施工計画書の書き方|過去の計画書をコピーする前に確認したい項目

施工計画書とは、工事を完成させるための手順や工法を、着手前に書面にまとめて監督職員に提出する計画書です。公共の土木工事では土木工事共通仕様書が記載事項を示しており、コピーして直すだけでは、その現場の条件に合った計画書になるとは限りません。書き方の要は、項目を埋めることではなく、その現場の条件に合わせて手順と管理の方法を決めることです。

  • 施工計画書って、そもそも何のために出す書類なの?
  • 何を書けばいいのか、項目は決まっているの?
  • 前の現場の計画書をコピーして直すのはダメ?
  • いつまでに、誰に出せばいいの?
  • 土木と建築で書き方は違うの?
  • 施工方法って、どこまで具体的に書けば通るの?
  • 途中で計画が変わったら出し直し?
  • 施工要領書や施工体制台帳とは何が違うの?
  • 安衛法の計画届とは別物?
  • 施工管理技士の試験の「施工計画」とつながってる?

上記の様な悩みを解決します。

施工計画書は、公共工事の着手前に受注者が監督職員へ出す書類です。初めて任されると、過去の現場の計画書を開いて工事名と日付を差し替えたくなりますが、それだと「何を、何の根拠で書く欄なのか」が分からないまま埋めることになります。今回は定義・記載項目・作成の手順といった基本を押さえた上で、施工管理アプリやテンプレートの紹介記事では触れられにくい「記載項目の根拠になる仕様書の条番号」「土木と建築で書類の組み方が違うこと」「施工要領書・施工体制台帳・安衛法の計画届を根拠法で切り分けること」まで、条文に沿って整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初めて施工計画書を任された若手の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

施工計画書とは?着手前に手順と工法を決めて監督職員に出す計画書

施工計画書とは、結論「工事目的物を完成させるために必要な手順や工法を、着手前にまとめて監督職員に提出する計画書」のことです。根拠になるのは、国土交通省の土木工事共通仕様書(案)の1-1-1-6 施工計画書です。

条文はこうなっています。「受注者は、工事着手前または施工方法が確定した時期に工事目的物を完成するために必要な手順や工法等についての施工計画書を監督職員に提出しなければならない。」(土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 1-1-1-6 1項)。続けて「受注者は、施工計画書を遵守し工事の施工にあたらなければならない。」(同 1-1-1-6 1項)とあります。なお、1-1-1-6の1〜3項と記載事項16項目は、令和7年3月版から文言が変わっていません。

この2文から読み取れることを、心の声に沿って並べます。

  • 何のために出すのか:工事目的物を完成させる「手順や工法等」を、受注者が先に決めて示すため
  • 誰が出すのか:主語は「受注者」
  • いつ出すのか:「工事着手前または施工方法が確定した時期」
  • 誰に出すのか:「監督職員」
  • 出した後はどうなるのか:受注者は施工計画書を「遵守し」て施工する

ここで見落としやすいのが最後の1点です。施工計画書は出したら終わりの提出物ではなく、受注者自身がその内容に縛られる書類です。現場で計画と違うやり方をすれば、それは計画書を守っていないことになります。僕は、施工計画書を「監督職員に見せるための書類」と捉えるより、「自分たちが守る約束を先に書いておく書類」と捉えたほうが、書く中身の具体性が自然に上がると考えています。

民間工事については、ここで引いたのは公共工事の仕様書なので、この条文から民間工事での提出義務の有無は言えません。民間工事で求められているかどうかは、その工事の契約書や発注者に確認してください。

何を書くか:公共土木の施工計画書は16項目(土木工事共通仕様書1-1-1-6)

公共の土木工事で施工計画書に何を書くかは、土木工事共通仕様書(案)1-1-1-6 1項に番号つきで示されています。仕様書は「この場合、受注者は、施工計画書に以下の事項について記載しなければならない。」(土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 1-1-1-6 1項)と書いた上で、次の16項目を挙げています。

番号 項目名(仕様書の表記どおり) この欄で決めて書くこと(項目名からの読み方)
(1) 工事概要 どんな工事かを1枚で分かるようにまとめる
(2) 計画工程表 着手から完成までの作業の順番と時期
(3) 現場組織表 現場を誰がどの役割で担うか
(4) 指定機械 指定された機械
(5) 主要船舶・機械 使う主な船舶・機械
(6) 主要資材 使う主な資材
(7) 施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む) 工種ごとの手順と工法。括弧の中の機械・仮設・用地もここに入る
(8) 施工管理計画 品質や出来形をどう確かめ、どう記録するか
(9) 安全管理 作業ごとの危険と、その防ぎ方
(10) 緊急時の体制及び対応 事故や災害が起きたときの連絡と動き方
(11) 交通管理 工事に伴う交通をどう管理するか
(12) 環境対策 工事が周辺の環境に与える影響への対策
(13) 現場作業環境の整備 作業する人のための現場環境
(14) 再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法 再生資源をどう使い、副産物をどう処理するか
(15) 法定休日・所定休日(週休二日の導入) 現場の休日をどう設定するか
(16) その他 上に当てはまらないが、この工事で書いておくべきこと

右の列は、項目名から僕が読み取った「その欄で決めること」の目安で、仕様書の文言ではありません。

項目の多い欄は、それぞれの専門の考え方を借りる

16項目のうち、(2)(7)(8)は1つの欄だけで別の専門分野になるくらい中身があります。計画工程表は、工種の並びと期間を見せるならバーチャート工程表の書き方、作業同士のつながりとクリティカルパスまで示すならネットワーク工程表の読み方と描き方が下敷きになります。

(7)の括弧書きに入っている仮設備計画は、仮設の設備をどう計画するかの話で、仮設計画の立て方は別記事で整理しています。(8)施工管理計画は、品質・原価・工程・安全・環境のどれをどう管理するかの全体像を5大管理(QCDSE)の考え方で押さえ、寸法や高さの管理は出来形管理の基本とつなげて書くと、欄の中身がばらけません。

補足を求められたとき・簡易な工事のとき

16項目は上限ではありません。仕様書は「また、監督職員がその他の項目について補足を求めた場合には、追記するものとする。」(土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 1-1-1-6 1項)としています。

逆に、全部を書かなくてよい場合もあります。「ただし、受注者は維持工事等簡易な工事においては監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略することができる。」(同 1-1-1-6 1項)。省略できるのは「維持工事等簡易な工事」で、しかも「監督職員の承諾を得て」「一部を」です。自分の判断で項目を丸ごと落としてよい、という書き方にはなっていない点に気をつけてください。

(15)法定休日・所定休日(週休二日の導入)

16項目の中で、現場の働き方に直接かかわるのが(15)です。現行の令和8年3月版、その前の令和7年3月版のどちらにも「(15)法定休日・所定休日(週休二日の導入)」が記載事項として入っています。過去の現場の計画書を下敷きにするなら、項目の番号と名称を最新の仕様書と1つずつ照らし合わせてから書き始めると、欄の取りこぼしを防げます。

公共建築は「総合施工計画書」と「工種別施工計画書」の2段で作る

建築の施工計画書は、土木と書類の組み方が違います。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は、工事全体の計画と工種ごとの計画を分けて作るよう求めています。

1段目が総合施工計画書です。「(1) 工事の着手に先立ち、工事全般に関する総合的な計画をまとめた施工計画書(総合施工計画書)を作成し、監督職員に提出する。」(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 1.2.2(1))。作るときには「(2) 施工計画書の作成に当たり、関連工事等の関係者と調整のうえ、十分検討する。」(同 1.2.2(2))とあり、関連工事等の関係者との調整が前提になっています。

2段目が工種別施工計画書です。「(3) 品質計画、施工の具体的な計画並びに一工程の施工の確認内容及びその確認を行う段階を定めた施工計画書(工種別施工計画書)を、工事の施工に先立ち作成し、監督職員に提出する。ただし、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は、この限りでない。」(同 1.2.2(3))。工種別施工計画書は、ただし書のとおり、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は作らなくてよい扱いになります。

「承諾」と「報告」の使い分け

建築の条文で読み落としやすいのが、手続きの言葉の違いです。

  • 総合施工計画書・工種別施工計画書の提出:「監督職員に提出する」(1.2.2(1)(3))
  • 品質計画に係る部分:「監督職員の承諾を受ける」(1.2.2(4))
  • 品質計画に係る部分の変更:これも「監督職員の承諾を受ける」(1.2.2(4))
  • 内容の変更が必要になったとき:「監督職員に報告するとともに、施工等に支障がないよう適切な措置を講ずる」(1.2.2(5))

1.2.2(4)の逐語は「(4) (1)及び(3)の施工計画書のうち、品質計画に係る部分については、監督職員の承諾を受ける。また、品質計画に係る部分について変更が生じる場合は、監督職員の承諾を受ける。」(同 1.2.2(4))です。つまり品質計画の部分は、出すときも変えるときも(4)で承諾が要ります。変更が生じたときの報告と措置は、(5)で施工計画書全体に求められています。

施工図等は、施工計画書とは別の書類として扱われています。「(1) 施工図等を工事の施工に先立ち作成し、監督職員の承諾を受ける。ただし、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は、この限りでない。」(同 1.2.3(1))。同じ仕様書の1.1.2 用語の定義では「「工事関係図書」とは、実施工程表、施工計画書、施工図等、工事写真その他これらに類する施工、試験等の報告及び記録に関する図書をいう。」(同 1.1.2(ソ))とされ、施工計画書と施工図等は工事関係図書の中の別々の書類として並んでいます。

建築の記載例としては、国土交通省関東地方整備局のサイトに「施工計画書(記載項目等参考例)」が掲載されています。対象は「工事規模が概ね6千万未満の建築工事及び5千万円未満の電気設備工事、暖冷房衛生設備工事。」とされ、使い方は「該当項目:受注者は該当項目の欄に○を付して、監督職員と協議の上、記載項目を確認する。」(関東地方整備局サイト掲載「施工計画書(記載項目等参考例)」)です。項目に○を付けて監督職員と確認する形なので、対象の規模に当てはまる工事なら、何を書くかの当たりを付けるのに使えます。

書き方の手順:設計図書と現場の条件から「この現場だけの計画」にする

書き方の手順は、結論「設計図書を読み、現場の条件を確かめ、項目ごとにこの現場の手順と管理方法を具体化し、関係者と調整してから出す」です。この流れの根拠として、国土交通省中部地方整備局の「現場技術者のための 中部地方整備局 土木工事書類作成の手引き(案)」令和2年10月が参考になります。

手引きは施工計画書を「施工計画書は、受注者が設計図書に基づき、工事着手前に工事目的物の施工手順、工法などを詳細に記載し、監督職員に提出する。」(中部地方整備局 土木工事書類作成の手引き(案) 令和2年10月 2-1)と説明しています。なお、この手引きは令和2年版のため、仕様書の条番号を旧版の「1-1-4」で書いています。現行の土木工事共通仕様書(案)では1-1-1-6なので、条番号は混ぜずに読み替えてください。

手順の流れ

手引きの説明を下敷きにすると、作る順番は次のようになります。

  • 設計図書・特記仕様書を読み、この工事で何を作り、何が指定されているかを押さえる
  • 現場の条件(地形・気象・周辺の状況)を確かめる
  • 記載事項の項目に沿って、この現場の手順と管理方法を具体的に決める
  • 関連する工事や関係者と調整する
  • 監督職員に提出し、補足を求められたら追記する

2つ目の「現場の条件」について、手引きは「公共工事は、単品受注生産であるため、全く同じものはひとつとない。したがって、施工計画書も現地の地形や気象状況等を十分把握してその現場状況に合った施工計画を、主任(監理)技術者等が図上等でシミュレーションしながら作成することが必要である。」(同 2-1(1))と書いています。施工方法をどこまで具体的に書けばよいかの答えは、ここにあると僕は読んでいます。「図上等でシミュレーション」できるくらい、つまり図面の上で作業の順番と機械の動きを追えるくらいまで書く、ということです。

過去の計画書をそのまま流用しない理由

前の現場の計画書を開いて直す方法そのものは、手早く形を作るには役に立ちます。ただ、手引きは記載例について「なお、以下の記載例は作成が初めての技術者を対象にした参考であり、必ずしもこれによることはない。当該工事の施工に合致した計画書を作成することが必要であり、受注者の創意工夫で作成されたい。」(同 2-1)としています。記載例ですら「参考」の扱いなので、別の現場の計画書はなおさら下敷きにとどめるべきものです。

同じ手引きは、施工計画書をマニュアル化している場合のことも書いています。「なお、最近は、施工計画書をマニュアル化している場合、提出された施工計画書の施工方法が実際の工事と異なっていたり、主任(監理)技術者が施工計画書そのものを理解していないことなどが見られるので、十分注意する必要がある。」(同 2-1(1))。手引きが書いているのはマニュアル化の話ですが、過去の計画書の工事名と日付だけを差し替える使い回しも、これと同じ状態になりやすいと僕は考えています。しかも施工計画書は1-1-1-6で「遵守」が求められる書類です。書いた内容と現場がずれた時点で、計画書を守れていない状態が生まれます。

雛形や記載例はどこで手に入れるか

雛形は、発注者や地方整備局が出している記載例を使うのが筋です。土木なら上の中部地方整備局の手引き、建築なら前の章で触れた関東地方整備局サイト掲載の参考例があります。発注者ごとに独自の様式を指定していることもあるので、特記仕様書や監督職員の指示を先に確認してから、記載例を当てはめてください。

手引きには「施工方法等がしっかり検討され準備が万全であれば、「段取り八分」というように、工期等に余裕をもって品質のよい工事目的物を作ることが期待できる。」(同 2-1(1))という一文もあります。個人的には、施工計画書を書く時間は書類仕事ではなく、段取りそのものの時間だと捉えると、手が止まりにくくなると思っています。

計画が変わったら:変更施工計画書と詳細施工計画書

計画が変わったときは、結論「重要な変更なら、その都度、変更する工事に着手する前に変更施工計画書を出す」です。土木工事共通仕様書(案)1-1-1-6には、1項の施工計画書に続けて2項と3項があります。

2項の変更施工計画書は「受注者は、施工計画書の内容に重要な変更が生じた場合(工期や数量等の軽微な変更は除く)には、その都度当該工事に着手する前に変更に関する事項について、変更施工計画書を監督職員に提出しなければならない。」(土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 1-1-1-6 2項)です。

3項の詳細施工計画書は「受注者は、施工計画書を提出した際、監督職員が指示した事項について、さらに詳細な施工計画書を提出しなければならない。」(同 1-1-1-6 3項)です。

この2つを整理すると次のとおりです。

  • 変更施工計画書を出すのは「重要な変更が生じた場合」
  • 括弧書きのとおり「工期や数量等の軽微な変更は除く」
  • 出すタイミングは「その都度当該工事に着手する前」
  • 詳細施工計画書は、施工計画書を出した際に「監督職員が指示した事項について」出す

どこからが「重要な変更」で、どこまでが「軽微な変更」かの線は、条文の中では括弧書きの「工期や数量等」以上には書かれていません。迷ったときは自分で軽微と決めつけず、着手前に監督職員に確認するのが安全だと僕は考えています。建築の場合の変更の扱いは、前の章の1.2.2(4)(5)のとおり、品質計画の部分は提出時も変更時も承諾、変更が生じたら全体について報告と措置です。

施工要領書・施工体制台帳・安衛法の計画届との違い

施工計画書とまぎらわしい書類は、結論「根拠になっているルールが違う別の書類」です。名前や中身が似ていても、どの法令・仕様書に基づくかで切り分けると混ざりません。

書類 根拠 誰が どこへ・どうする
施工計画書(土木) 土木工事共通仕様書(案)1-1-1-6 受注者 監督職員に提出
施工計画書(建築) 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)1.2.2 (仕様書は主語を書かずに規定) 監督職員に提出
施工要領書 両仕様書の本文に「施工要領書」の語なし 会社・発注者で扱いが異なる 会社・発注者で扱いが異なる
施工体制台帳 建設業法 第24条の8 第1項 特定建設業者 作成し、工事現場ごとに備え置く
機械等の設置等の計画 労働安全衛生法 第88条 第1項 事業者 工事の開始の日の三十日前までに労働基準監督署長に届出
建設業の仕事の計画 労働安全衛生法 第88条 第2項・第3項 事業者 第2項は三十日前までに厚生労働大臣、第3項は十四日前までに労働基準監督署長に届出

施工要領書は、標準仕様書の本文に出てこない語

「施工要領書」という語は、土木工事共通仕様書(案)と公共建築工事標準仕様書(建築工事編)の本文には出てきません。標準仕様書に定めが無いぶん、施工要領書は会社や発注者によって呼び方も中身も違ってきます。ここで言えるのは「この2つの標準仕様書の本文には無い」ことまでで、ほかの資料に定めがあるかどうかまでは確かめていません。

一方で、土木の仕様書には「施工要領」という語が1か所だけ出てきます。1-3-7-5 継手の機械式鉄筋継手の規定で、「① 使用する工法に応じた施工要領を施工計画書に記載し、施工を行わなければならない。」(土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 1-3-7-5 第8項(1)①)です。この条文では、工法ごとの施工要領は別の書類ではなく、施工計画書の中に書く扱いになっています。

施工体制台帳は、建設業法の書類

施工体制台帳の根拠は建設業法です。「特定建設業者は、発注者から直接建設工事を請け負つた場合において、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額)が政令で定める金額以上になるときは、建設工事の適正な施工を確保するため、国土交通省令で定めるところにより、当該建設工事について、下請負人の商号又は名称、当該下請負人に係る建設工事の内容及び工期その他の国土交通省令で定める事項を記載した施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置かなければならない。」(建設業法 第24条の8 第1項)。施工計画書が「どう作るか」の計画なのに対して、施工体制台帳は「誰が請け負っているか」の記録です。台帳と一緒に動く樹形図については施工体系図の書き方と施工体制台帳との違いで整理しています。

安衛法の計画届は、労働基準監督署長などへの届出

労働安全衛生法第88条の計画の届出は、監督職員ではなく行政への届出です。第1項は機械等の設置等の計画で、「その計画を当該工事の開始の日の三十日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。」(労働安全衛生法 第88条 第1項)。第1項にはただし書があり、「ただし、第二十八条の二第一項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、厚生労働省令で定めるところにより労働基準監督署長が認定した事業者については、この限りでない。」(同 第88条 第1項)とされています。

建設業の仕事そのものの計画は第2項と第3項です。第2項は「事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の三十日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。」(同 第88条 第2項)、第3項は「事業者は、建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあつては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の十四日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。」(同 第88条 第3項)です。

施工計画書の(9)安全管理に書く内容と重なる部分があっても、計画届は別の法律に基づく別の手続きです。根拠法も提出先も違うので、別々に考えておく必要があります。

施工計画は主任技術者の職務で、1級建築施工管理技士の第二次検定でも問われる

施工計画の作成は、主任技術者・監理技術者の法律上の職務の一つです。建設業法は「主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。」(建設業法 第26条の4 第1項)と定めていて、職務の最初に「施工計画の作成」が挙がっています。

試験でも施工計画は問われます。1級建築施工管理技術検定の第二次検定の検定基準には「3 監理技術者として、設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる応用能力を有すること。」(建設業振興基金 令和7年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引 総合版(旧受検資格用))とあり、令和8年度の受検の手引でも同じ文言です。この検定基準の解答形式は記述です。ここで確かめたのは1級建築の手引だけなので、ほかの種目や2級の基準はそれぞれの受検の手引で確認してください。

  • 建設業法第26条の4第1項で、施工計画の作成は主任技術者・監理技術者の職務
  • 1級建築の第二次検定では、検定基準に「施工計画を適切に作成し」が入っている
  • 令和8年度の1級建築の第二次検定は令和8年10月18日(日)

土木の経験記述で施工計画をどう書くかは1級土木の経験記述(施工計画)の書き方に、1級と2級の違いや受検の全体像は施工管理技士の1級・2級の違いにまとめています。個人的には、仕事で施工計画書を一度書き切っておくと、1級建築の検定基準にある「設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し」という力を試験の前に使っておく練習にもなると考えています。

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施工計画書に関する情報まとめ

  • 施工計画書とは:受注者が「工事着手前または施工方法が確定した時期」に、手順や工法等をまとめて監督職員に出し、自ら遵守する計画書
  • 何を書くか:土木工事共通仕様書(案)1-1-1-6の16項目。補足を求められたら追記、簡易な工事は承諾を得て一部省略できる
  • 公共建築の場合:総合施工計画書と工種別施工計画書の2段。品質計画の部分は提出時も変更時も承諾、変更が生じたら全体について報告と措置
  • 書き方の手順:設計図書と現場の条件から、項目ごとにこの現場の手順と管理方法を具体化する。過去の計画書は下敷きにとどめる
  • 変更したとき:重要な変更はその都度、着手前に変更施工計画書。工期や数量等の軽微な変更は除く
  • ほかの書類との違い:施工要領書は標準仕様書2種の本文に無い語、施工体制台帳は建設業法、計画届は安衛法の書類
  • 主任技術者・試験とのつながり:施工計画の作成は建設業法上の職務で、1級建築の第二次検定の検定基準にも入っている

以上が施工計画書に関する情報のまとめです。

施工計画書で一番大事なのは、16項目を全部埋めることではなく、「この現場でしか通用しない計画」になっているかどうかです。まず自分の工事の特記仕様書で様式の指定を確かめ、最新の仕様書の項目番号と照らし合わせてから、現場の条件を1つずつ書き込んでいく。その順番を守れば、前の現場の計画書に引きずられずに済むと思います。仮設の配置から先に固めたい方は仮設計画の考え方もあわせてどうぞ。

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