消防設備士1類は甲種と乙種どちら?扱える設備と工事の範囲

消防設備士の第1類は、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備を扱う免状です。甲種は工事・整備・点検ができ、乙種は整備と点検ができます。試験は甲種が筆記45問と実技(鑑別等5問・製図2問)、乙種が筆記30問と実技(鑑別等5問)で、令和7年度の合格率は甲種1類が28.7%、乙種1類が28.5%でした。

  • 1類の免状を取ったら、具体的にどの設備を触れるんだろう
  • スプリンクラーも屋内消火栓も、全部1類でいいのか
  • 甲種と乙種、工事をするならやっぱり甲種なのか
  • スプリンクラーの配管まで、消防設備士が付いていないとダメなのか
  • 2級管工事を持っているけど、甲種の受験資格になるのか
  • 管工事の資格で、試験の問題が減ったりしないのか
  • 製図があると聞いて正直ビビっている
  • 何問とれば受かるのか。科目ごとの足切りはあるのか
  • 合格率って実際どのくらいなんだ
  • 取ったあとにも講習があるって聞いたけど、いつまでに行けばいい

上記の様な悩みを解決します。

消防設備士1類は、水を使う消火設備の工事と整備にかかわる免状です。ところが調べてみると、合格率は年度の書かれていない丸めた数字で紹介され、そのまま講座の紹介に流れていくページもあり、肝心の「どこまでが消防設備士の仕事なのか」が見えにくいんですよね。今回は扱える設備・甲種と乙種の違い・試験の中身・合格率といった基本を押さえた上で、他のページではほとんど触れられていない「配管・水源・電源の部分が除かれている条文」「管工事施工管理技士で受験資格は満たせるが、問題数は減らないこと」「点検だけなら消防設備点検資格者という別の資格もあること」まで、法令と試験機関の公表資料の文言どおりに整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、空調衛生の施工管理から消防設備に仕事を広げようとしている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

消防設備士1類とは?屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧・屋外消火栓を扱う免状

1類で扱うのは、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備の4つと、それに類する設備です。試験を行う一般財団法人 消防試験研究センターの免状の種類の表では、第1類の欄に「屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備」と「パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備」が並んでいます(消防試験研究センター「消防設備士試験 試験案内」・2026年10月15日確認)。

法令の側でも同じ4つです。甲種が行える工事又は整備の表に「第一類|屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備又は屋外消火栓設備」とあり、乙種が行える整備の表にも第一類として同じ4つが書かれています(消防法施行規則 第33条の3第1項・第3項)。

ひとつ注意したいのが、パッケージ型消火設備とパッケージ型自動消火設備です。同じ試験案内の表を見ると、この2つは第2類(泡消火設備など)と第3類(不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備など)の欄にも出てきます。つまり1類だけの設備ではありません。一方、共同住宅用スプリンクラー設備は、消防庁告示の点検の表では「第一類の甲種消防設備士又は乙種消防設備士」の行にだけ置かれています(消防庁告示第十号・平成26年4月14日消防庁告示第16号による改正までの版)。

消防設備士には1類から7類と特類があり、どの類から取るかで迷っている段階なら、全体の比較は消防設備士の種類と選び方で先に見ておくと、この記事の位置づけがつかみやすいはずです。設備そのものの仕組みは、屋内消火栓設備の解説、屋外消火栓設備の解説、消火設備の全体像は消火設備の種類の整理にまとめています。

甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検。配管・水源・電源は政令の範囲から除かれている

甲種と乙種の違いは、工事ができるかどうかです。消防試験研究センターは「消防設備士免状には甲種と乙種があり、甲種は工事整備対象設備等の工事・整備及び点検ができ、乙種は整備及び点検ができます。各類ごとに取り扱う設備が限定されていますので、類ごとに免状が必要です。」と説明しています(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月15日確認)。新しくスプリンクラー設備を付ける仕事に入るなら甲種、すでにある設備の整備と点検なら乙種、という分かれ方です。

消防設備士でなければできないのは「政令で定めるもの」

そもそも消防設備士が必要になる根拠は、消防法の次の条文です。「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。」(消防法 第17条の5)。ここで工事は「設置に係るものに限る」とされ、さらに範囲は政令に任されています。

その政令が消防法施行令第36条の2です。第1項は設置に係る工事の範囲を定めていて、各号のうち「一 屋内消火栓設備 二 スプリンクラー設備 三 水噴霧消火設備」と「八 屋外消火栓設備」が、ちょうど1類の4設備にあたります。この4つについて、同項の括弧書きは「第一号から第三号まで及び第八号に掲げる消防用設備等については電源、水源及び配管の部分を除き」としています(消防法施行令 第36条の2第1項)。

同じ文言は整備の側にも入っています。第2項第一号は、整備の対象を「前項各号に掲げる消防用設備等(同項第一号から第三号まで及び第八号に掲げる消防用設備等については電源、水源及び配管の部分を除き、…)」と定めています(消防法施行令 第36条の2第2項第一号)。つまり1類の4設備では、設置に係る工事でも整備でも、電源・水源・配管の部分は法第17条の5の政令が定める範囲から外れている、というのが条文の書き方です。

ここで「配管は誰がやってもいい」と読み替えるのは行き過ぎです。条文が言っているのは、消防設備士でなければ行ってはならない工事・整備の範囲から除く、ということだけで、配管の工事に別の資格や許可が要るかどうかはこの条文からは読み取れません。

軽微な整備は除かれる。ただし例示は消火栓だけ

整備には、もう1つ除外があります。第2項の柱書は「(屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備を除く。)」としていて、その総務省令が次の条文です。「令第三十六条の二第二項の総務省令で定める軽微な整備は、屋内消火栓設備又は屋外消火栓設備のホース又はノズル、ヒユーズ類、ネジ類等部品の交換、消火栓箱、ホース格納箱等の補修その他これらに類するものとする。」(消防法施行規則 第33条の2の2)。

読み落としやすいのは、例示に挙がっているのが屋内消火栓設備と屋外消火栓設備だけで、スプリンクラー設備の名前は出てこない点です。「軽微な整備ならスプリンクラーも同じ扱い」とは条文には書かれていません。

  • 消防法第17条の5:工事は「設置に係るものに限る」、範囲は政令で定める
  • 施行令第36条の2第1項:1類の4設備の設置に係る工事は「電源、水源及び配管の部分を除き」
  • 施行令第36条の2第2項第一号:整備でも同じ「電源、水源及び配管の部分を除き」
  • 施行令第36条の2第2項柱書:「屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備を除く」
  • 施行規則第33条の2の2:軽微な整備の例示は屋内消火栓設備・屋外消火栓設備のホース・ノズル等の交換、消火栓箱等の補修

管工事の会社が1類を取る意味について、僕は「電源・水源・配管以外の部分の設置に係る工事と整備を、自社の消防設備士で持てるかどうか」だと考えています。配管は本業でも、その先を外注に頼むか自社で完結するかで、段取りの組み方が変わるからです。

甲種の受験資格は、管工事施工管理技士・建築士・給水装置工事主任技術者でも満たせる

乙種は誰でも受けられ、甲種には受験資格が要ります。試験センターは乙種を「どなたでも受験できます。」、甲種を「受験資格が必要です。」と案内しています(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月15日確認)。甲種の受験資格は「大別して国家資格等によるものと、学歴によるものの2種類」です(消防試験研究センター「消防設備士試験受験資格」・2026年10月15日確認)。

施工管理の読者に関係しそうな行を、受験資格のページの表から抜き出すと次のとおりです。

  • 管工事施工管理技士:「建設業法第27条の規定による管工事施工管理の種目に係わる1級又は2級の技術検定に合格された者」
  • 建築士:「建築士法第2条に規定する1級建築士又は2級建築士」
  • 給水装置工事主任技術者:「水道法第25条の5の規定による給水装置工事主任技術者免状の交付を受けている者」
  • 電気工事士:「電気工事士法第2条第4項に規定する電気工事士免状の交付を受けている者」
  • 乙種消防設備士:「乙種消防設備士免状の交付を受けた後2年以上、工事整備対象設備等の整備(消防法17条の5の規定に基づく政令で定められたもの)の経験を有する者」
  • 工事の補助5年:「消防用設備等(受験しようとする類の試験に係る消防用設備等に限る。) の工事の補助者として、5年以上の実務経験を有する者」

このほか表には、配管技能士(1級又は2級)や、大学・高等学校等で「機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科又は課程を修めて卒業された方」などの学歴の行もあります(同ページ)。

2026年10月15日に受験資格のページの国家資格等の表と学歴の表を確認した範囲では、電気工事施工管理技士、土木施工管理技士、建築施工管理技士の独立した行はありませんでした。確認できた施工管理技士の行は、管工事施工管理技士です。ただ、これは「受けられない」という意味ではなく、学歴の行など別の行で満たせるかを自分の経歴で確かめる、という話です。2級管工事施工管理技士を持っている人なら、その行で甲種の受験資格を満たせます。

試験は甲種が筆記45問+実技7問、乙種が筆記30問+実技5問

1類の試験は、甲種が筆記45問と実技7問(鑑別等5問・製図2問)、乙種が筆記30問と実技5問(鑑別等5問)です。製図があるのは甲種だけです。科目ごとの問題数は次のとおりです(科目別の問題数は消防試験研究センター「試験科目」と試験科目・免除の一覧表、試験時間と手数料は同センター「試験の方法」・いずれも2026年10月15日確認)。

区分 甲種1類 乙種1類
消防関係法令(共通) 8問 6問
消防関係法令(類別) 7問 4問
基礎的知識(機械) 6問 3問
基礎的知識(電気) 4問 2問
構造・機能・工事又は整備(機械) 10問 8問
構造・機能・工事又は整備(電気) 6問 4問
構造・機能・工事又は整備(規格) 4問 3問
筆記の計 45問 30問
実技 鑑別等5問・製図2問 鑑別等5問
試験時間 3時間15分 1時間45分
試験手数料(非課税) 6,600円 4,400円

※乙種の構造・機能の科目は「構造・機能・整備」で、工事は入りません。

出題の形式は、筆記が「マーク・カードを使う筆記試験」で「四肢択一式」、実技が「写真・イラスト・図面等による記述式」です(消防試験研究センター「試験の方法」・2026年10月15日確認)。試験時間について、同じページには「試験科目の一部が免除される方の試験時間は、免除される問題の数に応じて短縮されます。」とあります。

合格基準は科目ごとに40%以上、全体で60%以上

合格基準は「甲種特類」と「特類以外」の2つに分けて示されていて、1類は甲種・乙種とも特類ではないので「特類以外」の基準を見ます。その文言は「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。なお、試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方を合格とします。」です(消防試験研究センター「試験の方法」・2026年10月15日確認)。筆記の合計が足りていても、1科目でも40%に届かなければ合格になりません。

日程・会場・申込みの決まり

日程は全国一律ではありません。試験センターは「試験日程、受付期間は受験する各支部(東京は中央試験センター)ごとに異なります。」とし、会場については「現住所・勤務地にかかわらず希望する都道府県において受験できます。」と案内しています(消防試験研究センター「消防設備士試験」トップページ・2026年10月15日確認)。法律が定めているのは「毎年一回以上、都道府県知事が行う。」という頻度だけです(消防法 第17条の8第3項)。

当日と申込みで押さえておきたい決まりは、同じトップページの次の3つです(2026年10月15日確認)。

  • 「試験会場では、テンプレート等の定規類、電卓、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチその他の機器の使用はできません。」
  • 「同一試験日に違う種類の試験を受験することはできません(「複数受験」で認められているものを除く)。」
  • 「令和10年度から受験申込みは原則として電子申請のみとなる予定です。」

製図で定規類が使えない点は、甲種を受ける人ほど早めに知っておきたいところです。

免除が効くのは電気工事士・電気主任技術者と他類の免状。管工事の資格では問題は減らない

1類の科目免除が効くのは、他類の消防設備士免状、電気工事士・電気主任技術者、技術士(機械部門又は衛生工学部門)などです。試験センターは「消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士等の資格を有する方は、申請により試験科目の一部が免除になります。」としています(消防試験研究センター「試験科目」・2026年10月15日確認)。

甲種1類の一覧表に載っている免除の行は次のとおりです(消防試験研究センター 試験科目・免除の一覧表(甲種)の第1類の表・2026年10月15日確認)。

  • 甲種4又は5類の免状:消防関係法令(共通)が免除、試験時間3時間00分
  • 甲種2又は3類の免状:消防関係法令(共通)と基礎的知識(機械・電気)が免除、2時間30分
  • 電工又は電主:基礎的知識(電気)と構造・機能(電気)が免除、3時間00分
  • 甲種4又は5類+電工又は電主、甲種2又は3類+電工又は電主:それぞれの免除を合わせた科目が免除、2時間30分
  • 技術士(機械部門又は衛生工学部門)又は検定協会等職員:基礎的知識(機械・電気)と構造・機能(機械・電気・規格)が免除、1時間45分(甲種2〜5類のいずれかを合わせると消防関係法令(共通)も免除、1時間30分)

甲種1類の表で免除の対象になる設備士免状は、甲種の免状だけです。乙種の免状を持っていても、甲種1類の免除の行には当たりません。

乙種1類の一覧表では、「甲種1・4・5類又は乙種4~7類のいずれか」の免状で消防関係法令(共通)が免除、「甲種2・3類又は乙種2・3類のいずれか」の免状で消防関係法令(共通)と基礎的知識(機械・電気)が免除になります。電工又は電主による免除(基礎的知識(電気)と構造・機能(電気))は甲種1類と同じ形です(同 一覧表(乙種)の第1類の表)。

ここで出てくる「電工」は、一覧表の備考で「第一種電気工事士免状又は第二種電気工事士免状の交付を受けている方」と定義されています。第二種電気工事士でも対象です。実技試験は、どの行でも免除されません。

一方、管工事施工管理技士・建築士・給水装置工事主任技術者による科目免除は、甲種・乙種の一覧表を2026年10月15日に確認した範囲では行がありません。受験資格のページでも「試験の一部免除有」と添えられているのは、甲種消防設備士・技術士・電気工事士・電気主任技術者の行で、管工事施工管理技士・建築士・給水装置工事主任技術者の行には付いていません。2級管工事施工管理技士で甲種1類を受ける場合、受験資格は満たせても、問題数は45問と実技7問のまま、というのが表から読み取れることです。

合格率は令和7年度で甲種1類28.7%、乙種1類28.5%

令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)の合格率は、甲種1類が28.7%、乙種1類が28.5%でした。試験センターの試験実施状況から、令和7年度と令和6年度の1類を抜き出すと次のとおりです(消防試験研究センター「試験実施状況(令和7年4月~令和8年3月)」・2026年10月15日確認)。

年度・種類 申請者 受験者 合格者 合格率
令和7年度 甲種1類 18,625人 12,934人 3,707人 28.7%
令和7年度 乙種1類 2,624人 2,048人 584人 28.5%
令和6年度 甲種1類 17,079人 12,086人 2,914人 24.1%
令和6年度 乙種1類 2,700人 2,161人 669人 31.0%

公表の合格率は、申請者ではなく受験者を分母にした値です。令和7年度の甲種1類で、合格者3,707人を受験者12,934人で割って計算すると28.66%(算出値)になり、公表値の28.7%と一致します。

同じ令和7年度の資料の中で他の数字を並べると、甲種4類が34.5%、乙種6類が35.6%、甲種の計が32.5%、乙種の計が38.3%、消防設備士全体が35.4%でした。令和7年度の甲種1類・乙種1類は、この年度の全体の35.4%を下回っています。

なお、令和8年度は4月〜7月分だけが公表されていて、甲種1類は35.7%です(消防試験研究センター「試験実施状況(令和8年4月~令和8年7月)」・2026年10月15日確認)。これは年度の途中の値なので、令和7年度の通年の28.7%と並べて上がった・下がったとは読まないほうが安全です。

取った後は講習の期限がある。点検だけなら消防設備点検資格者という別の資格も

免状を取ったら、それで終わりではありません。消防法は「消防設備士は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む。)が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならない。」と定めています(消防法 第17条の10)。期限は施行規則にあり、最初は「免状の交付を受けた日以後における最初の四月一日から二年以内」、その後は「講習を受けた日以後における最初の四月一日から五年以内」です(消防法施行規則 第33条の17第1項・第2項)。

点検は消防設備点検資格者でもできる

消防設備の点検は、消防設備士だけの仕事ではありません。施行規則は、「消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者」が点検を行うことができる消防用設備等の種類を、消防庁長官が定めるとしています(消防法施行規則 第31条の6第6項)。この「総務省令で定める資格を有する者」が消防設備点検資格者で、登録講習機関の講習を修了して免状の交付を受けた者です。講習を受けられる人として、同条第7項の各号には「法第十七条の六に規定する消防設備士」「電気工事士」「管工事施工管理技士」「一級建築士又は同条第三項に規定する二級建築士」「消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について五年以上の実務の経験を有する者」などが並んでいます(消防法施行規則 第31条の6第7項)。

点検資格者のうち第一種が点検できる設備は、消防庁告示で「消火器具、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備及び連結送水管」などとされています(消防庁告示第十号・平成26年4月14日消防庁告示第16号による改正までの版)。点検だけを担うのであれば、1類の消防設備士とは別にこちらの道もある、ということです。

1類の消防設備士が点検できる設備は、4設備より広い

同じ告示は、消防設備士が点検できる設備として、工事・整備の4設備のほかに表の行を加えています。「第一類の甲種消防設備士若しくは乙種消防設備士又は第二類の甲種消防設備士若しくは乙種消防設備士」の行には、動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備、連結送水管及び共同住宅用連結送水管が置かれています(消防庁告示第十号・同版)。連結散水設備の仕組みは連結散水設備の解説で整理しています。第2類が扱う泡消火設備のほうは、泡消火設備の解説にまとめています。

管工事施工管理技士と消防設備士を両方持つと何が変わるのかは、1級管工事施工管理技士と消防設備士のダブルライセンスで詳しく扱っています。僕は、配管を本業にしている人ほど、1類は「仕事の範囲を1段外側へ広げる免状」として検討する価値があると考えています。

消防設備士1類に関する情報まとめ

  • 1類とは:屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧・屋外消火栓の4設備とパッケージ型・共同住宅用スプリンクラー設備。パッケージ型は2類・3類の欄にもある
  • 甲種と乙種:甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検。4設備の電源・水源・配管の部分は、設置に係る工事でも整備でも政令の範囲から除かれている
  • 受験資格:乙種は誰でも。甲種は管工事施工管理技士(1級又は2級)・建築士・給水装置工事主任技術者・電気工事士などの行で満たせる
  • 試験:甲種は筆記45問+鑑別等5問・製図2問で3時間15分、乙種は筆記30問+鑑別等5問で1時間45分。科目ごとに40%以上・全体60%以上・実技60%以上
  • 免除:効くのは他類の免状・電工又は電主・技術士など。管工事施工管理技士等による免除は一覧表に無く、実技はどの行でも免除なし
  • 合格率:令和7年度は甲種1類28.7%、乙種1類28.5%(受験者ベース)。同年度の全体は35.4%
  • 取得後:講習は免状交付後の最初の4月1日から2年以内、以後5年以内。点検だけなら消防設備点検資格者という別の資格もある

以上が消防設備士1類に関する情報のまとめです。

1類は「スプリンクラーの資格」とひとまとめにされがちですが、条文まで降りると、どこからどこまでが消防設備士の仕事なのか、管工事の資格で何が満たせて何が満たせないのかがはっきり分かれています。まずは自分が受験資格のどの行に当たるかと、免除の一覧表のどの行に当たるかを確かめ、甲種なら製図を含む7問の実技まで見込んで準備を組むのが、遠回りに見えて確実な進め方だと思います。管工事の経験をどう活かすかを広く考えたいときは、2級管工事施工管理技士の転職事情もあわせて読んでみてください。

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