- 電気の知識ゼロだけど、独学で受かるの?
- 学科は何とかなりそう。技能が想像つかない
- 工具と練習材料を全部そろえると、いくらかかる?
- 一人で練習して、それが正解かどうか誰が見てくれるの?
- 「欠陥で一発アウト」と聞くけど、何が欠陥なのか分からない
- 何ヶ月前から始めれば間に合う?
- CBTと筆記、どっちを選べばいいの?
- 学科に受かって技能で落ちたら、また学科からやり直し?
- 落ちたら受験料と材料費でいくら無駄になる?
- 現場で働いてるけど、この資格って実務で意味あるの?
上記の様な悩みを解決します。
第二種電気工事士は、独学で取る人が非常に多い国家資格です。学科試験に受験資格の制限がなく、テキストと過去問だけで戦えるからです。ただし独学者がつまずく場所ははっきり決まっていて、そのほとんどが技能試験に集中します。今回は、学科と技能で必要な時間の逆算、CBT方式と筆記方式の選び分け、技能試験の独学で最初にやるべきこと、受験料から工具・練習材料までの費用内訳、そして学科免除の仕組みを前提にした年間の組み立て方まで、現場目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
第二種電気工事士は独学で合格できる?
第二種電気工事士は、結論「独学で合格できる。ただし独学の勝負どころは学科ではなく技能」という資格です。
学科試験は四肢択一で、合格基準は60点。出題の多くが過去問の焼き直しなので、テキストと過去問を回せば独学で十分に届きます。学科試験そのものに受験資格の制限もないため、電気の実務経験がゼロでも、極端に言えば学生でも受けられます。ここまでは独学がまったく不利になりません。
問題は技能試験です。事前に公表される候補問題13問の中から1問が出題され、支給された材料を使って40分で回路を完成させます。採点は減点方式ではなく欠陥の有無で判定され、欠陥がひとつでもあれば不合格です。つまり「だいたい合っている」が通用しない試験で、独学者は自分の作品に欠陥があることに気づけないまま本番を迎えるリスクを抱えます。
独学で進めるかを決める前に、次の点を確認しておくと判断しやすいです。
- 学科は独学で問題ない。過去問中心で60点を安定させる設計にする
- 技能は「練習量」ではなく「欠陥を潰した回数」で仕上がりが決まる
- 手を動かす場所と時間(作業台と工具を出しっぱなしにできる環境)を確保できるか
- 40分という制限時間を計って練習する習慣を最初から持てるか
建設現場で働いている人にとっては、実務での価値もはっきりしています。第二種を持っていれば一般用電気工作物、つまり住宅や小規模店舗の電気工事に自分の手で従事できます。施工管理の立場でも、電気屋さんの段取りや検査で見るべき点が具体的に分かるようになるので、図面と現物を突き合わせる精度が上がります。僕の感覚だと、建築側の人間が電気の資格をひとつ持っておく効果は、資格手当よりも協力会社との会話の解像度に出ます。
資格そのものの難易度や試験内容の全体像は、こちらで整理しています。

独学の勉強時間とスケジュール|令和8年度の日程から逆算する
独学に必要な勉強時間は、結論「電気が未経験なら学科に100〜150時間、技能に30〜50時間」を見ておくのが現実的な目安です。
電気系の学校を出ていたり、現場で配線を見慣れている人なら学科は100時間を切ることもあります。逆に完全な未経験からだと、計算問題と配線図記号の暗記に時間を取られるので150時間側に寄ります。技能は時間よりも回数で考える方が実態に近く、候補問題13問を最低2周、つまり26回は通しで作るつもりでいると安全です。1回の練習に準備と片付けを含めて1時間強かかるので、26回で30時間強という計算になります。
逆算の起点になるのが試験日です。第二種電気工事士試験は上期と下期の年2回あり、令和8年度は次の日程で実施されます。
- 上期:学科CBT 4月23日〜6月7日/学科筆記 5月24日/技能 7月18日または19日
- 下期:申込受付 8月17日〜9月3日/学科CBT 9月24日〜11月8日/学科筆記 10月25日/技能 12月12日または13日
- 学科に合格すると、その回の技能試験に進む
- 申込は原則インターネットで、受験手数料は11,100円(郵送申込は12,500円)
ここで押さえておきたいのが、学科と技能の間隔です。下期なら学科CBTを9月下旬に受けて技能が12月中旬なので、2ヶ月以上の準備期間を取れます。一方で学科筆記を10月25日に選ぶと、技能まで1ヶ月半しかありません。技能の練習は材料の到着待ちも発生するので、この差はかなり大きい。働きながら独学するなら、学科の受験日を早めに置いて技能の時間を厚く取る組み方が有利です。
学科試験の独学勉強法|CBTと筆記のどちらを選ぶか
学科試験の独学は、結論「テキスト1周のあと、過去問を最低3回転させる」だけで合格ラインに乗ります。
出題は電気理論、配電理論、電気機器・材料・工具、施工方法、検査方法、法令などから幅広く出ますが、過去問の使い回しが多い試験なので、新しい教材を増やすより同じ過去問を繰り返す方が効きます。順番としては、暗記で確実に点が取れる分野から先に固めるのが定石です。工具や材料の写真問題、配線図記号、法令は覚えれば必ず取れるので、ここを落とさない状態を作ってから計算問題に手を伸ばします。
もうひとつ独学者が悩むのが、CBT方式と筆記方式のどちらを選ぶかです。出題内容と合格基準は同じで、違うのは受験日と解答手段になります。
- CBT方式:実施期間内から日時と会場を自分で選べる。パソコン画面で解答する
- 筆記方式:全国一斉の指定日に、マークシートで解答する
- CBTは早い日程を押さえれば、技能試験までの準備期間を長く取れる
- 筆記は問題用紙に書き込みながら解けるので、計算問題を紙で処理したい人に向く
- 電気工事士の学科試験は、令和9年度から原則としてCBT方式へ移行する予定
最後の一点は独学者にとって地味に重要です。今後は筆記方式という選択肢が前提ではなくなるので、これから始める人はパソコン画面で四肢択一を解く形式に慣れておく方が無難です。画面上では複線図を書き込めないため、手元のメモ用紙で複線図を起こす練習をしておくと本番で戸惑いません。個人的には、技能の準備期間を長く取れる点だけでもCBTを選ぶ価値があると思っています。
複線図は学科でも技能でも問われる共通の土台なので、書き方そのものはここで固めておくと二度手間になりません。

技能試験の独学|まず「欠陥の判断基準」を読む
技能試験の独学で最初にやるべきことは、結論「練習を始める前に、公表されている欠陥の判断基準を通しで読むこと」です。
電気技術者試験センターは「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」という資料を公表していて、どういう状態が欠陥になるかが具体的に列挙されています。独学者が落ちる典型は、練習量が足りないことではなく、自己流のやり方を何十回も反復して欠陥を体に定着させてしまうことです。誰も指摘してくれない環境では、基準を先に頭に入れておくことが第三者の目の代わりになります。
そのうえで練習の設計を組むと、次のようになります。
- 候補問題13問は毎年公表されるので、その年の13問を入手してから練習を始める
- 1周目は時間を計らず、施工条件を読み違えないことと欠陥を作らないことに集中する
- 2周目は40分を計り、30分で施工・残り10分で見直しという配分を体に入れる
- 輪作りと連結、リングスリーブの圧着マークは、単独で切り出して繰り返し練習する
- 完成品は解体せず並べておき、判断基準と照らして自分でチェックリストを回す
材料は使い切りなので、2周目に入る前に追加の材料が必要になります。ここを見落として1回分だけ買うと、13問を1周しただけで本番になります。1周では施工条件の読み違いを潰しきれないので、最低2周分を前提に予算を組んでおくのが安全です。実務だと、電気工事は「やり直しが効かない状態で正しく作る」仕事なので、この試験の設計思想は現場そのものだと感じます。
候補問題ごとの具体的な作り方や、欠陥になりやすい箇所の詳細はこちらで整理しています。

独学にかかる費用|受験料・工具・練習材料の内訳
独学の費用は、結論「受験料と工具だけなら約3万円、練習材料まで含めると約6万7千円」が目安になります。
工具メーカーのホーザンが公開している費用の内訳では、受験料11,100円、工具一式20,200円、技能試験の練習用部材34,200円、学科の参考書が2,000円程度、技能の参考書が2,000円程度と整理されています。このうち絶対に外せないのが受験料と工具一式で、合計すると約31,300円。ここに練習用部材を足すと約67,700円になります。講習会まで使うと10万円を超えますが、独学ならそこは不要です。
費用を考えるときに効いてくる観点は次の通りです。
- 工具は一度買えば使い回せるので、落ちても再購入は不要
- 練習用部材は使い切り。落ちて再挑戦するたびに数万円が再発生する
- 候補問題は年度ごとに入れ替わるため、翌年に持ち越すと材料が合わない場合がある
- 学科と技能の参考書は各2,000円程度で、無料の解説動画やアプリで代替もできる
つまり独学で1回落ちたときの実損は、受験料11,100円プラス練習材料の3万円台、合わせて4万円以上。ここが「安く済ませようとして材料を1周分しか買わない」判断が裏目に出るポイントです。材料をもう1セット足す数万円と、落ちて翌年やり直す4万円超を比べれば、答えははっきりしています。正直なところ、この試験でお金をケチる場所があるとすれば参考書と講習会であって、練習材料ではないです。
学科免除を前提に「2回チャンス」で設計する
年2回ある試験制度を活かすなら、結論「学科合格には免除の権利がつくので、1年で2回挑戦できる前提で計画を立てる」のが独学者にとって最も合理的です。
第二種電気工事士では、学科試験に合格すると次の回の学科試験が免除されます。令和8年度下期を例にすると、令和7年度下期の学科合格者と令和8年度上期の学科合格者が学科免除の対象です。つまり上期に学科を通して技能で落ちても、下期は技能だけを受け直せます。学科を一から勉強し直す必要はありません。このほか、電気主任技術者の免状取得者や、指定された学校で電気工学の課程を修めて卒業した人も学科免除の対象になります。
この仕組みを踏まえると、独学の組み立て方はこうなります。
- 上期でまず学科を確実に通し、技能は本番を1回経験するつもりで受ける
- 万一技能で落ちても、下期は学科免除で技能だけに全時間を投じられる
- 免除を使うには申込時に免除申請が必要。申請せずに申し込むと学科から受け直しになる
最後の一点は要注意です。免除の権利を持っていても、申請しないまま学科試験を受ける申込をしてしまうと、学科免除者ではなく学科からの受験者として扱われます。申込画面で選ぶだけの手続きなので、権利がある人は必ずそこを確認してください。現場目線で言えば、この資格は「1回で受かる」より「1年以内に確実に取り切る」設計にした方が、材料費も時間も結果的に安く上がります。
第二種を取ったあとの次の一手を先に見ておきたい人は、上位資格の位置づけもあわせて確認しておくと進路を決めやすいです。

第二種電気工事士の独学に関する情報まとめ
- 独学で合格できるか:学科は独学で十分、勝負どころは技能試験
- 勉強時間の目安:学科100〜150時間+技能30〜50時間(13問を2周)
- 令和8年度下期:申込8月17日〜9月3日、学科CBT9月24日〜11月8日、技能12月12日または13日
- 受験手数料:インターネット申込11,100円、郵送申込12,500円
- 学科の勉強法:テキスト1周のあと過去問を最低3回転。暗記分野から先に固める
- CBTと筆記:日程を選べるCBTが有利。令和9年度から原則CBTへ移行予定
- 技能の第一歩:練習前に「欠陥の判断基準」を通しで読む
- 技能の練習量:候補問題13問を最低2周。2周目は40分を計る
- 費用:受験料+工具で約31,300円、練習材料まで含めて約67,700円
- 学科免除:学科合格者は次の回の学科が免除。申込時に免除申請が必要
以上が第二種電気工事士の独学に関する情報のまとめです。
一通り独学の全体像は整理できたと思います。この試験で独学者と講習受講者の差が出るのは知識量ではなく、自分の作った回路を客観的に見る目を持てるかどうかです。だからこそ、公表されている欠陥の判断基準を先に読み、13問を2周し、40分を計る。この3つを外さなければ、独学でも十分に戦えます。学科免除という保険もあるので、1年で取り切る前提でスケジュールを引いてもらえたらと思います。
