施工管理技士の1級と2級のいちばん大きな違いは、1級なら監理技術者になれ、2級は主任技術者までという点です。監理技術者が必要になるかどうかは、工事の大きさそのものではなく、下請に出す金額で線が引かれます。種類は複数あり、2級には種別に分かれるものもあります。この記事では、自分の担当工事ならどの種目をどの級から取ればよいかを判断できるよう、一覧で整理します。
- 1級と2級って、結局なにが違うの?
- 2級を持ってれば、現場で困ることはないんだろうか
- 1級がないとできない仕事って具体的に何?
- 監理技術者と主任技術者の違いが、いまだにあいまい
- 「大きい工事は1級」って言うけど、どこからが大きいの?
- 4,500万円と5,000万円、どっちが何の線だったか毎回混ざる
- 施工管理技士って全部で何種類?自分の担当工事はどれ?
- 2級の「種別」って何?どれを受ければいいの?
- 一次だけ受かって二次に落ちたら、何も残らないの?
- 2級を飛ばして、いきなり1級を受けてもいいのかな
上記の様な悩みを解決します。
施工管理技士は、建設業法にもとづく技術検定に合格すると名乗れる国家資格で、級によって現場で就ける立場が変わります。ところが調べてみると、スクールや求人サイトの解説は建築か土木のどちらかに寄っていて、1級と2級の差を「扱える工事の規模」の一言で済ませているものが目立つんですよね。今回は1級と2級でなれる技術者・7つの種目・受検資格といった基本を押さえた上で、ほかの解説ではほとんど触れられていない「監理技術者が要る金額と、専任が要る金額は別の物差し」という点と、1級の一次に合格した技士補が、主任技術者の資格と合わせて監理技術者補佐の要件になる仕組みまで、国土交通省と指定試験機関の公表資料から施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これからどの級・どの種目から受けるか決めたい施工管理の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級と2級の違いは「監理技術者になれるかどうか」
施工管理技士の1級と2級の違いは、1級なら監理技術者になれて、2級は主任技術者までという点に集約されます。この記事の残りの論点は、どれもこの1点から枝分かれしていきます。
主任技術者と監理技術者の関係は、国土交通省のマニュアルが次のように書いています。建設工事を施工するときは「主任技術者を置かなければならないこととされている」とした上で、一定の場合には「主任技術者に代えて監理技術者を置かなければならない」(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。つまり現場には必ず技術者が置かれ、条件を満たす工事ではその役が主任技術者から監理技術者に格上げされる、という2段の作りです。
では1級と2級で、どちらに就けるのか。建築と電気工事の検定を実施している建設業振興基金は、合格者が就ける立場を記号で示しています。「◎:特定建設業の営業所の専任技術者(又は監理技術者)となることができる/○:一般建設業の営業所の専任技術者(又は主任技術者)となることができる」(建設業振興基金 施工管理技術検定のページ)。この表で1級は◎、2級は○です。施工管理技士の1級と2級でみると、監理技術者の側に立てるのは1級で、2級は主任技術者まで、というのが両者を分ける線になります。
さらに土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種は指定建設業として扱われ、監理技術者になれる人がもう一段絞られています。「特に指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業)に係る建設工事の監理技術者は、一級施工管理技士等の国家資格者又は建設業法第十五条第二号ハの規定に基づき国土交通大臣が認定した者…に限られる(法第二十六条第二項)。」(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。
1級と2級を、この記事で扱う論点だけで並べると次のとおりです。
| 比べる点 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 二次合格で就ける立場 | 監理技術者になれる(振興基金の表で◎) | 主任技術者まで(同じ表で○) |
| 一次合格で得られる称号 | 1級技士補 | 2級技士補 |
| 監理技術者補佐の要件との関係 | 要件に「一級の技術検定の第一次検定に合格した者」が挙がっている | 要件には挙がっていない |
| 第一次検定の年齢 | 満19歳以上 | 満17歳以上 |
| 第二次検定の実務経験(建築の例) | 1級第一次検定合格後、実務経験5年以上 など | 2級第一次検定合格後、実務経験3年以上 など |
※年齢は建設業振興基金の1級建築・2級建築のページ、実務経験は同ページの新受検資格の表から。監理技術者補佐の要件は国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル
表の下2行は後の章で詳しく見ます。ここで覚えておきたいのは次の4点です。
- 現場には必ず主任技術者か監理技術者のどちらかを置く
- 施工管理技士のうち、監理技術者の側に立てるのは1級で、2級は主任技術者まで
- 指定建設業7業種の監理技術者は、1級施工管理技士等の国家資格者か大臣認定者に限られる
- この記事で見てきた制度上の差は、合格後にどちらの役で名前を出せるか
社内の評価や資格手当の額は、公表資料から言える数字がありません。僕は、会社が1級を求める理由の一つは、監理技術者を置かなければならない工事を受けるには、その役に就ける人が社内に要ることだと考えています。だからこそ個人的には、手当の額を比べるより「自分の会社が監理技術者の要る工事をどれだけ受けているか」を確かめた方が、1級の重みを正しくつかめると考えています。
施工管理技士は7種類。2級は種別に分かれるものがある
施工管理技士の種類は、指定試験機関の実施ページに並ぶ検定名を数えると7つです。そのうち2級の種別が公表ページに載っているのは、建築・土木・建設機械の3つです。
種類の総数そのものを書いた公表文は見当たらないので、ここでは3つの指定試験機関が実施している検定名を数えた値として7種目と書いています。国土交通省の「よくある問合せ」の表も同じ7つ(土木・建築・電気工事・管工事・造園・建設機械施工管理・電気通信工事)を載せています。
| 検定名 | 2級の種別 | 実施機関 |
|---|---|---|
| 建築施工管理技術検定 | 建築・躯体・仕上げ | 建設業振興基金 |
| 電気工事施工管理技術検定 | — | 建設業振興基金 |
| 土木施工管理技術検定 | 土木・鋼構造物塗装・薬液注入 | 全国建設研修センター |
| 管工事施工管理技術検定 | — | 全国建設研修センター |
| 電気通信工事施工管理技術検定 | — | 全国建設研修センター |
| 造園施工管理技術検定 | — | 全国建設研修センター |
| 建設機械施工管理技術検定 | 第1種~第6種 | 日本建設機械施工協会 |
※検定名と実施機関は各機関の公表ページ(2026年10月2日確認)。種別は建設業振興基金・全国建設研修センター・日本建設機械施工協会の各ページの記載
建設機械は、名前が途中で変わっています。「『建設機械施工』の名称を見直し、『建設機械施工管理』となったのはいつからか。」という問いに、国土交通省は「令和3年4月 1 日から。」と答えています(国土交通省 よくある問合せ〈技術者制度〉)。古い資料で見かける「建設機械施工技士(~R2)」は、改称前の呼び名です。
2級で一番迷いやすいのが建築の種別です。振興基金の表では、合格した種別ごとに主任技術者になれる業種が次のように分かれています。
- 種別「建築」:建築一式・解体
- 種別「躯体」:大工・とび土工コンクリート・タイルレンガブロック・鋼構造物・鉄筋・解体
- 種別「仕上げ」:大工・左官・石・屋根・タイルレンガブロック・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具
振興基金はこの表に注記を添えています。「※2級の種別建築はオールマイティとなる種別ではありません。例えば、塗装工事について建設業許可を取る・主任技術者になる・経営事項審査の加点を受けるためには、種別建築ではなく、種別仕上げで合格する必要があります。」(建設業振興基金 施工管理技術検定のページ)。名前が「建築」だから全部に効く、とはならないわけです。2級建築の種別の選び方は2級建築施工管理技士の記事で扱っています。
土木の3種別も同じ作りで、合格した種別ごとに主任技術者として受け持てる業種の範囲が違います。種別ごとの業種の対応は2級土木施工管理技士の種別と業種を並べた記事で詳しく扱っているので、土木の方はそちらを先に見てください。
建設機械は、日本建設機械施工協会が「どの種別の合格者も建設業法上の資格は変わらないため、主任技術者(2級第二次検定合格者)を目指す場合は1つの種別だけの受検でかまいません。」と書いています(日本建設機械施工協会 技術検定の受検案内)。建築・土木とは種別の意味合いが違う点に注意が要ります。
残りの種目は、それぞれの記事が入口です。管工事なら2級管工事施工管理技士と1級管工事施工管理技士、造園なら2級造園施工管理技士と1級造園施工管理技士、電気通信工事は1級電気通信工事施工管理技士の合格率の記事、建設機械は1級建設機械施工管理技士の受検資格の記事、電気工事の2級は2級電気工事施工管理技士とキャリアの記事が入口です。
「1級の工事」の線は金額で引かれ、基準は2本ある
「大きな工事は1級」と言われるときの”大きさ”は、工事の規模ではなく金額で決まっています。しかも金額の線は2本あり、監理技術者が要るかどうかの線と、技術者をその現場に専任で置くかどうかの線は、物差しが別です。
監理技術者が要るかは「下請に出す額の合計」で決まる
1本目は監理技術者の線です。マニュアルは対象を「発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約」とし、その「下請契約の請負代金の額の合計」が一定額以上になると「特定建設業の許可が必要になるとともに、主任技術者に代えて監理技術者を置かなければならない」と書いています(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。マニュアルが挙げている根拠は法第二十六条第一項及び第二項です。
ここで物差しになっているのは、工事一件の請負代金ではなく、元請として下請に出す額の合計です。金額は令和7年2月1日施行の改正後の値で、国土交通省の報道発表の表では、特定建設業許可を要する下請代金額の下限が「改正後 5,000万円(8,000万円)※1」、注記が「※1 建築工事業の場合」となっています(国土交通省 報道発表・令和6年12月6日)。施行日は同じ報道発表に「2月1日(土)【(1)金額要件の見直し関係】」とあります。
特定建設業の許可の考え方は特定建設業の許可を整理した記事に詳しく書いています。
専任が要るかは「工事一件の請負代金」で決まる
2本目は専任の線です。マニュアルは「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事」を、「工事一件の請負代金の額が四千五百万円(建築一式工事の場合は九千万円)以上のもの」としています(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル・令第二十七条第一項)。こちらは下請に出す額ではなく工事一件の請負代金で測り、しかも公共性のある施設などの重要な建設工事に限った話です。
この専任の線は、技術者が1級か2級かとは別の軸です。報道発表の表は行の名前を「専任の監理技術者等を要する請負代金額の下限」としており、マニュアルも併用住宅の項で「主任技術者又は監理技術者の専任配置を求めない」と、2つの技術者を並べて書いています。専任が要るかどうかは、主任技術者の現場にも監理技術者の現場にも同じようにかかってくる問いだということです。
2本の線を取り違えないために、並べておきます。
- 監理技術者の線:発注者から直接請けた工事で、下請契約の請負代金の額の合計を見る
- 監理技術者の金額:報道発表の表で「5,000万円(8,000万円)」、カッコ内は建築工事業の場合
- 専任の線:重要な建設工事で、工事一件の請負代金の額を見る
- 専任の金額:マニュアルで「四千五百万円(建築一式工事の場合は九千万円)以上」
- 専任の線は、主任技術者か監理技術者かを問わずにかかる
4,500万円と5,000万円が混ざるのは、2つの数字が近いうえに、片方は「下請に出す額」、もう片方は「請け負った額」と、測っている財布が違うからです。現場目線で言えば、まず「この工事でうちは元請か、下請にいくら出すか」を見て監理技術者の要否を決め、次に「施設の種類と請負代金」を見て専任の要否を決める、という2段で考えると取り違えません。主任技術者の役割そのものは主任技術者の要件と役割をまとめた記事で確認できます。
一次に受かれば技士補。1級技士補は監理技術者補佐の要件の入口になる
第一次検定に合格した時点で「技士補」の称号が与えられ、1級の技士補は監理技術者補佐の要件の入口になります。二次に落ちたら何も残らない、という作りにはなっていません。
称号の決まりは、国土交通省が次のように説明しています。「技術検定の合格者に与えられる称号は、第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する技士とする。(例)1級土木施工管理技士補(1 級の第一次検定に合格した者)」(国土交通省 よくある問合せ〈技術者制度〉)。この仕組みが始まったのは「令和3年4月 1 日から。」で、それまでの学科試験と実地試験を第一次検定と第二次検定に分けたのがこのときです(同)。
監理技術者補佐の要件は「主任技術者の資格」と「1級一次合格」の組み合わせ
1級技士補になれば、すぐ監理技術者補佐になれるわけではありません。マニュアルは補佐の要件を「請け負った建設工事の種類にかかる主任技術者の資格を有する者(法第七条第二号イ、ロ又はハ に該当する者)のうち、一級の技術検定の第一次検定に合格した者。(一級施工管理技士補、当該建設工事の種類に応じて指定された検定種別に限る。)」としています(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。もう1つの道は「請け負った建設工事の種類にかかる監理技術者の資格を有する者。」です(同)。
要件を分けると次の4つになります。
- その工事の種類の主任技術者の資格を持っていること
- そのうえで、1級の第一次検定に合格していること
- 1級技士補の種目は、その工事の種類に応じて指定された検定種別に限られる
- 機械器具設置工事・さく井工事・消防施設工事・清掃施設工事では、補佐は監理技術者の資格を持つ人に限られる
最後の1行は、マニュアルが「ただし、建設工事の種類が、機械器具設置工事、さく井工事、消防施設工事又は清掃施設工事の場合は、2)に限る。」と書いている部分です(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。工事の種類によっては、一次に受かっただけでは補佐になれないものがあります。
補佐を置く意味は、監理技術者の側にあります。国土交通省は「専任特例2号とはなにか。」に対して「監理技術者の専任を要する建設工事において、当該工事現場ごとに監理技術者補佐を専任で配置することで、監理技術者の兼務が可能となる特例です。」と答えています(国土交通省 よくある問合せ〈技術者制度〉)。正直なところ、会社から見れば1級技士補が社内にいることは、監理技術者の配置を考えるときの材料が1つ増えることだと僕は受け止めています。
さらに補佐の経験は、1級の二次の受検資格にもつながります。建設業振興基金の1級建築の新受検資格には「1級建築第一次検定合格後、監理技術者補佐 (※3) としての実務経験1年以上」があり、※3には「単なる監理技術者の補助経験は対象になりません。」と添えられています(建設業振興基金 1級建築施工管理技術検定のページ)。名前の似た「補助」と「補佐」は別物なので、経験を数えるときは要注意です。免状や資格者証の手続きは施工管理技士の免状の記事にまとめています。
受検資格は令和6年度から変わった。一次は年齢、二次は一次合格後の実務経験
令和6年度からの受検資格では、第一次検定は年齢だけで受けられ、第二次検定は第一次検定合格後の実務経験を基本とする形になりました。2級を持っていなくても、年齢を満たせば1級の第一次検定は受けられます。
国土交通省の改正概要は「1級の第1次検定は、19歳以上(当該年度末時点)であれば受検可能/2級の第1次検定は、17歳以上(当該年度末時点)であれば受検可能(変更なし)」としています(国土交通省 報道発表・令和5年5月12日)。施行日は同じ報道発表に「令和6年4月1日(月)【技術検定の受検資格の見直し】」とあります。年齢の書き方は機関ごとに少しずつ違い、たとえば1級建築は「試験実施年度に満19歳以上となる者(令和8年度に申請する場合、生年月日が平成20年4月1日以前)」です(建設業振興基金 1級建築施工管理技術検定のページ)。
第二次検定の実務経験は、種目と級で形が違う
二次の実務経験は種目ごとに表があり、ここでは建築を例に取ります。1級建築の新受検資格には、次のような区分があります(建設業振興基金 1級建築施工管理技術検定のページ)。
- 1級建築第一次検定合格後、実務経験5年以上
- 1級建築第一次検定合格後、特定実務経験 1年以上を含む実務経験3年以上
- 1級建築第一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上
- 2級建築第二次検定合格後、実務経験5年以上
2級建築の新受検資格は「1 2級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験3年以上|2 1級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験1年以上|3 一級建築士試験合格後、実務経験1年以上」です(建設業振興基金 2級建築施工管理技術検定のページ)。2級電気工事も「2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験3年以上|1級…第一次検定合格後、実務経験1年以上」と、同じ形の区分があります(建設業振興基金 2級電気工事施工管理技術検定のページ)。特定実務経験の定義は振興基金のページにありますが、掲載の金額は国交省の金額改正(令和7年2月1日施行)とは別に確認が要ります。
旧制度からの切り替えには猶予があります。「令和10年度までの間は、制度改正前の受検資格要件による2次検定受検が可能」(国土交通省 報道発表・令和5年5月12日)。自分が新旧どちらで受けるかは、この期限を見ながら決めることになります。
一次と二次を同じ年に受けられるかについて、建設機械は「建設機械施工管理技術検定は、第一次検定と第二次検定、1級と2級の各試験を同年度に受検することはできません。第二次検定の受検申込みは、第一次検定合格の翌年度以降となります。」と明記されています(日本建設機械施工協会 技術検定の受検案内)。ほかの種目の扱いや細かな条件は、受検案内や2級土木や1級管工事など種目ごとの記事で確かめてください。
2級から取るか、1級から取るか
どちらから取るかに、全員に当てはまる正解はありません。決め手になるのは、いまの担当工事・年齢・実務経験の積み方の3つです。
判断の軸を並べると次のとおりです。
- いまの担当工事で、自分が監理技術者の側に立つ必要があるか
- 1級の第一次検定の年齢(満19歳以上)を満たしているか
- 二次の実務経験を、1級一次合格後と2級一次合格後のどちらで先に満たせるか
1つ目は、前の章で見た「下請に出す額の合計」の線です。会社が元請として下請に大きく出す工事を受けていて、そこで名前を出す立場を求められているなら、ゴールは1級になります。主任技術者として現場を持つ段階なら、2級でも役割は果たせます。
2つ目と3つ目は、制度の作りから見えてくる順番です。建築と電気工事の2級の新受検資格には「1級…第一次検定合格後、実務経験1年以上」という区分があります。つまり年齢を満たしているなら、先に1級の第一次検定に挑んでおくと、受かった場合に1級技士補の称号が付き、2級の二次にも1年の実務経験で進める形になります。逆に2級の一次から入ると、同じ表では2級一次合格後に実務経験3年以上の区分を通ることになります。
僕は、年齢要件を満たしていて担当工事の種目がはっきりしているなら、1級の第一次検定から腕試しをする道は検討に値すると考えています。一次は年齢だけで受けられ、受かれば1級技士補として名乗れるからです。一方で、担当工事の種目がまだ固まっていない人や、2級の種別で主任技術者になれる業種を先に押さえたい人は、2級から入って自分の業種を確定させる方が遠回りになりにくいと思います。
資格を取ったあとに、今の会社でその資格がどう扱われるかを比べたくなったら、施工管理向けの転職サービスを比べた記事も判断材料になります。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】2級から取るか1級から取るか、順番で迷っている方へ
受験の順番や学び方で迷ったときは、独学サポート事務局のような施工管理技士の受験対策講座の内容を確認してみるという選択肢もあります。
- 上司に施工管理技士を取るよう言われたが、2級と1級のどちらから受けるか決めかねている
- 自分の担当工事に合う種目と種別を調べ終えたので、次は学び方を決めたい
- 仕事と並行して、どう学ぶかを決めたい
施工管理技士の1級と2級に関する情報まとめ
- 1級と2級の違い:1級は監理技術者になれて、2級は主任技術者まで。指定建設業7業種の監理技術者は1級施工管理技士等の国家資格者か大臣認定者に限られる
- 7種類と2級の種別:検定名は7つ。2級の種別が公表ページに載っているのは建築(建築・躯体・仕上げ)、土木(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)、建設機械(第1種~第6種)
- 金額の2本の線:監理技術者は下請に出す額の合計で5,000万円(建築工事業は8,000万円)、専任は重要な建設工事の請負代金で4,500万円(建築一式は9,000万円)
- 技士補と監理技術者補佐:一次合格で技士補。補佐になるには主任技術者の資格と1級一次合格の両方が要り、工事の種類によっては一次合格だけではなれない
- 受検資格:一次は1級19歳・2級17歳以上で受けられ、二次は一次合格後の実務経験。旧受検資格での二次の新規申請は令和10年度まで
- どちらから取るか:担当工事・年齢・実務経験の積み方の3つで決める
以上が施工管理技士の1級と2級に関する情報のまとめです。
この記事で見てきた1級と2級の制度上の差は、「合格したあと、どちらの役で現場に名前を出せるか」です。まずは自分の会社が元請として下請にどれくらい出す工事を受けているかと、自分の担当工事がどの種目・どの種別に当たるかを確かめてみてください。そこが決まれば、1級の一次から入るか2級から入るかは自然に絞れてくるはずです。種別の考え方を土木で具体的に見たいなら2級土木の種別の記事、監理技術者が要る工事の前提を確かめたいなら特定建設業の記事から読むと早いです。
