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雨水排水とは?設計の流れ、流量計算、勾配、ますの種類など

  • 雨水排水ってなに?
  • 雑排水・汚水と何が違う?
  • 流量ってどうやって計算するの?
  • 配管の勾配はいくつにすればいい?
  • 雨水ますって普通のますと違う?
  • 浸透ますって最近よく聞くけど何?

上記の様な悩みを解決します。

「雨水排水」は屋上ドレンから道路の側溝までの意外と長い系統で、設計を間違えるとゲリラ豪雨で建物が浸水します。設備施工管理として一通り押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

雨水排水とは?

雨水排水とは、結論「屋根や敷地に降った雨水を、下水道・側溝・浸透施設に流すための排水設備」のことです。英語ではStorm Water Drainage。

身近な例だと、マンション屋上のルーフドレン→竪樋→敷地の雨水ます→公共下水(雨水桝)に至るまでの一連の配管・桝が雨水排水の系統。

雑排水(台所・浴室)や汚水(トイレ)と違って、「水質はキレイだけど、量がドカッと一気に来る」という特徴があります。だから配管径も大きく、流量計算も独特なんです。

雑排水・汚水との違いはこちら。

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雨水排水と雑排水・汚水の違い

最も混同されやすい3者の違いを表にすると以下。

項目 雨水 雑排水 汚水
発生源 屋根・敷地 キッチン・浴室・洗面 トイレ
一時的に多量 日常的に少量 日常的に少量
水質 きれい やや汚れあり 汚物含む
配管色 灰色・水色(区別表示) グレー グレー
トラップ要否 不要

特に重要なのが「量が一時的に多量」という点。ゲリラ豪雨では1時間に100mm近い降雨を想定する必要があり、配管径も150〜300mmといった太いものが必要になります。

下水道側で「分流式」と「合流式」のどちらを採用しているかで、雨水排水の出口が変わります。

分流式と合流式の違い

  • 分流式:雨水と汚水を別系統で流す(雨水は河川直接放流が多い)
  • 合流式:雨水と汚水を同じ管で流す(旧市街地に多い)

新規開発エリアはほぼ分流式、東京・大阪・名古屋の都心は合流式が残っています。設計時にまず「この敷地は分流式か合流式か」を上下水道局で確認します。

雨水排水の流量計算(合理式)

雨水排水の流量計算で最も使われるのが「合理式」

合理式の公式

Q = 1/360 × C × I × A
  • Q:計画雨水流量(m³/s)
  • C:流出係数(地表面の特性で決まる)
  • I:降雨強度(mm/h、確率年×降雨継続時間で決まる)
  • A:排水面積(ha=ヘクタール)

流出係数Cの目安

地表面 流出係数
屋根(陸屋根・勾配屋根) 0.85〜0.95
アスファルト舗装 0.85
コンクリート舗装 0.80
砂利・砕石 0.30〜0.50
芝生・庭園 0.20〜0.30
裸地 0.50

降雨強度Iの目安

  • 東京の5年確率5分間降雨:約100〜130mm/h
  • 東京の30年確率10分間降雨:約150mm/h程度

つまり「アスファルト舗装+勾配屋根の雨水を、5年確率の降雨で流せる管径を選ぶ」というのが基本の計算手順。最近のゲリラ豪雨頻発で、自治体によっては10年確率・30年確率を採用する例も増えています。

配管の勾配と管径

雨水排水管の勾配と管径の選定は、マニング式(流速計算)または各自治体の標準図に従います。

管径 最小勾配 流量目安(満流時)
VP75(外径75mm) 1/100 約0.7L/s
VP100 1/100 約1.5L/s
VP125 1/120 約2.7L/s
VP150 1/150 約4.5L/s
VP200 1/200 約9.5L/s
VP250 1/250 約16L/s
VP300 1/300 約24L/s

「管径×100分の1の勾配」が大まかな目安で、150mmなら1/150、200mmなら1/200くらい。これより緩い勾配だと流速が遅くなって泥が溜まるので避けます。

逆に急勾配にしすぎても、水だけ先に流れて泥が残るので、おおよそ1/50〜1/300の範囲に収めるのがセオリー。

ドレン関連はこちら。

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雨水ますの種類と構造

雨水排水の系統で重要なのが「雨水ます」。配管の合流点・方向転換点・点検箇所に設置されます。

雨水ます(インバートなし・泥溜め式)

最も一般的な雨水ます。底に150mm以上の泥溜めを設けて、流入してきた泥砂を沈殿させます。

雨水ますの特徴

  • 内寸350〜600mm角または丸
  • 泥溜め深さ150mm以上(自治体標準)
  • 蓋は雨水用(汚水用と区別)
  • 設置間隔は管径の120倍以下が目安

汚水ますは「インバート(流れを誘導する半円溝)」を底に作りますが、雨水ますは泥溜めが優先で、インバートは作らないのが普通。

浸透ます

最近増えているのが浸透ます雨水を地中に浸透させて公共下水負担を軽減する目的。

浸透ますの特徴

  • ます側面・底面に多数の浸透孔
  • 周囲に砕石(透水層)を充填
  • 透水シートで土の侵入を防ぐ
  • 自治体によっては助成金あり

東京都・横浜市・千葉市などでは「敷地内雨水流出抑制」を条例で義務化しているところもあり、新築時に浸透ます・浸透トレンチの設置が要求されます。

グレーチング(側溝)

ます以外でもグレーチング(鋼製格子蓋)の側溝で雨水を集水することがあります。建物外周や駐車場で多用。

グレーチング側溝の特徴

  • 鋳鉄製・鋼製がメイン
  • 適用荷重区分(T-2、T-14、T-25)で選定
  • 落葉・ゴミが詰まりやすい→定期清掃必須
  • 凍結注意(雪国は凹みに水溜りやすい)

グレーチングの詳細はこちら。

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雨水排水の施工管理ポイント

施工管理として現場で押さえるべきポイントを5つ。

雨水排水の施工管理ポイント

  1. 管底高さの管理:上流のますから下流のますまで、設計勾配を保つ
  2. 接続部の水密性:継手部のゴム輪・接着剤を確実に
  3. 埋戻し時の管の浮き上がり防止:両側を均等に埋戻し、転圧
  4. 泥溜め深さの確保:施工後にますの底に泥が溜まらないか確認
  5. 公共桝接続の事前協議:上下水道局との事前協議書類を忘れずに

特に1の「管底高さの管理」は致命的。上流のます管底GL-1.0m、下流のます管底GL-1.05mで設計だったのに、施工時に5mm勾配が緩んで逆勾配になっていた…なんてことも。

水準器・トランシットでの計測を接続毎にやって記録に残すのが鉄則。後で判明すると掘り返しなので、こまめなチェックが時間を救います。

雨水排水でやらかしがちなトラブル

実務でよくある失敗を5つ。

雨水排水あるある失敗

  1. 流量計算の過小評価:5年確率で設計したらゲリラ豪雨で溢水
  2. 公共桝接続位置の食い違い:図面と実物の桝位置が違って高さが合わない
  3. オーバーフロー対策の欠如:竪樋詰まり時に屋上に水が溜まって防水破損
  4. 泥溜めの不足:泥溜め150mm未満で設置→泥が下流まで流れて閉塞
  5. 浸透ます設置位置の不適切:地下水位が高い場所に設置→浸透不能

特に3の「オーバーフロー対策の欠如」は、最近のゲリラ豪雨多発で見直されつつあるポイント。屋上ルーフドレンが落葉で詰まると、屋上に水が溜まって防水を破壊→室内浸水という事故が増えています。ルーフドレン横に「オーバーフロー管」を設けて、詰まり時に外壁から水を逃がす設計が標準になりつつあります。

雨水排水に関する情報まとめ

  • 雨水排水とは:屋根・敷地の雨水を下水・側溝・浸透施設に流す排水設備
  • 雑排水・汚水との違い:水質はきれいだが量が一時的に多い、トラップ不要
  • 分流式vs合流式:新規エリアは分流式、都心の旧市街地は合流式が多い
  • 流量計算:合理式 Q=1/360×C×I×A、流出係数と降雨強度で決まる
  • 勾配:管径×100分の1が目安、流速確保のため緩めも急もNG
  • 主なます:泥溜め式雨水ます/浸透ます/グレーチング側溝
  • 施工ポイント:管底高さ厳守、接続水密性、埋戻し転圧、公共桝接続協議
  • オーバーフロー対策:ゲリラ豪雨時の屋上溢水を逃がす管が標準化中

以上が雨水排水に関する情報のまとめです。

一通り雨水排水の基礎知識は理解できたと思います。「合理式で流量を出す」「管径の100分の1勾配」「オーバーフロー対策の標準化」を押さえておけば、設計レビューや現場検査での指摘ポイントを外しません。

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