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フランジ継手とは?種類、JIS規格、ガスケット、施工注意点など

  • フランジ継手って何?普通の継手と何が違うの?
  • 5Kとか10Kって何の数字?
  • RF・FFとかの座面の違いは?
  • ガスケットってどう選ぶの?
  • ボルトの締め方に決まりがあるの?
  • 漏れたときに何を疑えばいい?

上記の様な悩みを解決します。

フランジ継手とは、結論「配管端部に円盤状のつば(フランジ)を取り付け、2枚のフランジ間にガスケットを挟んでボルトで締結する着脱式の配管接続方法」のことです。溶接やねじ込みと違って、後から外せるのが最大の利点で、ポンプ・バルブ・熱交換器など、メンテで外す前提の機器接続で標準的に使われます。フランジはJIS B 2220「鋼製管フランジ」で規格化されており、設計図に「JIS B 2220 10K RF」と書かれていたらJIS規格・圧力クラス10K(呼び圧力1.0MPa相当)・面座形状RF(Raised Face:突き出し面座)という意味になります。施工で漏れる原因はだいたいフランジ心ズレ・ガスケット選定ミス・ボルト締付け不均一の3つに集中するので、ここを押さえると着工後のトラブルが激減します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

フランジ継手とは?

フランジ継手とは、結論「配管・バルブ・機器同士を、円盤状のフランジ(鍔)とガスケット、ボルト・ナットを使って着脱可能な状態で締結する継手」のことです。配管工事(https://seko-kanri.com/haikan-ko-ji/)の中で、メンテナンス・改修・点検が必要な箇所で多用されます。

他の継手との比較

継手の種類 着脱可否 主な用途
フランジ継手 着脱可能 バルブ・ポンプ・機器接続
溶接継手 着脱不可 配管本体の接続
ねじ込み継手 着脱可能 小口径低圧配管
メカニカル継手 着脱可能 上下水道のグローブ管・耐震継手

漏れた・摩耗した・改造する」というメンテ目線の判断では、フランジ継手が最も対応しやすい。代わりに部品点数・施工工数・コストは他の継手より高めです。

フランジ継手を使うべき場所

場所 理由
バルブの上下流 バルブ交換時に外せる
ポンプ吸込・吐出 ポンプ整備で外せる
熱交換器・ボイラ接続 設備更新時に外せる
流量計・制御弁 校正・交換時に外せる
大口径の長尺配管の途中 改修時に部分撤去できる

逆に、小口径(25A以下)の低圧水配管などはねじ込み継手のほうが施工性が良く、コスト面でも合理的。

フランジの種類(形状区分)

フランジは、配管との接続方法でいくつか種類に分かれます。

①ねじ込み式フランジ(Threaded Flange / TH)

配管の端にめねじが切ってあり、おねじ加工した管をねじ込むタイプ。小口径・低圧用で多用。

②差込み溶接式フランジ(Slip-On Flange / SO)

フランジに配管を差し込んで、外側+内側の2面で隅肉溶接するタイプ。施工性が良く、中口径の中圧で標準

③突合せ溶接式フランジ(Welding Neck Flange / WN)

ハブ(首部)が長く配管と同じ厚みになっており、突合せ溶接で一体化するタイプ。強度が高く、高圧・高温配管で使用

④ソケット溶接式フランジ(Socket Weld Flange / SW)

差込み式に近いが、内側のソケットに管を差し込んで隅肉溶接するタイプ。小口径の高圧用

⑤ラップジョイント式フランジ(Lap Joint Flange / LJ)

スタブエンド(先端を広げた管端)にフランジを被せる構造。フランジが配管に拘束されず回転するので、ボルト穴合わせがしやすい。ステンレス・特殊鋼配管で活用。

⑥ブラインドフランジ(Blind Flange / BL)

配管の盲蓋として使う穴のないフランジ。配管末端、点検口、将来増設用の取り合いで使用。

形状区分のまとめ

種類 略号 用途
ねじ込み TH 小口径・低圧
差込み溶接 SO 中口径・中圧(最も一般的)
突合せ溶接 WN 高圧・高温・大口径
ソケット溶接 SW 小口径・高圧
ラップジョイント LJ ステンレス・特殊管
ブラインド BL 末端・盲蓋

JIS B 2220の圧力クラス

JIS B 2220「鋼製管フランジ」では、呼び圧力(クラス)でフランジが分類されています。クラスごとにフランジ厚・ボルト本数・ボルト径が変わります。

主要な圧力クラス

クラス 呼び圧力 主な用途
5K 0.5MPa相当 上水・低圧空調・低圧ガス
10K 1.0MPa相当 一般空調・冷温水・低圧蒸気
16K 1.6MPa相当 中圧ガス・中圧蒸気
20K 2.0MPa相当 中高圧用
30K 3.0MPa相当 高圧蒸気
40K 4.0MPa相当 高圧用
63K 6.3MPa相当 超高圧

「呼び圧力」と「実使用圧力」の違い

「呼び圧力」は常温でフランジが安全に使える圧力の目安。温度が上がると使用可能な圧力は下がるので、JIS B 2220には温度・圧力線図が付属しています。

例えば10Kフランジは常温で1.0MPaまで使えますが、150℃では0.7MPa程度に下がる、というイメージ。設計時は使用温度を考慮して圧力クラスを選ぶ必要があります。

ANSI/ASMEクラスとの対応

海外規格(ANSI/ASME B16.5)も類似の圧力クラスがあり、

JIS ANSI/ASME
10K Class 150(やや低い)
20K Class 300
40K Class 600

おおよその対応は上記。寸法・ボルトピッチが微妙に違うので、JIS-ANSIの混在は避けるか、変換フランジを介して接続します。JIS規格全般の話は別記事(https://seko-kanri.com/jis/)に整理しています。

座面形状とガスケット

フランジの接触面の形状で、使えるガスケットが変わります。

座面形状の種類

形状 略号 内容
平面座 FF(Flat Face) 接触面が平坦、樹脂製ガスケットと相性良
突き出し面座 RF(Raised Face) 中央に1〜7mmの突き出し、最も一般的
環状継手座 RJ(Ring Joint) 楕円・八角の溝、メタルリングを使用、高圧用
メーキング座 MF(Male-Face) 凸凹で噛み合う、特殊用途

FF=低圧、RF=中圧の標準、RJ=高圧」と覚えるのが現場感覚。RF面座が現実には9割以上を占めます。

ガスケットの種類

種類 主な材質 用途
非石綿系シート 有機繊維+ゴム 一般水・低中圧
メタルジャケット 金属薄板+充填材 中高圧・高温
スパイラルワウンド 金属帯+充填材を渦巻き状 中高圧・高温(半石綿時代の代替)
Oリング NBR、フッ素ゴム等 一般水・冷温水
リングジョイント(RJ) 軟鋼、ステンレス 高圧(RJ座専用)

ガスケット選定はパッキンの記事にも関連知識があります。温度・圧力・流体の3要素で決めるのが基本。

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施工と締付け

フランジ継手はボルト・ナットの締付けで気密性を確保します。締付けが不均一だと簡単に漏れます。

ボルトの本数とサイズ

呼び径 クラス10K ボルト本数
50A 10K 4本
80A 10K 8本
100A 10K 8本
150A 10K 8本
200A 10K 12本
300A 10K 16本

呼び径とクラスでボルト本数が決まるので、JIS B 2220の表を確認して適合品を発注。

ボルトの締付けトルク

ボルトの種類・呼び径ごとに、標準締付けトルクがあります。M16・SS400ボルトの一例で80〜120N・m程度。

ボルト径 標準締付けトルク(M10〜M24・SS材)
M10 25〜40N・m
M12 50〜70N・m
M16 80〜120N・m
M20 150〜220N・m
M24 250〜400N・m

これは目安で、現場ではガスケットメーカーの推奨締付け力に従います。

星形(クロス)締付け順

ボルトを締めるときは、フランジを均等に押えるために星形パターンで順に締めます。

8本ボルトの場合:
1 → 5 → 3 → 7 → 2 → 6 → 4 → 8
(対角線上の順)
段階 内容
1次締め 規定トルクの30%程度を全本数
2次締め 規定トルクの60%程度を全本数
3次締め 規定トルクの100%を全本数
追い締め 1周回って締付け確認

最初に1本だけ強く締めるとフランジが傾いて、対面側のガスケットが密着しないので、必ず段階的・対角線で全本均等に締めるのが鉄則。ダブルナットで緩み止めをすることも。

配管心ズレ・段差の許容差

フランジを締める前に、配管同士の芯(センター)が合っていることを確認。

項目 許容差の目安
芯ズレ 1mm以下
段差 1mm以下
平行度 0.5°以下

無理にボルトで引き寄せて締めると、ボルトにせん断応力が掛かり、後で緩む・破断する原因に。配管側の芯出しがダメなら、配管を切り直すのが正解です。

施工管理として注意すべきポイント

①フランジ規格の整合確認

項目 確認内容
規格一致 両側のフランジが同じJIS規格・クラス・座面
ガスケット適合 座面形状・口径・厚み
ボルト規格 強度区分、長さ、めっき

JIS B 2220 10K と JIS B 2220 16K のような異クラス接続は禁止。やむを得ない場合は変換フランジまたは絞り部を経由。

②ガスケットの再使用禁止

一度使用したガスケットは潰れて気密性が出ないので、再使用厳禁。脱着するたびに新品ガスケット交換が原則。

③漏れ試験

施工後、気密試験・水圧試験で漏れを確認。低圧空調なら水圧0.75MPa、蒸気なら最大使用圧力の1.5倍などの規定値で実施。

④保温(ラギング)の取り合い

蒸気管・冷温水管はフランジ部も保温します。フランジ部は取外し可能なフランジカバー(ジャケット)を使うのが標準。

⑤異種金属の絶縁

鋼配管とステンレス機器の接続部などではガルバニック腐食が起きやすいので、絶縁スリーブ・絶縁ガスケットを介在させます。

⑥定期点検と増し締め

引き渡し後、初回点検(1〜3ヶ月)でボルトの増し締めを行うのが理想。温度・圧力サイクルでボルトが緩むことがあるためです。

フランジ継手に関する情報まとめ

  • フランジ継手とは:配管・機器同士をフランジ+ガスケット+ボルトで着脱可能に接続する継手
  • 形状区分:ねじ込み(TH)/差込み溶接(SO)/突合せ溶接(WN)/ソケット溶接(SW)/ラップジョイント(LJ)/ブラインド(BL)
  • JIS B 2220圧力クラス:5K/10K/16K/20K/30K/40K/63K。温度で許容圧力が変わる
  • 座面形状:FF(平面座)/RF(突き出し面座、最も一般的)/RJ(環状継手座)
  • ガスケット:非石綿系シート/メタルジャケット/スパイラルワウンド/Oリング/RJリング
  • 締付け:星形パターンで3段階、対角線順、ガスケットメーカーの推奨トルク
  • 配管心ズレ:1mm以下、無理な引き寄せ厳禁

以上がフランジ継手に関する情報のまとめです。

フランジ継手は、組み付けが「ボルトを締めるだけ」に見えますが、規格一致・ガスケット適合・締付け順・配管心ズレの4要素のうち1つでも欠けると気密試験で漏ります。発注時に設計図の規格表記をそのまま部材リストに転記して、組み付け前に実物のフランジとガスケットを並べて目視点検するクセを付けるだけで、現場の手戻りはガクッと減ります。あとは「一度使ったガスケットは絶対に戻さない」を徹底すれば、組立後の漏れトラブルはほぼ消えます。一通りフランジ継手の基礎知識は理解できたかと思います。

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