電験三種とは?受験資格、試験科目、難易度、勉強方法、年収など

  • 電験三種ってどんな試験?
  • 受験資格はあるの?
  • 4科目ってどれくらいムズかしいの?
  • 合格率ってどれくらい?
  • 勉強時間はどれくらい必要?
  • 取った後ってどんな仕事ができるの?

上記の様な悩みを解決します。

電験三種は、第三種電気主任技術者試験のこと。電気系の国家資格の中でも、難易度・実用性ともに評価が高い登竜門的試験です。「働きながら取った」「3年挑戦してやっと受かった」という体験談が多い、骨のある試験ですね。受験を検討している人なら、全体像を一度押さえておくと心構えが整います。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

電験三種とは?

電験三種とは、結論「第三種電気主任技術者になるための国家試験」のことです。

「電験」は 電気主任技術者試験 の略で、第一種・第二種・第三種の3つに分かれており、その中で最も基礎的な位置づけにあるのが第三種(電験三種)。とはいえ、「基礎」と言いつつ難易度は決して低くなく、電気系国家資格の中でも難関の部類に入ります。

合格すると、電圧5万V未満かつ出力5,000kW未満の自家用電気工作物 の保安監督業務に就くことができます。具体的には中小ビル・工場・商業施設の高圧受電設備(キュービクル)が対象で、日本の高圧受電施設のほとんどはこの範囲に収まります。求人数・需要は3種が圧倒的に多いですね。

電気主任技術者という職務そのもの・選任義務・年収については別記事で詳しく書いているので、合わせてどうぞ。

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電験三種の受験資格と試験概要

電験三種は 誰でも受けられる試験 です。年齢・学歴・実務経験の制限が一切なく、申し込めば誰でも受験できます。これは電気系国家資格としてはかなり珍しい特徴。

項目 内容
受験資格 なし(誰でも受験可)
試験実施団体 一般財団法人 電気技術者試験センター
試験方式 CBT方式(コンピュータ方式)またはマークシート方式
試験回数 年2回(上期8月頃/下期3月頃)
試験科目 理論・電力・機械・法規の4科目
出題形式 多肢選択式(A問題+B問題)
受験料 8,100円(2024年度)
科目合格制度 あり(合格科目は2年間有効)

特筆すべきは 科目合格制度。1回の試験で4科目すべてに合格しなくても、合格した科目は 翌々年度まで有効。つまり、1年目に2科目、2年目に1科目、3年目に最後の1科目、と段階的に合格できる仕組みです。働きながら受験する人にはありがたい制度ですね。

2022年度から年2回実施になったので、最短だと 約半年で4科目 を制覇する強者もいますが、2〜3年計画で取る人が大半です。

電験三種の4科目

試験は4科目構成で、それぞれ独立した試験として実施されます。

理論

  • 出題範囲:電気理論(直流・交流回路)、電子回路、電気計測、電磁気
  • 難所:交流回路(複素数計算)、電磁気の積分計算、電子回路の素子特性

電気の基礎理論を問う科目で、他3科目の土台になります。先に理論をクリアしてから他科目に進む人が多いですね。数式が苦手な人にとって最大の難所。

電力

  • 出題範囲:発電所(火力・水力・原子力・再エネ)、送配電、変電所、電気材料
  • 難所:送電線の電圧降下計算、配電線のループ計算、発電方式の細かな知識

「電気をどうやって作って、どうやって運ぶか」の科目。計算問題と知識問題が半々で、暗記要素が比較的多めです。

機械

  • 出題範囲:変圧器、誘導電動機、同期機、直流機、パワーエレクトロニクス、照明、電熱、電動機応用
  • 難所:誘導電動機・同期機の等価回路、パワーエレクトロニクスの動作原理

4科目の中で 最も範囲が広く、最難関 とされる科目。回転機(モーター・発電機)の理論が中心で、計算量が多くイメージしにくい設問が多い。電気系学生でも「機械だけは苦手」という人が多数派です。

法規

  • 出題範囲:電気事業法、電気工事士法、電気設備技術基準、電気施設管理
  • 難所:電気施設管理(数値計算が混じる)、改正部分の追い込み

法令暗記が中心ですが、最後の B問題で電気施設管理の計算問題 が出るのが厄介。需要率・負荷率・不等率の計算は、毎年必ず出題されるので絶対に落とせません。

電験三種の難易度・合格率

合格率は科目別合格と最終合格でかなり差があります。

区分 合格率の目安(過去5年程度)
理論 15〜25%
電力 20〜30%
機械 15〜25%
法規 13〜25%
最終合格率(受験者ベース) 8〜13%

最終合格率が10%前後ということは、10人受けて9人は落ちる試験ということ。電気系の国家資格としては、第二種電気工事士よりは大幅に難しく、第一種電気工事士よりも難しい、というのが多くの受験者の体感です。

ただ、難しいのは 「初学者にとって」 であり、電気系学科出身者や実務経験者にとっては地続きの難易度。普通科高校卒・文系出身の社会人だと、最初から電磁気・交流回路の壁にぶつかるので、想像の倍くらい時間がかかると思っておいた方が安全です。

電験三種の勉強時間と進め方

合格までに必要な勉強時間の目安は次の通り。

出発点 必要勉強時間の目安
電気系学科卒・実務経験者 500〜700時間
第二種電気工事士保有・電気業務経験あり 700〜1,000時間
文系・電気未経験 1,000〜1,500時間

1日2時間勉強するペースで、最短8ヶ月〜長くて2年強。3年計画で1〜2科目ずつ仕上げていくのが、社会人受験の標準パターンですね。

勉強の進め方(推奨ルート)

  1. 理論を最初に仕上げる:他3科目の土台になるので、ここを飛ばすと後で詰む
  2. 電力 or 法規を2科目目に:理論と関連が深く、暗記要素もあるので比較的進めやすい
  3. 機械は最後にじっくり:範囲が広いので、専用の腰を据えた期間を確保
  4. 過去問演習を最低5年分:電験は過去問の類題が出ることが多く、過去問演習が最大の武器

教材は電気書院・オーム社の参考書が定番。最近はYouTubeの解説動画(「電験合格チャンネル」など)も充実していて、独学派の助けになっています。

スクール(TACや日本エネルギー管理センターなど)に通う人もいますが、独学合格者の方が圧倒的に多数派。費用と時間のバランスで判断する世界ですね。

電験三種取得後のキャリア

電験三種を取ると、就職・転職の選択肢が大きく広がります。

主な就業先

  • ビル管理会社:オフィスビル・商業施設・病院などの電気保安担当
  • 電気保安法人:複数施設の巡回点検・外部委託保安
  • 製造業の工場:自社工場の電気主任技術者として選任
  • 再エネ発電所:太陽光・風力・バイオマス発電所の保安担当
  • ゼネコン・サブコン:電気工事の見積・施工管理(電験三種は手当対象資格)

年収レンジの目安

  • ビル管理:350〜500万円(資格手当含む)
  • 工場保安担当:450〜600万円
  • 電気保安法人独立系:400〜700万円(変動大)

詳しくは電気主任技術者の記事で深掘りしているので、そちらをどうぞ。

強い組合せ

  • 第一種電気工事士+電験三種:施工も保安も分かる、サブコンでの評価が高い
  • 1級電気工事施工管理技士+電験三種:大型現場の電気部門責任者
  • エネルギー管理士+電験三種:省エネ法の選任要件も満たせる
  • 電験二種への足がかり:実務経験5年で電験二種免状の認定取得ルートあり

特に「電験三種+施工管理技士」の併取は、建設電気業界では強い武器になります。施工する現場と保安する施設の両方を経験できると、自分のキャリアの幅が一気に広がりますね。

電気施工管理として現場を回っていた頃、電験三種を取って独立し、複数の小規模ビルの保安監督を兼任しながら自由に時間を使っている先輩を見ました。「会社員のまま定年まで勤める」以外の選択肢を持てる資格、というのがこの試験の隠れた魅力かもしれません。

電験三種に関する情報まとめ

  • 電験三種とは:第三種電気主任技術者試験
  • 試験実施:電気技術者試験センター(年2回)
  • 受験資格:なし(誰でも受験可)
  • 試験科目:理論・電力・機械・法規の4科目
  • 科目合格制度:合格科目は2年間有効
  • 最終合格率:8〜13%
  • 勉強時間目安:500〜1,500時間(出発点による)
  • 勉強の進め方:理論→電力/法規→機械、過去問5年分
  • 取得後のキャリア:ビル管理・工場保安・電気保安法人・ゼネコン
  • 強い組合せ:第一種電気工事士、施工管理技士、エネルギー管理士

以上が電験三種に関する情報のまとめです。

電験三種は「3年かけてでも取る価値のある資格」。短期合格を狙うより、自分のペースで4科目を仕上げていく長期戦が現実的です。受験を検討している人は、まず理論の参考書を1冊買って読み始めるところから。動き出すと意外と前に進みます。電気・資格関連の周辺記事もどうぞ。

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