- 電験三種の参考書って、4科目分で何冊買えばいいの?
- 本屋に何冊も並んでて違いが分からない
- 教科書と問題集って両方買わないとダメなの?
- 過去問だけでいい?それとも問題集も要る?
- 4科目セットで1万円超えるのか…買って積むのが怖い
- 去年の版と今年の版で何が変わったんだ?
- 中古で売ってる安い旧版って使えるの?
- 電卓も買い直しって聞いたけど本当?
上記の様な悩みを解決します。
本屋で何冊も並んだ電験三種の参考書を前に、4科目分そろえると何冊・いくらになるのか分からず手が止まる人は多いはずです。結論から言うと、4科目まとめて買う必要はありません。電験三種には科目合格制度があり、合格した科目は申請により以降最大で連続5回まで試験が免除されます。試験は年2回。この記事では買う冊数と買う順番、科目別の選び方、費用の目安を整理します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
電験三種の参考書は何冊必要?
電験三種の参考書は、結論「今年受ける科目の分だけ」で足ります。4科目分を最初にそろえる必要はありません。
冊数の基本形は、1科目につき教科書1冊と問題集1冊の2冊です。教科書と問題集が別売りになっているシリーズが多いので、4科目すべてをこの形でそろえると最大8冊になります。ここが「思っていたより多い」と感じるところで、4科目セットで1万円を超えるという話の正体もこれです。ただ、8冊のうち今年使うのは2冊だけ。残りは使うのが1年以上先の本なので、先に買うと机の上で待たせるだけになります。
書籍のほかに、受験そのものに確実にかかるお金が2つあります。1つが受験手数料で、電気技術者試験センターの公表によるとインターネット申込みが7,700円、書面申込みが8,100円(いずれも非課税)です。もう1つが電卓です。試験で使えるのは「四則演算、開平計算(√)を行うための電卓」で、「数式が記憶できる電卓」「関数電卓」「印字機能を有する電卓」は使用できないと明記されています。音を発することもできません(いずれも一般財団法人 電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験の概要)。
つまり、実務で使っている関数電卓は持ち込めません。ここは知らないまま当日を迎えると詰むところなので、√キーの付いた普通の電卓を1台、早めに用意して普段の計算からそれで通しておくのが安全です。最初に手元に置くものを並べると、こうなります。
- 今年受ける1科目の教科書 1冊
- 同じ科目の問題集または過去問集 1冊
- 開平計算(√)ができる電卓 1台(関数電卓は持ち込み不可)
- 受験手数料 7,700円(インターネット申込み・非課税)
試験そのものの全体像を先に押さえたい人はこちらから読むと順序がきれいです。

取ったあとに何に使える資格なのか、選任の話まで含めた位置づけはこちらで整理しています。

僕の整理では、最初に決めるべきは「どの本を買うか」ではなく「今年どの科目を受けるか」です。ここが決まっていないから、本屋で全科目の棚を眺めて手が止まるんですね。
科目合格制度から「買う順番」を決める
参考書を1科目ずつ買っていいのか、という疑問には制度の側から答えが出ます。電験三種には科目ごとに合格を持ち越せる仕組みがあるからです。
電気技術者試験センターは、科目別合格制度について「4科目中、一部の科目だけ合格した場合は、『科目合格』となり、最初に合格した試験以降、その申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験が免除されます」と説明しています(一般財団法人 電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験の概要)。免除は自動ではなく申請が前提だという点も、あわせて押さえておきたいところです。
そして試験は年2回(上期・下期)実施されます。半年に1回のペースで5回分の枠があるということなので、単純に日数に置き換えるとおおよそ2年半のあいだに4科目を積み上げられる計算になります。1回の試験で4科目すべてを仕上げる前提で走らなくていい、というのが制度の設計なわけです。
ここから買い方が決まります。制度が「回」の単位で科目を積み上げる作りになっているなら、参考書も同じ単位で買えばいい。今年の受験で取りにいく科目を先に決め、その科目の本だけを買う。次の科目の本は、その科目の学習を始める回に買う。この順番にすると、1回に出ていく本代が2冊分で収まるうえに、後で買う本は買う時点の最新版が手に入ります。先にまとめ買いした本が版落ちする、という無駄も同時に消えます。
- 今年の受験で取りにいく科目を1〜2科目に絞る
- 絞った科目の教科書と問題集だけを買う
- 次の科目の本は、その科目の学習を始める回に買う
では最初の1科目に何を置くか。理論を先に置くのが基本です。理由は、理論で扱う直流・交流の回路計算が、電力と機械の計算問題の土台になっているからです。理論を後回しにすると、電力や機械を進めている途中で結局理論に戻ることになり、二度手間になります。
とはいえ、その理論が一番きついという声も多いです。折れそうな人向けの現実的な逃げ道は、理論と法規を同じ回に組むことです。法規は覚えて積み上げる比重が大きいので、計算で頭が煮えた日でも手が動きます。1回のなかに性格の違う2科目を入れておくと、机に向かえる日を増やせます。
科目をどの順で回すか、時間をどう配分するかはこちらで詳しく整理しています。

個人的には、この制度を使わずに1回で4科目を取りにいく計画は、現場が19時や21時に終わる人にはかなり厳しいと思っています。制度が分割を認めているのだから、素直に分割したほうが続きます。
参考書は「解けるようになるか」で選ぶ
本屋に並んだ本の違いが分からない、レビューが★4.5ばかりで逆に選べない。これは選ぶ物差しがレビューや厚さになっているからです。参考書は「解けるようになるか」で選ぶものだと決めてしまうと、見るところが変わります。
星の数で差がつかないのには理由があります。電験三種の参考書はもともと初学者向けに作られた定番が生き残っている市場なので、評価の高い本に票が集まって上のほうで団子になります。厚さも同じで、総ページ数は網羅性の目安にはなりますが、自分が詰まっている単元に厚いかどうかは分かりません。シリーズの知名度は、その本が自分の詰まりに合っているかとは無関係です。
代わりに使えるのが目次です。書店で5分あればできます。
- 目次を開いて、自分が詰まっている単元名を探す(三相交流、変圧器、誘導機など)
- その単元に何ページ割かれているかを、前後の見出しのページ番号の差で数える
- そのページを実際に開いて、式の途中の変形が省略されずに書かれているかを見る
- 例題の直後に、数値だけ変えた類題が付いているかを見る
ページ番号の差を見るのは、遠回りに見えて一番効きます。総ページ数が多くても、自分が止まる単元が10ページで流されている本なら、その本は自分向けではありません。逆に薄い本でも、詰まっている単元に30ページ使っているなら買う価値があります。
もう一つ、過去問だけでいいのか問題集も要るのかという疑問。ここは本の役割で切り分けます。教科書は説明を読んで理解する本、問題集は解き方を反復する本、過去問集は出題のされ方に慣れる本で、3つは役割が違うので入れ替えが効きません。過去問だけで進めると、解けなかった問題の理由を調べる先がなくなります。教科書は読み通すためというより、答えの根拠を引くための辞書として1冊必要だと考えてください。
逆に、問題集と過去問集は役割が近い本です。だから1科目につきどちらか1冊から始めれば足ります。避けたいのは、教科書を2冊買うような「同じ役割の本を横に並べる」買い方です。役割の違う本を縦に積むのが正しい増やし方で、同じ役割を横に並べるのは冊数だけが増える買い方になります。
過去問を何年分どう使うかは、こちらにまとめています。

正直なところ、本選びで一番効くのは書店で目次を5分見ることです。ネットのレビューを30分読むより、自分が詰まる単元のページ数を数えるほうが、はるかに外れません。
1科目分の教科書と問題集を探す
買うのは今年受ける1科目分、教科書と問題集の2冊からで足ります。星の数を比べるより、目次を開いて自分が詰まる単元(三相交流や変圧器など)に何ページ割かれているかを見たほうが失敗しにくいです。受験する科目に絞って、版の表記と目次を確かめてみてください。
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※上記はPR(アフィリエイト広告)を含みます。価格・版は各販売ページでご確認ください。
科目ごとに必要な本の性格は変わる
同じ「電験三種の参考書」でも、科目によって求める性格が違います。受電設備は毎日見ているのに理論の計算が解けない、機械は現場で一度も使ったことがない、法規は暗記だけだろう。この感覚のズレは、科目と実務との距離が科目ごとに違うことから来ています。
| 科目 | 中身の性格 | 施工管理・電気工事の実務との距離 | 本選びで見るところ |
|---|---|---|---|
| 理論 | 直流・交流の回路計算が中心。他の3科目の土台 | 受電設備は毎日見ていても、計算として解いた経験はまず無い | 式の途中の変形が省略されていないか。例題の直後に類題があるか |
| 電力 | 発電・変電・送配電と電線路、電気材料 | 受電設備、ケーブル、保護の考え方など見ている物と重なる | 用語の羅列で終わらず、図で系統上の位置づけが示されているか |
| 機械 | 回転機・変圧器・パワーエレクトロニクス・照明・自動制御など機器そのもの | 4科目で最も遠い。回転機を扱わない現場だと一度も触らない | 誘導機・同期機の等価回路の説明が丁寧か |
| 法規 | 電気の法令と、施設の管理に関する規定 | 離隔や接地は現場で守っている側なので言葉自体は近い | 版が最新か。改正の反映が明記されているか |
表で言いたいのは、電力がいちばん入りやすくて機械がいちばん遠い、という点です。電力は現場で触っている物の名前がそのまま出てくるので、知識が接着します。一方の機械は、回転機を扱わない建築設備寄りの現場だと本当に接点がありません。実務が助けてくれない科目なので、独学で最も孤立しやすいのはここです。講座を検討する候補が出てくるとしたら、まず機械になります。
法規について、暗記だけだから過去問でいいという見方は半分しか当たっていません。覚える比重が大きいのは確かですが、法規は法令そのものが問われる科目なので、覚える中身が改正で動きます。過去問だけで押し切ると、改正前の記述を正解として覚え込む危険が残ります。ここは次の章の版の話に直結します。
科目を組み合わせるときの考え方を並べておきます。
- 理論は他の3科目の土台なので、できるだけ早い回に入れる
- 電力は実務で見ている設備と重なるので、理論と組むと負荷が偏りにくい
- 機械は独学で孤立しやすいので、1回を単独で使う覚悟で置く
科目ごとの重さを二種・一種と並べて眺めたい人は、こちらが参考になります。

実務だと、機械科目だけが「知っている物が一つも出てこない」科目になりがちです。ここで参考書を替え続けても抜けないので、時間を余分に確保するか、解説を足す前提で計画を組んだほうが早いです。
数学で止まっているなら参考書より前に戻る
理論の問題が解けないとき、原因が電気ではなく数学の側にあることがよくあります。この場合、理論の参考書をもう1冊買っても解決しません。買い足す前に、どこで止まっているのかを切り分けます。
- 分数と小数が混じった式を、途中で桁を落とさずに計算できるか
- 平方根(√)や10の-6乗のような指数の表記を、単位と結びつけて読めるか
- 三角関数(sin・cos・tan)で、角度と辺の関係を式に直せるか
- ベクトルの合成と、複素数での表し方が同じことを指していると分かるか
この4つのうち2つ以上で手が止まるなら、理論の教科書を買い足すのは無駄です。電気数学の入門書1冊に戻って、その範囲だけをやり直すほうが速い。逆に4つが全部通るのに問題が解けないなら、原因は数学ではないので、理論の問題集で解き方の型を反復する側に時間を回します。買い足すか戻るかは、この切り分けで決まります。
数学からやり直せと言われても、高校数学の全範囲に戻る必要はありません。電験三種で必要になる数学は上の4項目の周辺に集まっているので、戻る範囲もそこで止めていい。分厚い高校数学の参考書を1ページ目から始めるのは、現場が21時に終わる人にとっては時間の使い方として現実的ではないです。
もう一つ意識しておきたいのが、電気の計算は積み上げになっていることです。交流の扱いが曖昧なまま機械の等価回路に進むと、そこでもう一度同じ場所に戻されます。同じ単元で何度も止まる感覚があるとき、原因は今開いているページではなく、その手前にあることが多いんですね。
僕の考えでは、同じ単元で3回止まったら、本を替えるより一段下に降りるのが早いです。本を替えると新しい説明を読む楽しさはありますが、止まっている場所は動きません。
改訂版と旧版の見分け方(中古を使ってよい科目)
去年の版と今年の版で何が違うのか、中古の安い旧版は使えるのか。ここは科目で答えが分かれます。結論から言うと、法規は最新版を新品で、理論・電力・機械は版を見て判断、という切り分けになります。
法規を旧版で買わないほうがいいのは、法規が法令そのものを出題の対象にする科目だからです。法令が改正されれば、覚えるべき中身も変わります。しかも厄介なのは、旧版で勉強している人は「どこが変わったのか」を自分では判断できないという点です。改正箇所が分かっていれば旧版でも直せますが、それが分かるならそもそも法規の勉強は要りません。数千円を節約して改正前の記述を覚え込むのは、割に合わない取引です。
一方、理論は中古が最も安全な科目です。オームの法則やキルヒホッフの法則が改正されることはないので、数年前の版でも中身がずれません。電力と機械も、機器と系統の基礎を扱う部分は変化が小さいので、旧版でも大きな支障は出にくいです。ただしパワーエレクトロニクスのように技術側が動いている分野は、版によって記述量に差が出ることがあります。
理論・電力・機械で旧版を使う場合の注意は1つだけあります。試験方式の説明が古いまま残っていることがある点です。方式や申込みに関する情報は本ではなく、電気技術者試験センターの公表内容で確認してください。学習内容と受験手続きの情報は、別のところから取るのが正解です。
手元の1冊が新しいのか古いのかを見分ける手順は、次の3つで足ります。
- 奥付(巻末)の「第◯版 第◯刷」と発行年月を見る。刷ではなく版が上がっているかを確認する
- 表紙や帯の年度表記を見る。「◯年度版」なら対象年度が明示されているので判断が速い
- 目次に並ぶ法令名や科目名を、試験センターの公表内容と突き合わせる
刷と版を混同しないのがポイントです。刷が増えているのは同じ内容を刷り直しただけで、内容の改訂が入ったかどうかは版の数字で見ます。中古サイトの商品写真では奥付が写っていないことも多いので、法規に限らず、版が確認できない出品は避けたほうが無難です。
現場目線で言えば、法規だけは新品、あとは奥付を見て判断、という切り分けを覚えておけば十分です。ここを一律に「中古はダメ」と決めると、理論の教材費を無駄に払うことになります。
電験三種の参考書に関する情報まとめ
- 何冊必要か:今年受ける科目の分だけ。1科目につき教科書と問題集の2冊が基本形で、4科目すべてそろえると最大8冊になる
- 一度に買わない理由:科目合格制度で複数回に分けて受けられるので、使うのが1年以上先の本を先に買う意味がない
- 買う順番:受ける科目を1〜2科目に絞る→その科目の本だけ買う→次の科目は学習を始める回に買う。理論は他の3科目の土台なので早い回に置く
- 選び方:星の数・厚さ・知名度では選ばない。目次で自分が詰まる単元のページ数と、式変形の省略の有無を見る
- 本の役割:教科書・問題集・過去問集は役割が違う。役割の違う本を縦に積み、同じ役割を横に並べない
- 科目別の性格:理論は計算の土台、電力は実務と重なる、機械は実務から最も遠い、法規は法令が動く
- 数学でつまずくとき:切り分けの4項目で2つ以上止まるなら、参考書を足すより電気数学に戻る
- 版と中古:法規は最新版を新品で。理論・電力・機械は奥付の版と発行年月を見て判断する
- 書籍以外の費用:受験手数料はインターネット申込み7,700円・書面申込み8,100円(非課税)。電卓は開平計算(√)ができるものが必要で、関数電卓・数式が記憶できる電卓・印字機能付きは使用できない
以上が電験三種の参考書に関する情報のまとめです。
僕の感覚だと、参考書を並べた記事のほとんどは「1回の試験で4科目を取る人」を前提にした買い方になっています。ただ制度の側は最初から複数回に分けて受けることを想定していて、参考書もその単位で買ったほうが実際の学習と噛み合います。冊数を減らすことが目的ではなく、いま使う2冊だけを机に置いた状態のほうが、細切れの時間でも手が動くからです。
次の一歩:独学のままで足りるかを決める
参考書の話はここまでですが、最後に一つだけ、独学を続けるかどうかの決め方を置いておきます。この判断を「なんとなくきつい」でやると、毎回先に延びて、気づいたら免除の枠を使い切ることになります。
独学で足りるかを決める前に
参考書を開いても毎回同じ単元で止まる、というのが理論では起こりがちです。試験は年2回あるので、見極めは次の申込までと決めておくと迷いません。そこまでに過去問が半分も解けない科目が残っているなら、独学をやめるのではなく解説を足す選択として、電気系に絞った能センの通信講座で費用と受講期間を確認し、独学に残せる時間と並べて比べてみてください。
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