- 内径ってなに?
- 外径と何が違うの?
- JISの呼び径と内径って同じ?
- 電線管のサイズ表で見る数字は内径?外径?
- ケーブル収容率の計算で内径を使うのはなぜ?
- 現場で内径を測るときの注意点は?
上記の様な悩みを解決します。
「内径」は配管や電線管の内側の直径のことで、施工管理の現場ではケーブル本数の収容計算や継手の選定で必ず登場します。ややこしいのは、JISで定められた「呼び径」と「内径」と「外径」が必ずしも一致しないこと。例えばE19の電線管の呼び径は19ですが、外径はもう少し大きく、内径はもう少し小さい。これを知らずに収容計算をすると、現場でケーブルが入らない事故につながります。本記事では電気施工管理の視点で、内径と外径の関係、JIS呼び径との対応、収容率計算での使い方まで一通り整理します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
内径とは?
内径とは、結論「配管・電線管・ホース等の、内側の直径」のことです。
英語では Inside Diameter(インサイド・ダイアメーター)、略して ID。図面や仕様書では ID や φ と書かれることが多く、「φ20」と書いてあれば「直径20mm」を表します(内径か外径かは文脈で判断)。
ざっくりイメージ
ストローを切って断面を見たとき、
- ストローの内側の穴の直径 → これが内径
- ストローの外側の縁から縁まで → これが外径
- 内径と外径の差の半分 → 肉厚(にくあつ)
→ 配管や電線管も同じで、「中を通すもの(液体・ケーブル)が通れる空間のサイズ」が内径、「外から見た管の太さ」が外径。
式で関係を整理する
内径・外径・肉厚は、次の式で必ず結びつきます。
外径 = 内径 + 2 × 肉厚
内径 = 外径 − 2 × 肉厚
→ どれか2つわかれば残り1つは計算で出る。これが配管・電線管のサイズ表を読むときの基本式。
配管の内径と外径の関係(例)
| 種類 | 呼び径 | 外径(OD) | 内径(ID) | 肉厚 |
|---|---|---|---|---|
| SGP(白ガス管) 25A | 25A | 34.0mm | 27.6mm | 3.2mm |
| VP管 25 | 25 | 32.0mm | 26.0mm | 3.0mm |
| HIVP管 25 | 25 | 32.0mm | 25.0mm | 3.5mm |
→ 同じ「呼び径25」でも、素材(鋼管/塩ビ)・規格(VP/HIVP)が変われば内径も外径も変わる。「呼び径=内径」と思い込むと現場で痛い目に遭います。
なぜ電気施工管理で内径が大事か
電気工事ではケーブルを電線管に通すのが基本作業ですが、収容できるケーブル本数は内径で決まります。具体的には、
- 電線管の断面積(πr²)を内径から計算
- ケーブルの仕上り外径からケーブル断面積を計算
- ケーブル合計面積 ÷ 電線管断面積 = 収容率(目安32%以下、内線規程)
→ ここで外径で計算してしまうと、本来通らないはずのケーブル本数で施工してしまい、後の追加工事で電線管が破裂する…なんてトラブルが起きます。
電線管の基本はこちらの記事も参考にしてください。

内径と外径の違い
施工管理の現場で「内径と外径、どっちで言ってる?」を取り違えると指示と実物が合わなくなります。整理します。
①基本の違い
| 項目 | 内径(ID) | 外径(OD) |
|---|---|---|
| 測る場所 | 管の内側の直径 | 管の外側の直径 |
| 大小関係 | 必ず外径より小さい | 必ず内径より大きい |
| 用途 | 通す物のサイズ判定(ケーブル・流体) | 取り付け・固定金具の選定 |
| 図面表記 | ID φ◯ | OD φ◯ または φ◯ のみ |
→ 「中に何を通すか」を考えるなら内径、「外に何を取り付けるか」を考えるなら外径、と覚えると混乱しません。
②使い分けの場面
施工管理の場面別に整理すると、
- ケーブル収容率の計算 → 内径
- 電線管サドル金具の選定 → 外径(管の外側に金具を巻くから)
- カップリング・コネクタの選定 → 外径(管の外側にねじが切られるから)
- 配管継手の口径(ジョイント部) → 内径(継手の中に管を差し込むなら、継手の内径=管の外径)
→ つまり「物が当たる側の寸法」を見るのが基本。サドルは外側に当たるから外径、ケーブルは内側に通すから内径。
③呼び径(公称サイズ)との関係がややこしい
JIS規格の呼び径は、内径でも外径でもない「目安の数字」で、種類によって何を指すかが変わります。
| 規格 | 呼び径が指すもの |
|---|---|
| SGP(配管用炭素鋼鋼管) | 内径に近い値(ただし完全一致ではない) |
| 厚鋼電線管(G管) | 内径(おおよそ) |
| 薄鋼電線管(C管) | 外径(おおよそ) |
| ねじなし電線管(E管) | 外径(おおよそ) |
| VP・HIVP(塩ビ管) | 内径ベース |
| FEP管 | 内径ベース(波付き内側の直径) |
→ つまり「同じ呼び径30の電線管」でも、G管とE管では実寸が全然違う。これがJISの紛らわしさです。「迷ったら一覧表を見る」が正解。
④現場での口頭やり取り
職人さんとの会話では、
- 「32の管」 → 通常は呼び径32
- 「32φ(さんじゅうにファイ)」 → 直径32mm(内外径不明、文脈次第)
- 「外32」 → 外径32mm
- 「内32」 → 内径32mm
→ 口頭でやり取りすると、「外32と思って買ったら呼び径32(=実寸別物)だった」みたいな勘違いが起きやすい。書面で内径か外径かを必ず明記するのが現場のコツです。
電線管のサイズ選定はこちらも参考にしてください。

配管・電線管の内径(JIS呼び径との対応表)
代表的な配管・電線管のサイズ表を整理します。実務でよく使う「呼び径と実内径の対応」がこれ。
①電線管の内径対応表(代表値)
| 種類 | 呼び径 | 外径(OD) | 内径(ID) | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 厚鋼電線管G | 16 | 21.0mm | 16.4mm | 屋外・湿気・機械的保護 |
| 厚鋼電線管G | 22 | 26.5mm | 21.9mm | 同上 |
| 厚鋼電線管G | 28 | 33.3mm | 28.3mm | 同上 |
| 薄鋼電線管C | C19 | 19.1mm | 16.9mm | 屋内・露出・隠蔽 |
| 薄鋼電線管C | C25 | 25.4mm | 23.0mm | 同上 |
| ねじなしE | E19 | 19.1mm | 16.7mm | 屋内一般 |
| ねじなしE | E25 | 25.4mm | 22.7mm | 同上 |
| FEP管 | FEP30 | 41mm | 30mm(波付内側) | 地中埋設 |
| FEP管 | FEP50 | 62mm | 50mm(波付内側) | 同上 |
| PF管 | PF16 | 23.0mm | 16.0mm | 屋内・床下隠蔽 |
| CD管 | CD16 | 21.0mm | 16.0mm | コンクリート埋設のみ |
→ 同じ「16」でも、G管は内径16.4mm、PF管は内径16mm、薄鋼C管は内径16.9mm。1〜2mmの違いに見えますが、これがケーブル収容率では大きな差になります。
②水道・配管の内径対応表(代表値)
| 種類 | 呼び径 | 外径(OD) | 内径(ID) | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| SGP白ガス管 | 15A | 21.7mm | 16.1mm | 給水・給湯 |
| SGP白ガス管 | 20A | 27.2mm | 21.6mm | 同上 |
| SGP白ガス管 | 25A | 34.0mm | 27.6mm | 同上 |
| VP管(肉厚塩ビ) | 13 | 18.0mm | 13.0mm | 給水 |
| VP管(肉厚塩ビ) | 20 | 26.0mm | 20.0mm | 同上 |
| HIVP管 | 13 | 18.0mm | 12.0mm | 給水(耐衝撃) |
| HIVP管 | 20 | 26.0mm | 19.0mm | 同上 |
→ 塩ビ管は呼び径=内径に近い(VP管なら呼び径20=内径20mm)、鋼管は呼び径より内径が大きい(SGP25A=内径27.6mm)。これは規格の歴史的経緯による違いです。
③肉厚の違いで内径が変わる
同じ外径の管でも、肉厚の異なる規格が併売されているケースがあります。
- VP管(20)と HIVP管(20): 外径は同じ26mm、内径はVP=20mm/HIVP=19mm(HIVPは耐衝撃のため肉厚増)
- SGP白(配管用炭素鋼鋼管)と STPG(圧力配管用炭素鋼鋼管): 外径同じ、内径違う
→ 「外径で互換性あり、内径で性能差あり」が肉厚違いシリーズの特徴。継手は共用できても、流量計算や収容計算では内径を見ないと失敗します。
FEP管の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

ケーブル収容率の計算と内径
電気施工管理者として一番実務で内径を使う場面がこれ。ケーブル収容率の計算です。
①基本の計算式
収容率 = (ケーブル合計断面積) ÷ (電線管の有効断面積) × 100
電線管有効断面積 = π × (内径 / 2)²
→ 電線管の内径を使うのがポイント。外径で計算すると本来より広い断面積で計算してしまい、過剰本数で詰めてしまいます。
②内線規程の収容率目安
内線規程(2022年版)では、
- ケーブル(VVFやCV等)の場合: 32%以下
- 絶縁電線(IV線)の場合: 48%以下
→ ケーブルは硬く曲がりにくいので32%、IV線はしなやかなので48%まで。これは「通線時に詰まらず、また放熱を妨げないため」のルール。
③具体例で計算してみる
PF16(内径16mm)の電線管に、VVF1.6-2C(仕上り外径8mm)を何本通せるか?
電線管有効断面積 = π × (16/2)² = π × 64 = 201 mm²
ケーブル1本の断面積 = π × (8/2)² = π × 16 = 50.3 mm²
収容率32%以内 → 許容ケーブル合計面積 = 201 × 0.32 = 64.3 mm²
通せる本数 = 64.3 ÷ 50.3 = 1.28 → 1本まで
→ つまり「PF16にVVF1.6-2Cは1本だけ」。2本通したら32%超え(20%×2=40%相当)になります。
④よくある現場の失敗
- 「PF16にVVF2本くらい入るやろ」 → 計算上アウト。後で追加配線できず、電線管自体を上げ替える羽目に
- 「呼び径16だから内径16として計算」 → G管なら内径16.4、PF管なら16、C管なら16.9でばらつき。規格表で実内径を確認するのが正しい
- 「外径で計算した」 → 実際より大きい本数を入れて通線できず、ケーブルを引き戻して入れ直し
→ 内径ベースで計算すれば防げるトラブルがほとんど。収容率は内径、を頭に叩き込むのがコツ。
電線管の選定全般はこちらの記事も参考にしてください。

内径を現場で測るときの注意点
設計時は規格表で済みますが、現場では実物の内径を測るシーンもあります(既存配管へのケーブル増設・改修時など)。
①直接測る場合
- ノギス・キャリパーで管の内側を測定
- 楕円変形しているケースが多いので、最低3方向で測って最小値を採用(ケーブルが通る最も狭い箇所がボトルネック)
- 配管内に錆や付着物がある場合は有効内径=規格内径−片側1〜2mmで見ておく(改修工事の安全側設定)
②外径と肉厚から逆算する場合
- 内径が直接測れないとき、外径と肉厚を測って内径を計算(肉厚はノギスで管端を測定)
- 内径 = 外径 − 2×肉厚 で算出
- 鋳鉄管・ヒューム管などは肉厚が場所によって変動する点に注意
③メーカーへの問合せ
- 既設管の規格が不明なら、メーカー名・呼び径・年代からメーカーカタログの実内径を取得
- 古い管(20年以上前)は現行規格と内径が違うケースあり。現物確認とカタログ確認の両方でクロスチェック
④施工管理者として現場で見る視点
僕も電気施工管理時代、改修工事で「既設PF16が実は16.5mmあったので追加1本だけ入った」というラッキーケースがありました。一方、「呼び径22のはずが内側に錆が厚く付着して有効内径18mm程度」で予定本数が通らない現場もあった。
→ 規格表は参考にするが、改修工事では現物実測が必須。新築なら規格通りでOKだが、既設配管の流用は油断するとトラブルになります。
外径の話はこちらの記事も参考にしてください。

内径に関する情報まとめ
最後に、内径の重要ポイントを整理します。
- 定義:配管・電線管の内側の直径(Inside Diameter、ID)
- 関係式:外径=内径+2×肉厚
- JIS呼び径との関係:規格によって呼び径が内径か外径かが違う(G管・PF管は内径ベース、C管・E管は外径ベース)
- 電線管の用途別:収容率計算は内径を使う、サドル金具・カップリングは外径を使う
- 収容率:π×(内径/2)²で電線管断面積を出し、ケーブル合計面積÷電線管断面積×100で算出
- 内線規程の目安:ケーブル32%以下、絶縁電線48%以下
- 現場での測定:楕円変形・錆を考慮し、最低3方向の最小値を採用
- 改修工事:規格表だけでなく現物実測が必須
以上が内径に関する情報のまとめです。
内径は「ただの寸法」と思われがちですが、電気施工管理の現場ではケーブル収容率計算の中心になる数値で、外径と取り違えると施工がそのまま止まります。呼び径=内径とは限らない規格があること、収容率は内径から円面積を計算してN本に割り当てること、改修工事は規格表を信じずノギスで実測することを抑えておけば、配管・電線管選定での発注ミスは大幅に減らせます。一通り内径の基礎知識は理解できたと思います。
合わせて読みたい関連記事はこちら。









