電気工事士は電気工事の作業に従事する者の資格で、電気工事施工管理技士は建設業法の技術検定に合格して得る施工管理の資格です。主任技術者の要件は、第一種電気工事士なら免状の交付、第二種なら免状の交付後に電気工事に関し3年以上の実務経験、施工管理技士なら1級または2級の第二次検定の合格で満たせます。監理技術者になれるのは、電気工事業が指定建設業なので、1級電気工事施工管理技士や電気電子部門・建設部門など一部の技術士か、国土交通大臣の認定を受けた者です。
- 電気工事士と電気工事施工管理技士って、結局どっちが上の資格なの?
- 施工管理技士に受かったら、自分で結線や配線をしてもいいの?
- 第二種しか持っていないけど、主任技術者として現場に名前を出せる?
- 第二種なら、あと何年の実務で主任技術者の要件になるの?
- 監理技術者には、第一種電気工事士でもなれる?
- 主任電気工事士と主任技術者、名前が似すぎていて区別がつかない
- 会社から施工管理技士を取れと言われた。電気工事士の免状は受検資格で効く?
- 2級の試験は今年まだ申し込める?1級の二次はいつ?
- 作業を続けるか管理に回るか、どっちの資格から手を付ければいい?
上記の様な悩みを解決します。
電気工事士と電気工事施工管理技士は、名前に同じ「電気工事」が入っていますが、根拠の法律が電気工事士法と建設業法に分かれていて、受け持つ役割も作業と管理で違います。ところが施工管理技士の解説は施工管理技士の側から書かれたものが中心で、「電気工事士の免状だけで主任技術者になれるのか」「第二種なら何年の実務が要るのか」は、一か所ではなかなか読めないんですよね。今回は根拠の法律・作業の範囲・受検資格といった基本を押さえた上で、建設業法施行規則第7条の3の表にある電気工事業の行と、国土交通省の資格一覧の電気の列から「どちらの資格で主任技術者・監理技術者の席に就けるか」までを、条文と公表資料の言葉に沿って順に確かめていきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、電気工事士として現場に出ていて、これから管理側に回る方にも追いやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
作業の免状と管理の技術検定|2つの資格は根拠の法律から別
先に答えると、電気工事士は電気工事の作業に就くための免状で、電気工事施工管理技士は建設業法の技術検定に合格して名乗る称号です。どちらが上という関係ではなく、根拠の法律そのものが別で、資格が見ている中身も「作業」と「管理」に分かれています。
電気工事士の側は、電気工事士法 第1条が「この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする。」と書いています(電気工事士法 第1条)。この法律が資格を定めている相手は、作業に従事する人です。
施工管理技士の側は、建設業法 第27条第1項が「国土交通大臣は、施工技術の向上を図るため、建設業者の施工する建設工事に従事し又はしようとする者について、政令の定めるところにより、技術検定を行うことができる。」と置いています(建設業法 第27条第1項)。検定は第一次検定と第二次検定に分けられ(同 第27条第2項)、第二次検定について第4項は「第二次検定は、第一項に規定する者が施工技術のうち第二十六条の四第一項に規定する技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」と定めています(建設業法 第27条第4項)。測っているのは手を動かす腕ではなく、技術上の管理と指導監督の知識と能力です。称号については第7項が「第一次検定又は第二次検定に合格した者は、それぞれ政令で定める称号を称することができる。」としています(建設業法 第27条第7項)。
| 比べる点 | 電気工事士 | 電気工事施工管理技士 |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 電気工事士法 | 建設業法(第27条の技術検定) |
| 何のための資格か | 電気工事の作業に従事するため | 技術上の管理及び指導監督に係る知識・能力の判定 |
| 試験の形 | 学科試験と技能試験の2段階 | 第一次検定と第二次検定 |
| 種類 | 第一種・第二種 | 1級・2級 |
| 実施機関 | 一般財団法人電気技術者試験センター | 一般財団法人建設業振興基金 |
試験の形は、電気技術者試験センターが「試験は第一種も第二種も、四肢択一方式でマークシートに記入(筆記方式)又はパソコンで解答(CBT方式)する学科試験と、実技による技能試験との2段階で行われます。」と案内しています(電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」・2026年10月17日確認)。技術検定の側は、建設業振興基金が「一般財団法人建設業振興基金は、建設業法の規定に基づく国家試験(建築施工管理技術検定/電気工事施工管理技術検定)の指定試験機関です。」と名乗っています(建設業振興基金 トップページ・2026年10月17日確認)。
「電気工事」という言葉そのものが、電気工事士法と建設業法でどこまでを指すのかは、電気工事の範囲を2つの法律から見た解説で扱っています。
電気工事の作業に就くには電気工事士の免状が要る。第一種と第二種で範囲が違う
結論として、電気工事士法が「免状が無ければ従事してはならない」と定めている作業は、第一種なら自家用電気工作物、第二種なら一般用電気工作物等に係る電気工事の作業です。第3条の条文に施工管理技士の称号は出てこないので、施工管理技士に合格しただけでは、第3条が免状を求める作業には従事できません。
第3条第1項は「第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(第三項に規定する電気工事を除く。第四項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」と定めています(電気工事士法 第3条第1項)。
第2項は「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」です(電気工事士法 第3条第2項)。第2項の主語に第一種も入っているため、一般用電気工作物等の側の作業も、第一種の免状で受け持てる組み立てです。
試験センターは、第一種の範囲を「一般用電気工作物等及び自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備に限る。)の電気工事の作業」、第二種の範囲を「一般用電気工作物等の電気工事の作業」と説明しています(電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」・2026年10月17日確認)。
免状が無くても扱える作業と、別の資格が要る工事
第3条には、電気工事士の免状とは別の扱いも書かれています。自家用電気工作物のうち特殊電気工事は「特種電気工事資格者」でなければ従事できず(電気工事士法 第3条第3項)、簡易電気工事は「認定電気工事従事者」も従事できる(同 第3条第4項)と定められています。また、電気工事士法でいう電気工事からは「政令で定める軽微な工事」が除かれ(同 第2条第3項)、第1項・第2項の括弧書きでも保安上支障がない作業が除かれています。どの作業がそれに当たるかは、第二種電気工事士の作業範囲と軽微な作業に条文の順で並べてあります。
ここで1つ取り違えたくないのは、第3条は作業の条文であって、電気工事士が現場を管理できるかどうかを決めた条文ではない、という点です。電気工事士の免状で現場の管理の席に就けるかどうかは、建設業法の側で決まります。それを次の節で見ていきます。
電気工事士の免状と施工管理技士の合格で、主任技術者の要件を満たす条件
答えから言うと、建設業の電気工事業で主任技術者の要件を満たすのは、資格で見れば、1級または2級の電気工事施工管理の第二次検定の合格、第一種電気工事士免状の交付、第二種電気工事士免状の交付後に電気工事に関し3年以上の実務経験、などです。根拠は建設業法施行規則第7条の3第2号の表にある電気工事業の行です。
主任技術者そのものは、建設業法 第26条第1項が「建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。」と定めています(建設業法 第26条第1項)。要件は第7条第2号のイ・ロ・ハのどれかです。
このうちイは学歴と実務経験の組み合わせ、ロは「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」です(建設業法 第7条第2号イ・ロ)。つまり資格を持たずに実務経験だけで要件を満たす道もあります。資格で要件を満たす道はハの側にあり、ハは「国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者」です(建設業法 第7条第2号ハ)。
そのハの中身を決めているのが建設業法施行規則 第7条の3で、柱書は「法第七条第二号ハの規定により、同号イ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものとして国土交通大臣が認定する者は、次に掲げる者とする。」です。第2号は「前号に掲げる者のほか、次の表の上欄に掲げる許可を受けようとする建設業の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる者」で、その表の電気工事業の行は次の6つです(建設業法施行規則 第7条の3第2号の表・2026年10月17日時点でe-Gov法令検索に掲載の現行版)。
| 下欄の号 | 電気工事業の行に書かれている者(逐語) |
|---|---|
| 一 | 技術検定のうち電気工事施工管理に係る一級又は二級の第二次検定に合格した者 |
| 二 | 技術士法第四条第一項の規定による第二次試験のうち技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目を電気電子部門又は建設部門に係るものとするものに限る。)とするものに合格した者 |
| 三 | 電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第四条第一項の規定による第一種電気工事士免状の交付を受けた者又は同項の規定による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上実務の経験を有する者 |
| 四 | 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十四条第一項の規定による第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者(同法附則第七項の規定によりこれらの免状の交付を受けている者とみなされた者を含む。)であつて、その免状の交付を受けた後電気工事に関し五年以上実務の経験を有する者 |
| 五 | 建築士法第二条第五項に規定する建築設備士となつた後電気工事に関し一年以上実務の経験を有する者 |
| 六 | 建築物その他の工作物若しくはその設備に計測装置、制御装置等を装備する工事又はこれらの装置の維持管理を行う業務に必要な知識及び技術を確認するための試験であつて次条から第七条の六までの規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録計装試験」という。)に合格した後電気工事に関し一年以上実務の経験を有する者 |
施工管理技士は第二次検定の合格、電気工事士は免状の種類で分かれる
施工管理技士の側は一の号で、条件は「一級又は二級の第二次検定に合格した者」です。1級でも2級でも、第二次検定に合格していれば主任技術者の要件になります。第一次検定だけの合格は、この号の文言には入っていません。
電気工事士の側は三の号で、第一種と第二種で書き方が違います。第一種は「第一種電気工事士免状の交付を受けた者」で、免状の交付そのものが条件です。第二種は「第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上実務の経験を有する者」で、免状の交付に加えて、交付後の3年以上の実務経験が要ります。
第一種の行に年数が付いていない点について、僕は、第一種の免状そのものに実務経験の条件が付いていることと合わせて読むのがよいと考えています。第一種電気工事士試験の合格者が免状の交付を受けるには「第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者」に当たる必要があり(電気工事士法 第4条第3項第1号)、その実務の経験は「三年以上の従事とする。」と決められています(電気工事士法施行規則 第2条の4第2項)。
国土交通省の一覧で、電気の列はこう並んでいる
国土交通省の「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日施行の版)は、縦に資格、横に建設業の種類を並べ、セルの色と数字で読ませる表です。凡例は「特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格」(赤のセル)、「一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格」(黄のセル)、「枠内の数字:資格取得後、必要な当該業種の実務経験年数」です(国土交通省 同一覧・2026年10月17日確認)。一覧の表で、電気の列は次のようになっています。
- 1級電気工事施工管理技士:赤(特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)の欄)
- 2級電気工事施工管理技士:黄(一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)の欄)、数字なし
- 第1種電気工事士:黄、数字なし
- 第2種電気工事士:黄、枠内の数字「3」
- 電気主任技術者(1種・2種・3種):黄、枠内の数字「5」
- 1級・2級電気工事施工管理技士補:電気の列にセルなし
第2種電気工事士の「3」と電気主任技術者の「5」は、施行規則の表の三と四に書かれた年数と同じです。凡例には「(※)特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格を有するものは、一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る」ともあるので、赤の1級電気工事施工管理技士は主任技術者の要件も満たします。
主任技術者を置く義務や専任が求められる工事など、資格要件以外の話は主任技術者の役割と配置のルールにまとめています。
監理技術者は1級電気工事施工管理技士や技術士など。電気工事業は指定建設業
結論から言うと、電気工事業は指定建設業なので、監理技術者になれるのは建設業法第15条第2号イに当たる者か、同号ハの大臣認定を受けた者です。国土交通省の一覧では、電気の列で特定建設業の欄(赤)になっているのは1級電気工事施工管理技士と技術士の一部で、電気工事士は第一種・第二種とも一般建設業の欄(黄)だけです。
監理技術者は、建設業法 第26条第2項が「発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額)が第三条第一項第二号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者(当該建設工事に係る建設業が指定建設業である場合にあつては、同号イに該当する者又は同号ハの規定により国土交通大臣が同号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者)で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「監理技術者」という。)を置かなければならない。」と定めています(建設業法 第26条第2項)。
読みどころは括弧書きです。指定建設業では、第15条第2号のイ・ロ・ハのうちロが外れ、イかハに絞られます。第15条第2号のただし書も、指定建設業の営業所に置く専任の者について「その営業所ごとに置くべき専任の者は、イに該当する者又はハの規定により国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者でなければならない。」と同じ絞り方をしています(建設業法 第15条第2号)。
電気工事業が指定建設業に入っている根拠
指定建設業は、建設業法施行令 第5条の2が「法第十五条第二号ただし書の政令で定める建設業は、次に掲げるものとする。」として7つを挙げ、その第3号が電気工事業です(建設業法施行令 第5条の2第3号)。国土交通省の一覧にも、注記として「(補)表中の主任技術者になれるものに関し、建設業法第十五条第二号ロの規定を満たす場合には、特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得ます。(ただし、指定建設業は除かれています)」とあります(国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」・2026年10月17日確認)。主任技術者の資格に指導監督的な実務経験を足して監理技術者になる道は、電気工事業では使えないということです。
第15条第2号イは「第二十七条第一項の規定による技術検定その他の法令の規定による試験で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものに合格した者又は他の法令の規定による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものを受けた者」です(建設業法 第15条第2号イ)。国土交通省の一覧で、電気の列が赤になっているのは、1級電気工事施工管理技士、技術士の建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)、技術士の建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)、技術士の電気電子・総合技術監理(電気電子)です。
電気工事士の免状と監理技術者の関係
一覧から読める範囲では、第1種電気工事士・第2種電気工事士とも電気の列は黄で、赤の欄には入っていません。(補)の注記で指定建設業はロの道も除かれているので、電気工事士の免状を足場にして監理技術者になる道は、一覧の上には見当たりません。ただし、第26条第2項の括弧書きにはハの大臣認定が残っていて、条文はその認定の対象を資格の種類で限っていません。個別の認定の扱いまではこの一覧からは分からないので、僕は「一覧では電気工事士は監理技術者の欄に入っていない」という言い方にとどめるのが正確だと考えています。
監理技術者になる3つのルートと、指定建設業7業種の全体像は監理技術者の資格要件の解説で整理しています。2級電気工事施工管理技士で就ける席が主任技術者までになる話は2級電気工事施工管理技士の転職の記事で、1級と2級の差そのものは施工管理技士の1級と2級の違いで扱っています。
主任電気工事士は電気工事業法の別の制度。置くのは工事現場ではなく営業所
先に答えると、主任電気工事士は電気工事業法 第19条にもとづく者で、登録電気工事業者が一般用電気工事の業務を行う営業所(特定営業所)ごとに置きます。建設業法の主任技術者は工事現場ごとに置く者なので、根拠の法律も置く単位も違う、別の制度です。
第19条第1項は「登録電気工事業者は、その一般用電気工作物等に係る電気工事(以下「一般用電気工事」という。)の業務を行う営業所(以下この条において「特定営業所」という。)ごとに、当該業務に係る一般用電気工事の作業を管理させるため、第一種電気工事士又は電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士であつて第六条第一項第一号から第四号までに該当しないものを、主任電気工事士として、置かなければならない。」と定めています(電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条第1項)。第2項では、登録電気工事業者(法人なら役員のいずれか)が第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状の交付後に電気工事に関し3年以上の実務の経験を持つ第二種電気工事士で、自ら主としてその業務に従事する特定営業所には、第1項を適用しないとしています(同 第19条第2項)。
建設業の許可を受けている会社にも、この第19条は関わってきます。電気工事業法 第34条第1項は「第二章及び第二十八条中登録の取消しに係る部分の規定は、建設業法第二条第三項に規定する建設業者には、適用しない。」とし、第2項は「前項に規定する者であつて電気工事業を営むもの(次項に規定する者を除く。)については、前項に掲げる規定を除き、第三条第一項の…登録を受けた登録電気工事業者とみなしてこの法律の規定を適用する。」としています(電気工事業の業務の適正化に関する法律 第34条第1項・第2項)。建設業者で電気工事業を営む者は(第2項の括弧書きで除かれる者を除き)、登録電気工事業者とみなされて第19条の主任電気工事士の規定がかかる、という組み立てです。
2つの「主任」を並べると、違いは次のとおりです。
- 根拠:主任技術者は建設業法 第26条第1項、主任電気工事士は電気工事業法 第19条第1項
- 置く単位:主任技術者は工事現場ごと、主任電気工事士は一般用電気工事の業務を行う特定営業所ごと
- 受け持つこと:主任技術者は「施工の技術上の管理」、主任電気工事士は「一般用電気工事の作業を管理」
- 第二種+3年の出どころ:主任技術者は建設業法施行規則第7条の3の表の三、主任電気工事士は電気工事業法第19条第1項
どちらにも「第二種電気工事士の免状の交付を受けた後、電気工事に関し3年以上の実務経験」という同じ形の条件が出てきますが、書いてある法律が別です。片方の条件を満たしていることが、もう片方の席に就いていることにはならないので、社内で「主任」と呼ばれたときは、どちらの法律の席なのかを確かめておくと話がずれません。
電気工事士から電気工事施工管理技士を受けるとき、免状が効く受検資格
答えを先に言うと、2級では第一種・第二種どちらの電気工事士も、試験の合格後または免状交付後の実務経験1年以上で新受検資格の区分3・区分4に当たります(区分3は第一次検定の合格が別に要ります)。1級で電気工事士の区分(区分4・区分5)に入るのは第一種だけで、第二種の人が新受検資格で1級の第二次検定に進むなら、1級第一次検定や2級第二次検定の合格を起点にする区分1〜3になります。
建設業振興基金の令和8年度の案内(2026年10月17日確認)で、電気工事士が関わる新受検資格の区分は次のとおりです。
- 2級・区分3(第二次検定のみ):「電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上 ※別途、2級 または 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定 の合格が必要」
- 2級・区分4(第一次・第二次検定のみ):「電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上」
- 1級・区分4:「1級第一次検定、および第一種電気工事士試験合格または免状交付者」で、4-1は「第一種電気工事士試験合格または免状交付後、実務経験5年以上」、4-2は同じ起点から特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
- 1級・区分5:「1級第一次検定受検予定、および第一種電気工事士試験合格または免状交付者」(5-1・5-2は区分4と同じ条件)
2級の区分は「※2 電気工事士の場合:第一種または第二種」と注記されているので、第二種でも使えます。区分3は第二次検定だけを受ける区分で、第一次検定の合格が別に要ります。区分4は第一次・第二次を同時に申請する区分なので、第二次検定だけを単独で受ける形にはなりません。1級の4-2に出てくる特定実務経験は、「建設業法の適用を受ける請負金額4,500万円(建築一式工事については7,000万円)以上の建設工事であって、監理技術者・主任技術者(…)の指導の下、または自ら監理技術者若しくは主任技術者として行った施工管理の実務経験を指します。」と定義されています(建設業振興基金 令和8年度 1級 電気工事施工管理技術検定のご案内)。
旧受検資格は第一次検定が前提。新規に申請するなら令和10年度まで
第二次検定には、制度改正前の旧受検資格も経過措置で残っています。2級の旧受検資格には「ハ 第一種電気工事士免状の交付を受けた者:実務経験は問いません」と「ニ 電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた者(旧電気工事士も含む。):通算1年以上」があり、1級の旧受検資格にも「ハ 第一種電気工事士免状の交付を受けた者:実務経験年数は問わず」があります(建設業振興基金 令和8年度 1級・2級のご案内)。
ただし、どちらも免状だけで第二次検定を受けられるという意味ではありません。2級の旧受検資格は、すでに2級第一次検定に合格している、または一次・二次検定へ同時に受検申請を行う(ほかに技術士の第二次試験の合格による道もあります)ことを前提に、イ〜ニのいずれかを満たす形です。1級の旧受検資格も、1級第一次検定(または技術士の第二次試験)に合格した上で、ハなどの条件を満たす形になっています(建設業振興基金 令和8年度 1級・2級のご案内)。
期限は、2級が「旧受検資格は令和10年度まで 申請可能です。令和11年度以後は 新受検資格のみ となります。」、1級が「令和10年度までの間は経過措置として、制度改正前の受検資格要件(以下「旧受検資格」)による第二次検定受検が可能です。」です(建設業振興基金 令和8年度 2級・1級のご案内)。これは新規に申請する場合の話です。1級の案内には、令和6年度から10年度までの間に第二次検定を受検していれば令和11年度以降も再受検者として受けられる旨が、2級の案内には、同じ期間に「第二次検定のみ」の再受検対象者となった場合の扱いが書かれています。
令和8年度の日程と、今年の申込の状況
令和8年度の2級(後期)は、受付がネット申請「6月29日(月)〜7月27日(月)」、書面申請「7月13日(月)〜7月27日(月)」で、試験日は「11月8日(日)」です(建設業振興基金 令和8年度 2級 電気工事施工管理技術検定のご案内・2026年10月17日確認)。受付は7月27日で締め切られているので、令和8年度の2級後期にこれから申し込むことはできません。
令和8年度の1級は、第二次検定の試験日が「10月18日(日)」で、受付は「2月13日(金)~2月27日(金)」でした(建設業振興基金 令和8年度 1級 電気工事施工管理技術検定のご案内・2026年10月17日確認)。同じ案内には「第一次検定の合格を確認した後、同年の第二次検定へ受検申請をすることはできません。」とあるので、令和8年度の1級第一次検定に受かってから同じ年度の第二次検定へ申し込む、という順番は取れません。
第一次検定の年齢の条件は、2級が「試験実施年度に満17歳以上となる者」、1級が「試験実施年度に満19歳以上となる者」です(建設業振興基金 令和8年度 2級・1級のご案内)。区分ごとの必要書類や実務経験の数え方は、2級電気工事施工管理技士の受検資格と1級電気工事施工管理技士の受検資格で区分ごとに確かめられます。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】免状を持っている人が、施工管理技士の学び方を決める前に
電気工事士の免状があっても、施工管理技士の受検は免状だけで足りるとは限らず、級や区分ごとに申請の仕方が変わります。独学サポート事務局が自分の持つ免状の人を想定した内容か、問い合わせる前に提供元のページで読み比べてください。
- 第二種電気工事士の免状を持ち、1級と2級のどちらから進むか決めかねている
- 免状があれば第二次検定から受けられると思い込んでいた
- 仕事の合間に、免状の次の資格を独学で進めたい
どちらを先に取るか|作業に就くのか、管理の席に就くのかで決める
僕は、これから電気工事の作業に就くなら電気工事士が先、すでに第二種を持っていて現場の管理の席を任されそうなら施工管理技士の準備に入る、という順番で考えるのがよいと考えています。決め手は、どちらの条文の席に座るのかです。
作業に就くなら、電気工事士法 第3条が免状を求めている以上、施工管理技士を先に取っても作業の資格にはなりません。電気工事士試験には「受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です。」という案内もあります(電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」FAQ・2026年10月17日確認)。なお、令和8年度の電気工事士試験は、第一種・第二種とも下期の申込が終わっています(2026年10月17日確認)。
管理の席に就くなら、事情が変わります。第二種電気工事士だけを持っている人は、施行規則の表の三の道では、免状の交付後3年以上の実務経験がそろうまで主任技術者の要件に届きません(実務経験だけで満たす第7条第2号イ・ロの道は別にあります)。施工管理技士の第二次検定に合格すれば、表の一の文言には実務の年数が付きませんが、受検にあたっての実務経験は前の節の区分で必要です。監理技術者まで見るなら、電気工事業では大臣認定を除くと1級の第二次検定の合格や技術士といった第15条第2号イの資格が要るので、2級の区分3・4から入って、その先の1級を見据えるのが筋だと僕は考えています。
第一種電気工事士なら、免状1枚で第3条の作業と主任技術者の要件(表の三)の両方に届きます。第二種の人は、免状の交付後3年の実務がそろうまでは、施工管理技士の第二次検定の合格が管理側の要件を満たす近道になります。電気工事士の免状は、試験センターが「一度取得すれば基本的に有効期限はなく、更新の必要もありません。」と答えているので(電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」FAQ・2026年10月17日確認)、先に取った免状がその後の受検資格の足場として残り続けます。
働きながら2級の第一次・第二次をどう組むかは、2級電気工事施工管理技士の独学の進め方にまとめています。
電気工事士と電気工事施工管理技士の違いに関する情報まとめ
- 2つの資格の違い:電気工事士は電気工事士法の作業の免状、電気工事施工管理技士は建設業法の技術検定で、管理と指導監督の力を判定する
- 作業の範囲:第一種は自家用電気工作物(500kW未満の需要設備)と一般用電気工作物等、第二種は一般用電気工作物等の作業。施工管理技士の合格だけでは作業に従事できない
- 主任技術者:施工管理技士は1級・2級の第二次検定の合格、第一種は免状の交付、第二種は免状の交付後3年以上の実務で要件を満たす(実務経験だけの道もある)
- 監理技術者:電気工事業は指定建設業なので、第15条第2号イ(一覧で赤の1級電気工事施工管理技士・技術士)かハの大臣認定。電気工事士は一覧で黄だけ
- 主任電気工事士:電気工事業法第19条の別制度で、一般用電気工事の特定営業所ごとに置く。建設業者もみなし登録で適用される
- 受検資格:2級は第一種・第二種とも区分3・4、1級で電気工事士の区分に入るのは第一種だけ。旧受検資格は第一次検定が前提で、新規申請は令和10年度まで
- どちらを先に:作業に就くなら電気工事士、管理の席に就くなら施工管理技士の第二次検定
以上が電気工事士と電気工事施工管理技士の違いに関する情報のまとめです。
電気工事士と電気工事施工管理技士は、上下ではなく、作業の条文と管理の条文で別々に効く資格です。第二種を持って現場に出ている方なら、まず自分の免状の交付後の実務が何年かを確かめ、施行規則の表の三に届いているかを見てから、施工管理技士の受検区分を選ぶと迷いが減るはずです。
電気工事士をもう一方の電気系資格と比べたいときは電気工事士と電験三種の違いが、作業の範囲を細かく確かめたいときは第二種電気工事士でできることが手がかりになります。
