- 電柱ってなに?
- 電柱番号って?
- どんな種類の電柱があるの?
- サイズは?
- 無電柱化について知りたい
- 電柱の付属品って?
- どうやって施工するの?
上記の様な悩みを解決します。
電柱ってよく見ると、下から上に行くにつれて細くなってますよね。ただの棒、単純に見える電柱は意外と奥深いものです。今回はその電柱について深掘りしていこうかなと思います。
この記事では電柱とは?といったところから、種類、付属品、施工方法、規格などについて解説していきます。
なるべく専門用語は使わずに分かりやすい表現で記事をまとめていくので、それなりに信憑性の高い記事になっているかなと思います。
電柱とは?
電柱とは、電線を支える柱のことです。
家で電気を利用する為には、発電所から電気を持ってくる必要があります。発電所から家まで電気を送るために電線を使う訳ですが、道端に電線が転がっていたら危ないですよね。
そこで登場するのが電線です。電柱があることによって電線を道端ではなく、空中に配置します。すると電線が人の邪魔にならなくなります。ここまでがざっくりの解説です。
もう少し詳細に説明すると、あなたがイメージするコンクリートの柱には下記2種類あります。
電柱の種類
- 電力柱
- 電信柱
名前からある程度想像がつくかと思いますが、「電力柱」は電力を送る為に使われます。
先ほどの例にもある通り、発電所から家やビルなどに電気エネルギーを送電する為に用いられます。会社で言うと東電や関電といった電力会社をイメージすれば相違ありません。
それに対して「電信柱」は、電話線を支えるための柱です。
NTTとかKDDIとか、そっち系となります(通信会社専用)。電信の「信」は「通信の信」と覚えましょう。正確に言うと、「電柱」というのは、「電力柱」ではなく「電信柱」のことを指します。
電柱の規格
電柱の規格
- 電力柱:11m、12m、13m、14m、15m、16m
- 電信柱(電柱):8m、10m、12m、15m、16m
電柱番号とは?
電柱番号とは、電柱に書かれているアドレス(住所)のようなものです。
なお実際の住所とは異なります。
多くの人からすればどうでもいいような情報ですが、この情報が役に立つのは「新築工事をやる電気設備工事業者」です。
KDDI等の通信業者と打合せを行う際や、東電などの電力会社と打合せを進めていく際に電柱番号をメモしておくと会話がスムーズに進めます。
- 「この電柱から引き込みはできるか?」
- 「この電柱から受信することはできるか?」
会話を進める時に、「だいたいこの辺にある電柱」では進みません。電柱番号があれば「ここ!!」と伝わります。暇があったら写真を収めておきましょう。
無電柱化について
引用:国土交通省
無電柱化とは、電線を電柱で支えるのではなく、地面の中に埋めてしまうことです。すると電柱は必要ありませんよね。だから「無電柱化」です。
上図は外国と日本の無電柱化の進行具合に関するグラフとなります。国土交通省のHPより持ってきました。
いや、日本遅れすぎだろって話ですよね。ロンドンやパリ、香港やシンガポールでは100%無電柱化が完了しているのに対し、日本で一番進んでいる東京都は8%という。。。
日本では全然無電柱化は進んでいません。このままでいいんですかね?いや、ダメですよね。普通に邪魔だし不便です。無電柱化は進めなきゃいけない。
となると、今後、無電柱化する業者のニーズは高まりますよね。仕事に困っている施工業者は参入を検討するのもいいかもしれません。(そこまで難しい工事ではないし)
無電柱化が終了したら需要は無くなりますが、日本ではまだ95%以上電柱なのでうまい蜜を吸えると思います。
無電柱化が進まなくても、そこまで困らないので優先順位は低い。ゆっくりダラダラと無電柱化が進んでいくことが想定できますね。
電柱の種類
コンクリートポール
皆さんが想像する電柱は、だいたいこれです。コンクリの柱(ポール)です。
何故みなさんが「コンクリートポール=電柱」とイメージするのかと言いますと、普及率がえげつないからです。電柱はほとんどコンクリートポールです。
普及率がエグい理由としては、価格が安く耐久性に優れるからです。
木柱
その名の通り「木の柱」です。絶滅危惧種。今、使われてるところとかあるんですかね?田舎に行けばあるのかもしれない。。。
木なので、コンクリートポールに比較すると耐久性は弱いです。
鋼管柱
鋼管柱とは、その名の通り「鋼でできた柱」です。
鋼でできているので強度に優れます。ただ、金属でできているので錆びます。これがあまり普及されていない原因なのではないのかなと思われます。
電柱の根入れ
「根入れ」とは、電柱をどれくらい地中に埋める長さのことです。
例えば、10mの電柱があったとして、8mを地上に埋めて2mを地中に埋めたら根入れ長さは2mとなります。ちなみに、電柱に限らず建物基礎の埋設長さも「根入れ長さ」と言います。
電気設備技術基準にて、電柱の根入れ長さは決まっています。
電気設備技術基準における電柱の根入れ長さ
- 全長15m以下の電柱:根入れ長さ→全長の1/6
- 全長15mを超える場合:根入れ長さ→2.5m以上
比較的、会社の敷地内にある電柱は高さが15以下の電柱が多いので、全長の1/6を埋めることが多そうです。逆に、道路に施工されてる電柱は比較的高さの大きいものなので、2.5mは埋設することになりそうですね。
なんにせよ、施工する電柱の高さを把握し適切な長さを根入れしましょう。
もちろん、数字をジャストにする必要はありません。
もし10mの電柱を施工するとなると、10mの1/6は1.667mですよね。1.667mジャストを施工することはできないので、1.8mにする。。。といった感じです。そこはうまくやりましょう。
電柱の施工方法
電柱の施工方法
- 穴を掘って
- 電柱を突っ込んで
- 付属品を付ける
上記が電柱を施工する大まかな流れです。
まずは「穴掘建柱車(通称:オーガ)」を使って穴を掘ります。イメージとしては、ボウリング調査に使われる車をイメージすると分かりやすいです。
オーガを使って穴を掘ったら、電柱をツッコミます。
ただ、電柱単体では自立しないので「根枷」という支持材を使います。
例えば、割り箸を砂場に指してみたとしましょう。割り箸単体では倒れてしまいますよね。そこで、割り箸の足元に垂直の枷を付けるとどうなるでしょう。
倒れないんですよ、これが。暇な人は是非やってみましょう。割り箸と輪ゴムがあればできます。
あとは色々と付属品をつければ完成です。
電柱の付属品(トランス、PAS、その他、、、)
電柱の付属品
- トランス
- PAS
- 根枷
- エントランスキャップ
- 支線ブロック
- 支線ガード
- 巻付グリップ
- etc…
といっても、よく分かりませんよね。笑
電柱の付属品を大きく分けると2つに分類することができまして、それは「電柱を支える為の付属品」と「電線関係の付属品」の二つです。
まずは「電柱を支える為の付属品」ですが、先ほどの「根枷」以外にもあります。電柱をよーく見ると、先っちょからワイヤーのようなものが伸びていることが分かります。これを支線と呼びます。
見にくくて申し訳ないですが、上の写真の右上あたりに写ってるのが支線です。あとは、支線関連の部材がいくつかあります。
- 玉碍子(たまがいし)
- 巻付グリップ
- 支線ガード
- 支線ブロック
次は「電線関係の付属品」ですが、これはねー解説がめんどくさい。心折れそう。いや頑張ります。
電柱には「電線が通過するだけの電柱」と「電線を引き込む電柱」の2種類が存在しています。「電線が通過するだけの電柱」に関しては、特に付属品は必要ありません。あまり気にしなくてもいいです。
問題は「電線を引き込む電柱」です。これは付属品がいくつも付きます。
大まかな流れとしては、「PAS→VCT→トランス(TR)→引き込み」といった感じでして、それに伴って下記のような付属品が必要になります。
- 高圧ピン碍子
- 電線管
- 保安器
- 積算電力計盤
- FEP管
- CEE(6.6kV)
あと忘れてましたが、足場ボルトも付属品として必要ですね。
電柱に関する情報まとめ
電柱に関する情報まとめ
- 電柱とは:電線を支える柱
- 電柱番号:電柱に書かれている住所みたいなもの
- 電柱の種類:コンクリートポール、木柱、鋼管柱
- 電柱の根入れ:15m以上なら1/6以上、15mを超えるなら2.5m以上
- 電柱の施工方法:穴掘って、電柱を突っ込んで、付属品をつける
以上が電柱に関する情報のまとめとなります。
電柱を施工できる人のニーズは今後も高まっていきます。もし電柱施工を任された場合は是非挑戦して、自分のスキルを向上していきましょう。