- 第一種の実技って第二種とどれくらい違うの?
- 候補問題10問って全部練習しないとダメ?
- KIPとか端子台とか、現場で触ったことない
- 60分で本当に終わるの?時間配分が分からない
- 欠陥って結局どこを見られてる?
- 現場で電気工事やってるけど、そのままのやり方でいい?
- 工具と練習材料っていくらかかる?
- 独学で受かる?講習に行くべき?
上記の様な悩みを解決します。
第一種電気工事士の実技は、正式には技能試験という名前で、支給された材料だけを使って60分以内に指定された配線を完成させる試験です。第二種の40分に対して20分長いのですが、扱う部材が増えて作業量も増えるので、時間に余裕があるという感覚にはなりません。しかも受験者の多くは第二種を持っていて現場でも電気を触っている人なので、「実務でやっているから大丈夫」と構えて落ちるパターンが一定数あります。今回は候補問題・工具・時間配分といった基本を押さえた上で、対策サイトでは触れられにくい「現場のやり方と試験の欠陥基準がズレる場所」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから独学で挑む方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
第一種電気工事士の実技とは?判定は欠陥の有無だけ
第一種電気工事士の実技とは、結論「支給された材料だけを使い、60分以内に指定どおりの配線を組み上げる試験」のことです。
正式名称は技能試験で、学科試験に合格した人と学科免除の人が受けます。電気技術者試験センターが公表している資料では、第一種の技能試験は試験時間60分、第二種は40分と定められています。判定は点数制ではなく、欠陥の有無です。同センターの資料には「欠陥のない作品が合格となります」と書かれていて、欠陥が1つでもあれば不合格になります。
つまり、この試験は加点方式ではなく減点でもなく、地雷を1つも踏まないゲームです。きれいに速く作る人が勝つのではなく、欠陥の定義を正確に知っている人が勝ちます。ここを取り違えて「見た目をきれいに作る練習」ばかりしてしまうのが、遠回りの典型パターンです。
- 試験時間は60分(第二種は40分)
- 支給された材料のみを使用し、持ち込み材料は使えない
- 判定は欠陥の有無で、欠陥が1つでもあれば不合格
- 出題は毎年公表される候補問題の中から
資格そのものの位置づけや受験の流れは、こちらで詳しく整理しています。

第二種の実技との違い|つまずくのはここ
第二種を持っている人が一番知りたいところだと思うのですが、違いは、結論「単相の住宅配線から、三相と高圧が絡む受電まわりに舞台が変わる」ことです。
第二種は住宅の屋内配線が題材で、扱うのはVVFケーブルとスイッチ、コンセントが中心でした。第一種は自家用電気工作物が題材になるので、KIP電線が出てきたり、変圧器や計器用変成器、タイムスイッチといった機器を端子台で代用して結線したり、三相の回路を組んだりします。器具そのものは実物ではなく端子台に置き換わりますが、そのぶん「どの端子に何を繋ぐか」を施工条件から読み解く必要が出てきます。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 40分 | 60分 |
| 主な題材 | 住宅の屋内配線 | 自家用電気工作物の受電・動力まわり |
| 主な電線 | VVF・VVR・IV | VVF・CVV・KIPなど |
| 特徴的な作業 | 輪づくり、スイッチ結線 | KIPの被覆はぎ、端子台への機器代用結線 |
| 電線管 | 出題される場合がある | ケーブル・金属管・合成樹脂管が想定される |
候補問題の公表資料でも、配線図に明示していない工事種別としてケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事があると書かれています。ねじなし電線管のボンド線処理のように、第二種ではあまり触らなかった作業が普通に出てくるということです。

端子台まわりは「実物の機器を触ったことがなくても、端子記号の意味さえ分かれば結線できる」という作りになっています。逆に言えば、端子記号を読まずに雰囲気で繋ぐと一発で誤結線です。

僕としては、第一種の実技でいちばん心理的にきついのはKIPの被覆はぎだと思っています。太くて硬いので、第二種の感覚でナイフを入れると心線に傷が入る。ここは道具と手順を決めて、練習で体に入れておくしかない場所です。
候補問題10問の攻略|全部やるべきか
候補問題は、結論「10問すべてを最低1周、そのうえで苦手な問題を2周目3周目に回す」のが基本形です。
電気技術者試験センターは毎年、候補問題としてNo.1からNo.10までの配線図を公表し、技能試験はこの中から出題されると明記しています。つまり出題される図はすでに手元にあるわけです。ただし公表資料には「電源・機器・器具の配置については変更する場合がある」「配線図は電線の本数にかかわらず単線図で示してある」とも書かれています。丸暗記した完成品を再現するだけでは対応できない、ということですね。
ここが第一種の勘所で、覚えるべきは完成形ではなく、単線図から複線図に落とす手順の方です。複線図が正しく描ければ、配置が入れ替わっても対応できます。逆にここを飛ばして完成品の写真だけを覚えると、本番で配置が変わった瞬間に手が止まります。
- 1周目は時間を測らず、複線図から丁寧に完成させる
- 2周目は複線図を描く時間だけを計り、5分台に収める
- 3周目は本番と同じ60分で通す
- 苦手な問題(端子台の多いもの、電線管が絡むもの)だけ追加で回す
- 完成品ではなく、単線図から複線図に落とす手順を覚える
複線図の描き方そのものに不安が残る場合は、先にここを固めてから候補問題に入った方が結果的に早いです。

欠陥の判断基準|現場経験者ほど落ちる理由
欠陥は、結論「公式に12の分類で示されていて、そこに1つでも当たれば不合格」です。
電気技術者試験センターが公開している「欠陥の判断基準」では、未完成のもの、配置・寸法・接続方法等の相違、誤接続・誤結線、電線の色別や配線器具の極性が施工条件と違うもの、電線の損傷、リングスリーブによる圧着接続部分、差込形コネクタによる差込接続部分、器具への結線部分、金属管工事部分、合成樹脂製可とう電線管工事部分、取付枠部分、その他、という12の分類が示されています。
僕がここで一番伝えたいのは、現場で電気工事をやっている人ほど、この基準に足をすくわれるという点です。実務では「電気的に問題がなければよい」で通ることが、試験では欠陥になります。たとえば、実務なら好みの範囲で済む圧着の位置やスリーブの選び方も、試験では施工条件と刻印で機械的に判定されます。現場の手癖のまま作ると、本人は完璧に仕上げたつもりで欠陥を踏みます。
- 実務では気にしない被覆の剥き過ぎ・剥き足りないが欠陥になる
- 圧着の刻印違いは電気的に導通していても欠陥になる
- 心線が器具から見えている・入りすぎているが判定対象になる
- 施工条件で指定された電線の色を、現場の慣習で変えてしまう
- 寸法が指定より短いと、それだけで欠陥になる
対策はシンプルで、練習のときから「自分の作品を欠陥基準の12分類で1つずつ確認する」癖をつけることです。完成したら眺めて満足するのではなく、分類名を口に出しながら見ていく。これを最初からやっている人は、本番でも見直しの手順が体に入っています。
現場のやり方が試験と食い違う場面は、圧着や端子の締め付けだけではありません。認定電気工事従事者の範囲で作業してきた人は、扱ってきた部材そのものが偏っている可能性もあるので、そこは自覚しておいた方がいいです。

60分の時間配分|どこで詰まるか
60分の使い方は、結論「複線図に5分、材料確認と加工に35分、結線に15分、見直しに5分」を目安に組み立てるのが分かりやすいです。
第二種の40分より20分長いのですが、部材点数が増え、端子台への結線本数も増えるので、体感の余裕はほとんど変わりません。むしろ「20分多いから大丈夫」と思って複線図をゆっくり描き、後半で慌てるのがよくある崩れ方です。
配分を決めておく本当の狙いは、時間を守ることではなく、遅れに気づくことにあります。加工が終わった時点で残り20分を切っていたら、その時点で丁寧さを削って完成を優先する、という判断ができる。未完成は12分類のいちばん最初に挙がっている欠陥なので、迷ったら完成を取ります。
- 複線図は5分。ここが10分かかるなら練習不足のサイン
- 支給材料の員数確認を先に済ませる(不足はこの時点でしか言えない)
- 加工は同じ作業をまとめてやると速くなる
- 結線は施工条件を読み直しながら進める
- 最後の5分は必ず見直しに残す
材料について補足すると、公式資料では作業に必要な材料はすべて支給され、持ち込んだ材料の使用は禁止されています。試験開始後の追加支給に応じてもらえるのはリングスリーブ、差込形コネクタ、端子ねじだけです。つまり、ケーブルを切り詰めすぎたらやり直しがききません。寸法を測ってから切る、という当たり前の手順を飛ばさないことが、そのまま時間の節約になります。
必要な工具と練習材料
工具は、結論「電動工具以外なら何を持ち込んでもよい」というのが公式の扱いです。
電気技術者試験センターの資料には、電動工具以外のすべての工具を使用できると書かれています。ただし改造した工具や自作した工具の使用は禁止で、テスタなどの計測器類も使えません。つまり市販の工具を素直に揃えるのが正解で、変に工夫する余地はありません。
- ペンチ、電工ナイフ、プラス・マイナスドライバー、ウォーターポンププライヤー、圧着工具、スケール
- VVF用のケーブルストリッパーは時短効果が大きいので用意したい
- KIPを扱うため、刃のしっかりした電工ナイフを選ぶ
- 電動工具は使用不可、改造・自作工具も不可、テスタ類も不可
- 座って作業するので、腰道具ではなく工具を並べられる形が使いやすい
工具そのものの選び方や、現場で使う道具との違いはこちらが参考になります。

練習材料は、候補問題を1周するぶんのセットが市販されています。予算を抑えたい場合でも、ケーブルだけは多めに用意しておくのがおすすめです。失敗して切り直すたびに短くなり、途中から練習にならなくなるからです。個人的には、工具はケチらず、材料は消耗品と割り切って多めに、というのが結果的にいちばん安く済むと感じます。
独学で受かるための進め方
独学で受かるかどうかは、結論「複線図を描く手順と、欠陥基準の自己点検を仕組みにできるか」で決まります。
技能試験は、教えてもらわないと分からない理屈がほとんどありません。候補問題も欠陥基準も公表されているので、材料さえ手に入れば独学で十分に届きます。実際、第二種を独学で通した人であれば、進め方は同じです。
問題は、独学だと自分の作品を判定してくれる人がいないことです。だからこそ、欠陥基準の12分類を印刷して手元に置き、1つ作るたびに指差しで確認する。この自己点検を仕組みにできる人は独学で受かり、できない人は「たぶん大丈夫」を積み重ねて本番で落ちます。
- 候補問題と欠陥の判断基準は公表資料をそのまま使う
- 1周目は完成優先、2周目以降で時間を詰める
- 作品ごとに12分類の自己点検を必ず行う
- 動画で手順を見るのは有効だが、見るだけで終わらせない
- 講習は「KIPと端子台だけ不安」なら短期のものを選ぶ
実務だと、電気を触っている人は加工そのものは速いので、伸びしろは加工スピードではなく判定基準の理解に偏ります。合格率の推移や難易度の位置づけも合わせて見ておくと、どこまで仕上げれば安全圏なのかの目安が立てやすくなります。

第一種電気工事士の実技に関する情報まとめ
- 第一種電気工事士の実技とは:支給材料だけで60分以内に指定の配線を組む技能試験
- 判定:点数ではなく欠陥の有無。欠陥が1つでもあれば不合格
- 第二種との違い:試験時間は40分から60分へ。KIPや端子台での機器代用、三相回路が加わる
- 候補問題:毎年No.1〜No.10が公表され、その中から出題される
- 覚えるもの:完成形ではなく、単線図から複線図に落とす手順
- 欠陥の判断基準:公式に12分類。実務の手癖がそのまま欠陥になることがある
- 時間配分:複線図5分/加工35分/結線15分/見直し5分が目安
- 工具:電動工具以外は使用可。改造・自作工具とテスタ類は不可
- 材料:支給材料のみ。追加支給はリングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじだけ
以上が第一種電気工事士の実技に関する情報のまとめです。
第一種の技能試験は、手先の器用さを競う試験ではなく、公表されている欠陥基準を1つも踏まずに時間内に仕上げる試験です。だから練習で増やすべきは作品の数ではなく、自分の作品を欠陥基準で点検した回数の方になります。現場で毎日電気を触っている人ほど、そのやり方が試験基準と合っているかを一度疑ってみてください。実務だと、そこに気づいた人から順に受かっていく試験だと感じます。
第一種電気工事士の実技に関するよくある質問
Q1:第一種の実技は第二種より難しいですか?
作業そのものの難しさというより、扱う部材と作業量が増えるぶん難しくなります。試験時間は第二種の40分に対して60分ですが、KIP電線の被覆はぎや端子台への機器代用結線、三相回路の結線が加わるので、時間の余裕は感じにくいです。ただし判定の仕組み(欠陥が1つでもあれば不合格)は同じなので、対策の考え方は第二種と変わりません。
Q2:候補問題は10問すべて練習しないとダメですか?
最低1周はすべてやっておくのが安全です。技能試験は公表されたNo.1〜No.10の中から出題されるので、練習していない問題が出た時点で不利になります。ただし2周目以降は、端子台の結線が多いものや電線管が絡むものなど、自分が苦手な問題に絞って回すのが効率的です。
Q3:現場で電気工事をしていれば実技対策は不要ですか?
不要ではありません。むしろ実務経験者ほど、現場の手癖が欠陥に当たるパターンがあります。圧着の刻印や心線の出し方、施工条件で指定された電線の色など、実務では問題にならないことが試験では欠陥として判定されます。公表されている欠陥の判断基準を読み直し、自分の作業と照らし合わせる時間を必ず取ってください。
Q4:試験中に材料を追加でもらえますか?
原則もらえません。公式資料では、作業に必要な材料はすべて支給され、試験開始後に追加支給に応じてもらえるのはリングスリーブ、差込形コネクタ、端子ねじだけとされています。ケーブルを切り詰めすぎても代わりはもらえないので、寸法を測ってから切る手順を必ず守ってください。持ち込んだ材料を使うことも禁止されています。
Q5:どんな工具を持ち込めますか?
電動工具以外のすべての工具が使えます。ただし改造した工具や自作した工具は使用禁止で、テスタなどの計測器類も使えません。ペンチ、電工ナイフ、プラス・マイナスドライバー、ウォーターポンププライヤー、圧着工具、スケールが基本セットで、VVF用のケーブルストリッパーがあると加工時間を短縮できます。KIPを扱うので、電工ナイフは刃のしっかりしたものを選んでおくと安心です。
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