1級建築施工管理技士に落ちた|不合格後に再受検申請が使えない人

  • 落ちた。次は何をすればいいのか
  • 通知に「◯◯問 正解」としか書いていない
  • 「評定B」とは何なのか
  • どの設問で落としたのか知りたい
  • 問い合わせれば教えてもらえるのか
  • 来年は一次から受け直しなのか
  • 申込はいつからで、いくらかかるのか
  • 「再受検申請」というものがあるらしいが、自分は使えるのか
  • 受検資格の経過措置が終わると聞いた
  • 何年も落ち続けている。独学のままでいいのか

上記の様な悩みを解決します。

1級建築施工管理技術検定の不合格通知は、読み込む書類ではありません。通知されるのは全体の結果だけで、設問ごとの得点は知らされず、成績や採点方法を問い合わせても答えてもらえない仕様になっています。だから落ちた直後に決めるのは勉強の中身ではなく、自分がどの区分で申し込んだのかのほうです。手元にあるのは、第一次検定なら「◯◯問 正解」の一行か、そこに施工管理法(応用能力)の一文が付いた形か。第二次検定なら評定ABCのうちのBかC。通知の外側にある基準のほうを見ると、令和8年度の第一次検定は60問中36問以上正解で、かつ施工管理法(応用能力)が10問中6問以上という2本立てでした。今回は通知の表記と合格基準といった基本を押さえた上で、講座や求人を扱う側が書いた記事では出てこない「再受検申請が使える人と使えない人がいること」「次に申し込むときの区分と受検手数料」「旧受検資格の経過措置が令和10年度までであること」まで、受検の手引の記載から整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、はじめて不合格通知を受け取った方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

不合格通知で判別できるのは「全体」か「応用能力」かの二択まで

「どの設問で落としたのか知りたい」「問い合わせれば教えてもらえるのか」。この2つには、制度の側がすでに答えを出しています。出せないほうの答えです。

一般財団法人建設業振興基金『令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)』P34「技術検定における個人成績の通知について」には、「不合格者に対して不合格通知書にて成績を通知します。(略)なお、通知する成績は、全体の結果のみとし、設問毎の得点等については通知いたしません。」と書かれています。設問ごとの得点は出さないと最初から決まっている書類なので、何度開いても行が増えることはありません。読み落としを疑って何度も開き直す人もいますが、増えないものを探しているだけなので、その時間は最初から使わなくて済みます。

そのうえで、通知に載る表記の型は決まっています。同じP34が示している内容を検定別に並べます。

検定 通知に載る表記
第一次検定(全体の得点が合格基準未満) ◯◯問 正解
第一次検定(全体は合格基準以上だが施工管理法(応用能力)が基準未満) ◯◯問 正解(施工管理法(応用能力)の得点が合格基準未満のため不合格)
第二次検定 【評定】A:合格基準以上/B:得点が40%以上合格基準未満/C:得点が40%未満

出典:一般財団法人建設業振興基金『令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)』P34

第一次検定の表記が2通りに分かれているのは、基準そのものが2本あるからです。全体で足りなかったのか、全体は足りていたのに施工管理法(応用能力)で止まったのか。この2つは同じ「一次不合格」でも中身が別物なので、括弧書きが付いているかどうかは先に確かめる価値があります。

順番としては、まず括弧書きの有無だけを見ます。付いていなければ全体の得点で止まった型、付いていれば全体は基準を超えていて施工管理法(応用能力)だけが基準に届かなかった型です。後者は、択一の総得点を積み上げる方向の対策をどれだけ足しても抜けられません。全体の側はすでに超えていたからです。ここを混ぜたまま来年の計画を立てると、去年と同じ場所で止まります。

第二次検定のほうは評定の記号1つで、Aは合格した人に付く記号なので、不合格通知に載るのはBかCのどちらかに限られます。ここで気づいておきたいのは、評定の定義そのものが「合格基準」という別の言葉を参照している点です。Bは得点が40%以上合格基準未満、Cは40%未満。下限の40%は定義の中に数字で書かれていますが、Bの上端にあたる合格基準は通知にも手引のこのページにも書かれていません。帯の片方の端が、通知とは別のページ(受検の手引P33)と、確定版を出す国土交通省の資料に置かれているということです。

評定を受け取った人は、その記号の意味を確定させるだけでも、通知の外にある合格基準の資料を開くことになります。次の見出しに合格基準を先に置いているのは、そのためです。

そして、ここから先を後から埋める窓口はありません。同じP34には「※通知した成績や採点方法に関する問い合わせにはお答えできません。※合格者については成績の通知は行いません。また問い合わせにもお答えできません。」と併記されています。採点方法の側も照会の対象外なので、評定Bが何点だったのかを問い合わせで確定させる道は用意されていない、ということです。合格した先輩に成績を見せてもらうという手も使えません。合格者にはそもそも成績が通知されないからです。

通知から確定できるのは、結局のところ次の範囲までです。

  • どちらの検定で止まったのか
  • 第一次なら、全体で届かなかったのか、施工管理法(応用能力)で止まったのか
  • 第一次なら、何問正解だったのか
  • 第二次なら、評定がBかCか
  • ここから先の中身、つまりどの設問を落としたのかは通知にも問い合わせにも出てこない

この記事は、この最後の1行を出発点に置いています。通知の中身を掘り返す代わりに、通知の外側にある公表資料で埋められるところを埋める。合格基準、正答肢の公表期間、再受検申請の対象、次の申請の区分と手数料、旧受検資格の期限。いずれも通知には書かれていませんが、どれも公表されていて、しかも次に申し込むときの判断を直接左右します。

第一次検定の合格基準は2本|同じ基準が2通りの書かれ方をしている

括弧書きの有無で敗因が分かれるという話を、数字の側から見ておきます。

国土交通省「令和8年度技術検定の合格基準について(確定版)」の(3)建築施工管理・一級には、第一次検定の基準として「(全体)60問中36問以上正解」と「(施工管理法(応用能力))10問中6問以上正解」が示されています。この2つは並んでいるだけでなく、両方を満たす必要がある形で置かれています。全体で36問に届いていても、施工管理法(応用能力)の側が6問に届いていなければ不合格になる。通知の2つ目の型が指しているのは、この経路です。

同じ基準が、機関によって別の書き方で出てくる点は先に知っておいたほうが混乱しません。振興基金の側は同じ令和8年度の基準を「60.0点(100点換算)、施工管理法(応用能力)10問中6問以上」と表記しています(一般財団法人建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定 第一次検定 実施結果」令和8年度)。片方は問数、もう片方は100点換算した点数で、どちらも一次情報です。検索して「60点」と「36問」の両方が出てきても、食い違っているわけではありません。

さらにもう一段あって、検定の前に公表されている基準と、実施後に出る確定版の基準は別の資料です。事前想定版のほうは「(全体)得点が60%以上/(施工管理法(応用能力))得点が60%以上/第二次検定 得点が60%以上」というパーセント表記で、そこには「次の基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある」という但し書きが付いています(国土交通省「令和8年度技術検定の合格基準について」事前想定版)。振興基金『令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)』P33「合格基準について」も、同じ内容を得点60%以上というパーセント表記で示しています。事前に示された数字は動きうる数字で、確定版が出て初めて固定される、という順番です。

同日受検の種目に向けた規定も、この基準表に併記されています。「第一次検定及び第二次検定を同日に受検した場合、第一次検定の得点が合格基準を満たさなかった者については、第二次検定の採点は行わないものとする」(同確定版)。ただしこれは同じ日に両方を受ける種目に向けた条文で、1級建築は令和8年度も第一次が7月19日、第二次が10月18日と別日でした(国土交通省「令和8年度建築施工管理技術検定の実施について」令和7年12月18日)。1級建築で第一次・第二次を同時申請した人に当たるのは別の規定で、受検の手引(旧受検資格用)P33「試験区分等に関する注意」に「第一次検定の合格基準を満たさなかった場合、第二次検定は受検できません」とあります。採点されないのではなく、受検できない、という書き方です。

数字まわりで押さえておくのは、この4点です。

  • 令和8年度の確定した基準は、全体が60問中36問以上正解、施工管理法(応用能力)が10問中6問以上正解
  • 振興基金は同じ基準を60.0点(100点換算)と施工管理法(応用能力)10問中6問以上という書き方で示している
  • 検定前に公表される基準はいずれも得点60%以上のパーセント表記で、変更の可能性があると但し書きが付く
  • 同日受検の種目については、第一次検定が合格基準を満たさなかった場合、第二次検定の採点は行われない(1級建築は第一次と第二次が別日なのでこれには当たらず、同時申請で第一次の合格基準を満たさなかった場合はその年度の第二次検定を受検できない=受検の手引(旧受検資格用)P33)

なお、60問・10問という数字がそのまま出題数を指すのか解答する数を指すのかは、ここでは断定しません。受検の手引(旧受検資格用)の「試験の内容」に載っているのは検定科目・検定基準・解答形式までで、出題数と解答数の内訳は受検の手引にも国土交通省の資料にも書かれていないからです。

解答する枠の数え方は、一次対策の記事で整理しています。

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自己採点の材料は1年で入れ替わる|検定問題と正答肢の公表

通知が教えてくれない部分を、自分の手で再現できる経路がひとつだけあります。ただし期限付きです。

受検の手引 P33「検定問題等の公表」には、「公表期間:試験日の翌営業日午前9時から1年間/公表方法:本財団WEBサイトに掲載/公表範囲:第一次検定は検定問題と正答肢番号 第二次検定は検定問題と解答形式がマークシートとなっている設問の正答肢番号 なお、解答形式が記述の設問は正答を公表いたしません。」と書かれています。試験の翌営業日から1年、という区切りが付いているので、次の年度の分が上がる頃には自分が受けた回の材料が入れ替わります。

この条文から、第一次と第二次で自己採点の可否が分かれる理由も読めます。

  • 第一次検定は検定問題と正答肢番号が両方公表されるので、自分の解答を控えていれば全問を突き合わせられる
  • 第二次検定はマークシート形式の設問の正答肢番号までは公表される
  • 第二次検定の記述式の設問は正答が公表されないので、その部分は突き合わせようがない
  • どちらも公表されるのは試験日の翌営業日から1年間で、その先は残らない

記述式の設問は、公表される材料の側に答えが無いので、自分で読み返しても採点にはなりません。突き合わせる相手が要るという意味では、第一次検定とは性質が違う部分です。

現場目線で言えば、これは是正報告の写しを保管期限の前に取っておくかどうかという話に近いです。落ちた直後は通知の数行を睨んでいる時間のほうが長くなりますが、精度の高い材料が置いてあるのは通知ではなく公表ページのほうで、そちらには期限が付いています。第一次で止まった人ほど、この期限は効きます。何問正解だったかは通知に書いてあるので、公表された正答肢と自分の解答を並べれば、どの範囲で落としたのかは自分で特定できます。

第二次検定そのものの中身はこちらが詳しいです。

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再受検申請には対象が決まっている|第一次だけを受けた人は使えない

ここが本記事でいちばん扱いたいところです。「再受検申請というものがあるらしい」と聞いて調べ始めた人が、自分が対象なのかどうかで止まります。

一般財団法人建設業振興基金『令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)』P16「10.再受検申請について」の(1)は、対象をこう定めています。「平成15年度以降に1級建築施工管理技術検定の第二次検定または実地試験を受検されたことがある方が対象となります。」第二次検定または実地試験を受けたことがある、というのが入口の条件です。実地試験という旧い名称が第二次検定と並べて書かれているので、平成15年度まで遡って受検歴が拾われる形になっています。何年も前に一度だけ受けてそのままにしている人も、入口の条件だけは満たしている可能性があります。

そのうえで②に、第二次検定の再受検申請ができるパターンが挙げられています。ひとつは「1級建築施工管理技術検定の第一次・第二次検定受検申請者(P3の区分イ・ロ・ハいずれかに該当)で第一次検定のみ合格者(旧学科試験合格者は対象外)」、もうひとつは「1級建築施工管理技術検定の第二次検定へ受検申請され、不合格となったまたは欠席した方」で、どちらも「第二次検定の再受検申請が可能」とされています。

②の1つ目には条件が2つ付いています。ひとつは「P3の区分イ・ロ・ハいずれかに該当」する第一次・第二次検定の受検申請者であること。もうひとつが括弧書きの「旧学科試験合格者は対象外」で、第一次検定という名称になる前の学科試験に合格していた人は、この枠に入りません。自分の申請がどの区分だったかは記憶で当てにいく部分ではないので、申請時の控えで確かめる話になります。

そして、同じ節に一文だけ、対象から外れる人が明記されています。「※3 第一次検定のみを受検された方は、再受検申請はできません。」

この一行が効きます。理由は書かれておらず、独立した規定として置かれています。第一次検定だけを申し込んで受けた人は、再受検申請という枠に入らない。ここは努力や成績とは無関係に、どういう区分で申し込んだかだけで決まります。

ただし同じ節の※2に、例外がひとつ置かれています。「上記①に該当する方で、別の機会に1級第一次検定のみを受検し合格された方または一級建築士に合格された方は、書面により第二次検定の再受検申請が可能です。」(受検の手引 P16)。①というのは、第一次・第二次検定を同時に申し込んで第一次検定を不合格または欠席した人のことです。その人が別の年に第一次検定のみを受けて合格していれば、書面での第二次検定の再受検申請ができる、という書き方になっています。この※2が効くのは①に該当する人だけで、はじめから第一次検定のみを申し込んだ人には及びません。「第一次のみで合格したから対象外」と一律に決めつけないほうがいい部分です。

同じ「落ちた」でも、次にできる申請が変わる。整理するとこうなります。

  • 第一次・第二次検定を同時に申し込み(P3の区分イ・ロ・ハいずれかに該当)、第一次検定を不合格または欠席した人:第一次・第二次検定の再受検申請が可能(受検の手引 P16 ①)
  • 第一次検定のみを受検して落ちた人:再受検申請の対象外(※3)。第二次検定から受検できるのは第一次検定合格者と一級建築士なので(P33)、そのいずれにも当たらなければ第一次検定を含む区分での申請になる
  • 第一次・第二次検定を同時に申し込み、第一次検定のみ合格した人:第二次検定の再受検申請が可能(旧学科試験合格者は対象外)
  • 第二次検定に受検申請して不合格になった人:第二次検定の再受検申請が可能
  • 第二次検定に受検申請して欠席した人:不合格の場合と同じく、第二次検定の再受検申請が可能
  • 一級建築士試験の合格者で、第二次検定のみを受検申請した人:第二次検定のみの再受検申請が可能(受検の手引 ③)

もうひとつ、②の2つ目の書き方も見ておきます。「第二次検定へ受検申請され、不合格となったまたは欠席した方」と、不合格と欠席が並べて書かれています。申し込んだものの当日に行けなかった年も、不合格だった年と同じ枠で扱われるということです。仕事の都合で受けられなかった回を「無かったこと」として数えていると、自分が対象かどうかの判定を1つ取りこぼします。

「来年は一次から受け直しなのか」という問いに対しては、手引が別の場所でこう書いています。「1級建築施工管理技術検定は、第一次検定合格者及び一級建築士の方は第二次検定から受検ができます。」(受検の手引 P33「試験区分等に関する注意」)。第一次検定に合格していれば第二次検定から受検できる、という規定と、上の再受検申請の②を並べて読むと、第二次で止まった人が次に取れる形は見えてきます。ただし、第一次検定に合格していればそれだけで第二次検定に申し込めるわけではありません。手引P3「3.第二次検定の旧受検資格と必要書類等」には「◯第一次検定合格者(第一次・第二次検定に同時申請を行い、第一次検定に合格した場合を含む)、または一級建築士に該当し、下表にあげる受検資格の区分イ~ハまたは新受検資格の要件のいずれかを満たす方は、第二次検定を受検できます。」とあり、受検資格の充足が前提として書かれています。ここでは規定を並べるところまでにしておきます。

同時に申し込む場合の注意も、同じP33に置かれています。「・第一次検定の合格基準を満たさなかった場合、第二次検定は受検できません。・第二次検定の受検資格を満たさなかった場合、第一次検定も受検できません。」前半は当日の話で、第一次で基準に届かなければ同じ回の第二次には進めないという規定です。

後半のほうが見落としやすいところで、第二次検定の受検資格を満たしていないと、同時申請では第一次検定の側も受けられません。第一次検定だけなら年齢の条件で受けられるのに、同時申請の形にした途端に第二次の受検資格が前提になる、ということです。実務経験が足りていない段階で「どうせなら両方出しておこう」と考えると、ここで止まります。そして再受検申請の②が拾っているのは、この同時申請で第一次検定のみ合格した人です。同時申請という形を取れる人と取れない人が先に分かれ、その先で再受検申請が使えるかどうかが分かれる、という二段構えになっています。

正直なところ、ここは自分がどの区分で申し込んだかを覚えていないと判定できません。手元の受検票か申請の控えを見て、第一次のみだったのか、第一次・第二次の同時申請だったのか、第二次のみだったのかを先に確定させる。再受検申請が使えるかどうかは、そこで決まります。

区分ごとの条件はこちらにまとめています。

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次に申し込む区分と、受検手数料をいくら用意するか

区分が決まれば、次に見るのは受検資格と金額と日付です。

先に断っておくと、令和8年度の1級建築の受検の手引は『受検の手引(旧受検資格用)』と『新受検資格インターネット専用受検の手引』の2冊に分かれています。以下でページ番号を挙げるときは、どちらの冊子かを併記します。

第一次検定の受検資格は、年齢だけです。「試験実施年度に満19歳以上となる者」とされていて、実務経験も学歴も問われません(受検の手引(旧受検資格用)P2)。新受検資格と旧受検資格の区別も、第一次検定には関係しません。ただし申請時のデータには住民票コード(11桁)が要り、手引も把握していない場合は市役所等での照会に余裕を持つよう注意しています(同P2)。実務経験や学歴の証明が要らないぶん、詰まるとすればここです。

第二次検定の側は、区分の選択が入ります。『令和8年度 1級建築/1級電気 新受検資格インターネット専用受検の手引』P2の【区分1】は、第一次検定合格者を対象に3つのパターンを置いています。

区分 条件 試験区分
1-1 第一次検定合格後、実務経験5年以上 二次のみ
1-2 第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 二次のみ
1-3 第一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上 二次のみ

出典:一般財団法人建設業振興基金『令和8年度 1級建築/1級電気 新受検資格インターネット専用受検の手引』P2

3つとも起点が第一次検定の合格日で、そこから先の実務経験を数える形です。年数が5年・3年・1年と大きく違うのは、特定実務経験や監理技術者補佐という条件が付くかどうかによります。自分の職歴がどれに当たるかは実施機関が判定する領分なので、この記事で当てはめの判定はしません。

表の右端も見ておく価値があります。3つとも試験区分は「二次のみ」です。この区分で申し込むということは、その年度に第一次検定は受けないという意味になります。第一次検定に合格している人にとっては当たり前の話に見えますが、試験区分は申請書の提出後に変更できないので(受検の手引(旧受検資格用)P1)、区分を決めた時点で受ける検定の本数も金額も確定します。

金額のほうは検定別に決まっています。1級建築の受検手数料は第一次検定・第二次検定とも12,300円(消費税非課税)です(第一次検定=受検の手引(旧受検資格用)P2「2.第一次検定の受検資格と必要データ」、第二次検定=同 P30「4.第二次検定の受検手数料」)。新受検資格の手引は1級建築と1級電気の合本で、同じ表に1級電気工事施工管理の15,800円が並んでいるので、金額を確認しに行くときは種目の行を見てください。第一次から受け直す人と、第二次のみで申し込む人とで、1回あたりの金額は変わりません。

同時に申し込んだ人には、支払いの期限がもう1つ付きます。受検の手引(旧受検資格用)P29には「第一次・第二次同時に受検申請をした方のうち第一次検定に合格した方は、9月8日(火)までに第二次検定の受検手数料を支払うことで、同年度の第二次検定を受検できます。」とあります。第一次検定に受かった段階では第二次検定の分がまだ払われていないので、この日までに手続きをしないと同年度の第二次検定に進めません。合格発表を見て安心したまま9月を過ごすと、ここで落ちます。

令和8年度で言えば、第一次検定の合格発表が8月25日(火)で、この支払期限が9月8日(火)です。合格を知ってから手続きを済ませるまでの幅は2週間です。しかも第二次検定は10月18日(日)なので、支払いを終えた時点で本番までは1か月と10日ほどしか残りません。同時申請で第一次に合格した年は、この2つの日付が続けて来ます。

令和8年度の日付を並べておきます。国土交通省「令和8年度建築施工管理技術検定の実施について」(令和7年12月18日)および受検の手引(旧受検資格用)P1「令和8年度1級建築施工管理技術検定 実施日程」によると、次の並びでした。

  • 受検申請の受付:令和8年2月13日(金)から2月27日(金)まで(第一次検定のみ受検者は4月7日(火)まで)
  • 第一次検定:令和8年7月19日(日)
  • 第一次検定の合格発表:令和8年8月25日(火)
  • 第二次検定:令和8年10月18日(日)
  • 第二次検定の合格発表:令和9年1月8日(金)

受付の幅が全員同じではない点にも触れておきます。原則の締切は2月27日(金)ですが、第一次検定のみを受検する人だけは4月7日(火)まで受け付けています。第一次検定のみの申請は、受検資格が年齢だけで、申請方法もインターネットに限られています(受検の手引(旧受検資格用)P2)。締切が後ろに置かれている理由までは、一次情報には書かれていません。逆に言えば、第二次検定が絡む申請は2月のうちに実務経験まで整えておく必要があります。区分をどれで出すかを年明けまで決めきれていないと、間に合うのは第一次検定のみの枠だけ、ということが起こります。

この並びで目を引くのは、第一次・第二次が絡む申請の受付が2月中旬からの2週間しかないことです。しかも令和8年度に限って見ると、第一次検定の合格発表(8月25日)も第二次検定の合格発表(令和9年1月8日)も、その年度の受付期間が閉じたあとに来ます。つまり結果を受け取った時点では、同じ年度の申請はもう終わっているという形になります。次年度の受付がいつ開くかは公表されていないので、ここでは間隔までは示せません。僕の感覚だと、この2週間という幅のほうが、勉強の進み具合よりも先に押さえておくべき情報です。

年度ごとの日程はこちらから確認できます。

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発表当日の確認手順は、別の記事に切り出してあります。

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旧受検資格で申請できるのは令和10年度まで

何年も落ち続けている人にとって、勉強量より先に効いてくる期限があります。

令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)「1.新旧の受検資格及び申請方法について」の【注意】(旧受検資格の申請について)には、こう書かれています。「令和10年度までの経過措置として、旧受検資格による第二次検定受検申請が可能です。令和11年度以降は、旧受検資格は廃止されます。ただし、令和6年度から令和10年度までに「第二次検定のみ」の再受検対象者となっている者※は、令和11年度以降「第二次検定のみ」の再受検申請を行うことができます。(※)旧受検資格で申請を行い、第二次検定の受検票交付実績がある者」

制度の側の説明も同じ線です。国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」(令和5年11月9日)は、「・1級の第一次検定は、19歳以上(受検年度末時点)であれば受検可能/・1級及び2級の第二次検定は、第一次検定合格後の一定期間の実務経験などで受検可能(なお、令和10年度までの間は、制度改正前の受検資格要件による第二次検定受検が可能)」としています。

読み取れるのは3点です。旧受検資格で第二次検定に申請できるのは令和10年度まで。令和11年度以降、旧受検資格そのものは廃止される。ただし例外があって、令和6年度から令和10年度までに「第二次検定のみ」の再受検対象者になっている人、つまり旧受検資格で申請を行い第二次検定の受検票交付実績がある人は、令和11年度以降も「第二次検定のみ」の再受検申請ができる。

整理すると、条文が定めているのは次の範囲です。

  • 旧受検資格で第二次検定に受検申請できるのは令和10年度まで
  • 令和11年度以降、旧受検資格は廃止される
  • 令和6年度から令和10年度までに「第二次検定のみ」の再受検対象者となっている者は、令和11年度以降も「第二次検定のみ」の再受検申請ができる
  • その対象は、旧受検資格で申請を行い、第二次検定の受検票交付実績がある者と定義されている

例外に該当する者は、原文では「旧受検資格で申請を行い、第二次検定の受検票交付実績がある者」と定義されています。申請を行ったことと、受検票の交付実績があること。条件は2つあります。ここは自分で言い換えないほうが安全なところで、判断が要るなら実施機関に確認する話になります。

個人的には、この期限は落ち続けている人ほど直接効くと思っています。旧受検資格で申請できる回数は、勉強の進み具合とは関係なく残り年数で決まっているからです。あと何回受けられるかを先に数えると、今年の1回の重みが変わります。

申請できる回数が年数で決まっているとわかると、次に浮かぶのは「このまま同じ環境で受け続けるか」という問いです。資格を先に取り直すか、先に環境を変えるかは、どちらが正解と決まっているわけではなく、状況によって順番が変わります。資格と転職、どちらを先にすべきかを整理した記事があります。

合格率は年度で10ポイント動く|勉強量の話に戻る前に

最後に、勉強量の話に戻る前の材料をひとつ置いておきます。

一般財団法人建設業振興基金が公表している結果表の「計」行に印刷されている合格率を、年度順に並べます。

年度 第一次検定 第二次検定
令和3年度 36.0% 52.4%
令和4年度 46.8% 45.2%
令和5年度 41.6% 45.5%
令和6年度 36.2% 40.8%
令和7年度 48.5% 39.0%

出典:一般財団法人建設業振興基金「令和3〜7年度 1級建築施工管理技術検定 結果表」。なお令和7年度の結果表および第二次検定の実施結果には「(注)令和8年1月25日に実施した臨時試験の結果を含む」との注記が添えられています。

第一次検定は36.0%から48.5%まで12ポイント以上動いていて、第二次検定は52.4%から39.0%まで下がっています。

令和8年度の第一次検定については、実施結果として受検者数42,826名・合格者数19,993名、合格通知日が令和8年8月25日と公表されています(振興基金「1級建築施工管理技術検定 第一次検定 実施結果」)。ただしこの回の合格率は結果表に印刷されていないので、本記事では数字を出しません。人数から割り算した値を合格率として扱うと、機関が公表した数字と区別が付かなくなるからです。

この表から出せる結論は、次の範囲までです。

  • 合格率は年度で10ポイント以上動くので、落ちた年が難しかったかどうかは他人と比べても確定しない
  • 第一次検定と第二次検定は連動しておらず、令和7年度は第一次が上がって第二次が下がっている
  • 敗因を年度差のせいにも実力のせいにもする材料は、合格率の側には無い
  • 材料があるのは通知の表記のほうで、全体で止まったのか施工管理法(応用能力)で止まったのかまでは確定する

年度別の推移と難易度の位置づけはこちらで扱っています。

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独学のまま続けるかどうかの材料は、あわせて読むなら次の1本です。

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【PR】残っている受検機会を、あと何回か数えましたか

次に申し込む区分と、そこまでに残された年数は、勉強の進み具合とは別のところで決まっています。

  • 第一次検定のみを受けて落ちたので、再受検申請という選択肢がそもそも自分には無い
  • 第一次・第二次をまとめて申請する場合は受検申請の受付が2月中旬からの2週間しかなく、そこまでに区分を決めきれる気がしない
  • 旧受検資格で新たに第二次検定に申請できるのは令和10年度までで(令和6年度から令和10年度までに旧受検資格で申請を行い第二次検定の受検票交付実績がある人は、令和11年度以降も「第二次検定のみ」の再受検申請ができます)、残り回数が年数で決まっている

1回あたりの受検手数料は第一次検定・第二次検定とも12,300円(消費税非課税)です。同じ金額を何度も出す前に、対策講座がどこまで扱っているかだけでも見ておくと、次の申請までの使い道が決めやすくなります。

次の申請までに使える対策講座を調べる

1級建築施工管理技士に落ちたときの次の申込に関する情報まとめ

  • 通知の範囲:通知されるのは全体の結果のみ。第一次は「◯◯問 正解」か施工管理法(応用能力)の付記あり、第二次は評定BかC。成績も採点方法も問い合わせには答えてもらえない
  • 第一次の合格基準:令和8年度の確定版は60問中36問以上、かつ施工管理法(応用能力)10問中6問以上。振興基金は同じ基準を60.0点(100点換算)と表記している
  • 検定問題の公表:試験日の翌営業日午前9時から1年間。第一次は正答肢番号まで出るが、記述式の設問は正答が公表されない
  • 再受検申請:対象は平成15年度以降に第二次検定または実地試験を受けたことがある人。第一次検定のみを受検した人は再受検申請ができない
  • 次の申込:第一次検定の受検資格は満19歳以上の年齢のみ。第二次検定は区分1の3パターン。受検手数料は第一次・第二次とも12,300円
  • 旧受検資格の期限:経過措置は令和10年度まで。令和11年度以降は廃止されるが、第二次検定の受検票交付実績がある人には「第二次検定のみ」の再受検申請が残る
  • 合格率:令和3年度から令和7年度で第一次は36.0%から48.5%まで動いている。年度差からは敗因を決められない

以上が1級建築施工管理技士に落ちたときの次の申込に関する情報のまとめです。

落ちた直後にやることは、教材を買い替えることでも勉強時間を積み直すことでもなく、手元の受検票か申請の控えを開いて、自分がどの区分で申し込んだのかを確定させることです。第一次検定のみだったのか、第一次・第二次の同時申請だったのか、第二次検定のみだったのか。それが決まれば、再受検申請が使えるかどうかも、次に出す申請の形も、用意する12,300円が1回分なのかも一緒に決まります。受付が開くのは年度の頭で、そこまでに答えを出しておく項目はこれだけです。どう勉強し直すかを考えるのは、区分が決まったあとで足りると僕は考えています。

進め方の全体像は、次の記事で通しに扱っています。

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