- 1級建設機械施工管理技士の経験記述、例文は何パターン用意しておけばいい?
- 「令和6年度から形式が変わった」とは書いてあるけど、結局どこがどう変わったの?
- 受検者が少ない資格だからか、調べても具体的な中身が出てこない
- 組合せ施工法って科目名だけ見てもピンとこない、何を書かされるんだ
- 筆記に受かればそれで終わり?実技では何をやらされるの?
- 実技は6種別から2つ選ぶらしいけど、どれを選べばいいのか判断がつかない
- 自分の工事経験の棚卸しを進めていたけど、この時間は無駄だった?
- 申し込みはいつから?筆記と実技で日程が別々なの?
上記の様な悩みを解決します。
1級建設機械施工管理技士の第二次検定は、施工管理技士の中でも受検者数が少なく、参考書も体験談も出回りにくい試験です。制度が変わったことに触れている解説は増えてきたのですが、では変更後の試験に実際どんな問題が並んでいるのかまで踏み込んだものは、探してもなかなか見当たらないんですよね。今回は出題形式の変更・筆記4問の中身・実技の科目選び・合格率と日程といった基本を押さえた上で、試験問題の実物に〔工事概要〕欄が無いという事実と、そこから逆算した準備の切り替え方まで、受検の手引と試験問題の原本にあたって整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、第二次検定を受けるのがはじめてという方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
令和6年度に形式が変わり、筆記から〔工事概要〕欄が消えた
結論から書きます。1級建設機械施工管理技士の第二次検定(筆記)は令和6年度から出題形式が変わっており、令和7年度の試験問題には、受検者自身の工事経験を書かせる〔工事概要〕欄がありません。経験記述の例文をそろえるところから準備を始めていた方は、まずここを確かめてから先に進んでください。
根拠は試験を実施している日本建設機械施工協会(JCMA)の配布資料です。「令和8年度 1級建設機械施工管理技術検定試験 1級【第二次検定】受検の手引」のよくある質問(p.64)には、「Q.制度改正により試験問題が変わるのですか? A.1級第二次検定(筆記)については、令和6年度から出題形式等が変わりました。令和7年度の試験問題は、当協会のホームページに掲載しています。」と記載されています。実施団体自身が、形式が変わったことと、変更後の問題を公開していることの両方を明言しているわけです。
そこで実際に令和7年度の第二次検定(筆記)試験問題を開いて確認しました。工事名・工期・自分の立場などを記入させる〔工事概要〕欄は、どこにも見当たりません。問題2と問題3には「工事の概要」という語が出てきますが、これはいずれも試験問題の側が提示している条件であって、受検者が自分の担当現場を書き込む欄ではありませんでした。ここを取り違えると、準備の方向が丸ごとズレます。
現時点で確実に言えるのは、次の4点に整理できます。
- 手引が明言しているのは「令和6年度から出題形式等が変わった」ことと、令和7年度の問題を協会サイトに掲載していること
- 令和7年度の実物には〔工事概要〕欄が無く、受検者自身の工事経験を書かせる設問は見当たらない
- 問題2・問題3に出てくる「工事の概要」は試験問題側が与える条件であって、受検者の経験談ではない
- 変更後の形式で実施された年度の問題は、協会が公開しているものを直接読むのが一番確実
この試験を調べていて厄介なのは、形式が変わる前に書かれた解説がそのまま検索結果に残っている点です。経験記述の書き方や工事概要欄の埋め方を丁寧に説明した記事もありますが、それが変更前の前提で書かれたものだと、読んだ人の準備はまるごと空振りします。だからこそ、実施団体が配っている受検の手引と、協会が公開している試験問題という2つの一次資料を先に押さえておくのが安全です。
なお、この記事では令和6年度以前の出題内容には踏み込みません。掲載期間が過ぎていて原本を確認できないものについて、伝聞で「こうだったらしい」と書くのは、受検者にとって一番危ない情報の渡し方だからです。同じ理由で、次年度に何が出るかという予想もしません。
そして、経験記述らしき設問が見当たらないことをもって「試験が楽になった」と言うつもりもありません。後で見ていくとおり、筆記は全問必須で逃げ場がなく、そのうえ第二次検定は実技と両方に受からなければ合格になりません。僕は、負担が減ったというより、問われる力の種類が入れ替わったと捉えるのが実態に近いと思っています。
令和7年度の筆記は4問。すべて必須で、条件は問題側から与えられる
ここがこの記事の中心です。令和7年度の第二次検定(筆記)試験問題の注意事項には、「試験問題は、組合せ施工法、施工管理法、建設機械施工法の3つの科目になります。」および「試験問題は、すべて必須問題ですから全問解答してください。」と書かれています。3つの科目にまたがる問題が並び、選択問題は無く、全問に答える。これが変更後の筆記の骨格です。
科目名について一点だけ補足しておきます。受検の手引 p.55「12.2 第二次検定(筆記)」では検定科目を「建設機械施工法」「施工管理法」「建設機械組合せ施工法」と表記しており、試験問題の注意事項にある「組合せ施工法」とは呼び方が少しだけ違います。指しているものは同じなので、資料によって表記が揺れると覚えておけば混乱せずに済みます。
科目名でつまずきやすいのが「組合せ施工法」です。名前だけ見ると何を書かされるのか想像しづらいのですが、令和7年度の問題を通して見ると輪郭がはっきりします。建設機械は単体で仕事をするわけではなく、掘る機械と運ぶ機械、敷きならす機械と締め固める機械というように、組み合わせて一つの作業を成立させます。その組み合わせをどう設計し、どう安全に回すかを問うのがこの科目だと捉えると腑に落ちます。
では令和7年度に実際に出た4問が何を問うたのか。原本を読んだ範囲で並べると、次のようになります。
- 問題1:施工管理法および建設機械施工法に関する語句選択。(1)コンクリートの締固め・仕上げ方法、(2)建設機械施工における機械経費の2本立て
- 問題2:工事の工程計画と環境保全。バーチャートの作成と、自然環境・周辺環境への影響と対策の記述
- 問題3:河川堤防築造工事について、機械選定のメリット、作業能率を向上させるための留意点、トレーラ輸送の留意点
- 問題4:バックホウとダンプトラックの組合せ作業の安全性を高めるため、施工計画の策定段階で留意すべき点を3つ
一つずつ、出題の型として見ていきます。
問題1は記述ではなく語句選択です。範囲が施工管理法と建設機械施工法の両方にまたがっており、コンクリートの締固めや仕上げという施工そのものの話と、機械経費という積算寄りの話が同じ問題の中に同居しています。用語をなんとなくの理解で覚えていると、似た語の中から正しいものを選ぶ場面で崩れます。逆に言えば、ここは知識の精度がそのまま点になる部分です。
問題2は工程計画と環境保全の組み合わせです。バーチャートを自分で作らせる設問が含まれているので、工程表の書き方が手に馴染んでいないと、それだけで時間を持っていかれます。あわせて、自然環境や周辺環境への影響と対策を記述させる設問が並びます。工程と環境という、現場では別々に扱いがちな2つを1問の中でつなげて考えさせる作りだと言えます。
問題3は河川堤防築造工事という具体的な工事が題材です。機械選定のメリット、作業能率を向上させるための留意点、トレーラ輸送の留意点と、問われる角度が3つに分かれています。ここで重要なのは、題材となる工事の条件が問題文の側から与えられている点です。自分が担当した工事を持ち出す場面ではありません。
問題4はバックホウとダンプトラックの組合せ作業がテーマで、安全性を高めるために施工計画の策定段階で留意すべき点を3つ挙げさせます。「3つ」と個数が指定されているので、書く分量の目安が最初から決まっている形です。組合せ施工法という科目名が何を意味するのか、この問題を見ると具体的にイメージしやすくなります。
4問を並べて見えてくるのは、問われているのが「自分の現場で何をしたか」ではなく「与えられた条件の工事を、どう組み立てて説明できるか」だということです。工法や機械の選び方、能率、輸送、安全、環境。どれも現場で判断していることではありますが、答案の起点が自分の記憶ではなく問題文になっている点が、経験記述との決定的な違いだと僕は整理しています。
そして注意事項が言うとおり、全問が必須問題です。選択問題が無いということは、苦手な科目を捨てて得意な科目で取り返すという戦い方が成立しません。3科目のどれかを空白にしたまま本番に臨むと、そこがそのまま失点になります。
ただし、対策の設計そのものは組み立てやすい構造になっています。出題の型が3科目・4問と決まっていて、当日の選択によるブレが無いからです。問題1で語句の精度、問題2で工程表を書く手、問題3で工事条件の読み取り、問題4で組合せ作業の安全と、鍛える力が問題ごとに分かれています。自分がどこで崩れるのかを1問ずつ切り分けて確かめられる作りになっているので、闇雲に教材を回すより、4問それぞれに時間を割り振る方が進捗が見えます。
原本の読み方も一つ提案しておきます。いきなり答えを作りにいくのではなく、まず設問だけを抜き出して「何を、いくつ、どの形式で答えさせているか」を書き出してみてください。語句選択なのか記述なのか作図なのか、個数の指定があるのかどうか。この情報だけで、当日どの問題にどれくらい時間を置くかの見当がつきます。情報が少ない試験ほど、設問の形式そのものが有力な手がかりになります。
なお、この記事では模範解答や解答例を載せていません。バーチャートの日数、機械の規格や台数、能率の数値といったものを、確認できていないのに書いて渡すわけにはいかないからです。実際の解答の中身は、公開されている試験問題の原本と、手元の教材で詰めてください。
第二次検定は筆記だけではない。実技と両方に受からないと合格にならない
筆記の話ばかりしてきましたが、この試験でもう一つ落とせないのが実技です。受検の手引 p.1には、「第二次検定は、『筆記試験』と『実技試験』があり、両方とも合格基準に達した場合、第二次検定が合格となります。」と明記されています。筆記に受かっただけでは第二次検定の合格にはなりません。
前提の確認もしておきます。同 p.55には、「第二次検定は、令和3年度以降の第一次検定の合格者であって、第二次検定の受検資格要件を満たす者を対象に、第二次検定(筆記)と第二次検定(実技)により行います。」とあります。第一次検定の合格年度と受検資格要件、この2つを満たしていることが入口です。受検資格の細かい条件は別記事で整理しているので、自分が要件に届いているかはそちらで確かめてください。記事内では旧称の「建設機械施工技士」で表記していますが、扱っている資格は同じものです。

実技の中身については、同 p.55に「第二次検定(実技)は、実際の建設機械を使用し、所定のコース内での操作施工を行う実技試験により行います。実技試験は、建設機械により次表のように6つの検定科目(種別)に区分されており、このうち2つの検定科目を選択し受検する必要があります。」と書かれています。ペーパーの試験ではなく、実機を動かす試験です。
実技について押さえておきたいのは次の5点です。
- 実技は6つの検定科目(種別)に分かれており、そのうち2つを選択して受検する
- 種別は第1種のトラクター系から第6種の基礎工事用まであり、手引 p.55-56に種別ごとの使用建設機械と規格の一覧表が載っている
- 試験は実際の建設機械を使い、所定のコース内での操作施工という形で行われる
- 筆記と実技は試験日そのものが別で、実技は筆記より後に実施される
- 筆記と実技の両方が合格基準に達して、はじめて第二次検定の合格になる
種別ごとにどの機械を使い、どの規格のものが対象になるのかは手引の一覧表に書かれているので、申し込みの前に必ず現物で確認してください。ここは記憶や伝聞で決めるところではありません。実務でどの機械に触っているか、試験用の機械に触れる環境を用意できるか、その2点が種別選びの現実的な軸になります。
僕の見方では、この資格が「情報が少なくて対策しづらい」と感じられる一番の理由は、筆記の対策と実技の段取りという性格の違う準備を、同じ年度の中で並行して進めなければならない点にあります。筆記の教材だけを見ていると、実技の存在が視界から消えてしまいがちです。
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経験記述の練習をしていた人は、何に切り替えるか
ここまでを踏まえて、準備の中身をどう組み替えるかを具体化します。経験記述の例文づくりに時間を使ってきた方ほど、切り替え先をはっきりさせておいた方が動きやすいはずです。
切り替えの方向は、次のように整理できます。
- 自分の工事を棚卸しして書き起こす練習から、問題文が与える条件を正確に読み取って答える練習へ
- 得意分野で稼ぐ発想から、3科目のどこにも穴を残さない発想へ(全問必須のため捨て問が作れない)
- 文章の型を暗記する練習から、バーチャートを実際に手で書き起こす練習へ
- 筆記の教材だけを回す状態から、実技の種別を早めに決めて機械に触れる段取りを組む状態へ
- 過去の記憶を思い出す作業から、公開されている試験問題の原本を読み込む作業へ
一つ補足しておきたいのは、これまでの棚卸しが無駄だったわけではないということです。なぜその機械を選んだのか、どこで作業能率が落ちたのか、輸送や搬入で何に気を遣ったのか。現場で自分が判断してきた中身は、そのまま問題3や問題4に答えるときの語彙になります。変わったのは、その材料を「自分の工事の話」として書くのか、「与えられた条件の工事の話」として使うのかという出口の方です。書きためた文章をそのまま提出する用途では使えませんが、考え方の引き出しとしては生きます。
種別選びを早めに決めるべき理由も書いておきます。実技は実機を操作する試験なので、決めた瞬間から練習の段取りが発生します。会社の機械を借りられるのか、教習所や講習を挟む必要があるのか、その調整には時間がかかります。筆記の勉強を進めながら後回しにしていると、実技の準備が薄いまま試験日を迎えることになりかねません。僕の考えでは、申し込みの時点で2種別を確定させ、筆記の学習計画と実技の練習計画を同じカレンダーに並べてしまうのが、この試験では一番現実的なやり方です。
令和7年度の合格率と、令和8年度の日程
数字の話をしておきます。令和7年度の1級・第二次検定は、受検者数568人、合格者数327人、合格率57.6%でした(JCMA「合格発表(令和7年度)」)。ひとつ前の令和6年度は、1級全体で受検者数343人、合格者数166人、合格率48.4%でした(同「合格発表(令和6年度)」)。なお、令和7年度として挙げた57.6%は第二次検定の数字、令和6年度の48.4%は1級全体の数字で、集計の範囲が揃っていません。並べて増減を語れる2つではない点に注意してください。
注意しておきたいのは母数の小ささです。受検者数が3桁の試験なので、合格率は年度によって振れやすく、1年分の数字だけを見て難易度を決めつけるのは危険です。上の2つのように集計の範囲が違う数字が並ぶこともあるので、比べる前にどの区分の数字かを必ず確かめてください。合格基準について手引が示しているのは、筆記と実技の両方が合格基準に達した場合に第二次検定が合格になる、というところまでです。何点取れば通るという具体的な目安は、この記事では扱いません。
級ごとの合格率の推移や難易度の全体像は、別記事で数字を並べて整理しています。旧称の「建設機械施工技士」表記ですが、同じ試験の話です。

続いて令和8年度の日程です。JCMA「1級【第二次検定】受検の手引」の表紙・p.1・p.61に記載されている内容は、次のとおりです。
- 受付期間:令和8年2月16日(月)〜3月13日(金)※締切日3月13日の消印まで有効
- 第二次検定(筆記):令和8年6月21日(日)
- 第二次検定(実技):令和8年8月下旬〜9月中旬
- 合格発表(予定):令和8年11月18日(水)
この日程は、国土交通省が令和7年12月18日に公表した報道発表資料の別添「令和8年度 技術検定の概要」でも、検定種目「建設機械」の第二次検定として同じ内容が示されています。実施団体と国の資料で数字が一致しているので、計画を立てる土台にして差し支えありません。
日程の並びから読み取れることも書いておきます。受付が2月中旬から3月中旬で締切は消印有効、筆記が6月、実技が8月下旬から9月中旬なので、筆記と実技の間には2か月前後の期間があります。つまり筆記を終えてから実技の練習に本腰を入れる余地はある一方、種別の選択そのものは申し込みの段階で済ませておく必要がある、という順序になります。合格発表は11月なので、第二次検定の年度は2月の申し込みから11月まで続く長丁場だと見ておくのが安全です。
1級建設機械施工管理技士の経験記述と第二次検定のまとめ
- 出題形式の変更:手引が「令和6年度から出題形式等が変わりました」と明言。令和7年度の実物に〔工事概要〕欄は無い
- 令和7年度の筆記:組合せ施工法・施工管理法・建設機械施工法の3科目、全4問、すべて必須問題
- 4問の中身:問題1は語句選択、問題2は工程計画と環境保全、問題3は河川堤防築造工事、問題4はバックホウとダンプトラックの組合せ作業の安全
- 筆記と実技:両方が合格基準に達して合格。実技は実機をコース内で操作し、6種別のうち2つを選択する
- 準備の切り替え:自分の経験を書く練習から、与えられた条件を読み取る練習へ。捨て問は作れない
- 合格率:令和7年度の1級・第二次検定は568人中327人で57.6%。令和6年度は1級全体で343人中166人で48.4%(集計の範囲が違うので単純に比べない)
- 令和8年度の日程:受付2月16日〜3月13日、筆記6月21日、実技8月下旬〜9月中旬、合格発表11月18日(予定)
以上が1級建設機械施工管理技士の第二次検定に関する情報のまとめです。
受検者が少ないぶん解説記事も少なく、古い形式の前提で書かれた対策法がそのまま残っています。僕の見方では、この試験は実力よりも情報の入口でつまずきやすい試験です。だからこそ、まずやることは教材選びではなく、協会が公開している令和7年度の試験問題と受検の手引を自分の目で通すことだと思います。4問の型が頭に入り、実技の種別を2つ決めてしまえば、あとは筆記と実技の練習をカレンダー上に並べるだけの話になります。情報が少ない試験は、原本にあたれる人ほど有利です。
2級の合格率や試験内容から先に確かめたい方は、こちらで整理しています。

