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キャブタイヤとは?種類、用途、許容電流、サイズ、選び方など

  • キャブタイヤってなに?
  • VCTやCTとは何が違うの?
  • 屋外や仮設で使えるの?
  • サイズや許容電流はどう決めるの?
  • 一般のVVFケーブルじゃダメ?
  • 施工管理として何に気をつければいい?

上記の様な悩みを解決します。

「キャブタイヤ」はゴム被覆を採用した移動用・可搬用の電源ケーブルで、現場の仮設電源や動力機器への給電で日常的に使われる電線です。現場監督が一度は耳にする言葉ですが、VCT・PNCT・CTなどの種類や用途別の使い分けを整理しないまま発注すると、許容電流不足で発熱したり、屋外で被覆が劣化したりとトラブルの種になります。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

キャブタイヤとは?

キャブタイヤとは、結論「ゴム系の被覆で覆われた、移動用・可搬用の電源ケーブル」のことです。

正式名称は「キャブタイヤケーブル(cabtyre cable)」で、JIS C 3327などで規格化されているゴム絶縁・ゴムシースの可とう性ケーブルです。「タイヤ」という言葉どおり、ゴム被覆の弾力で外傷・摩擦・屈曲に強く、現場で踏まれたり引きずられたりする使い方に耐える設計になっています。

→ ざっくり、「現場で乱暴に扱ってもOKなように、ゴム被覆で頑丈に作った移動用ケーブル」がキャブタイヤ、というイメージです。

基本特徴とVVFとの違い

キャブタイヤの基本特徴は、被覆が天然ゴムまたは合成ゴム(クロロプレンゴム等)、絶縁体がエチレンプロピレンゴム(EPゴム)など、形状は丸形ケーブルで複数心線が撚り合わされた構造、可とう性(曲げ・引きずりに強い)、使用形態が固定配線ではなく移動用・仮設用、というあたり。

VVFケーブルとの一番の違いは、VVFがビニル絶縁・ビニルシースで住宅の固定配線用、キャブタイヤがゴム被覆で移動用・現場仮設用、ということ。VVFは動かさない前提、キャブタイヤは頻繁に動かす前提で設計されている、という設計思想の違いがあります。

現場での呼ばれ方とゴム被覆の理由

現場で「キャブ」と呼ばれるシーンは、「キャブで電源を取って」(仮設盤からのドラムリール)、「キャブを伸ばして」(機器までの延長)、「キャブが踏まれてる」(通路上の養生不足の指摘)、というあたり。

ゴム被覆の理由は、耐摩耗性(踏まれても破れにくい)、耐屈曲性(曲げても折れない)、耐寒性(寒冷地でも硬化しにくい)、耐衝撃性(工具を落としても切断しにくい)、というメリット。ビニル系のVVFやIV線を「現場で乱暴に扱う」と被覆が割れて危険なので、移動用にはゴム被覆のキャブタイヤを使う、というのが基本ルールです。

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キャブタイヤの種類

キャブタイヤには用途・耐熱・耐候性で複数のグレードがあります。

CT・VCT・PNCT・2PNCT

代表的な種類は次の通りです。

CT(キャブタイヤケーブル)は最も一般的なキャブタイヤで、屋内の仮設電源・移動機器、天然ゴム被覆が基本、直射日光や雨に長期さらされる用途には不向き。VCT(ビニルキャブタイヤケーブル)は被覆が塩化ビニル(PVC)、ゴムよりコストが安く、屋内の動力配線・移動機器で広く使用、「ビニルキャブ」と呼ばれることも。厳密には「ゴムキャブ」ではないが、現場では同じカテゴリで呼ばれます。

PNCT(耐熱・耐候 クロロプレンキャブタイヤ)は被覆がクロロプレンゴム(CR)で、耐候性・耐油性・耐熱性が高く、屋外・直射日光下・油のかかる環境で使用、「屋外仮設の主役」です。VCTより価格は高いが、屋外に置くなら必須グレード。2PNCT(耐燃性クロロプレンキャブタイヤ)はPNCTに難燃性を加えたもので、火気を扱う作業近傍・船舶などで使われます。

CVは固定配線用の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルで別物、VCTとCVは名前が似ているがまったく別のケーブル、というのは混同しないようにします。

3種・4種・代表的な使い分け

3種は内シースと外シースの2層構造で強度が高い、4種は3種の外側に布または鋼帯、クレーン・坑内・船舶など極めて過酷な環境向け、というハイグレード。建築現場では2種・1種が中心です。

現場で使う代表的な組み合わせを表で整理しておきます。

用途 推奨グレード
屋内の仮設電源・移動工具 VCT(ビニルキャブ)
屋外の仮設盤〜機器の動力配線 PNCT(クロロプレン)
短時間・短距離の屋内延長 CT
雨ざらしの長期仮設 PNCTまたは2PNCT
火気近傍 2PNCT

→ VCTを屋外に放置すると、半年ほどで紫外線で被覆が硬化してパキパキ割れ始めます。屋外で長期使うならPNCTが鉄則です。

「キャブテック」は商品名・通称が混じるケースがあり、発注時はJIS規格名(VCT・PNCTなど)で書面指定するのが確実です。

キャブタイヤのサイズと許容電流

キャブタイヤのサイズは心線の太さ(mm²)と心数(C)で決まります。動力機器の電流値から逆算してサイズを決めるのが基本です。

よく使うサイズと心数

よく使うサイズ(VCT・PNCT共通)を表で整理しておきます。

サイズ 心数(よく使う) 主な用途
2sq 2C・3C 単相100V/200V小型機器
3.5sq 3C・4C 三相200V小型動力(5kW以下)
5.5sq 3C・4C 三相200V中型動力
8sq 3C・4C 三相200V大型動力
14sq 4C 仮設盤からの主幹級
22sq 4C 大型仮設電源
38sq 4C 主仮設盤の引込み級

心数は、2C(単相100V・電圧線2本)、3C(単相200Vまたは三相200V・接地線含む)、4C(三相200V+接地線)、と用途で選びます。接地(アース)線を別途引かず、ケーブル内で接地まで含めるのが基本です。

許容電流・電圧降下・ドラム巻き

許容電流の参考値(空気中・40℃以下)は、2sqで約27A、3.5sqで約37A、5.5sqで約49A、8sqで約61A、14sqで約88A、22sqで約115A、という目安。数値は周囲温度・布設方式・JISの該当表で必ず確認し、夏場の屋外仮設・盤内・束ね布設では低減率を必ずかけます。

仮設電源は距離が長くなるため、許容電流だけでなく電圧降下を必ずチェックします。末端機器の定格電圧の許容範囲(一般に±10%)に収まるサイズを選び、距離が長い・始動電流が大きい機器ほど1〜2サイズ太くするのが安全です。

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ケーブルドラムに巻いたまま通電すると放熱が悪化し、許容電流が70〜80%程度に低減します。長時間の高電流負荷ではドラムから引き出して使用するのが鉄則。

呼び方と端末処理

サイズの呼び方はmm²(スケア/sq)が基本で、「2スケ」「5.5スケ」「14スケ」と呼ぶのが現場の慣習。端末処理は、大電流用は圧着端子+丸端子でブレーカー二次側に接続、移動用は3Pコネクタ・引掛コネクタを組み合わせる、接続部が甘いと発熱・焼損するためトルク管理は必須、というのが基本です。

→ サイズ選定は「機器の定格×安全率1.25×電圧降下チェック×低減率」を重ねるのが基本。電圧降下を見落として末端で電圧不足になり機器が始動できない、というのは現場あるあるです。

キャブタイヤの用途

キャブタイヤは現場のあらゆる仮設電源・移動機器で使われます。

仮設電源・動力工具・仮設照明

メイン用途は仮設電源で、仮設電力ポール〜仮設分電盤(太径PNCT)、仮設分電盤〜各エリア盤(中径VCT/PNCT)、エリア盤〜各機器・コンセント(細径VCT)、と規模に応じて幹線・分岐を整理します。

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動力工具・機械への給電では、バイブレーター(コンクリート締め固め)、高速カッター・電動ハンマー、溶接機(200V・300V)、仮設換気扇・送風機、というあたりが代表例。仮設照明(投光器・水銀灯・LED投光器)はドラム巻きのVCTで配線、屋外ならPNCTが基本です。

移動機器・ドラム・溶接・本設不可

移動機器・建設機械の補助電源(仮設エレベーター・ホイスト、揚重機械の制御盤回り、リフト・タワークレーンの一部)、コンセント延長(ドラムリール/「電工ドラム」と呼ばれるドラムリールがキャブタイヤの代表用途)にも使われます。

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溶接電流用はWCT(溶接用キャブタイヤ)という別系統が存在し、電源用キャブタイヤと混同しないのが大事。本設の幹線・動力配線は固定配線(CV・VVF等)で、キャブタイヤは仮設・移動用に限定するのが原則。本設に使うと点検区分・耐用年数・固定配線基準を満たせません。

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用途で迷ったときの判断基準

用途で迷ったときの判断基準は、「動かすか/屋外か」でグレードが決まる、動かす×屋内→VCT、動かす×屋外→PNCT、動かさない×屋内/屋外→固定配線(VVF/CV)、という整理。

→ 「動かすからキャブタイヤ」「動かさないなら別ケーブル」という判断軸を持つのが、用途選定で迷わないコツです。

キャブタイヤの注意点

施工管理としてキャブタイヤを扱う際の注意点を整理します。

防水・養生・屋外暴露

防水・養生では、接続部・分岐部に水が入ると地絡の原因、防水コネクタ・スパークプラグ型カバーで密閉、盤内引込み口にグランド・ブッシングでシース保護、を行います。

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踏み付け・引きずり対策として、車両通路・歩行通路の横断は地中埋設または鋼板で養生、養生板・ケーブルプロテクターを必ず使用、引きずって被覆を傷めないようドラムから必要長だけ繰り出す、というケア。屋外暴露の劣化では、VCTは紫外線で被覆が硬化・割れやすい、長期屋外仮設ではPNCTを選定、短期VCTでも直射日光は避けて配線、を意識します。

曲げ半径・接地・ドラム発熱・端末

曲げ半径は、急角度の屈曲は心線断線の原因、一般に外径の6〜8倍の曲げ半径を確保、盤内引込みもRを取って配線、というルール。接地線の接続として、3C・4C内の緑線(または記号G)が接地線、必ず機器のフレーム接地端子・盤内アース端子に接続、接地未接続のまま電源投入は厳禁、を徹底します。

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温度上昇とドラム巻きでは、ドラムに巻いたまま定格電流を流すと異常発熱、長時間使用時はドラムから引き出して放熱を確保、ドラムには「巻き状態時の低減許容電流」が表記、というのが注意点。端末・分岐の処理は、圧着端子・コネクタ・差込み式器具を使用、ねじり接続+ビニルテープは仮設でも避ける、仮設盤への引込みは圧着端子+ボルト締結でトルク管理、を行います。

漏電遮断器・容量・点検

漏電遮断器(ELB)は、仮設電源は移動・水濡れ・接地不良のリスクが高いので、すべての分岐に漏電遮断器を設置、感電リスクを下げる最後の砦、というのが必須対応。

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容量管理として、同一回路に複数機器を同時起動して過電流になることを避ける、「ブレーカー容量・キャブタイヤ許容電流・機器始動電流」の3点セットで管理、始動電流が大きい機械(コンプレッサー等)は専用回路、を意識します。点検・清掃では、工事の節目で被覆の傷・コネクタ緩みを点検、解体時は残留電圧・通電状態を必ず確認してから撤去、を行います。

僕も電気工事の現場で、踏まれて被覆が破れたVCTから漏電して仮設盤の漏電遮断器がしょっちゅうトリップする現場を経験しました。仮設だからといって雑に扱うと、作業の中断と再復旧で半日潰れることもあります。「仮設電源こそ品質管理」の意識で扱うのが、結果的に工程を守ることにつながりますね。

キャブタイヤに関する情報まとめ

最後に、キャブタイヤの重要ポイントを整理します。

  • キャブタイヤとは:ゴム系被覆で覆われた移動用・仮設用の電源ケーブル
  • VVFとの違い:固定配線用ビニル系がVVF、移動用ゴム系がキャブタイヤ
  • 代表的な種類:CT(基本)、VCT(ビニル)、PNCT(屋外)、2PNCT(難燃)
  • 使い分けの原則:屋内=VCT、屋外=PNCT、火気近傍=2PNCT
  • サイズの決め方:機器電流×安全率+電圧降下+低減率
  • 主な用途:仮設電源・動力工具・仮設照明・電工ドラム・移動機器
  • 本設には使わない:本設配線はCV・VVFなど固定配線
  • 注意点:防水養生・踏み付け対策・屋外暴露・曲げ半径・接地接続・ドラム巻き発熱・端末処理・漏電遮断器・容量管理・定期点検

以上がキャブタイヤに関する情報のまとめです。

キャブタイヤは「現場の仮設電源を支える縁の下の力持ち」で、選定と扱いを誤ると漏電・発熱・断線といった事故に直結する重要な電材です。「動かす×屋内/屋外」のマトリクスでグレードを決め、許容電流・電圧降下・低減率の3点でサイズを決める、という原則を押さえておけば、仮設電源の設計で大きく外すことはありません。仮設だからこそ品質管理の意識で、工程と安全の両方を守りたいですね。

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