第二種電気工事士の免状で従事できる電気工事は、法律上「一般用電気工作物等」に係るものまでで、自家用電気工作物の工事は第一種の範囲です。
- 第二種だけで本当に転職できるのか
- 未経験からでも採ってもらえるのか
- 求人票に第二種電気工事士とあるけど、実際どんな工事をやらされるの?
- 第二種で入って高圧の現場に出されたらどうなる?
- 30代・40代からでも間に合う?
- 資格手当っていくらつくものなの?
- 第一種を取らないと頭打ちってこと?
- 認定電気工事従事者って何?取ったほうがいいの?
- ビルメンと電気工事会社、どっちがいいんだろう
- 求人が多いって聞くけど、その数字はどこで見れるの?
上記の様な悩みを解決します。
第二種電気工事士は、電気工事の入口として最も受験者の多い国家資格ですが、転職の場面では「持っていれば応募できる」という話と「どの工事に従事できるか」という話がごちゃ混ぜになりがちです。調べてみても、出てくるのは活かせる仕事の一覧や主な就職先を業種名で並べた記事ばかりで、その業種の仕事が自分の免状の範囲に入っているのかどうかを検討したものが見当たらないんですよね。今回は資格の作業範囲・第一種との違い・未経験や年齢・給与や求人の統計といった基本を押さえた上で、求人媒体や資格学校の記事では拾われない「電気工事士法の条文から見た、できる仕事とできない仕事の境界線」「求人票のどこを見れば会社の扱う工事が分かるか」「第二種のままでも就ける主任電気工事士という席」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから電気の仕事に移ろうとしている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
第二種電気工事士が従事できるのは「一般用電気工作物等」まで
結論から言うと、第二種電気工事士の免状で従事できるのは一般用電気工作物等に係る電気工事の作業までで、自家用電気工作物に係る電気工事は第一種電気工事士の範囲です。求人に応募できるかどうかより先に、この線を自分で引けるようにしておくのが遠回りに見えて一番早いところです。
根拠は電気工事士法(昭和35年法律第139号)の第3条です。同法第3条第2項は「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」と定めています(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000139 /2026-09-08確認)。
一方、自家用側は同法第3条第1項が「第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(第三項に規定する電気工事を除く。第四項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」としています(同法第3条第1項)。第二種の免状は、この第1項の「第一種電気工事士」に当たりません。
「一般用電気工作物」と「一般用電気工作物等」は別の言葉
ここで用語をひとつ分けておきます。電気工事士法第2条第1項は「この法律において「一般用電気工作物等」とは、一般用電気工作物(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する一般用電気工作物をいう。以下同じ。)及び小規模事業用電気工作物(同条第三項に規定する小規模事業用電気工作物をいう。以下同じ。)をいう。」と定めています(同法第2条第1項)。つまり「等」が付くと小規模事業用電気工作物まで含む語になり、「等」の無い「一般用電気工作物」より広い意味になります。条文を読むときは、この一字で範囲が変わります。
自家用電気工作物の方も、この法律の中では独自の絞り込みがかかっています。同法第2条第2項は「この法律において「自家用電気工作物」とは、電気事業法第三十八条第四項に規定する自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物及び発電所、変電所、最大電力五百キロワット以上の需要設備(…)その他の経済産業省令で定めるものを除く。)をいう。」としています(同法第2条第2項)。最大電力500kW以上の需要設備などが除かれているのは、この定義の側です。
作業範囲の対応を整理すると次のようになります。
- 一般用電気工作物等に係る電気工事:第一種電気工事士または第二種電気工事士(法第3条第2項)
- 自家用電気工作物に係る電気工事:第一種電気工事士(法第3条第1項)
- 自家用のうち簡易電気工事:認定電気工事従事者も従事できる(法第3条第4項)
- 自家用のうち特殊電気工事:その特殊電気工事に係る特種電気工事資格者(法第3条第3項)
試験の作りそのものも、この線に合わせて分かれています。同法第6条第2項は「第一種電気工事士試験は自家用電気工作物の保安に関して必要な知識及び技能について、第二種電気工事士試験は一般用電気工作物等の保安に関して必要な知識及び技能について行う。」と定めています(同法第6条第2項)。第二種の試験でそもそも問われていない領域が、そのまま従事できない領域になっている、という関係です。
もうひとつ、現場に出てから効いてくる義務があります。同法第5条第2項は「電気工事士、特種電気工事資格者又は認定電気工事従事者は、前項の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状、特種電気工事資格者認定証又は認定電気工事従事者認定証を携帯していなければならない。」としています(同法第5条第2項)。免状は金庫にしまっておくものではなく、作業のたびに持ち歩くものだと考えておいてください。
「第二種で入って高圧の現場に出されたらどうなるのか」という不安については、少なくとも自分の側の話ははっきりしています。第3条第1項も第2項も、名宛人は作業に従事する本人です。社内でどう指示されたかにかかわらず、その作業が自分の免状の範囲に入っているかどうかは自分で判断する必要がある、という構造になっています。会社側にどんな責任が生じるかはこの記事の範囲を超えるので、そこは別途確認してください。
資格そのものの概要や試験の中身は、こちらで整理しています。

第一種が扱う領域との違いを先に押さえたい場合は、次の記事が詳しいです。

求人票の資格欄だけでは、その会社の仕事が範囲内かどうかは分からない
ここが、業種名を並べた記事では絶対に埋まらないところです。求人票にある「第二種電気工事士歓迎」「第二種電気工事士必須」は、応募者に求める資格を書いた欄であって、その会社が扱う電気工作物の区分を書いた欄ではありません。第3条の線が一般用電気工作物等と自家用電気工作物の間にある以上、知りたいのは「どの資格を歓迎しているか」ではなく「どの電気工作物を扱う会社か」の方です。
よく一覧に並ぶ業種名、たとえば電気工事会社・ビルメンテナンスや設備管理・太陽光や再生可能エネルギー関連・電気通信・鉄道といった区分は、そこから扱う電気工作物の区分を決めてくれません。決めているのは受電の規模と設備の側だからです。同じ「電気工事会社」でも、戸建てや小規模店舗の屋内配線が中心の会社と、ビルや工場の受変電設備まで請ける会社では、免状の要る場所が変わります。業種名で仕事を選ぶと、この違いが最後まで見えません。
求人票と会社の公開情報から確認しにいける項目を挙げます。
- 電気工事業の登録・通知の区分(一般用電気工事まで行う登録電気工事業者か、自家用電気工事のみを営む通知電気工事業者か。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第2条第3項・第17条の2第1項)
- 施工実績として挙がっている物件の種類と規模(戸建て・店舗か、ビル・工場の受変電か)
- 募集職種が作業に従事する立場か、管理・監督の立場か
- 自家用に関わる工事が含まれる場合、そこに誰が従事しているのか
- 資格手当や資格取得支援の有無と条件(金額は会社ごとの制度なので個別に聞くしかない)
登録の区分に触れておくと、電気工事業の業務の適正化に関する法律(昭和45年法律第96号)は登録電気工事業者という区分を置いており、その営業所ごとの体制まで定めています(同法第19条第1項/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC1000000096 /2026-09-08確認)。会社がどの区分で登録しているかは、扱う工事の性格をかなり素直に映します。
ただし、これらが求人票に必ず書かれているとは限りません。記載の粒度は会社ごとに違うので、書いていなければ面接で聞くしかない、というのが現実的な結論です。僕の見方では、聞き方は「御社が扱うのは一般用電気工作物等の工事が中心ですか、自家用も入りますか」と資格の話ではなく設備の話で聞くのが一番早いです。資格の話で聞くと「二種があれば大丈夫ですよ」で会話が終わってしまいます。
転職先選びで同じ落とし穴を避けたい人向けに、施工管理向けの転職サービスをまとめて比較した記事を用意しました。

範囲を広げる道は2つある。認定電気工事従事者と第一種
第二種の範囲が一般用電気工作物等までだとして、そこから先に進む道は大きく2つあります。自家用の一部を扱えるようにする認定電気工事従事者と、自家用そのものを扱えるようにする第一種電気工事士です。
認定電気工事従事者と簡易電気工事
電気工事士法第3条第4項は「自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める簡易なもの(以下「簡易電気工事」という。)については、第一項の規定にかかわらず、認定電気工事従事者認定証の交付を受けている者(以下「認定電気工事従事者」という。)は、その作業に従事することができる。」と定めています(同法第3条第4項)。第1項の縛りに対する例外が置かれている、という形です。
その簡易電気工事の中身は、電気工事士法施行規則(昭和35年通商産業省令第97号)第2条の3が「法第三条第四項の自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める簡易なものは、電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)とする。」と定めています(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000400097 /2026-09-08確認)。条文の要件は「電圧600V以下で使用する」ことと「電線路に係るものを除く」ことの2つです。
ここは混ざりやすいので分けて覚えてください。よく一緒に語られる最大電力500kWという線は、この第2条の3ではなく、先に見た自家用電気工作物の定義(法第2条第2項)の側から来ています。簡易電気工事の範囲を「最大電力500kW未満の低圧部分」とだけ覚えると、条文にある「電線路に係るものを除く」が抜け落ちます。
認定の要件は「実務経験3年」または「講習修了」
ここが、この記事で一番はっきりさせたい点です。認定電気工事従事者の認定条件は同施行規則第4条の2第2項に列挙されており、第二種電気工事士に関わる第二号は「第二種電気工事士であつて、第二種電気工事士免状の交付を受けた後、第二条の四第一項に規定する電気に関する工事に関し三年以上の実務の経験を有し、又は経済産業大臣が定める簡易電気工事に関する講習(以下「認定電気工事従事者認定講習」という。)の課程を修了したもの」となっています(同規則第4条の2第2項第2号)。
条文の接続は「又は」です。3年以上の実務経験があるか、認定講習の課程を修了したか、どちらか一方を満たせばよい、という書き方になっています。「3年の実務経験に加えて講習も必要」と読むと、実際より要件を重く見積もることになります。
同項は他にも、第一種電気工事士試験に合格した者(第一号)、電気主任技術者免状の交付を受けている者などで一定の実務経験または講習修了がある者(第三号)、これらと同等以上と経済産業大臣が認定した者(第四号)を挙げています(同規則第4条の2第2項)。認定証そのものは経済産業大臣が交付するもので(法第4条の2第1項)、申請の窓口は産業保安監督部長です(同規則第5条の2第2項・第9条の2第1項)。
なお、一般財団法人電気技術者試験センターの「電気工事士の資格概要」は、この点を「(2)講習を受ければ簡易電気工事の作業にも従事できる! 第二種電気工事士の資格だけでは自家用電気工作物に係る電気工事に従事することはできませんが、例外として「簡易電気工事(電圧600V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事)」については、免状取得後、指定講習機関の認定講習を受講すれば、工事資格(認定電気工事従事者認定証)を取得でき(…)」と説明しています(https://www.shiken.or.jp/construction/about/ /2026-09-08確認)。講習ルートだけを挙げていて、実務経験3年のルートには触れていません。要件を確認するときは施行規則の条文に当たってください。
第一種を取る道との違い
2つの道の性格を並べます。
- 認定電気工事従事者:自家用のうち簡易電気工事に限って従事できるようになる(法第3条第4項・規則第2条の3)
- 認定の要件:第二種免状の交付後3年以上の実務経験、または認定講習の修了のどちらか(規則第4条の2第2項第2号)
- 第一種電気工事士:自家用電気工作物に係る電気工事そのものが範囲に入る(法第3条第1項)
- 第一種の試験範囲:自家用電気工作物の保安に関して必要な知識及び技能(法第6条第2項)
- 特殊電気工事:ネオン工事と非常用予備発電装置工事が特殊電気工事として定められており(規則第2条の2)、その特種電気工事資格者認定証の交付を受けている者でなければ従事できない(法第3条第3項)
「第一種を取らないと頭打ちなのか」という問いには、範囲の話としては「自家用まで扱いたいなら第一種」、当面の一歩としては「簡易電気工事までなら認定という道がある」と答えるのが正確なところです。
認定と特種の位置関係については、こちらにまとめています。

第二種のままでも就ける席がある。主任電気工事士
範囲を広げる話とは別に、第二種の免状のままで法令上の席に就ける道があります。主任電気工事士です。求人の一覧記事ではまず出てこない話ですが、キャリアの見通しを立てるうえでは知っておく価値があります。
電気工事業の業務の適正化に関する法律第19条第1項は「登録電気工事業者は、その一般用電気工作物等に係る電気工事(以下「一般用電気工事」という。)の業務を行う営業所(以下この条において「特定営業所」という。)ごとに、当該業務に係る一般用電気工事の作業を管理させるため、第一種電気工事士又は電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士であつて第六条第一項第一号から第四号までに該当しないものを、主任電気工事士として、置かなければならない。」と定めています(同法第19条第1項)。
読み取れるのは3つです。設置は義務であること、営業所ごとに必要であること、そして第二種電気工事士でも免状の交付を受けた後に電気工事に関し3年以上の実務の経験があれば要件に入ることです。第一種でなければ就けない席ではない、という点が第二種の人にとっての意味になります。
ただし、この義務には適用されない場合が置かれています。同法第19条第2項は「前項の規定は、登録電気工事業者(法人である場合においては、その役員のうちいずれかの役員)が第一種電気工事士又は電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士であるときは、その者が自ら主としてその業務に従事する特定営業所については、適用しない。」としています(同法第19条第2項)。事業者本人や役員が要件を満たしていて、その人が主としてその営業所の業務に従事している場合は、別に主任電気工事士を置かなくてよい、という作りです。小さな会社ほどこの形になりやすいので、求人票で「主任電気工事士の席が空いている」と読めるかどうかは、会社の規模と体制によって変わります。
職務の中身も条文にあります。同法第20条は「主任電気工事士は、一般用電気工事による危険及び障害が発生しないように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない。」「一般用電気工事の作業に従事する者は、主任電気工事士がその職務を行うため必要があると認めてする指示に従わなければならない。」と定めています(同法第20条)。作業そのものではなく、作業の管理が職務として書かれています。
第1項が適用される営業所については、欠けたときの手当ても決まっていて、同法第19条第3項は「登録電気工事業者は、次の各号に掲げる場合においては、当該特定営業所につき、当該各号の場合に該当することを知つた日から二週間以内に、第一項の規定による主任電気工事士の選任をしなければならない。」としています(同法第19条第3項)。第1項が適用される営業所を、空席のまま続けられる作りにはなっていません。
主任電気工事士まわりで押さえておく点を整理します。
- 置く義務があるのは登録電気工事業者で、対象は一般用電気工事の業務を行う営業所ごと(同法第19条第1項)
- ただし事業者本人(法人ならその役員のいずれか)が要件を満たし、自ら主としてその業務に従事する営業所には第1項が適用されない(同法第19条第2項)
- 要件は第一種、または第二種免状の交付後に電気工事に関し3年以上の実務の経験がある第二種(同項)
- 職務は一般用電気工事の作業の管理であり、作業者は必要な指示に従う義務がある(同法第20条)
- 欠けた場合は知った日から2週間以内に選任する(同法第19条第3項)
個人的には、この3年という数字が認定電気工事従事者の実務経験ルートと同じ長さで並んでいるのが、第二種を取った人にとっての現実的な目盛りだと考えています。独立できるかどうかは登録の他の要件も絡む話なので、ここでは踏み込みません。あくまで「第二種のままでも法令に名前の載った席がある」というところまでです。
求人の多さと給与は、どの統計のどの系列を見るかで変わる
「求人は多いのか」「年収はどれくらいか」に数字で答えている記事は多いのですが、その数字がどの統計のどの系列から来ているかまで書いたものはほとんど見かけません。ここは数字を出すだけでなく、見方の方を持ち帰ってもらうところです。
まず前提として、以下で引く「電気工事従事者」は、電気工事に関わる人全体をまとめた職業・職種の区分です。第二種電気工事士の免状保有者に絞った数字ではありませんし、資格別の内訳も出ていません。第二種を持つ人の求人や給与そのものを表した数字だと受け取らないでください。
求人の側は、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表6(報道発表 令和8年8月28日)の全国計・常用(含パート)で、有効求人倍率は職業計1.05、建築・土木・測量技術者5.46、電気工事従事者3.26(有効求人21,770・有効求職6,668)となっています。同じ月の参考統計表7-2の常用(除パート)では、職業計1.16、建築・土木・測量技術者6.65、電気工事従事者3.70です(同資料)。
同じ月の同じ職業でも、常用(含パート)で3.26、常用(除パート)で3.70と0.44ポイント動きます。どちらが正しいという話ではなく、どちらの系列かを書かずに1つの数字だけを出すと比較にならない、というだけのことです。他の記事や求人媒体の数字と見比べるときは、まず系列を揃えてください。
給与の側は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表(公表 令和8年3月24日・e-Stat)の「電気工事従事者」(産業計・企業規模計10人以上・男女計)が、年齢41.6歳、勤続年数14.3年、所定内実労働時間数163時間、超過実労働時間数17時間、きまって支給する現金給与額411.5千円、所定内給与額361.5千円、年間賞与その他特別給与額1,343.1千円、労働者数21,961(単位は十人)です。
この表で気をつけたいのが項目の作りです。同調査第1表の表頭は「年齢」「勤続年数」「所定内実労働時間数」「超過実労働時間数」「きまって支給する現金給与額(内数:所定内給与額)」「年間賞与その他特別給与額」「労働者数」で、単位行は「歳/年/時間/時間/千円/千円/千円/十人」となっています(同調査第1表)。つまり所定内給与額はきまって支給する現金給与額の内数であり、361.5千円と411.5千円は足すものではなく、含む側と含まれる側の関係です。
そして、この表に「年収」という項目は1つもありません(同調査第1表)。世の中に出回る「平均年収◯◯万円」は、誰かが月額と賞与を独自の前提で足し合わせて作った合成値であって、統計の表から直接読める数字ではない、ということです。この記事でその合成値を作らないのは、前提を書かずに数字だけ置くと比較の役に立たないからです。
統計を見るときのチェック項目を挙げます。
- どの調査・どの表・いつ公表のものか
- 常用(含パート)か常用(除パート)か、全国計か地域別か
- 職業・職種の区分が資格別なのか、仕事の内容別なのか
- 給与の数字が所定内給与額なのか、きまって支給する現金給与額なのか
- 賞与を含めた「年収」を、誰がどんな前提で作った数字なのか
なお、資格手当がいくらつくかについては、公的統計に相場を示すものがありません。会社ごとの制度なので、求人票と面接で個別に確認する項目だと考えてください。
施工管理側の資格で求人と待遇がどう動くかは、あわせて読むなら次の記事です。

応募の前に、自分の側で確定させておくこと
最後は、会社を探す前に自分の側で固めておく項目です。一般論の「転職を有利に進める方法」ではなく、確定させておかないと会社選びの判断ができないものだけに絞ります。
まず未経験からの入口について。第二種電気工事士試験の受験に実務経験は要りません。一般財団法人電気技術者試験センターの「電気工事士の資格概要」は「Q. 電気系の仕事が未経験でも受験できますか?/A. はい、受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です。」と説明しています(https://www.shiken.or.jp/construction/about/ /2026-09-08確認)。電気工事士法第6条にも受験資格の定めは置かれておらず、同条第4項が「電気工事士試験の試験科目、受験手続その他電気工事士試験の実施細目は、政令で定める。」としているだけです(同法第6条第4項)。資格を取る段階では、経歴で入口が閉じることはありません。
年齢については、公的な統計から言えることと言えないことを分けておきます。先の賃金構造基本統計調査の「電気工事従事者」の年齢41.6歳、勤続年数14.3年は、その区分で働いている人の平均であって、採用の可否を示す数字ではありません(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表)。年齢で採用が決まるかどうかを示す統計はここには無いので、この記事では可否を断定しません。
そのうえで、応募前に確定させておく項目です。
- 自分が従事してきた工事が一般用電気工作物等に係るものか、自家用電気工作物に係るものか
- 第二種免状の交付日と、そこから数えた実務経験の年数(認定電気工事従事者と主任電気工事士の要件が同じ3年で並ぶ)
- その実務経験を誰にどう証明してもらうのか(在籍した会社・担当した工事の記録)
- 応募先が扱う電気工作物の区分と、自分の免状の範囲が重なる部分
- 次に取る資格を、範囲を広げる方向(認定・第一種)にするか、管理側に回る方向(施工管理技士)にするか
最後の項目は「施工管理技士とどちらを先に取るべきか」という問いに直結します。作業に従事する範囲を広げたいのか、作業を管理する側に回りたいのかで、取るべきものが別方向に分かれます。ここを決めずに求人を見ると、どの求人も良く見えてしまいます。
管理側に回る道の入口については、実際の職域と求人の見え方をこちらで解説しています。

転職サービスをどう使うかについては、この記事では個別のサービス名や実績の数字を出しません。比較の材料は先に挙げた比較記事の側に集めてあるので、必要ならそちらで見てください。
第二種電気工事士の求人と転職に関する情報まとめ
- 作業範囲:第二種は一般用電気工作物等に係る電気工事まで、自家用は第一種の範囲(電気工事士法第3条第1項・第2項)
- 求人票の読み方:資格欄からは会社が扱う電気工作物の区分は読み取れない。業種名ではなく受電の規模と設備で決まる
- 範囲を広げる道:認定電気工事従事者は簡易電気工事まで。要件は実務経験3年または講習修了のどちらか(規則第4条の2第2項第2号)
- 簡易電気工事の範囲:電圧600V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事で、電線路に係るものを除く(規則第2条の3)
- 主任電気工事士:第二種免状の交付後3年以上の実務経験があれば就ける席がある(電気工事業法第19条第1項)
- 統計の見方:求人倍率は系列で0.44ポイント動き、賃金構造基本統計調査の第1表に「年収」という項目は無い
以上が第二種電気工事士の求人と転職に関する情報のまとめです。
第二種電気工事士の転職でつまずくのは、資格が弱いからではなく、自分の免状の範囲と応募先の仕事の範囲を突き合わせないまま応募してしまうからです。作業範囲を条文で一度引いてしまえば、求人票を見る目も、面接で何を聞くかも、次に取る資格の順番も自然と決まります。免状の交付日と実務経験の年数だけは先に数えておいてください。認定電気工事従事者と主任電気工事士のどちらもその数字から動き出すので、ここが揃っていると打てる手が一気に増えるはずです。
これから受験する人は、独学での進め方をまとめた記事から入るのが早いです。

今回うまくいかなかった人向けには、次の一手を整理した記事もあります。

