2級電気通信工事施工管理技術検定の経験記述は、管理項目を受検者が選ぶ試験ではありません。令和7年度は「工程管理」と「安全管理」の2つが問題文の側に印字されていました。
- 経験記述って、どのテーマで準備しておけばいいんだ
- 品質管理の例文をそろえておけば大丈夫なのか
- 令和7年度は何が出たのか
- 去年と今年で出題は変わったのか
- 工事概要って何を書く欄なんだ
- 下請で入った現場だと、発注者名の欄はどう埋めるのか
- 二次検定は問題1だけなのか、他に何が出るのか
- 選択問題はあるのか、捨てていい問題はあるのか
- 合格基準は何割なのか
- 令和7年度の合格率はどれくらいだったのか
上記の様な悩みを解決します。
経験記述は、第二次検定の得点を大きく左右する記述式の問題です。管理項目は受検者が選べず試験側が指定するため、品質管理の例文だけをそろえて臨むと、指定が工程管理や安全管理だった年に対応できないことがあります。今回は工事概要の書き方といった基本を押さえた上で、令和6年度以降の出題形式の変化や年度ごとの管理項目の入れ替わりまで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから第二次検定に向かう方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
令和7年度に指定されたのは「工程管理」と「安全管理」だった
準備を始めるときに最初に確認したいのは、直近の年度で実際に何が問われたかです。要約を挟まず、【問題1】の書き出しから引きます。令和7年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定の試験問題(全国建設研修センター)の【問題1】は、こう始まります。「あなたが経験した電気通信工事のうち,工事の遅延を防止するための工程管理及び作業現場の安全管理に特に留意した工事を1つ選び,〔工事概要〕を記述した上で,次の〔設問1〕及び〔設問2〕についての答えを解答欄に記述しなさい。」
注目したいのは、工程管理と安全管理という2語が置かれている位置です。解答欄ではなく設問文の中にあります。つまりこの2つは、受検者が埋める空欄ではなく、受検者に与えられる条件でした。決められるのは、条件に合う工事をどれにするかだけです。
冒頭文が指示している4つのこと
この1文を分解すると、本番で自分に残されている裁量がどこにあるかがはっきりします。令和7年度の【問題1】の冒頭文(出典:全国建設研修センター 令和7年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題)が指示しているのは、次の4つです。
- 選ぶ対象は工事であって、管理項目ではない
- 選ぶ条件は「工事の遅延を防止するための工程管理」と「作業現場の安全管理」に特に留意したこと
- 選ぶ本数は1つ
- 書く順序は〔工事概要〕を先に記述し、そのあと〔設問1〕と〔設問2〕へ進む
裁量があるのは1つ目だけです。先に条件が2つ示され、それを満たす現場が自分の職歴の中にあるかを後から照合していく、という順番になっています。
冒頭文に品質管理という語は入っていない
令和7年度の【問題1】の冒頭文に、品質管理という語は入っていません(出典:同 試験問題)。経験記述といえば品質管理、という前提で例文を1本仕上げて臨んだ人にとって、この年の問題1は準備の外側から来たことになります。
とはいえ、これを「令和7年度がたまたま特殊だった」と片づけると、次の準備を誤ります。過去5年を並べると、その年だけの例外ではないことが見えてきます。
過去5年を並べると、指定される2項目は年度ごとに入れ替わっている
品質管理の例文をそろえておけば足りるのか。この問いに答えるには、1年分ではなく複数年を横に並べる必要があります。令和3年度から令和7年度までの2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題(全国建設研修センター)を確認し、【問題1】で指定された管理項目を年度ごとに拾いました。
| 年度 | 指定された2つの管理項目 |
|---|---|
| 令和3年度 | 安全管理・品質管理 |
| 令和4年度 | 工程管理・品質管理 |
| 令和5年度 | 安全管理・品質管理 |
| 令和6年度 | 工程管理・品質管理 |
| 令和7年度 | 工程管理・安全管理 |
出典は各年度の 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題(全国建設研修センター)で、令和7年度は同センターが現在公開しているPDF、令和3年度から令和6年度はインターネットアーカイブに残っていた保存版から確認しました(いずれも2026-09-09確認)。
3つの管理項目から2つが選ばれている
5年ぶんに登場した管理項目は、工程管理・安全管理・品質管理の3つだけです。そこから毎年2つが指定されていて、組み合わせは次の3通りが出ています。
- 安全管理と品質管理:令和3年度、令和5年度
- 工程管理と品質管理:令和4年度、令和6年度
- 工程管理と安全管理:令和7年度
同じ組み合わせが別の年度に再び出ている一方で、令和7年度のようにこの5年では前例のない並びも出ています。ここから次はどれが来るかを読むことはできませんし、周期があるとも言えません。読み取れるのは、3つの管理項目のどれが来ても不思議はないという範囲までです。
品質管理は5年のうち4年で指定された。ただし令和7年度は入らなかった
表をもう一度見ると、品質管理は令和3年度から令和6年度まで4年連続で指定されています。品質管理を軸に準備する考え方が広まっているのは、この実績を見れば理解できます。
ところが令和7年度は工程管理と安全管理になり、品質管理は外れました。4年続いた項目が5年目に外れる、ということが実際に起きています。品質管理の例文を1本だけ完成させる準備は、令和6年度までなら当たり、令和7年度なら丸ごと空振りする、という結果に分かれることになります。
この並びが他にまとまっていない理由
年度ごとの指定管理項目を並べた表は、探してもなかなか見つかりません。理由は問題文の公開期間にあります。受検の手引には「2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定の試験問題は,当センターホームページで,令和8年11月16日(月)13時から1年間公表します。」と書かれています(出典:全国建設研修センター 令和8年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 受検の手引 22ページ)。1年という期限があるので、古い年度のPDFは順番に消えていきます。
この記事の表も、令和7年度は現在も公開されているPDFから、令和3年度から令和6年度はインターネットアーカイブに残っていた保存版から確認しました。手に入りにくい情報ではありますが、準備の方針を決めるうえでは、1年分の出題より5年分の並びのほうが役に立ちます。
備えるべき範囲は3項目に収まっていた
ここまでの事実から、準備の方向は絞れます。管理項目ごとに文章を書き分けて何本も抱えても、その年に呼ばれなかったぶんは机の上に残るだけです。ただし抱えるべき本数には天井があります。
5年の並びが示しているのは、備えるべき範囲が3項目だということです。工程管理・安全管理・品質管理の3つに手が届いていれば、令和3年度から令和7年度までのどの回に当たっても、指定された2つは範囲の内側に入ります。裏を返せば、2項目までしか用意していない状態には必ず穴が残ります。令和6年度までの4年間は品質管理が毎回入っていたので、品質管理という1本はどの年でも使えていました。令和7年度でその前提が崩れています。3項目そろえるところまでを準備の到達点に置くのが、この表から言える範囲です。
令和6年度に問題1の形が変わった。〔工事概要〕が独立したブロックになった
去年と今年で出題は変わったのか、という疑問には、変わったのは令和6年度だと答えるのが正確です。管理項目の中身だけでなく、問題1の様式そのものが切り替わっています。
令和5年度までの【問題1】の冒頭文は、こうでした。「あなたが経験した電気通信工事のうちから,代表的な工事を1つ選び,次の〔設問1〕から〔設問3〕の答えを解答欄に記述しなさい。」(出典:全国建設研修センター 令和5年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題)。管理項目の名前は冒頭文には出てきません。この年度までは〔設問2〕と〔設問3〕でそれぞれ個別に指定される形でした。
対して令和6年度は、こう始まります。「あなたが経験した電気通信工事のうち,工期を遵守するための工程管理及び施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等の品質管理について特に留意した工事を1つ選び,〔工事概要〕を記述した上で,次の〔設問1〕及び〔設問2〕についての答えを解答欄に記述しなさい。」(出典:全国建設研修センター 令和6年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題)。
変わったのは3か所
2つの冒頭文を並べると、違いは3か所に絞られます。
- 冒頭文の書き方:令和5年度までは「代表的な工事を1つ選び」だけだったのが、令和6年度からは管理項目を名指ししたうえで「特に留意した工事を1つ選び」になった
- 設問の数:令和5年度までは〔設問1〕から〔設問3〕までの3つ、令和6年度からは〔設問1〕及び〔設問2〕の2つ
- 〔工事概要〕の位置:令和5年度までは独立した見出しが無く、記述の指示が設問1の中に置かれていた。令和6年度からは〔工事概要〕という独立したブロックになった
この形に切り替わった理由については、公表資料の側に説明が見当たりませんでした。ここでは、そう変わったという事実だけを確認しておきます。
令和5年度以前の過去問で練習するときの注意
この変更は、練習の材料選びに直接効いてきます。令和5年度以前の問題を解くと、設問が3つあり、〔工事概要〕は独立した欄として立っていません。本番の解答用紙とは組み立てが違うので、時間配分の感覚がずれます。
古い年度が練習に使えないという話ではありません。管理項目そのものは3つの範囲に収まっているので、書く中身の訓練としては成立します。ただし様式の練習としては令和6年度と令和7年度の2年分しか無い、という前提を持っておくと、本番で面食らわずに済みます。
第二次検定は問題1から問題5まで全部が必須問題
令和7年度の第二次検定は5問構成でした。【問題1】から【問題5】まであり、各問題の直前にはすべて「必須問題」と印字されていました(出典:全国建設研修センター 令和7年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題)。選択問題はありません。
つまり令和7年度については、苦手な分野を選んで捨てるという逃げ道が用意されていなかった、ということです。経験記述に時間を全部注いで残りを白紙にする、という戦い方は成立しません。
問題2から問題5までの中身
参考までに、令和7年度の問題2以降がそれぞれ何を求めていたかを、原本の言い回しで並べます(出典:同 試験問題)。
- 問題2:設問1が「電気通信工事に関する語句を下記の選択欄の中から1つ選び,その語句を記入のうえ,施工管理上留意すべき内容について,具体的に記述しなさい。」で、設問3まで続く
- 問題3:「下図に示すネットワーク工程表に関する下記の項目⑴,⑵に当てはまる数値を解答欄に記入しなさい。ただし,○内数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数を示す。」
- 問題4:「電気通信工事に関する用語を下記の選択欄の中から1つ選び,解答欄にその用語を記入のうえ,技術的内容について,それぞれ具体的に記述しなさい。ただし,技術的内容とは,定義,特徴,動作原理などをいう。」
- 問題5:設問1が「建設業法に定められている主任技術者の設置等に関する次の文章中の のJ,Kに当てはまる語句を下記の選択欄から選び,記入しなさい。」で、設問3まで続く
問題2と問題5の設問1、それに問題4は選択欄から語句を選ぶ形で、問題3は数値を求める形でした。選択欄がある以上、当日その場で語句を思い出す作業は残りますが、材料は問題用紙の側に印刷されています。対して問題1の材料は自分の職歴の中にしかありません。あとから調べ直せないぶん、ここだけは日程の早い段階で書き出しを終えておく必要があると僕は考えています。
解答は公表されない
もう1つ、準備の前提として知っておきたいことがあります。受検の手引には「※第二次検定の解答は公表しません。」と明記されています(出典:全国建設研修センター 令和8年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 受検の手引 22ページ)。
問題文は1年間公開されますが、解答は出ません。記述式なので、自分の書いた文章が何点になるのかを後から確かめる手段が無い、ということです。書き上げた経験記述を自分で採点できない以上、第三者の目を入れるかどうかは早めに決めておきたいところです。
残り4問がそれぞれどんな出題だったかは、過去問を扱った記事にまとめています。

〔工事概要〕の記入欄で迷いやすいのは発注者名
設問1へ進む手前に、〔工事概要〕という記入欄が置かれています。令和7年度の問題1では「〔工事概要〕 あなたが経験した電気通信工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。」として、⑴工事名、⑵工事の内容、⑶工事現場における施工管理上のあなたの立場又は役割、の3項目が示されていました(出典:全国建設研修センター 令和7年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題)。
⑵の工事の内容は、さらに5つに分かれます。
- ①発注者名
- ②工事場所
- ③工期
- ④請負概算金額
- ⑤工事の概要
発注者名で迷いやすいのが下請で入った工事です。原本の〔注意〕には「あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。」「あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。」と書かれています(出典:同 試験問題)。元請の看板を毎日見ていた現場でも、下請で入った場合に欄へ入るのは、自社と契約を交わした相手のほうになります。
同じ〔注意〕には範囲と失格の条件もあります。「工事名が工事以外でも,電気通信設備の据付調整が含まれている場合は,実務経験として認められます。ただし,撤去のみの工事は除きます。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」(出典:同 試験問題)。ここだけは採点上の減点ではなく、失格という扱いが明記されています。
同じ〔工事概要〕の欄を1級の側から詳しく見た記事があります。記入欄の考え方や失格条項の読み方は級をまたいで共通しているので、掘り下げたい方はこちらへどうぞ。

合格基準は60%。令和7年度の合格率は63.2%で過去最高だった
最後に数字を押さえます。第二次検定の合格基準は、国土交通省が示す技術検定の合格基準で「二級 ・第一次検定 得点が60%以上 ・第二次検定 得点が60%以上」とされています(出典:国土交通省 令和8年度技術検定の合格基準について)。全国建設研修センターの合格者発表資料にも、電気通信工事について「『第二次検定』の合格基準は、得点が60%以上を合格とする。」と記載があります。
満点は要りません。6割を取り切れば合格です。
直近で確認できた3年度の実績
2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定の合格率は、次のとおりです。
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 3,557人 | 1,265人 | 35.6% |
| 令和6年度 | 2,843人 | 1,512人 | 53.2% |
| 令和7年度 | 2,324人 | 1,468人 | 63.2% |
令和6年度と令和7年度は全国建設研修センターの令和7年度 第二次検定 合格者発表資料が出典で、令和4年度は国土交通省の報道発表資料が出典です。令和3年度と令和5年度は今回、公表資料を確認できなかったため空けてあります。3つの年度が並んでいるだけなので、連続した推移として読まないでください。
令和7年度については、発表資料の解説文に「1,468人が合格。合格率は63.2%。令和6年度の1,512人よりも44人減少したが、合格率は10.0%増加し過去最高となった」と記されています(出典:全国建設研修センター 令和7年度2級管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定「第二次検定」の合格者の発表について)。過去最高という評価は、この資料の側に書かれているものです。試験が易しくなったのかどうかは、この数字だけでは判断できません。
年度ごとの数字の並びはこちらで整理しています。

次の試験日と、残り時間
令和7年度の第二次検定は令和7年11月16日(日)に実施され、発表は令和8年3月4日でした(出典:同 合格者発表資料)。次回については、受検の手引に「試 験 日 令和8年11月15日(日)」と示されています(出典:全国建設研修センター 令和8年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定 受検の手引)。この記事を書いている2026年9月から数えると、残りは2か月ほどです。
発表の時期と確認の手順はこちらが詳しいです。

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【PR】次の一歩:経験記述の仕上げ方を決める
経験記述、独学で仕上げる自信はありますか?
- どの管理項目で準備すればいいか、年度ごとに変わって分かりにくい
- 工事概要の書き方に自信が持てない
- 書いた文章を客観的に見てくれる人がいない
指定される管理項目は令和3年度から令和7年度まで年度ごとに入れ替わっていて、第二次検定の解答は公表されません。自分の答案が何点になるのかを後から確かめられない以上、書いた文章を人に見てもらう手段を早めに決めておくと、残り2か月の使い方が変わります。
2級電気通信工事施工管理技士の経験記述に関する情報まとめ
- 令和7年度の指定:問題1の冒頭文で工程管理と安全管理が名指しされ、受検者が選ぶのは工事のほうだった
- 5年ぶんの推移:令和3年度から令和7年度まで、工程管理・安全管理・品質管理の3つから2つが指定され、組み合わせは年度ごとに入れ替わっている
- 令和6年度の形式変更:冒頭文に管理項目名が入り、設問が3つから2つになり、〔工事概要〕が独立したブロックになった
- 第二次検定の全体像:令和7年度は問題1から問題5までのすべてが必須問題で、選んで捨てられる問題は無い
- 〔工事概要〕:⑴工事名、⑵工事の内容(5項目)、⑶施工管理上の立場又は役割の3つ。二次下請なら発注者名は一次下請業者名
- 合格基準と合格率:第二次検定は得点60%以上で合格。令和7年度は63.2%で、発表資料に過去最高と記されている
以上が2級電気通信工事施工管理技士の経験記述に関する情報のまとめです。
この記事で並べた5年ぶんの表が示しているのは、当たり外れを読む意味が薄いということです。3項目のうちどの2つが来ても対応できる状態にしておけば、予想に頼らずに済みます。残り2か月をどう使うかは人それぞれですが、僕は、次に何が指定されるかを考える時間を、3項目目を埋める時間に回すほうが報われると考えています。
受検の前提になる実務経験の要件はこちらにまとめています。

他の種目の経験記述とあわせて読むなら、2級管工事の記事もあります。

