「2類を取れ」と言われたとき、まず知りたいのは免状で何が扱えるかです。消防設備士の第2類は泡消火設備を扱う免状で、試験センターの表ではパッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備・特定駐車場用泡消火設備も第2類の欄にあります。甲種は工事・整備・点検、乙種は整備と点検ができ、令和7年度の合格率は甲種2類が27.2%、乙種2類が29.7%でした。
- 2類の免状があれば、泡消火設備ならどれでも扱えるのか
- パッケージ型や駐車場の泡も2類でいいのか
- 立体駐車場の現場が増えてきたけど、泡ってそもそもどこに付くものなんだ
- 1類は配管が外れていたけど、泡も同じ扱いなのか
- 甲種1類を持っていると、2類の試験はどこまで軽くなるのか
- 2級管工事を持っていても、問題数は減らないのか
- 1類と2類、同じ日にまとめて受けられないか
- 会社で使うなら甲種と乙種のどっちを取るべきか
- 合格率は1類と比べてどうなのか
- 免状を取ったら、講習はいつ受けることになるのか
上記の様な悩みを解決します。
消防設備士2類は、泡消火設備の工事・整備・点検にかかわる免状です。駐車場や自動車整備工場の現場で名前を聞く機会はあっても、検索上位の解説は試験の問題数と合格率が中心で、どの条文で何が除かれているのか、泡消火設備がどんな建物に置かれるのかまで踏み込んだものが見当たらないんですよね。今回は、2類で扱う設備、甲種と乙種の差、試験と免除、合格率という土台を固めたうえで、検索上位ではほぼ扱われていない「施行令第36条の2で泡消火設備が電源の部分だけを除く側に置かれていること」「施行令第13条で泡消火設備が出てくる場所」「甲種1類・3類を持っているときの免除と、同じ日に受けられるかの扱い」まで、条文と試験センターの公表資料の文言に沿って整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、すでに1類を持っていて、駐車場や整備工場の消防設備まで受け持つ範囲を広げたい方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
泡消火設備を扱う消防設備士2類とは?パッケージ型と特定駐車場用の泡も2類の欄にある
2類の中心は泡消火設備です。試験を実施する一般財団法人 消防試験研究センターが載せている免状の種類表で、第2類の欄を見ると「泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備」と書かれています(消防試験研究センター「消防設備士試験 試験案内」・2026年10月16日確認)。
このうちパッケージ型の2つ(パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備)は、2類専用ではありません。同じ表の第1類の欄にも、第3類の欄にも載っていて、3つの類にまたがって登場します。
法令のほうは書き方が少し違います。甲種が行える工事又は整備の表も、乙種が行える整備の表も、第二類の行に書かれているのは「泡消火設備」だけです(消防法施行規則 第33条の3第1項・第3項)。同じ条の第2項と第4項は、設備名を挙げずに「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等の工事又は整備の種類は、消防庁長官が定める。」としていて、中身を長官の定めに預けています(消防法施行規則 第33条の3第2項・第4項)。
パッケージ型の2設備と特定駐車場用泡消火設備は、点検資格者の範囲を定めた消防庁告示第十号の二の表では、「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」の欄に並んでいます(消防庁告示第十号・平成26年4月14日消防庁告示第16号による改正までの版)。ただ、長官が工事・整備の範囲をどう定めているか、その告示の本文はこの記事では確認していません。なので、ここでは「試験センターの表では2類の欄にある」というところで止めておきます。
泡消火設備がどんな機器で組まれ、どんな泡を使うのかといった設備そのものの話は、泡消火設備の構成と設置基準で扱っています。ほかの消火設備との位置関係は消火設備の種類の一覧、1類から7類・特類のどれを取るかで迷っているなら消防設備士の全区分の比較が入口になります。
泡消火設備はどこに置かれるか。施行令第13条の表から2類の出番を読む
施行令第13条の表で泡消火設備が出てくるのは、駐車の用に供される部分、自動車の修理又は整備の用に供される部分、飛行機や回転翼航空機の格納庫、屋上の航空機の発着場、道路の用に供される部分、それと指定可燃物を大量に扱う建物です。どの行も、泡を含む複数の消火設備の中から「いずれか」を選ぶ書き方なので、泡が必ず付くとは限りません。
根拠は消防法施行令第13条です。第1項の柱書は「次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分には、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備のうち、それぞれ当該下欄に掲げるもののいずれかを設置するものとする。」です(消防法施行令 第13条第1項)。表のうち、下欄に泡消火設備が入っている行を、表に出てくる順に抜き出すと次のとおりです。
- 格納庫:「別表第一(十三)項ロに掲げる防火対象物」に「泡消火設備又は粉末消火設備」。別表第一の(十三)項ロは「飛行機又は回転翼航空機の格納庫」
- 屋上の発着場:「別表第一に掲げる防火対象物の屋上部分で、回転翼航空機又は垂直離着陸航空機の発着の用に供されるもの」に「泡消火設備又は粉末消火設備」
- 道路:「別表第一に掲げる防火対象物の道路(車両の交通の用に供されるものであつて総務省令で定めるものに限る。以下同じ。)の用に供される部分で、床面積が、屋上部分にあつては六百平方メートル以上、それ以外の部分にあつては四百平方メートル以上のもの」に「水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備又は粉末消火設備」
- 自動車の修理・整備:「別表第一に掲げる防火対象物の自動車の修理又は整備の用に供される部分で、床面積が、地階又は二階以上の階にあつては二百平方メートル以上、一階にあつては五百平方メートル以上のもの」に「泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備」
- 駐車:「別表第一に掲げる防火対象物の駐車の用に供される部分で、次に掲げるもの 一 当該部分の存する階(屋上部分を含み、駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く。)における当該部分の床面積が、地階又は二階以上の階にあつては二百平方メートル以上、一階にあつては五百平方メートル以上、屋上部分にあつては三百平方メートル以上のもの 二 昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造のもので、車両の収容台数が十以上のもの」に「水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備」
どの行の下欄にも、泡と並んで粉末消火設備や不活性ガス消火設備などが書かれています。柱書が「いずれかを設置する」なので、この表に当たる建物でも、泡以外の消火設備を選ぶ設計はありえます。表に載っている=泡消火設備が入る、とは読めません。
駐車の行は、数字だけ拾うと読み違えやすい書き方です。面積は「当該部分の存する階」の「当該部分の床面積」で数え、括弧書きで「駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く」とされています。駐車場の延べ面積が200平方メートルを超えたら対象、という読み方は条文と合いません。二号の機械装置の行は、面積ではなく収容台数で決まる点も別立てです。装置側の仕組みは機械式駐車場の仕組みと種類で整理しています。
このほか同じ表には、指定可燃物を危険物政令別表第四で定める数量の「千倍以上貯蔵し、又は取り扱うもの」の行もあり、綿花類や木材加工品などの品目によって、下欄に泡消火設備が入るものがあります(消防法施行令 第13条第1項)。
僕は、立体駐車場や自動車の整備工場、屋上に回転翼航空機又は垂直離着陸航空機の発着場を持つ建物を手がける会社なら、2類の免状が要る場面はこの表からある程度見通せると考えています。逆にそうした物件がほとんど無い会社では、泡消火設備の仕事そのものが回ってこない可能性もあるので、取るかどうかは自社の物件の顔ぶれで決めるのが筋だと思います。
工事ができるのは甲種、乙種は整備と点検まで。泡消火設備で除かれているのは電源の部分
甲種と乙種の差は、工事を担えるかどうかです。試験センターは「消防設備士免状には甲種と乙種があり、甲種は工事整備対象設備等の工事・整備及び点検ができ、乙種は整備及び点検ができます。各類ごとに取り扱う設備が限定されていますので、類ごとに免状が必要です。」と説明しています(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月16日確認)。泡消火設備を新設する工事にかかわるなら甲種、既設の泡消火設備の整備と点検であれば乙種、という線引きです。
条文上の除外は「電源の部分」
消防設備士でなければできない仕事の大もとは消防法第17条の5で、「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。」とあります(消防法 第17条の5)。工事は設置にかかわるものに絞られ、細かな範囲は政令に回されています。受け皿になっている消防法施行令第36条の2には、「(消防設備士でなければ行つてはならない工事又は整備)」という見出しが付いています。
第1項の括弧書きは、号ごとに除く部分を2つに分けています。「第一号から第三号まで及び第八号に掲げる消防用設備等については電源、水源及び配管の部分を除き、第四号から第七号まで及び第九号から第十号までに掲げる消防用設備等については電源の部分を除く。」(消防法施行令 第36条の2第1項)。泡消火設備は同項の「四 泡消火設備」なので、後半の「電源の部分を除く」の側に入ります。整備の範囲を定めた第2項第一号にも、同じ区分の括弧書きが置かれています(消防法施行令 第36条の2第2項第一号)。
この2つの条文から言えるのは、泡消火設備については、除かれているのが電源の部分で、水源や配管を除く文言は置かれていない、というところまでです。1類の4設備(第一号〜第三号と第八号)は前半の「電源、水源及び配管の部分を除き」の側なので、同じ消火設備でも括弧書きの中身が違います。1類側の条文の読み方は消防設備士1類の工事範囲と試験にまとめています。
読むときに気を付けたい点が2つあります。1つ目は、第1項の柱書には泡消火設備の括弧書きとは別に、「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等若しくは特殊消防用設備等(これらのうち、次に掲げる消防用設備等に類するものとして消防庁長官が定めるものに限り、電源、水源及び配管の部分を除く。次項において同じ。)」という括弧書きもあることです。この見出しで取り上げているのは第四号の泡消火設備だけです。
2つ目は、電源以外の部分に具体的にどの機器が含まれるかです。機器の名前を挙げて書いた記載は、施行令第36条の2、施行規則第33条の2の2・第33条の3、試験センターの各ページを2026年10月16日に確認した範囲ではありませんでした。この記事でも機器名は挙げません。
軽微な整備の例示に泡消火設備は出てこない
第2項の柱書は、整備から「屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備」を外しています。その総務省令の例示は「屋内消火栓設備又は屋外消火栓設備のホース又はノズル、ヒユーズ類、ネジ類等部品の交換、消火栓箱、ホース格納箱等の補修その他これらに類するもの」です(消防法施行規則 第33条の2の2)。例示の中に泡消火設備の名前はありません。「その他これらに類するもの」に泡消火設備の何が入るのかは、この条文だけからは読み取れません。
2類の試験:筆記は甲種45問・乙種30問、製図があるのは甲種だけ
2類の筆記は甲種45問・乙種30問(いずれも科目別の問題数を足した数)で、実技は甲種が鑑別等5問と製図2問、乙種が鑑別等5問です。試験時間は甲種が3時間15分、乙種が1時間45分です。科目ごとの内訳は次の表のとおりです(問題数=消防試験研究センター「試験科目・免除の一覧表」甲種・乙種の第2類の表/時間=同「試験の方法」/2026年10月16日確認)。
| 種類 | 消防関係法令(共通・類別) | 基礎的知識(機械・電気) | 構造・機能等(機械・電気・規格) | 実技 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第2類・甲種 | 8問・7問 | 6問・4問 | 10問・6問・4問 | 鑑別等5問・製図2問 | 3時間15分 |
| 第2類・乙種 | 6問・4問 | 3問・2問 | 8問・4問・3問 | 鑑別等5問 | 1時間45分 |
表の「構造・機能等」は、甲種が構造・機能・工事・整備、乙種が構造・機能・整備で、乙種には工事が入りません。出題の形式は、筆記が「マーク・カードを使う筆記試験」の「四肢択一式」、実技が「写真・イラスト・図面等による記述式」です(消防試験研究センター「試験の方法」・2026年10月16日確認)。
合格の線は科目ごとと全体の二段
2類は甲種も乙種も特類ではないので、合格基準は「特類以外」の欄を見ます。文言は「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。」です(消防試験研究センター「試験の方法」・2026年10月16日確認)。全体で60%以上に届いていても、科目のどれかが40%未満なら合格にならない、という仕組みです。
受験資格・手数料・申込み
乙種は「どなたでも受験できます。」で、甲種は「受験資格が必要です。」とされています(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月16日確認)。甲種の受験資格は国家資格等と学歴の2系統で、国家資格等の表には、受験する類以外の甲種消防設備士免状、乙種消防設備士免状の交付後2年以上の整備の経験、技術士、電気工事士、電気主任技術者、1級又は2級の管工事施工管理技士、1級建築士又は2級建築士、1級又は2級の配管技能士、給水装置工事主任技術者、受験する類の消防用設備等の工事の補助者として5年以上の実務経験、といった行が並びます(消防試験研究センター「消防設備士試験受験資格」・2026年10月15日確認)。甲種1類をすでに持っている人は、「受験する類以外の甲種消防設備士免状の交付を受けている者」の行に当たります。
試験手数料は甲種6,600円、乙種4,400円で、非課税です。日程は「試験日程、受付期間は受験する各支部(東京は中央試験センター)ごとに異なります。」とされ、申込み方法については「令和10年度から受験申込みは原則として電子申請のみとなる予定です。」と案内されています(消防試験研究センター「試験の方法」「消防設備士試験」トップページ・2026年10月16日確認)。
甲種1類・3類があれば法令(共通)と基礎的知識が免除。管工事の資格では問題は減らない
甲種1類か甲種3類の免状を持っていれば、甲種2類では消防関係法令(共通)と基礎的知識(機械・電気)が免除になり、試験時間は2時間30分になります。一方で、管工事施工管理技士による科目免除は一覧表にありません。甲種2類の一覧表から免除の行を書き出すと、こうなります(消防試験研究センター「試験科目・免除の一覧表 甲種」第2類の表・2026年10月16日確認)。
- 甲種4又は5類 → 消防関係法令(共通)を免除/3時間00分
- 甲種1又は3類 → 消防関係法令(共通)と基礎的知識(機械・電気)を免除/2時間30分
- 電工又は電主 → 基礎的知識(電気)と構造・機能(電気)を免除/3時間00分
- 甲種1又は3類と電工又は電主の両方 → 上の2行を合わせた科目を免除/2時間30分(甲種4又は5類と電工又は電主の組み合わせも2時間30分)
- 技術士(機械部門又は化学部門)又は検定協会等職員 → 基礎的知識(機械・電気)と構造・機能(機械・電気・規格)を免除/1時間45分(甲種1・3〜5類のいずれかと合わせると消防関係法令(共通)も外れて1時間30分)
この表の設備士免状の欄に書かれているのは甲種の免状だけです。乙種1類や乙種3類の免状では、甲種2類の免除は受けられない書き方になっています。
乙種2類を受ける場合、「甲種1・3類又は乙種1・3類のいずれか」に当たる人は、外れる科目が消防関係法令(共通)と基礎的知識(機械・電気)で、時間は1時間15分です。電工又は電主に当たる人は、基礎的知識(電気)と構造・機能(電気)が外れて1時間30分です(消防試験研究センター「試験科目・免除の一覧表 乙種」第2類の表)。
一覧表の備考によると、「電工」は「第一種電気工事士免状又は第二種電気工事士免状の交付を受けている方」、「電主」は「第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている方」を指します。実技試験は、甲種・乙種ともどの行でも免除なしです。
免除を受けたときの合格の線は、合格基準の続きに「なお、試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方を合格とします。」とあります(消防試験研究センター「試験の方法」・2026年10月16日確認)。甲種1類を持って甲種2類を受けるなら、残った類別の法令と構造・機能、それに実技で、40%と60%の線を越えることになります。
管工事の資格はどうかというと、甲種・乙種の一覧表の第2類の表を2026年10月16日に確認した範囲では、免除の資格の欄にあるのは設備士免状・電工・電主・技術士(機械部門又は化学部門)・検定協会等職員だけで、管工事施工管理技士、建築士、給水装置工事主任技術者による免除の行はありません。2級管工事施工管理技士で甲種2類を受けると、受験資格の条件にはなっても、出題数は筆記45問・実技7問から減らないということです。
1類と2類を同じ日に受けられるか
試験センターのトップページには「同一試験日に違う種類の試験を受験することはできません(「複数受験」で認められているものを除く)。」とあります(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月16日確認)。
これとは別に、よくある質問のQ18「複数の類を同時に受験したいのですが、可能でしょうか。」への回答は、「複数受験の実施は支部により異なりますので、詳細については、受験を予定している都道府県の当センター各支部(東京の場合、中央試験センター)にお問い合わせください。複数受験は電気工事士免状を有している場合のみ、試験科目の一部免除を申請することにより第4類と第7類の試験を同一時間帯に受験することが可能です。」です(消防試験研究センター「よくある質問(消防設備士)」・2026年10月16日確認)。一覧表の「複数受験者の試験時間」の表に出てくるのも、甲種4類と乙種7類、乙種4類と乙種7類の組み合わせだけです。
1類と2類を同じ試験日に受けられるという記載は、トップページ・よくある質問・免除の一覧表を確認した範囲では見当たりませんでした。トップページの文言は、複数受験で認められているもの以外は同一試験日に受けられないという読み方になり、Q18で挙がっている組み合わせも4類と7類だけです。複数受験の実施は支部によって違うので、1類と2類をまとめて受けたい場合は、受ける都道府県の支部に先に確かめてください。
合格率は令和7年度で甲種2類27.2%、乙種2類29.7%
令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)の合格率は、甲種2類が27.2%、乙種2類が29.7%でした。比較のために令和6年度も並べて、2類の行だけを表にしました(消防試験研究センター「試験実施状況(令和7年4月~令和8年3月)」・2026年10月16日確認)。
| 試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 申請者数 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度・甲種2類 | 4,334人 | 1,179人 | 27.2% | 5,676人 |
| 令和7年度・乙種2類 | 790人 | 235人 | 29.7% | 935人 |
| 令和6年度・甲種2類 | 3,890人 | 1,061人 | 27.3% | 5,012人 |
| 令和6年度・乙種2類 | 761人 | 200人 | 26.3% | 909人 |
公表の合格率は、申請者数ではなく受験者数に対する合格者数の割合です。申請しても当日受けなかった人は分母に入っていません。
同じ令和7年度の資料で並べると、甲種1類は28.7%、甲種の計は32.5%、乙種の計は38.3%、消防設備士全体は35.4%でした。令和7年度の2類は、甲種・乙種とも同じ年度の全体の値より低い結果です。
2類の免状で点検できる設備と、取った後の講習
2類の消防設備士が点検できる設備は、工事・整備の対象である泡消火設備にとどまりません。消防庁告示第十号は、規則第33条の3の工事・整備の対象に加えて、表の行で点検の対象を広げています(消防庁告示第十号・平成26年4月14日消防庁告示第16号による改正までの版)。2類が含まれる行は次の3つです。
1つ目は「第一類の甲種消防設備士若しくは乙種消防設備士又は第二類の甲種消防設備士若しくは乙種消防設備士」の行で、対象は「動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備、連結送水管及び共同住宅用連結送水管」です。2つ目は1類・2類・3類が並ぶ行で、対象は「パッケージ型消火設備及びパッケージ型自動消火設備」。3つ目は「第二類の甲種消防設備士又は乙種消防設備士」の行で、対象は「特定駐車場用泡消火設備」です。連結散水設備がどういう設備かは、連結散水設備の仕組みで解説しています。
点検だけなら第一種消防設備点検資格者も対象
泡消火設備の点検は、2類の消防設備士だけの持ち場ではありません。同じ告示の二の表では、第一種消防設備点検資格者が点検できる消防用設備等に泡消火設備が入り、必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等の欄には特定駐車場用泡消火設備も入っています(消防庁告示第十号・同版)。点検の担い手を増やしたいのか、工事まで自社で持ちたいのかで、2類を取るかどうかの判断は変わってきます。
免状を取ったら講習の期限が走り出す
消防設備士には講習を受ける義務があり、消防法は「消防設備士は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む。)が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならない。」と定めています(消防法 第17条の10)。1回目は「免状の交付を受けた日以後における最初の四月一日から二年以内」、2回目以降は「講習を受けた日以後における最初の四月一日から五年以内」が期限です(消防法施行規則 第33条の17第1項・第2項)。講習の科目や時間については、同条第3項が「前二項に定めるもののほか、講習の科目、講習時間その他講習の実施に関し必要な細目は、消防庁長官が定める。」としています。
配管の資格と消防設備士を組み合わせたときに仕事がどう広がるかは、管工事の1級と消防設備士を両方持つ場合の解説で扱っています。
消防設備士2類に関する情報まとめ
- 2類とは:泡消火設備が中心。試験センターの表ではパッケージ型2設備と特定駐車場用泡消火設備も2類の欄にあり、パッケージ型は1類・3類にもまたがる
- 置かれる場所:施行令第13条で泡消火設備が出てくるのは格納庫・屋上の発着場・道路・自動車の修理整備・駐車・指定可燃物の行。どれも「いずれか」の設置で、泡が必ず付くわけではない
- 甲種と乙種:工事まで担えるのは甲種だけで、乙種は整備と点検。泡消火設備(第四号)で条文上除かれているのは電源の部分
- 試験と合格率:筆記は甲種45問・乙種30問、実技の製図2問は甲種だけ。時間は甲種3時間15分、乙種1時間45分。合格は各科目40%以上かつ筆記全体と実技で60%以上。合格率は令和7年度は甲種2類27.2%、乙種2類29.7%(受験者ベース)。同年度の全体は35.4%
- 免除と同日受験:甲種1類・3類で法令(共通)と基礎的知識が免除の2時間30分。管工事施工管理技士等の免除行は無い。1類と2類の同日受験は支部に確認
- 点検と講習:告示で連結散水設備・連結送水管等、パッケージ型、特定駐車場用泡消火設備も点検の対象。講習の初回は免状交付以後の最初の4月1日から2年以内、その後は受講以後の最初の4月1日から5年以内
以上が消防設備士2類に関する情報のまとめです。
泡消火設備は、施行令第36条の2で電源の部分だけが除かれる側に置かれています。そこから読むと、泡消火設備がどの建物の行に出てくるのか、除かれているのがどの部分なのかが、1類とははっきり違うと分かります。まずは施行令第13条の表で自社の物件に当たる行があるかを確かめ、次に自分の免状が免除の一覧表のどの行に当たるかを見てから、甲種と乙種のどちらを受けるかを決める。僕は、この順で考えれば取ってから使い道に困ることは少ないと考えています。1類の条文との違いをもう一度見比べたいときは、消防設備士1類の記事もあわせて読んでみてください。
