- 電気工事業の登録ってそもそも何?
- 登録・通知・みなし・届出ってどう違うの?
- 登録するための要件は?
- 申請方法・必要書類は?
- 建設業許可との違いは?
- 罰則ってあるの?
上記の様な悩みを解決します。
電気工事業を営むには、「電気工事業法」 に基づく登録(または通知・届出)が必要です。電気工事士の資格を持っているだけでは独立して仕事を受注できないので、独立志向の電気工事士・電気工事会社の経営者にとって避けて通れない手続きです。建設業許可と混同されがちですが、別の法律・別の手続き。整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
電気工事業の登録とは?
電気工事業の登録とは、結論「電気工事業を営もうとする者が、電気工事業法に基づき経済産業大臣または都道府県知事に対して行う登録手続き」のことです。
根拠法は 「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(通称:電気工事業法)。1970年に施行され、電気工事の品質確保と保安水準の維持を目的としています。
ポイントは2つ。
- 電気工事士の資格(第一種・第二種)と、電気工事業の登録 は別物
- 個人で工事士として人の下で働くなら工事士資格だけでOK。独立して工事を請け負う場合は事業者として登録が必要
つまり「工事士資格=施工する人の資格」「電気工事業登録=施工を請け負う事業者の許可」という関係です。
電気工事業の4区分(登録/通知/みなし/届出)
ここがややこしいポイント。建設業許可の有無と工事範囲によって、必要な手続きが4区分に分かれます。
| 区分 | 対象 | 手続き |
|---|---|---|
| ① 登録電気工事業者 | 自家用電気工作物の工事+一般用も可、建設業許可なし | 登録 |
| ② 通知電気工事業者 | 自家用のみ、建設業許可なし | 通知 |
| ③ みなし登録電気工事業者 | 一般用工事を行う、建設業許可あり | 届出 |
| ④ みなし通知電気工事業者 | 自家用のみ工事を行う、建設業許可あり | 届出 |
キーワードの整理
- 一般用電気工作物:戸建て住宅、小規模店舗の電気設備(600V以下、50kW未満)
- 自家用電気工作物:高圧受電のビル・工場の電気設備(500kW未満。500kW以上は別区分)
- 建設業許可:建設業法に基づく許可。500万円以上の電気工事を請け負うなら必須
区分の判定フロー
- 建設業許可(電気工事業)を 持っているか → YESなら「みなし」
- 工事範囲は 一般用も含むか → YESなら登録/NOなら通知
- 結果として①〜④のどれかに決まる
「500万円以上の電気工事を請け負う=建設業許可も必要」「自家用電気工作物の工事を行う=主任電気工事士の配置と通知が必要」と覚えておけばOK。
建設業許可の全体像はこちら。

電気工事業の登録要件
登録(①登録電気工事業者)に必要な要件を整理します。
主任電気工事士の配置
各営業所ごとに 1人以上の主任電気工事士 を置くことが必須。主任電気工事士になれるのは、
- 第一種電気工事士、または
- 第二種電気工事士で、免状取得後に3年以上の実務経験 を有する者
実務経験は、電気工事士の資格を取得した後 の経験のみカウント。資格取得前の補助作業はカウントされないので注意。
営業所ごとの設備
| 必要設備 | 用途 |
|---|---|
| 絶縁抵抗計(メガー) | 絶縁抵抗の測定 |
| 接地抵抗計 | 接地抵抗の測定 |
| 回路計(テスター) | 電圧・電流・抵抗の確認 |
これら3点は 電気工事業法施行規則で定められた測定器具。所有または使用権原があることが条件です。それぞれの基本はこちら。


欠格事由に該当しないこと
過去に登録取消処分を受けた人や禁固以上の刑から2年以内の人は登録不可、など。詳細は法令を確認してください。
電気工事業の申請方法
1. 申請先
- 営業所が 1つの都道府県内のみ → その都道府県知事
- 営業所が 2つ以上の都道府県にまたがる → 経済産業大臣
申請窓口は実際には 経済産業局(産業保安監督部) または 都道府県の電気工事業担当課 になります。
2. 必要書類
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 登録申請書 | 法定様式 |
| 誓約書 | 欠格事由に該当しない旨 |
| 主任電気工事士等選任届出書 | 主任電気工事士の選任を証明 |
| 電気工事士免状の写し | 主任電気工事士の資格証明 |
| 実務経験証明書 | 第二種免状の場合のみ |
| 法人の登記事項証明書 | 法人の場合 |
| 住民票の写し | 個人事業主の場合 |
| 営業所所在地の地図 | 場所の特定 |
| 器具の写真 | 必要設備の保有証明 |
書類数は多いですが、様式が決まっている ので順番に埋めれば大丈夫。準備期間は1〜2週間が目安。
3. 登録手数料
- 知事登録:22,000円(新規)
- 大臣登録:90,000円(新規)
- 更新:金額は別途設定(5年ごと)
4. 登録の有効期限
登録から5年間。期限切れ前に 更新申請 が必要です。期限が切れると、登録なしで電気工事業を営むことになり罰則対象。
5. 登録番号の表示義務
登録後は 「登録電気工事業者の登録票」 を営業所に掲示し、業務用の名刺・封筒・車両等にも登録番号を表示するのがルール。
電気工事業登録と建設業許可(電気工事業)との違い
混同しやすい両者の違いを整理します。
| 項目 | 電気工事業の登録 | 建設業許可(電気工事業) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 電気工事業法 | 建設業法 |
| 目的 | 電気工事の品質・保安確保 | 建設工事全般の適正な施工確保 |
| 対象工事 | 一般用+自家用電気工作物 | 500万円以上の電気工事 |
| 必要な資格者 | 主任電気工事士 | 専任技術者(電気工事施工管理技士等) |
| 営業所要件 | 主任電気工事士+測定器具 | 専任技術者+経営業務管理責任者 |
| 工事金額制限 | なし(小規模も対象) | 軽微な工事(500万円未満)は不要 |
両方が必要なケース
500万円以上の電気工事を請け負う事業者 は、次のすべてが必要です。
- ① 電気工事業の登録(または みなし届出)
- ② 建設業許可(電気工事業)
- ③ 営業所ごとに主任電気工事士+専任技術者の配置
「許可だけ持っていて電気工事業の登録をしていない」と、電気工事業法違反になります。逆もしかり。両方を維持する のが現実的な運用。
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電気工事業の注意点・罰則
1. 無登録での営業は罰則対象
無登録で電気工事業を営むと、1年以下の懲役または10万円以下の罰金(電気工事業法第36条)。実刑が出るケースは稀ですが、行政処分や指名停止のリスクが大きく、事業継続に直結します。
2. 主任電気工事士の常駐
主任電気工事士は 営業所に常勤 することが要件。「名義貸し」は法令違反として摘発の対象になります。
3. 5年ごとの更新を忘れない
更新手続きを忘れて期限切れになると、改めて新規登録が必要になり、空白期間中は無登録営業になります。期限の3〜6ヶ月前にカレンダーで管理。
4. 住所・主任電気工事士・営業所の変更届
| 変更項目 | 期限 |
|---|---|
| 営業所の所在地 | 変更後30日以内 |
| 主任電気工事士の交代 | 変更後30日以内 |
| 法人代表者の変更 | 変更後30日以内 |
このあたりの届け忘れも罰則対象。
5. 帳簿の備付け義務
電気工事業者は、施工した電気工事について 「帳簿」 を作成し5年間保存する義務があります。注文者・工事種別・施工場所・主任電気工事士氏名・点検結果 などを記録。
6. 一人親方・個人事業主の場合
一人親方でも、自分以外の人を雇って工事させる場合 は事業者として登録が必要。逆に「他社の現場で職人として手伝うだけ」なら登録不要、というラインもあります。CCUSによる経歴登録もあわせて押さえておくと、独立後のキャリアが見える化できます。

電気工事業の登録に関する情報まとめ
- 電気工事業の登録とは:電気工事業法に基づき事業者として行う登録手続き(許可とは別物)
- 4区分:登録(一般+自家用、許可なし)/通知(自家用、許可なし)/みなし登録(一般、許可あり)/みなし通知(自家用、許可あり)
- 要件:主任電気工事士(第一種または第二種+3年実務)+絶縁/接地/回路計の3点
- 申請先:1都道府県のみは知事、複数県は大臣
- 手数料:知事22,000円、大臣90,000円
- 有効期限:5年(更新必須)
- 建設業許可との違い:根拠法・対象工事・必要資格者がそれぞれ別
- 500万円以上請負う場合は登録+建設業許可の両方が必要
- 罰則:無登録は1年以下の懲役または10万円以下の罰金
以上が電気工事業の登録に関する情報のまとめです。
電気工事業の登録は「独立して電気工事を請け負うための、避けて通れない事業者免許」。建設業許可とセットで運用するのが実務の標準で、両方を維持できる体制づくりが事業継続の前提になります。電気工事士の資格・施工管理技士・建設業許可・CCUSなど、独立後に必要な資格・登録の関連記事もあわせて押さえておくと、自分のキャリア設計がクリアになりますよ。









