スパイラルダクトとは?材質、規格、施工方法、吊りピッチなど

  • スパイラルダクトってなに?
  • どんな材質があるの?
  • 規格について知りたい
  • 定尺は?
  • 施工の流れって?
  • 吊りピッチについて知りたい

上記のような悩みを解決します。

スパイラルダクトは様々なメリットを保有しており、多くの現場で採用されているダクトです。おそらく使われていない現場はありません。

特に空調関係の工事に携わる人なら、知識として抑えておくことは必須です。

これを機に基礎知識は知っておきましょう。

この記事ではスパイラルダクトとは?といったところから、材質、規格、定尺、施工方法、吊りピッチなどについて解説していきます。

なるべく専門用語は使わずに分かりやすい言葉で解説していくので、初心者の方にも分かりやすい内容担っているかなと思います。

それでは行ってみましょう!

 

スパイラルダクトとは?

スパイラルダクトとは、結論「亜鉛めっきを螺旋状に巻いて作った管のこと」です。

使用されている具体例は「エアコン」でして、室内の温度を調節するには空気を運ぶ管が必要になります。スパイラルダクトは「空気を運ぶ管」の役割を果たしているんです。

やはり特徴としては「螺旋状に巻かれている」という点でして、螺旋状であることから通常の鋼管と比較して強度が高い傾向があります。

また、強度が高いことから管の厚み自体も薄めで、材料費も安く収まる傾向があります。

そもそも、施工業者が施工するのは「お金を稼ぐ為」ですから、経済的であるということは大きなアドバンテージです。経済的で強度も強いので多くの現場でスパイラルダクトは採用されています。

内面は滑らかになっているので摩擦損失も少なく、施工性も高いという複数のメリットを保有しています。

スパイラルダクトを採用するメリット

  • 強度が高い
  • 材料費が安い
  • 摩擦損失が少ない
  • 施工性が高い(施工しやすい)

欠点としては、制作が難しいことが挙げられます。

スパイラルダクトは「丸ダクト」と呼ばれるカテゴリです。よく比較されるのは「角ダクト」でして、その言葉の通りカクカクしているのが角ダクトになります。

角ダクトは板を接合すれば完成しますので、制作はそこまで大変ではありません。対して丸ダクトにはRがありますからその分制作は難しくなります。加えて、スパイラルダクトはスパイラルにしなければならない訳ですから、更に大変です。

 

スパイラルダクトの材質

スパイラルダクトの材質

  • ステンレス
  • 亜鉛めっき
  • 塩ビ
それぞれの材質について詳しく解説していきます。

 

ステンレス製スパイラルダクトの特徴

ステンレス製のスパイラルダクトは金属の中で最も錆びにくいと言っても過言ではありません。

施工してすぐに錆びてしまったら、設備としての維持費が膨大になってしまいますよね。ステンレスを採用することにより、スパイラルダクトが錆びることに対する心配も無くなります。

また、耐食性や耐熱性、強度も優れており、全体的に評価の高い材質です。

 

亜鉛製スパイラルダクトの特徴

亜鉛の大きな特徴は「加工しやすい」という点です。

融点(溶ける温度)が低く、他の金属よりも溶かす際に必要な熱エネルギーが少なく、加工がしやすくなっています。この特徴から、スパイラルダクト以外にも様々な用途で使われている材質です。

また、錆びにくいという特徴もあります。

 

塩ビ製スパイラルダクトの特徴

塩ビ製スパイラルダクトの特徴は、なんと言ってもその軽さです。

金属ではなくプラスチックですので、持ち運びが楽です。スパイラルダクトは工場から運び、現場に搬入し、使用する場所まで持っていかなければなりません。持ち運びが簡単というのは大きなメリットになります。

また、熱や薬品、油に対しても耐性があり、様々な用途があります。

 

スパイラルダクトの定尺

スパイラルダクトの定尺は、結論「4m」です。

基本的に4mという決まった長さで制作されているので、端部などは長さを調節する為に加工する必要があります。参考までに。

 

スパイラルダクトの規格

スパイラルダクトの規格(直径)

  • 75mm
  • 100mm
  • 125mm
  • 150mm
  • 175mm
  • 200mm
  • 225mm
  • 250mm
  • 275mm
  • 300mm
  • 325mm
  • 350mm
  • 375mm
  • 400mm
  • 450mm
  • 500mm
  • 550mm
  • 600mm
  • 650mm
  • 700mm
  • 750mm
  • 800mm
  • 850mm
  • 900mm
  • 950mm
  • 1000mm
厚み、重量、各所寸法は様々な種類があります。

 

スパイラルダクトの施工方法

スパイラルダクトの施工方法

以上がスパイラルダクトの施工方法です。

まず、スパイラルダクトは天井から吊るすことがほとんどです。天井から吊るす為に、躯体工事(建物の骨組みを作る工事)の段階でインサートと呼ばれる「めねじ」を仕込みます。

めねじであるインサートに対して、おねじであるボルトを差し込みます。すると天井からボルトが吊るされている格好です。

このボルトの先端に金具を付け、スパイラルダクトを固定します。

支持ピッチやボルトの太さ等は下章が参照になります。

端部の場合ならば長さを調節する為に加工が必要ですし、防火区画を貫通する部分なら、防火区画貫通処理が必要になってきます。

その時その時で必要な処理を施しましょう。

 

スパイラルダクトの吊りピッチ

(1) 横走りダクトは、吊り間隔 4,000 ㎜以下ごとに、標準図(ダクトの吊り金物・形鋼振れ止め支持要領)に準じた吊りを行う。

引用:国土交通省大臣官房官庁営繕部

結論から言うと、スパイラルダクトの吊りピッチは「4000mm以下」です。

国土交通省が定めているので、施工する上では必ず抑えなければならないポイントになります。躯体工事の段階でしっかりインサートを仕込んでおきましょう。

また、支持するアングル材とボルトにも規定があります。

下表を参考にしてみてください。

 

 

スパイラルダクトに関する情報まとめ

スパイラルダクトに関する情報まとめ

  • スパイラルダクトとは:亜鉛めっきを螺旋状に巻いて作った管のこと
  • スパイラルダクトの材質:ステンレス、亜鉛、塩ビ、他
  • スパイラルダクトの規格:上章参照
  • スパイラルダクトの定尺:4000mm
  • スパイラルダクトの施工方法:インサート→ボルト→金具で固定
  • スパイラルダクトの吊りピッチ:4000mm

以上がスパイラルダクトに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

スパイラルダクトは内装工事で登場します。内装工事全体の流れを掴んでおけば、スパイラルダクト施工に対しても理解が深まりますので、内装工事についても勉強しておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!