- 特殊電気工事資格者って結局どんな資格?
- 「特殊」と「特種」ってどっちが正しいの?
- 何の工事ができるようになるの?
- どうやって取るの?試験があるの?
- 電気工事士とは何が違うの?
- 認定電気工事従事者とごっちゃになる…
- 取っておくと現場で役に立つ?
上記の様な悩みを解決します。
特殊電気工事資格者は、電気工事士の資格だけでは扱えない「特殊な電気工事」に従事するための資格です。名前は聞くけれど「電気工事士と何が違うのか」「認定電気工事従事者とどう使い分けるのか」が分かりにくく、資格体系の中で迷子になりやすいところでもあります。今回は定義・2つの種類・取得方法という基本を押さえた上で、施工管理・電気工事目線で「電気工事士や認定電気工事従事者との違い」「現場での位置づけ」まで整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
特殊電気工事資格者とは?
特殊電気工事資格者とは、結論「自家用電気工作物のうち、特殊な電気工事に従事するための資格」のことです。電気工事士法に基づく資格で、通常の電気工事士免状ではカバーしきれない特別な工事を担当できるようになります。
まず押さえておきたいのが名前の表記です。ネット上では「特殊電気工事資格者」で検索されることが多いですが、電気工事士法上の正式名称は「特種電気工事資格者」で、「特種」が正しい表記です。読みは同じ「とくしゅ」で、指しているものも同じ資格なので、どちらで覚えていても実体は変わりません。ただ、申請書類や認定証では「特種」と書かれるので、そこだけ知っておくと戸惑いません。
この資格が対象にするのは「特殊電気工事」と呼ばれる工事で、後述するように具体的にはネオン工事と非常用予備発電装置工事の2つに限られます。認定証も工事の種類ごとに分かれていて、経済産業省(産業保安監督部)が交付します。
個人的には、この資格は「電気工事士の上位版」というより「電気工事士では手が届かない特殊領域の専用パス」と捉えるのが正確だと思います。オールマイティに強くなる資格ではなく、ネオンか非常用発電という尖った分野に対応するための資格、というイメージを持っておくと位置づけを見誤りません。
特殊電気工事の2つの種類
特殊電気工事資格者が対象とする「特殊電気工事」は、次の2種類に限定されています。認定証もこの2つに分かれていて、それぞれ別々に取得します。
| 種類 | 対象となる工事 | 認定証 |
|---|---|---|
| ネオン工事 | ネオン管灯設備の設置・変更などの工事 | ネオン工事の特種電気工事資格者認定証 |
| 非常用予備発電装置工事 | 非常用予備発電装置の設置・変更などの工事 | 非常用予備発電装置工事の特種電気工事資格者認定証 |
ネオン工事は、看板などに使われるネオン管灯設備に関わる工事です。高電圧を扱う特殊性があるため、通常の電気工事とは別枠の資格が求められます。非常用予備発電装置工事は、停電時に電源を供給する非常用発電機の据付や配線に関わる工事で、こちらも専門性が高いため専用の資格が必要とされています。
非常用発電機そのものの役割や点検については、この記事が詳しいです。

現場目線で言えば、この2種類はどちらも「特定の設備に紐づいた専門工事」です。だから電気工事全般に効くわけではなく、ネオン看板を扱う業者、非常用発電設備を扱う業者、といった具体的な業務がある会社で必要になる資格です。逆に言えば、その分野に関わらない現場ではまず出番がないので、自分の業務と照らして必要かどうかを見極めるのが先決です。
特殊電気工事資格者の取得方法
特殊電気工事資格者は、試験に一発合格して取る資格ではなく、「認定」によって取得します。認定を受けるルートは大きく分けて、実務経験によるものと講習によるものがあります。
いずれのルートでも、まず前提として電気工事士免状(第一種または第二種)を持っていることが基本になります。そのうえで、対象工事の実務経験を一定年数積んで認定申請する方法か、指定された認定講習を修了する方法で、認定証の交付を受けます。実務経験の年数や講習の内容は種類(ネオン/非常用発電)ごとに定められているため、正確な要件は産業保安監督部や電気工事技術講習センターの案内で必ず確認してください。
- 前提:第一種または第二種電気工事士の免状を持っていること
- 実務経験ルート:対象工事の実務経験を一定年数積んで認定申請する
- 講習ルート:指定された認定講習を修了して認定を受ける
- 認定単位:ネオン工事/非常用予備発電装置工事それぞれで別に取得する
- 交付:経済産業省(産業保安監督部)が認定証を交付する
電気工事士免状が前提になるので、まずは電気工事士の取得が出発点です。電気工事業の登録とあわせて理解すると、事業としての全体像が見えます。

正直なところ、この資格は「筆記試験でふるい落とす」タイプではなく、電気工事士をベースに専門分野の経験や講習を積み上げて認定される性格のものです。だから難易度うんぬんより、「その分野の工事に実際に携わる立場かどうか」が取得の実質的なハードルになります。関わらない人が先取りで取る資格ではない、という点は最初に押さえておくといいです。
電気工事士・認定電気工事従事者との違い
ここが一番こんがらがるポイントです。電気工事の資格は種類が多く、特殊電気工事資格者・電気工事士・認定電気工事従事者の役割分担を整理しておかないと混同します。
ざっくり言うと、第二種・第一種電気工事士が「電気工事の基本の免許」で、その周辺に「自家用の簡易な工事」を担う認定電気工事従事者と、「自家用の特殊な工事」を担う特種電気工事資格者が位置します。対象とする工事の範囲がそれぞれ違う、という整理です。
| 資格 | 主な対象 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物の工事 |
| 第一種電気工事士 | 一般用+自家用(一定規模まで)の工事 |
| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物の簡易電気工事(低圧部分) |
| 特種電気工事資格者 | 自家用電気工作物の特殊電気工事(ネオン・非常用発電) |
特に混同しやすい認定電気工事従事者との違いは、対象の工事がまったく別だという点です。認定電気工事従事者が「自家用の低圧側の簡易な工事」を扱うのに対して、特種電気工事資格者は「ネオン・非常用発電という特殊な工事」を扱います。名前が似ていて紛らわしいですが、カバーする領域は重なりません。
認定電気工事従事者の詳細はこちらで確認できます。

僕としては、この4つは「上下関係」ではなく「守備範囲の違い」で捉えるのが正確だと思っています。特種を持っているから電気工事士より偉い、という話ではなく、それぞれが担当できる工事の種類が違うだけです。だから自分に必要なのはどれかを考えるときは、「自分が関わる工事はどの区分に入るか」から逆算すると迷いません。
現場での位置づけと活かし方
特殊電気工事資格者は、需要が特定分野に限られるぶん、その分野では代えがきかない資格です。持っている人が限られるので、該当する工事を扱う会社では重宝されます。
ネオン設備を手掛ける看板・電気工事の会社や、非常用発電設備の据付・保守を扱う会社では、この資格を持つ人がいないと工事そのものが成立しません。そういう意味で、汎用性は高くないものの、特定領域では強い武器になります。電気工事のキャリアを電気設備・防災設備の方向へ深めていくなら、選択肢として意識しておく価値があります。
- 該当分野(ネオン・非常用発電)を扱う会社では必須級
- 有資格者が少なく、その分野では希少性が高い
- 電気設備・防災設備方向のキャリアで活きる
- 電気工事士+αの専門性として差別化になる
電気系のキャリアや上位資格の全体像は、電気工事施工管理技士の記事も参考になります。

現場目線で言えば、この資格は「広く浅く」ではなく「狭く深く」効くタイプです。すべての電気施工管理に必要なわけではありませんが、非常用発電やネオンに関わる現場に身を置くなら、持っているかどうかで任される仕事の幅が変わります。自分のキャリアがその方向に向かっているなら、早めに検討しておくと選択肢が広がります。
取得を検討するときの注意点
最後に、特殊電気工事資格者の取得を考えるときに押さえておきたい点を整理します。勢いで取りにいく前に、自分の状況と照らすのが大事です。
- 電気工事士免状が前提(まずはそちらの取得が先)
- ネオンと非常用発電は別資格(必要なほうを選ぶ、両方要るとは限らない)
- 実務に関わらない人が先取りで取る資格ではない
- 正確な要件・年数は産業保安監督部や講習センターの最新案内で確認する
- 「特殊」と「特種」の表記違いで情報を取り違えない
電気系の資格全体の中での位置づけは、電験三種などとあわせて眺めると整理しやすいです。

実務だと、この資格は「必要になってから、あるいは必要になる少し前に取る」のが自然な流れです。汎用資格ではないので、キャリアの方向が定まらないうちに焦って取る必要はありません。逆に、ネオンや非常用発電の分野に進むと決めたなら、電気工事士の取得と実務経験を計画的に積んで、認定につなげていくのが王道です。
特殊電気工事資格者に関する情報まとめ
- 特殊電気工事資格者とは:自家用電気工作物の特殊電気工事に従事するための資格(正式名称は特種)
- 表記:正式は「特種」、検索では「特殊」が多いが同じ資格
- 2つの種類:ネオン工事/非常用予備発電装置工事(認定証も別々)
- 取得方法:電気工事士免状が前提、実務経験ルートか講習ルートで認定される
- 他資格との違い:電気工事士は基本免許、認定電気工事従事者は簡易工事、特種は特殊工事と守備範囲が違う
- 現場での位置づけ:汎用性は低いが該当分野では希少で代えがきかない
- 注意点:免状が前提、ネオンと非常用発電は別、正確な要件は公式で確認
以上が特殊電気工事資格者に関する情報のまとめです。
特殊電気工事資格者は、突き詰めると「電気工事士では手が届かない、ネオンと非常用発電の専門工事に対応するための資格」です。正式名称が特種であること、2つの種類があること、電気工事士や認定電気工事従事者とは守備範囲が違うこと、この3点を押さえておけば、資格体系の中で迷わなくなります。汎用資格ではないぶん、自分のキャリアの方向と照らして「必要かどうか」を見極めることが、何より大事だと感じます。
特殊電気工事資格者に関するよくある質問
Q1:「特殊電気工事資格者」と「特種電気工事資格者」はどちらが正しいですか?
電気工事士法上の正式名称は「特種電気工事資格者」で、「特種」が正しい表記です。ネット検索では「特殊」で調べる人が多いですが、指している資格は同じです。申請書類や認定証には「特種」と記載されるので、公式な手続きの場面では「特種」を使うと覚えておけば問題ありません。
Q2:特殊電気工事資格者になるには試験がありますか?
一発の筆記試験で合否を決める資格ではなく、「認定」によって取得します。電気工事士免状を前提に、対象工事の実務経験を一定年数積むルートか、指定の認定講習を修了するルートで認定証の交付を受けます。要件はネオン工事と非常用予備発電装置工事で別々に定められているので、正確な年数や講習内容は産業保安監督部や電気工事技術講習センターの案内で確認してください。
Q3:認定電気工事従事者と特種電気工事資格者は何が違いますか?
対象とする工事の範囲が違います。認定電気工事従事者は自家用電気工作物の「簡易電気工事(低圧部分)」に従事する資格、特種電気工事資格者は自家用電気工作物の「特殊電気工事(ネオン・非常用発電)」に従事する資格です。名前が似ていて混同されがちですが、カバーする領域は重ならず、必要になる場面もまったく別です。
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