- 施工計画って何を書けばいいのか一番わからない
- 施工計画が出たのは何年?また出るの?
- 「事前調査で判明した施工上の課題」って、調査した結果を書くの?
- 品質や安全の書き方と何が違うの?「検討した項目」は要らないの?
- 事前調査なんて、自分がやったか覚えていない
- 下請の立場で施工計画なんて作っていない
上記の様な悩みを解決します。
1級土木施工管理技士の第二次検定で、問題1に施工計画が指定されたのは令和6年度の1回だけです。設問2は「事前調査で判明した施工上の課題」と「反映した対応処置とその評価」の2段で構成されています。施工計画に関する知識問題は、令和元・2・3・7年度にも出題されていました。
本記事では、令和元年度から令和7年度までの問題文を原本と照合し、施工計画が経験記述として問われた年の設問構成に加え、知識問題で使われてきた「現場条件の調査」「検討項目」といった語彙が、経験記述の材料にどうつながるかを整理しています。工事概要と答案の整合を確認するときの注意点もまとめました。
設問文はできるだけ問題冊子の原文のまま引いてから噛み砕いていくので、品質や安全の例文は用意したのに施工計画だけ手つかず、という方でも読み進めやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
施工計画が問題1の設問になったのは令和6年度だけ|令和元年度〜令和7年度を並べる
先に結論を書いておきます。令和元年度から令和7年度までの7回分の問題冊子を並べると、1級土木の問題1(経験記述)で施工計画が設問になったのは令和6年度の1回だけでした(令和元年度・令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題 問題1/令和3年度〜令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。一方で、施工計画の知識そのものは、問題1とは別の問題として令和元年度・令和2年度・令和3年度・令和7年度に出ています。この2つを分けて見るのが、施工計画の準備の出発点になります。
| 年度 | 問題冊子の名称 | 問題1の設問1 | 問題1の設問2 | 施工計画の知識を問う問題(この記事で原本を照合したもの) |
|---|---|---|---|---|
| 令和元年度 | 実地試験問題 | 工事概要 | 品質管理 | 問題11(選択問題)施工計画書に記載すべき内容 |
| 令和2年度 | 実地試験問題 | 工事概要 | 品質管理 | 問題6(選択問題)施工計画作成時に留意すべき事項の穴埋め |
| 令和3年度 | 第二次検定試験問題 | 工事概要 | 安全管理 | 問題3(必須問題)施工計画の立案の5つの検討項目 |
| 令和4年度 | 第二次検定試験問題 | 工事概要 | 安全管理 | — |
| 令和5年度 | 第二次検定試験問題 | 工事概要 | 品質管理 | — |
| 令和6年度 | 第二次検定試験問題 | 安全管理 | 施工計画 | —(問題1の設問2そのものが施工計画) |
| 令和7年度 | 第二次検定試験問題 | 品質管理 | 環境対策 | 問題7(選択問題)施工計画作成時に留意すべき事項の穴埋め |
表の問題1の列は、令和元年度・令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題 問題1と、令和3年度〜令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1の設問の見出しから拾いました。令和元年度〜令和5年度は工事概要そのものが〔設問1〕で、管理項目は〔設問2〕に1つだけ置かれていました(令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。令和6年度からは工事概要が設問の外に出て、〔設問1〕と〔設問2〕の両方が管理項目になっています(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。右端の列の「—」は、この記事で施工計画の知識問題として原本を照合していない年という意味で、その年に関連する出題が一切無かったと言い切るものではありません。
同じ表の中で、問題1の設問の欄と右端の列を見比べると、施工計画という分野の扱われ方が見えてきます。経験記述として書かされたのは令和6年度の1回です。ところが知識の側では、令和元年度から令和3年度まで3年続けて何らかの形で問われ、令和7年度にもまた穴埋めで出ています。令和7年度は問題1が品質管理と環境対策でしたが、同じ冊子の問題7が施工計画作成時の留意事項でした(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題7)。
- 問題1で施工計画が設問になったのは、令和元年度〜令和7年度で令和6年度の1回
- 令和5年度までは工事概要が設問1で、管理項目は設問2の1つだけだった
- 令和6年度から工事概要が設問の外に出て、設問1・設問2とも管理項目になった
- 施工計画の知識問題は、令和元年度・令和2年度・令和3年度・令和7年度に出ていた
7回のうち1回しか出ていない題目を、出題の「傾向」として語るのは材料が足りません。経験記述の1回だけを見て次の年を読もうとするより、知識問題に4回出た語を手元にそろえておく方が、どの年の問題1に当たっても使える準備になる、というのがこの表から言えることです。
令和7年度に施工計画が問題1から外れたことで「準備が無駄になった」と感じる必要も、僕は無いと考えています。問題7の穴埋めのように、施工計画の語彙は知識問題の側で問われ続けていて、その語彙はそのまま経験記述の材料になるからです。この接続は3つ目の見出しで具体的に扱います。
設問2は2段|「事前調査で判明した施工上の課題」と「反映した対応処置とその評価」
令和6年度の施工計画の設問文は、次のとおりです。「工事概要に記述した工事の「施工計画」の作成に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。ただし,設問1と同一内容の解答は不可とする。⑴ 施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した施工上の課題 ⑵ ⑴で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問2)。
段は⑴と⑵の2つです。品質管理や安全管理の例文を先に仕上げた人ほど、ここで手が止まります。理由は、並べてみるとすぐ分かります。令和6年度と令和7年度の問題1には、合わせて4つの設問がありました。その⑴と⑵を横に並べたのが次の表です。
| 設問 | ⑴に書くもの | ⑴に「検討した項目」があるか | ⑵に書くもの |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 設問1(安全管理) | 「具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」 | ある | 「⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」 |
| 令和6年度 設問2(施工計画) | 「施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した施工上の課題」 | 無い | 「⑴で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」 |
| 令和7年度 設問1(品質管理) | 「具体的な現場状況と特に留意した品質管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」 | ある | 「⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」 |
| 令和7年度 設問2(環境対策) | 「施工に際し判明した,環境対策上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」 | ある | 対応処置とその評価 |
表の出典は、令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問1・設問2と、令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問1・設問2です。4つのうち3つは、⑴の後ろに「その課題を解決するために検討した項目」が続いています。施工計画の設問2だけがこの語を持っていません。
違いは「検討した項目」の有無だけではありません。設問文の語を1つずつ比べると、施工計画の設問にしか無い語が4つあります。
- 課題の呼び方が「技術的課題」ではなく「施工上の課題」になっている
- 課題が見えた時点が「施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査」と、着工前に置かれている
- ⑵の起点が「⑴で記述した検討項目の」ではなく「⑴で記述した課題について」になっている
- 処置の置き場所が「施工計画の作成にあたり反映した」と、計画書の側に指定されている
ここからは設問文の読み方で、問題冊子に書かれていることではありません。「検討した項目」の欄が無いということは、課題と処置の間に、検討の段を独立させて書く場所が用意されていないということです。課題→検討→処置→評価という4つの要素で例文を組んでいると、そのまま流し込んだときに、検討の部分が行き場を失います。施工計画の設問では、⑴は課題だけ、⑵は計画に反映した処置と評価、と2つに割って書く方が、設問の欄の形に素直に沿うと読めます。なぜその処置を選んだのかは、⑵の中で「この課題に対して、計画のこの部分をこう決めた」と書く流れの中に収まる、という考え方です。
もう一つの「施工上の課題」という語についても触れておきます。設問1の安全管理や令和7年度の2つの設問は、どれも「◯◯上の技術的課題」でした。施工計画の設問だけが管理項目の名前を冠さず、「施工上の課題」と書いています。事前調査で判明したことが、施工のどこに影響するのか。その影響の形を課題として書く欄だと受け取ると、「調査した結果を書くのか」という迷いも整理しやすくなります。調査で分かった事実(たとえば地盤の状態や周辺の状況)はあくまで出発点で、⑴に置くのは、その事実が施工にとってどういう問題になったのか、の方です。調査結果の羅列で⑴を埋めると、⑵で「その課題について」受ける相手がぼやけます。
なお、この設問には「設問1と同一内容の解答は不可とする。」というただし書きが付いていました(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問2)。同じ工事から安全管理と施工計画の材料をどう分けるかは、安全管理の経験記述で設問1と設問2を書き分ける考え方に入口の語の違いから整理してあるので、ここでは繰り返しません。検討項目型の設問の書き方そのものは、品質管理の設問文を原本から読んだ記事が対になります。
事前調査の引き出しは、施工計画の知識問題(令和元・2・3・7年度)にある
⑴の「事前調査で判明した施工上の課題」が書けない、という悩みの多くは、事前調査という語が広すぎて、何を思い出せばよいのか分からないところから来ていると思います。その引き出しの見出しに当たる語が、実は施工計画の知識問題の設問文にそろっています。
令和3年度 問題3|施工計画の立案の5つの検討項目
令和3年度は必須問題の問題3で、施工計画の立案がまるごと問われました。「土木工事における,施工管理の基本となる施工計画の立案に関して,下記の5つの検討項目における検討内容をそれぞれ解答欄に記述しなさい。ただし,(例)の検討内容と同一の内容は不可とする。」(令和3年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題3)。挙がっていた5つの検討項目は、契約書類の確認事項/現場条件の調査(自然条件の調査)/現場条件の調査(近隣環境の調査)/現場条件の調査(資機材の調査)/施工手順、です(同 問題3)。
この5つを、経験記述の⑴に置く「事前調査で判明した施工上の課題」の候補の方向に下ろしたのが次の表です。左の列は問題冊子の語、右の2列は当サイトの整理で、問題冊子が示した分類ではありません。
| 検討項目(令和3年度 問題3の語) | 事前に分かりうること(一般的な方向) | ⑴の課題にするときの形 |
|---|---|---|
| 契約書類の確認事項 | 設計図書と現地の食い違い、発注者から示された施工の条件 | 図面どおりには施工できない箇所がどこにあったか |
| 現場条件の調査(自然条件の調査) | 地盤、湧水や地下水、気象、河川の水位の動き | その条件のもとで、どの作業のやり方や時期が縛られたか |
| 現場条件の調査(近隣環境の調査) | 周辺の住宅や店舗、道路の通行、埋設物や架空線 | 作業の範囲・時間帯・機械の配置のどこが制限されたか |
| 現場条件の調査(資機材の調査) | 搬入経路、調達にかかる時間、機械を据えられる場所 | 何が、いつまでに、どこから入れられないと分かったか |
| 施工手順 | 他工事との取り合い、先に終えておくべき作業 | どの順番で進めないと手戻りが出ると分かったか |
表の中身に数値や固有の工法名は入れていません。自分の工事で、着工前に分かっていたことをこの5つの引き出しに振り分けてみると、⑴に置ける題材が思ったより残っているはずです。「事前調査なんて自分がやったか覚えていない」という場合も、この表を横に置いて、着工前の打合せ記録や施工計画書の現場条件の章を読み返すと、手がかりが見つかりやすくなります。設問文は「施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査」と書いていて、誰が行った調査かまでは指定していません(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問2)。自分がどう関わったかは、工事概要の立場の欄と合わせて書き方を決めることになります。
令和元年度 問題11|施工計画書に記載すべき内容
令和元年度は選択問題の問題11で、施工計画書の中身が問われました。「公共土木工事の施工計画書を作成するにあたり,次の4つの項目の中から2つを選び,施工計画書に記載すべき内容について,解答欄の(例)を参考にして,それぞれの解答欄に記述しなさい。ただし,解答欄の(例)と同一内容は不可とする。」(令和元年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題 問題11)。4つの項目は、現場組織表/主要資材/施工方法/安全管理でした(同 問題11)。
令和3年度の5項目が「調べる側」の語だとすると、令和元年度の4項目は「計画書に書く側」の語です。経験記述の⑵が求めているのは「施工計画の作成にあたり反映した対応処置」なので、この4項目は、⑴の課題を計画書のどこに反映したかを言うときの置き場所の候補になります。これも当サイトの読み方です。
ここで「施工計画書の中身を書けばいいのか、経験を書けばいいのか」という迷いにも区切りを付けておきます。令和元年度の問題11は、公共土木工事一般について施工計画書に記載すべき内容を問う知識の問題でした。一方の問題1は、柱書に「あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」とあるとおり、経験した工事について書く欄です(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。計画書の一般論は知識問題の答え方で、問題1の設問2には、自分の工事で判明した課題と、それを計画書のどこに入れたかを書く、という分担になります。
令和2年度 問題6と令和7年度 問題7|施工計画作成時の留意事項の穴埋め
令和2年度と令和7年度は、どちらも選択問題で、施工計画作成時に留意すべき事項の文章に空欄を埋める形でした。穴埋めの答えはこの記事では書かず、空欄は問題冊子の記号のまま示します。
令和2年度の問題6は「次の文章の[ ]の(イ)〜(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記述しなさい。」で、5つの文に空欄が7つ、記号は5種類でした(令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題 問題6)。そのうち⑴は、「施工条件などを十分に把握したうえで」一般的事項と工事の難易度を考慮し、総合的な視点で計画を作るよう求める文で、空欄が2つありました(同 問題6)。
令和7年度の問題7は「土木工事の施工計画作成時に留意すべき事項について,次の文章中の[ ]の(イ)〜(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記述しなさい。」で、4つの文に空欄が5つでした(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題7)。⑴には空欄(イ)が1つあり、文の後半は「…施工方法,工程,安全対策,環境対策等必要な事項を立案すること。」です。⑵は「関係機関等との[(ロ)],調整が必要となる工事では,その内容は一般的に計画立案の[(ハ)]条件となるのでよく把握すること。」です(同 問題7)。⑶と⑷は、都市内の工事での災害防止と、現場の組織編成・連絡系統についての文でした(同 問題7)。
経験記述の目で読むと、令和2年度⑴の「施工条件などを十分に把握したうえで」と、令和7年度⑵の「関係機関等との[(ロ)],調整が必要となる工事では,その内容は…よく把握すること」は、どちらも計画を立てる前に把握しておく対象を名指ししています。関係機関等との調整で決まった条件は、近隣環境の調査と並んで、⑴の課題の候補に加えてよい引き出しだと僕は読んでいます。令和7年度⑴の後半に並ぶ「施工方法,工程,安全対策,環境対策等」は、⑵で反映先を言うときの語としてそのまま使えます。
- 令和3年度 問題3の5つの検討項目は、⑴の課題を拾う引き出しの見出しになる
- 令和元年度 問題11の4項目は、⑵で計画書のどこに反映したかを言う置き場所になる
- 令和2年度 問題6と令和7年度 問題7は、計画前に把握する対象と、立案する事項の語を持っている
- 知識問題は計画書の一般論、問題1は経験した工事の話、と答える場所が分かれている
知識問題は選択問題だった年も多く、令和元年度・令和2年度は「問題2〜問題6の5問題から3問題」「問題7〜問題11の5問題から3問題」、令和3年度以降は「問題4〜問題7の4問題から2問題」「問題8〜問題11の4問題から2問題」を選ぶ形でした(令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題/令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題)。令和7年度は問題4の前に「問題4〜問題7のうち2問を解答してください。(3問以上解答すると減点)」とも書かれています(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題4の前の注意)。選ばずに飛ばした問題でも、設問文の語だけは経験記述の準備に使えます。必須問題と選択問題の取捨を含めた二次の準備全体は、1級土木の第二次検定全体の進め方を扱った記事に回しています。
「反映した対応処置」と「評価」は、計画のどこに入れたかでつなぐ
⑵の設問文は「⑴で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」です(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問2)。「反映した対応処置」と「評価」の違いが分からない、評価は「うまくいった」でよいのか、という迷いは、この1文の中の語順を追うとほどけてきます。以下は設問文の読み方で、採点基準は公表されていないため、書き方の正解として示すものではありません。
語順どおりに並べると、⑵の中身は3つの部品に分かれます。
- 起点:⑴で記述した課題(⑴に書いていない課題はここに出てこない)
- 対応処置:その課題を、施工計画の作成にあたってどこに反映したか
- 評価:反映した計画で施工したとき、課題に対して何が確かめられたか
対応処置の部品で効いてくるのが「施工計画の作成にあたり反映した」という語です。安全管理や品質管理の設問の⑵は「⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」で、処置の置き場所を指定していません(令和6年度・令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問1)。施工計画の設問だけが、処置を計画書の側に置くよう求めています。だから対応処置の文は、現場で何をしたかより先に、計画のどの部分をどう決めたかを書く形に寄せると設問の語と合います。反映先の言い方は、令和7年度 問題7⑴の「施工方法,工程,安全対策,環境対策等」や、令和元年度 問題11の現場組織表・主要資材・施工方法・安全管理がそのまま使えます(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題7/令和元年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題 問題11)。
評価の部品は、処置の文の繰り返しにならないようにするのがコツだと思います。「計画どおり施工でき、うまくいった」だけだと、何に対してうまくいったのかが読み手に渡りません。⑵の起点が「⑴で記述した課題について」なので、評価も⑴の課題に戻して、計画に反映したことで課題がどう扱えたのか、何が確かめられたのかを書くと、⑴から⑵までが1本につながります。反対に、課題が残った点や次の工事で変えたい点があれば、それを評価に含める書き方も設問文の語からは外れません。
架空の工事で1本通してみる
ここで、つながり方を見るための例を1つだけ置きます。以下は説明のために作った架空の工事で、筆者や特定の現場の経験ではありません。数値は入れていません。
架空の工事は、河川に近い場所での橋梁下部工です。着工前の現地踏査と、発注者から受け取った資料の確認で、工期の一部が河川の水位が上がりやすい時期にかかることが分かった、とします。
⑴に置くのは、この事実そのものではなく、施工への影響の形です。「水中部の施工が水位の上がる時期に重なると、仮締切の中での作業が止まり、工程が後ろにずれるおそれがあった」という課題になります。
⑵の対応処置は、計画書のどこに反映したかで書きます。工程の面では水中部の作業を水位の上がる時期より前に終える順番に組み替え、仮設の面では仮締切の構造と撤去の時期をその工程に合わせて決め、安全対策の面では水位の確認と作業中止の判断の手順を計画に書き込んだ、という形です。
評価は⑴の課題に戻します。「水中部を予定の時期までに終え、水位の上がる時期には水上部の作業に移れたため、課題とした工程のずれは生じなかった。事前調査の段階で水位の条件を計画に織り込んでおくことが、仮設の手戻りを防ぐうえで有効だと確かめられた」といった書き方になります。
この例のとおりの工事を書く必要はまったくありません。見てほしいのは形の方で、⑴の課題の語が⑵の処置と評価の両方にもう一度出てくると、2段の答案が1つの話としてつながります。
例文を丸暗記して臨むやり方について一言だけ触れておきます。柱書には「なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」と書かれています(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。上の架空の例も、形を借りるためのもので、中身は自分の工事の事前調査で分かったことに置き換えて初めて答案になります。
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【PR】経験記述の書き方、独学のままで大丈夫ですか
施工計画は出題実績が少ないぶん、自分の書き方が合っているか判断しづらいところです。専門の対策講座という選択肢も知っておくと安心です。
- 事前調査で何を書けばよいのか、材料の集め方に自信が持てない
- 安全・品質の型をそのまま流用してよいのか迷う点がある
- 施工計画の準備をどこから始めるか、一人では決めきれない
工事概要の欄と施工計画の答案をそろえる|主な工種・施工量・工期
施工計画の答案は、工事概要の欄と切り離しては読まれません。令和6年度と令和7年度の工事概要の記入項目は「⑴ 工事名 ⑵ 工事現場における施工管理上のあなたの立場 ⑶ 工事の内容(① 発注者名 ② 工事場所 ③ 工期 ④ 主な工種 ⑤ 施工量)」でした(令和6年度・令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 工事概要)。
まず、工事概要を書き漏らしたときの扱いです。令和6年度の問題1の上の枠には「※問題1〜問題3は必須問題です。必ず解答してください。問題1で ①工事概要の解答が無記載又は記述漏れがある場合,②設問1の解答が無記載又は設問で求められている内容以外の記述の場合,どちらの場合にも問題1の設問2以降は採点の対象となりません。」と書かれていました(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1の上の注意)。表紙の注意3も「問題1の工事概要及び設問1のいずれかが無記載等の場合,問題1の設問2以降は採点の対象となりません。」です(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 表紙 注意3)。
施工計画の目で読むと、この注意書きの意味がはっきりします。令和6年度の施工計画は設問2でした。工事概要か設問1のどちらかが無記載等になると、施工計画の答案は採点の対象から外れる位置にあったということです。施工計画の欄をどれだけ厚く書いても、その手前の2つがそろっていなければ読まれない、という並びでした。
令和7年度は、表紙の注意2が「問題1の工事概要及び設問1のいずれかが無記載等の場合,不合格となります。」に変わりました(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 表紙 注意2)。令和5年度までは工事概要が設問1で、その無記載等も後ろの問題が採点されない条件でした。令和7年度の書きぶりそのものは令和7年度で不合格の条件がどう書かれたかを読んだ記事に回し、ここでは施工計画の答案と工事概要の中身をそろえる話に進みます。
次に、中身をそろえる話です。工事概要の主な工種や施工量と、施工計画の答案の話がずれたらどう扱われるのか、を定めた文は問題冊子にありません。ここからは当サイトの整理ですが、施工計画の答案は工事概要の欄と照らし合わせて読まれる前提で組んでおく方が、読み手に話が通りやすくなります。
| 工事概要の欄 | 施工計画の答案でそろえるところ |
|---|---|
| 工事場所 | ⑴の課題の出どころ(近隣環境や自然条件)が、書いた場所と矛盾しないか |
| 工期 | ⑵で工程に反映した話が、工期の中に収まっているか。課題の時期が工期にかかっているか |
| 主な工種 | ⑵で反映した施工方法や仮設が、主な工種に挙げた作業のものになっているか |
| 施工量 | 計画に反映した仮設や資機材の手配の規模が、施工量の欄と釣り合っているか |
| 施工管理上のあなたの立場 | 施工計画の作成に自分がどう関わったかの書き方が、立場の欄と食い違わないか |
たとえば主な工種に挙げていない作業の仮設を⑵の中心に置くと、その仮設がどの工事の話なのか、読み手が工事概要まで戻って探すことになります。工事概要を先に書き、そこに書いた語を設問2でもう一度使う、という順番にしておくと、ずれは起きにくくなります。
下請の立場で施工計画を書けるのか、という点は、工事概要の注意書きが手がかりになります。「あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。」とあり(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 工事概要の注意)、二次下請の立場で工事概要を書く受検者も想定されています。施工計画の設問文は「工事概要に記述した工事の「施工計画」の作成に関し」で(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1 設問2)、設問文に、計画書を自分ひとりで作成したことを求める語はありません。ただ、どの程度の関わりなら足りるのかは問題冊子に基準が無いので、ここは線を引かずにおきます。所属会社が受注した範囲の工事で、自分が事前調査や計画のどの部分に関わったのかを、立場の欄と合わせて具体的に書くのが無理のない組み立てだと思います。
- 工事概要の記入項目は、工事名・立場・工事の内容(発注者名・工事場所・工期・主な工種・施工量)
- 令和6年度は工事概要か設問1が無記載等だと、施工計画の設問2以降が採点の対象外になる位置だった
- 令和7年度は同じ場面が「不合格となります。」と書かれた
- 主な工種・施工量・工期と、施工計画で反映した中身がずれない順番で書く
- 二次下請の場合の発注者名の書き方は、工事概要の注意書きに示されている
1級土木施工管理技士の経験記述(施工計画)に関する情報まとめ
- 施工計画が設問になった年:令和元年度〜令和7年度のうち、問題1の設問が施工計画になったのは令和6年度の1回。令和8年度に何が指定されるかは未公表
- 設問の形:令和6年度の設問2は、⑴事前調査で判明した施工上の課題、⑵計画に反映した対応処置とその評価の2段。4つの設問の中で施工計画だけ「検討した項目」の欄が無い
- 課題の引き出し:令和3年度 問題3の5つの検討項目が⑴の課題を拾う見出しに、令和元年度 問題11の4項目と令和7年度 問題7の語が⑵の反映先の言い方になる(当サイトの整理)
- 処置と評価:処置は計画のどこに入れたかで書き、評価は⑴の課題に戻して何が確かめられたかを書く
- 工事概要との関係:工事概要か設問1が無記載等だと施工計画は読まれない位置にあり、令和7年度は「不合格」。主な工種・施工量・工期と中身をそろえる
以上が1級土木施工管理技士の経験記述(施工計画)に関する情報のまとめです。
施工計画の経験記述は、品質や安全と比べて、机の上で材料を作りにくい題目です。着工前に何が分かっていたかは、現場が終わるころには記憶から抜けてしまうからです。だからこそ、答案の文章を考える前に、書こうとしている工事の施工計画書を1冊手元に出してみてください。現場条件の章と工程表を開き、令和3年度の5つの検討項目の見出しごとに、着工前に分かっていたことを1行ずつ書き出す。その横に、それが計画書のどのページに反映されたかを書き添える。この2列の表ができれば、⑴と⑵の材料はもうそろっています。
経験記述の全体の流れの中で施工計画をどこに置くかを確かめたいときは、1級土木の経験記述の全体像に戻ると、施工計画の設問を問題1のどこで答えることになるのかが見通せます。
