シリコンシーリングとは?種類、用途、変成シリコンとの違いなど

  • シリコンシーリングって何に使うの?
  • コーキングとシーリングって同じこと?
  • シリコンと変成シリコン、名前似てるけど何が違う?
  • なんでシリコンは外壁に使っちゃダメなの?
  • シリコンは塗装できないって本当?
  • 1成分と2成分、酸性と中性って何が違う?
  • シリコンとシリコーンって別物なの?
  • 間違えて外壁にシリコン打ったらどうなる?

上記の様な悩みを解決します。

シリコンシーリングは、浴室やキッチン、ガラスまわりで最もよく使われるシーリング材です。ただ、名前がそっくりな「変成シリコン」と混同されやすく、しかも「シリコンは外壁に使うな」という鉄則の理由まではあまり説明されていません。今回は定義・種類・用途・変成シリコンとの違いといった基本を押さえた上で、施工管理目線で「なぜ外壁にシリコンを打つと事故になるのか」「シリコンオイルによる汚染と塗装不可の理屈」「施工で外さないための注意点」まで、現場で効くところを整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

シリコンシーリングとは?

シリコンシーリングとは、結論「シリコーン樹脂を主成分とした、耐水・耐熱・耐候性に優れたシーリング材」のことです。

シーリング材とは、部材と部材のすき間(目地)を充填して、防水・気密・追従(動きへの追従)を担う材料の総称です。その中でシリコン系は、水や熱、紫外線に非常に強く、ガラスや金属によく密着するのが特徴で、浴室・キッチンなどの水回りやガラスまわりで最も普及しています。

なお「コーキング」と「シーリング」はほぼ同じ意味で使われます。厳密な定義の差を論じる場面もありますが、現場では同義語と捉えて問題ありません。シーリング工事全体の流れはこちらが参考になります。

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僕の整理では、シリコンシーリングは「水とガラスに最強、でも塗装と外壁には最弱」という両極端な材料です。この長所と短所がはっきりしているからこそ、使い所を間違えると事故になる。まずは「水回りの王様だけど、使う場所を選ぶ」と覚えておくと、後の話が一本に通ります。

シリコンシーリングの種類

シリコンシーリングは、硬化のしくみや成分でいくつかに分かれます。施工管理として知っておきたい分類を整理します。

成分による分類(1成分形・2成分形)

  • 1成分形:そのまま打てる。空気中の湿気で硬化する。少量・補修向き
  • 2成分形:主剤と硬化剤を混ぜて使う。大量施工・新築のサッシまわりなど向き

硬化タイプによる分類(酸性・中性)

  • 酸性タイプ(脱酢酸型):硬化時にツンとする酢酸臭。密着は良いが金属を腐食させやすく、コンクリートやモルタルには不向き
  • 中性タイプ(脱オキシム型・脱アルコール型):臭いが穏やかで、金属やコンクリートにも使いやすい

ホームセンターで売っている安価なシリコンは酸性タイプが多く、これを金属やコンクリート、鏡まわりに使うと腐食やシミの原因になります。サッシまわりや金属が絡む場所では中性タイプを選ぶのが基本です。

僕の考えでは、種類の分岐で現場が一番外しやすいのが「酸性か中性か」です。1成分か2成分かは施工量で決まりますが、酸性/中性は相手の素材(金属・コンクリ・鏡)で決まる。ここを意識せずに酢酸臭のする安いシリコンを金属に打つと、後で腐食やシミが出てクレームになります。

シリコンシーリングの用途

シリコンシーリングが本領を発揮するのは、塗装をしない・水がかりが多い場所です。代表的な用途を挙げます。

  • 浴室・浴槽まわり:水まわりの定番。防カビタイプも多い
  • キッチン・洗面台まわり:シンクやカウンターのすき間の防水
  • ガラスまわりの目地:ガラスへの密着が良く、サッシのガラス固定にも
  • 鏡・タイルまわり:水回りの仕上げ目地
  • 金属・ガラス同士の接合:密着性を活かした固定・防水

共通するのは「上から塗装しない」「水や熱にさらされる」場所だということです。逆に言えば、後で塗装する外壁の目地や、塗膜で仕上げる部分には向きません。その理由は次章でしっかり説明します。

正直なところ、シリコンの用途は「水回りとガラス」と覚えてしまえば実務の8割はカバーできます。あとは「塗装する場所では使わない」という禁則をセットで持っておけば、選定で大きく外すことはありません。

シリコンと変成シリコンの違い

名前がそっくりで一番混乱するのが、シリコンと変成シリコンの違いです。結論から言うと、名前は似ていても中身は別物の材料です。

比較項目 シリコン系 変成シリコン系
主成分 シリコーン樹脂 変成シリコーンポリマー(ポリエーテル系)
塗装 不可(塗料が乗らない) 可能(上から塗装できる)
主な使用場所 水回り・ガラスまわり 外壁・サッシまわり・各種目地
耐候性 非常に高い 高い
周辺汚染 シリコンオイルで汚染しやすい 汚染が少ない

最大の違いは塗装の可否です。シリコンは塗料をはじいて密着しないため、上から塗装できません。一方、変成シリコンは塗装が可能なので、外壁の目地のように後から塗装仕上げをする場所で使えます。

成分も違います。変成シリコンは「シリコン」と名前が付いていますが、原料はポリエーテル系のポリマーで、シリコーン樹脂そのものではありません。シリコンの耐候性に近い性質を持ちつつ、塗装できる・周辺を汚しにくいという扱いやすさを備えたハイブリッドな材料、というイメージです。

変成シリコンの詳しい特徴・用途・施工はこちらが参考になります。

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僕としては、両者は「水回りはシリコン、外壁は変成シリコン」と用途で割り切るのが一番実務的だと感じます。名前が似ているせいで成分の話に深入りしがちですが、現場で大事なのは「塗装するかしないか」で選ぶこと。塗装するなら変成シリコン、塗装しないならシリコン、これだけで判断の大半は片付きます。

なぜシリコンシーリングは外壁に使ってはいけないのか

ここが、競合の用語解説ではあっさり流されがちな、施工管理として一番大事なポイントです。「シリコンは外壁に使うな」とよく言われますが、その理由を構造的に押さえておきます。理由は大きく2つです。

理由1:塗料が密着せず塗装できない

シリコンは表面に塗料をはじく性質があり、上から塗装しても塗膜が密着せず、すぐに剥がれます。外壁の目地は塗装仕上げをする前提の場所が多いため、ここにシリコンを打つと、その部分だけ塗装が乗らず、塗り替えのたびに不具合の原因になります。

理由2:シリコンオイルが周辺を汚染する(ブリード汚染)

シリコンシーリングからは、未反応のシリコンオイル成分がにじみ出ることがあります。このオイルが目地の周りの外壁にしみ出して、ホコリを吸着し、目地に沿って黒い筋汚れ(ブリード汚染)を作ります。さらにオイルがしみ込んだ部分は塗料をはじくため、後から塗装してもその帯だけ仕上がりが悪くなります。

この2つが重なるため、外壁の目地にシリコンを使うと「塗装できない・周りが黒く汚れる・打ち替え時に隣がはじく」という三重苦になります。これが「外壁にはシリコンではなく変成シリコン」という鉄則の中身です。

外壁の構成や目地の考え方はこちらが参考になります。

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実務だと、これは新人さんが本当にやりがちなミスです。ホームセンターで安いシリコンを買ってきて外壁の補修に使ってしまい、後で塗装屋さんから「ここ塗れないんだけど」と言われる。シリコンと変成シリコンは見た目もチューブも似ているので、外壁・塗装がらみは必ず変成シリコン、と現場のルールにしておくのが安全です。

シリコンとシリコーンの違い

もう1つ、混乱しやすいのが「シリコン」と「シリコーン」という表記の違いです。

結論を言うと、シーリング材として使われる「シリコン」は、正式には「シリコーン(silicone)」を指します。一方で「シリコン(silicon)」は、本来は元素のケイ素(半導体に使われるあのシリコン)を意味する別の言葉です。

つまり、化学的に厳密に言えばシリコン(ケイ素)とシリコーン(樹脂)は別物ですが、建築の現場では「シリコンシーリング」と言えばシリコーン系シーリング材のことを指すのが慣例になっています。

僕の整理では、ここは「現場で言うシリコン=シリコーン樹脂のこと」と割り切って問題ありません。表記の厳密さより、相手が水回り用のシリコーン系を指しているのか、塗装できる変成シリコンを指しているのか、という用途の区別の方が実務では何倍も重要です。

シリコンシーリングの施工の基本と注意点

シリコンシーリングを正しく施工するための基本と、施工管理として見ておきたい注意点を整理します。

  • 素材に合った種類を選ぶ:金属・鏡・コンクリには酸性タイプを避け中性タイプを使う
  • プライマーを塗る:被着面に合ったプライマーで密着を確保する
  • 目地を清掃・乾燥させる:ホコリ・水分・油分が残ると密着不良になる
  • バックアップ材・ボンドブレーカーで三面接着を避ける:動く目地は二面接着が基本
  • 塗装の有無を必ず確認:後で塗装する場所には絶対に使わない
  • 増し打ちより打ち替え:劣化した既存目地は撤去して打ち替えるのが基本

特に外さないでほしいのが「塗装の有無の確認」と「素材に合った種類選び」です。塗装する場所にシリコンを打たない、金属・コンクリに酸性タイプを打たない。この2つを守るだけで、シリコン絡みの不具合の大半は防げます。

シリコン「塗装」という紛らわしい言葉もありますが、これは外壁塗装の塗料グレード(シリコン塗料)の話で、シーリング材とは別物です。混同しやすいので整理しておくと安全です。

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サッシまわりの目地はシリコン・変成シリコンの選定が分かれやすい場所なので、サッシ側の知識も併せて押さえておくと判断しやすくなります。

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僕の考えでは、シーリングは「材料選び9割、施工技術1割」くらい、材料選定でほぼ勝負が決まる工種です。どんなに丁寧に打っても、塗装する外壁にシリコンを選んだ時点でアウト。逆に正しい材料さえ選べば、施工自体は基本に忠実にやればまず外しません。

シリコンシーリングに関する情報まとめ

  • シリコンシーリングとは:シリコーン樹脂主成分の、耐水・耐熱・耐候に優れたシーリング材
  • 種類:成分で1成分形/2成分形、硬化で酸性(脱酢酸)/中性(脱オキシム等)
  • 用途:浴室・キッチン・洗面などの水回り、ガラス・鏡まわり。塗装しない場所向き
  • 変成シリコンとの違い:別物。シリコンは塗装不可・水回り、変成は塗装可・外壁
  • 外壁に使えない理由:塗料が密着しない+シリコンオイルのブリード汚染
  • シリコンとシリコーン:現場のシリコンは正式にはシリコーン樹脂を指す
  • 施工の注意点:素材に合った種類選び、プライマー、二面接着、塗装の有無の確認
  • 鉄則:塗装する場所にシリコンを使わない、金属・コンクリに酸性タイプを使わない

以上がシリコンシーリングに関する情報のまとめです。

シリコンシーリングは「水回りとガラスに最強、でも塗装と外壁には使えない」という、長所と短所がはっきりした材料です。種類(1成分/2成分・酸性/中性)と用途を押さえた上で、施工管理としては「変成シリコンとの違い」と「なぜ外壁に使うと事故になるか(塗装不可・ブリード汚染)」まで理解しておくと、材料選定で外さなくなります。シーリングは材料選びで勝負が決まる工種なので、ここの判断軸を持っておくと現場の品質がぐっと安定するはずです。

シリコンシーリングに関するよくある質問

Q1:シリコンと変成シリコンはどう使い分ければいいですか?

「塗装するかしないか」で分けるのが一番確実です。塗装しない水回りやガラスまわりにはシリコン、後から塗装する外壁の目地やサッシまわりには変成シリコンを使います。シリコンは塗料をはじいて塗装できず、シリコンオイルで周辺を汚染するため外壁には向きません。変成シリコンは塗装が可能で周辺汚染も少ないので、外壁・サッシなど広範囲に使えます。名前は似ていますが成分も性質も別物なので、用途で割り切るのが実務的です。

Q2:なぜシリコンは外壁に使ってはいけないのですか?

理由は2つあります。1つは、シリコンが塗料をはじいて塗装が密着しないため、塗装仕上げをする外壁の目地に使うとその部分だけ塗れなくなること。もう1つは、シリコンから未反応のシリコンオイルがにじみ出て、目地の周りの外壁に黒い筋汚れ(ブリード汚染)を作り、その部分が塗料をはじくようになることです。結果として「塗装できない・周りが汚れる・打ち替え時に隣がはじく」という三重苦になるため、外壁には変成シリコンを使うのが鉄則です。

Q3:シリコンの酸性タイプと中性タイプは何が違いますか?

硬化するときに出る成分と、使える素材が違います。酸性タイプ(脱酢酸型)はツンとした酢酸臭があり、密着は良いものの金属を腐食させやすく、コンクリートやモルタルには不向きです。中性タイプ(脱オキシム型・脱アルコール型)は臭いが穏やかで、金属やコンクリート、鏡まわりにも使いやすいです。ホームセンターの安価なシリコンは酸性タイプが多いので、金属・鏡・コンクリが絡む場所では中性タイプを選ぶのが基本です。

Q4:シリコンとシリコーンは別物なのですか?

化学的には別物ですが、現場では同じものを指します。シーリング材として使う「シリコン」は、正式には「シリコーン(樹脂)」のことです。一方、本来の「シリコン(silicon)」は元素のケイ素(半導体材料)を意味する別の言葉です。建築の現場では「シリコンシーリング」と言えばシリコーン系シーリング材を指すのが慣例なので、表記の厳密さより、水回り用のシリコンか塗装できる変成シリコンか、という用途の区別の方が実務では重要です。

Q5:水回りの補修ならシリコンを使って大丈夫ですか?

はい、水回りはシリコンが最適です。浴室・浴槽・キッチン・洗面台・鏡まわりなど、水や熱にさらされて塗装をしない場所は、耐水・耐熱・防カビに優れるシリコンの得意分野です。ただし金属や鏡が絡む場所では、腐食やシミを避けるため酸性タイプではなく中性タイプを選びましょう。また、古くなった目地は上から重ねる増し打ちより、既存を撤去して打ち替える方が密着・防水ともに確実です。

Q6:シリコン塗料とシリコンシーリングは同じものですか?

別物です。シリコンシーリングは目地を充填するシーリング材、シリコン塗料は外壁などに塗る塗料のグレードの一種で、用途がまったく違います。名前に「シリコン」が付くので混同されがちですが、シーリング材としてのシリコンと、塗料としてのシリコンは別の製品です。外壁塗装の文脈で出てくる「シリコン」は塗料グレードの話、シーリングの文脈で出てくる「シリコン」は目地材の話、と切り分けて理解すると混乱しません。

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