- SGPってなに?
- 白管と黒管って何が違うの?
- SGPとSGPWの違いは?
- サイズの呼び径と外径ってどう違うの?
- 配管の塗装色(赤・青・銀)の意味は?
- どんな現場で使う鋼管?
上記の様な悩みを解決します。
SGPは配管用炭素鋼鋼管のJIS規格名で、設備配管の現場では「ガス管」とも呼ばれる超メジャーな鋼管。給水・排水・蒸気・空気・ガスなど用途が広いんですが、白管/黒管の使い分けや呼び径と外径の違いでつまずく若手施工管理が多い印象です。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
SGPとは?
SGPとは、結論「JIS G 3452で規定された配管用炭素鋼鋼管」のことです。
英語表記は Steel Gas Pipe(直訳:鋼製ガスパイプ)で、その頭文字をとってSGP。「ガス管」「鋼管」「白ガス管」「黒ガス管」など、現場で呼ばれ方は多彩ですが、図面・カタログ上の正式名称はSGPまたは配管用炭素鋼鋼管です。
→ ざっくり、「設備配管で最もよく使う基本の鋼管」がSGP、というイメージです。
基本仕様と用途
SGPの基本仕様は、規格がJIS G 3452(配管用炭素鋼鋼管)、材質が炭素鋼(一般構造用)、使用圧力が1MPa以下の蒸気・水・油・ガス・空気、製造方法が電縫管・継目無管、表面処理が白管(亜鉛メッキ)/黒管(亜鉛メッキなし)、というあたり。
SGPが使われる主な用途は、給水・給湯(白管が主)、排水、蒸気・温水(黒管が主)、空気・ガス、消火配管、鉄骨工事の補助材(手すり・笠木など)、というところ。
実は、SGPは鉄骨工事の手すり・タラップの補助部材として使われることもよくあります。「SGP丸パイプ」「SGP25A」のような呼び方で、手すりや笠木の構造体に化けるイメージ。配管用が正式用途ですが、普通鋼管としての汎用性も持っているのがSGPの特徴です。
電線管との混同も多い領域。電線管系の解説は別記事でまとまっています。

SGPの白管と黒管の違い
SGPで一番よく聞かれる質問が「白管と黒管、何が違うの?」。結論はメッキの有無ですが、用途や選定ルールも整理しておきましょう。
白管と黒管の特徴
白管(白ガス管)は、表面に亜鉛メッキが施されていて防錆性能が高く、給水・排水・空気など水と接触する用途で使います。色は銀白色(亜鉛メッキの色)で、呼称はSGP-W(一般白管)。
黒管(黒ガス管)は、亜鉛メッキなしで表面はそのままの黒色(製造時の黒皮)。蒸気・温水・油など水が直接的に接触しない用途で使い、防錆塗装をしてから使用するのが一般的。表面色を活かして配管色分けの下地にもなります。
白管と黒管の使い分けルール
| 流体 | 白管 | 黒管 |
|---|---|---|
| 給水 | ◎ | △(不可) |
| 排水 | ◎ | △(不可) |
| 蒸気 | △ | ◎ |
| 温水(高温) | △ | ◎ |
| 圧縮空気 | ○ | ○ |
| ガス(都市ガス) | ◎ | △ |
→ 「白管=水系、黒管=蒸気・油系」と覚えるとほぼ間違えません。亜鉛メッキは80℃を超えると劣化が進むので、高温の蒸気には黒管を使うのが合理的、という理屈です。
現場での見分け方は、表面色(白管は銀色、黒管は黒色)、刻印(管端部に「SGP-W」「SGP-W-G」「SGP」などの規格表示)、重量(同サイズなら白管の方がメッキ分わずかに重い)、というあたりが目安です。
SGPのサイズ(規格)
SGPのサイズは「呼び径」と「外径」が違うところでつまずく人が多いポイント。両方の表記を理解しておきましょう。
呼び径と外径の対応表
| 呼び径(A) | 呼び径(B) | 外径(mm) | 厚さ(mm) |
|---|---|---|---|
| 6A | 1/8B | 10.5 | 2.0 |
| 8A | 1/4B | 13.8 | 2.3 |
| 10A | 3/8B | 17.3 | 2.3 |
| 15A | 1/2B | 21.7 | 2.8 |
| 20A | 3/4B | 27.2 | 2.8 |
| 25A | 1B | 34.0 | 3.2 |
| 32A | 1 1/4B | 42.7 | 3.5 |
| 40A | 1 1/2B | 48.6 | 3.5 |
| 50A | 2B | 60.5 | 3.8 |
| 65A | 2 1/2B | 76.3 | 4.2 |
| 80A | 3B | 89.1 | 4.2 |
| 100A | 4B | 114.3 | 4.5 |
| 125A | 5B | 139.8 | 4.5 |
| 150A | 6B | 165.2 | 5.0 |
| 200A | 8B | 216.3 | 5.8 |
| 250A | 10B | 267.4 | 6.6 |
呼び径と外径のズレ
呼び径の単位は、A(ミリメートル基準・メートル法)とB(インチ基準・ヤード・ポンド法)の2系統。「25A = 1B」のように、両方とも同じサイズの管を表すので、呼び方が違うだけ。古い図面や輸入機器ではB表記、新しい設計図はA表記が中心です。
呼び径は「管の内径の概算値」として歴史的に決められたもので、実際の外径とは10〜20mmずれます。例えば呼び径50A(=2B)の管の外径は60.5mmで、内径も外径も「50mm」ではない。「呼び径=内径ではない」「呼び径=管の通称サイズ」と覚えておくと混乱しません。配管支持金具・サドル・バンド類は外径基準で選定するので、外径表を必ず手元に持っておくのが現場のコツ。
SGPの標準長さ(定尺)は5.5m or 6m。電線管が4mなのに対して、SGPは長めに作られているので、運搬・保管時は積み下ろしと曲がりに注意が必要。
SGPの塗装色と用途別の見分け方
設備配管の現場では、SGPに塗装色で内部の流体を識別する文化があります。これはJIS Z 9102(配管系の識別表示)で規定されているもので、現場で見るべきポイント。
JIS Z 9102の識別色
| 識別色 | 流体の種類 | 使用例 |
|---|---|---|
| 青 | 水 | 給水・冷水 |
| 赤 | 蒸気 | 蒸気配管 |
| 暗い赤 | 高温水 | 給湯・温水 |
| 黄 | ガス | 都市ガス・LPG |
| 茶 | 油 | 燃料油 |
| 灰(銀) | 空気 | 圧縮空気 |
| 白 | 蒸気(高圧) | 圧力配管 |
| 黒 | 工業用水・電気配管 | 雑用水等 |
配管色の使い方と運用ルール
配管色の使い方の例としては、青色塗装のSGPが給水・雑用水(プラントや設備機械室で多い)、赤色塗装のSGPが蒸気(温度が高いので保温材を巻いてその上から赤色テープ)、黄色塗装のSGPがガス管(都市ガスや工場内ガス)、銀色塗装のSGPが圧縮空気(工場の動力配管)、茶色塗装のSGPが燃料油(重油・軽油)、というあたり。
新築のプラントや工場では配管全体を塗装するのが基本。修繕現場では色テープを貼って識別することも多いです。「赤い管に水を流したら大事故」になるので、配管色を間違えないこと、運転中の流体を勝手に変更しないことは絶対のルール。
→ 「色テープが剥がれかけている管がある」のを見つけたら、施工管理として現場監督に修繕を提案するのが安全管理の基本ですね。
SGPの施工と注意点
SGPの実際の施工で押さえるべきポイントを整理します。
接続方法と継手・部材
SGPの接続方法は、ねじ接続(テーパねじを切って継手に接続)、フランジ接続(フランジ同士をボルトで締結)、溶接接続(突合せ溶接)、機械式継手(ハウジング型継手)、というあたり。
ねじ接続が一般的で、ガス管用のねじ規格はR・Rc(テーパねじ)を使います。シール材としてシールテープ・液状ガスケットを使い、ねじ込み時のトルクと回転数で締め付けを管理します。
SGPに使う継手・部材としては、ニップル(短い直管)、ソケット(直管同士をつなぐ短い継手)、エルボ(90°・45°曲がり)、チーズ(T字に分岐)、ユニオン(着脱可能な接続部)、フランジ(メンテ性のある接続部)、ベンド管(曲がり)、というあたり。ベンド管との関係は別記事を参照してください。

チェックポイントとありがちなミス
施工管理上のチェックポイントは、規格表示(SGP・SGP-W・SGP-W-G)と図面指示の整合、配管経路の勾配(水抜きが効く方向)、支持間隔(呼び径25A以下で1.5m、50A以下で2m、100A以下で3mが目安)、ねじ接続部のシール処理、識別色の塗装・表示、排水管の場合は排水トラップ・通気管との関係、給水管の場合は逆流防止と水撃防止、というあたり。
ありがちなミスとしては、白管と黒管を間違えて使用(蒸気管に白管を使ってメッキが劣化)、ねじ接続時のシール不足で漏れる、配管支持金具の選定間違い(呼び径と外径の混同)、識別色塗装の色違い、というところ。
配管工事全般のチェックポイントは、配管工事の解説記事でも整理しています。

SGPに関する情報まとめ
- SGPとは:JIS G 3452の配管用炭素鋼鋼管(Steel Gas Pipe)
- 白管と黒管:白管は亜鉛メッキあり(水系)、黒管はメッキなし(蒸気・油系)
- 使用圧力:1MPa以下の一般配管
- サイズの単位:A(mm基準)、B(インチ基準)の2系統
- 呼び径と外径:呼び径は内径の概算で、実際の外径と10〜20mmずれる
- 定尺:5.5m〜6m
- 識別色:青(水)、赤(蒸気)、黄(ガス)、銀(空気)、茶(油)等のJIS Z 9102規格
- 接続方法:ねじ接続が標準、大口径ではフランジ・溶接
- 支持間隔:50A以下で2m、100A以下で3mが目安
以上がSGPに関する情報のまとめです。
SGPは設備配管の最も基本的な鋼管で、現場で見ない日はないと言っても過言ではない部材。「白管か黒管か」「呼び径と外径」「識別色」の3点を押さえておけば、図面確認・発注・支持金具選定で迷うことが減ります。配管工事の経験を積みながら、現物のSGPを見て「これは白管25Aだな」「外径34mmだから支持バンドは34用」と即答できるようになると、施工管理として一段レベルアップした感覚が掴めるかなと思います。
合わせて読みたい関連記事はこちら。








