にしておくと、機械側との打合せで主導権を取れて、後工程の手戻りも減ります。建築設備設計基準の2台1組原則と、フロートスイッチ4段制御を出発点に、用途別の選定・電気仕様・試運転確認の流れを体系化してください。

排水ポンプに関するよくある質問

Q1:排水ポンプと給水ポンプの違いは何ですか?

水の流れる方向と用途が真逆です。排水ポンプは下に溜まった水を上に汲み上げて排水管に送るポンプで、ピット内に水中設置するのが主流です。給水ポンプは受水槽の水を加圧して各階の蛇口・トイレに送るポンプで、ポンプ室に設置します。台数構成も違い、排水ポンプは2台1組が原則(建築設備設計基準)、給水ポンプは1〜複数台と設備規模で変動します。

Q2:なぜ排水ポンプは2台1組で設置するのですか?

国土交通省の建築設備設計基準で原則化されており、冗長性確保が目的です。排水ポンプが故障すると地下階の排水が逆流し、トイレ・厨房が使えなくなって建物機能が止まる影響範囲が大きいので、1台が故障してももう1台で運転継続できる体制を必須としています。通常時は交互運転で稼働時間を均等化し、異常水位時は両機同時運転で処理能力を倍にします。

Q3:雑排水・汚水・雨水・湧水ポンプの使い分けは?

扱う水の質と固形物の有無で使い分けます。雑排水は厨房・浴室の水で固形物が少ない、汚水は便器排水で固形物がある(通過粒径50mm以上必要)、雨水は屋外からの比較的きれいな水、湧水は地中からの清水です。汚水ポンプは「ノンクロッグ羽根車」で固形物を通せる構造、雑排水ポンプはセミオープン羽根車、雨水・湧水ポンプは効率重視の標準クローズド羽根車を使います。

Q4:揚程はどう計算しますか?

「全揚程=実揚程+損失水頭」で計算します。実揚程はポンプ中心から吐出側水面までの実際の高さ、損失水頭は配管内の摩擦損失です。地下ピット水位-3.0m、屋外排水桝水面+0.5m、配管損失1.5mなら、実揚程3.5m+損失1.5m=全揚程5.0mとなります。実務では損失水頭は「直管長×1.5(継手・弁類込みの概算係数)」で出すことが多く、詳細計算なら各継手の相当長を合算します。

Q5:三相200Vと400V、どう使い分けますか?

電動機の容量で使い分けます。小型〜中型(〜30kW程度)は三相200V、大容量・大規模ビル(30kW超または高層ビル)は三相400Vが標準です。400Vにすると同じ容量でも電流が半分になり、ケーブル断面積を小さくできて経済的になります。接地工事も変わり、200Vなら D種接地(抵抗100Ω以下)、400V(300V超)なら C種接地(抵抗10Ω以下)が必要です。

Q6:Y-Δ始動を使う理由は何ですか?

始動電流を抑えるためです。電動機を直入始動すると始動電流が定格の5〜7倍に達し、上位ブレーカーをトリップさせる、または同じ系統の他機器に電圧降下の影響を与えるリスクがあります。5.5kW以上の電動機ではY-Δ始動で始動時にスター結線にし、始動電流を1/3に抑えてから運転時にデルタ結線へ切り替えるのが標準です。インバータ始動はさらに滑らかな始動が可能で、ソフトスタート用途で採用されます。

Q7:フロートスイッチ4段制御って何ですか?

排水ポンプの自動運転で使う水位検知方式で、4本のフロートスイッチで4段階の階層制御を組みます。第1段(Low):両ポンプ停止、第2段(Mid):リード機起動、第3段(High):フォロー機も起動(同時運転)、第4段(Alarm):満水警報+同時運転継続、という階層です。これで通常時は1台で処理し、流入量が多い時は2台で処理し、異常時は警報を出す制御が実現します。

Q8:満水警報はどこに上げますか?

中央監視盤(中央監視室)と防災センターに上げるのが原則です。マンションなら管理人室、ビルなら防災センターまたは設備管理室です。満水警報が鳴ってから対応するまでの時間が短いほど被害が小さいので、24時間体制で監視する場所への接続が望ましい設計です。接続には制御盤の警報接点を使い、建物の中央監視システムにdry接点で取り込みます。

Q9:非常電源(防災電源)への接続は必須ですか?

排水ポンプは原則として非常電源(防災電源)に接続します。停電時に排水機能が止まると地下階の溢水・冠水で建物機能が止まる影響が大きいためです。非常用発電機の容量計算でも、排水ポンプは負荷として算入します。設計図書で「非常用電源対象」と書かれているか必ず確認し、書かれていない場合でも設備担当者と確認するのが安全です。

Q10:1級電気工事・管工事施工管理技士の試験で排水ポンプはどう問われますか?

一次(学科)では2台1組の原則、Y-Δ始動の閾値、D種接地の抵抗値、全揚程の計算式、フロートスイッチ4段制御の中身が選択肢で問われます。二次(実地)では経験記述で「給排水設備工事の品質管理項目を3つ挙げよ」というパターンで、汚水水中ポンプを2台1組で交互運転、Y-Δ始動で始動電流抑制、D種接地で接地抵抗100Ω以下、満水警報を中央監視盤に接続、防災電源系統への接続、の中から3点を選んで書けるようにしておくと安定して点が取れます。

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