消防設備士とは?種類、甲種乙種、1〜7類と特類の違いなど

  • 消防設備士って1つの資格じゃないの?
  • 甲種と乙種、結局なにが違う?
  • 1類から7類まで多すぎて区別がつかない
  • 自分の現場でどの類が必要になる?
  • 電気工事士を持ってると活かせる?
  • まずどの類から取ればいい?
  • 乙6が定番って聞くけど本当?
  • 甲4と乙4はどっちを取るべき?
  • 特類って何?誰が取るの?
  • 元請で点検を手配するのに種類が分からず困っている

上記の様な悩みを解決します。

消防設備士は、消火栓・スプリンクラー・自動火災報知設備・消火器などの点検・整備・工事に必須の国家資格です。ただ「消防設備士」という1つの資格があるわけではなく、甲種・乙種という区分と、1類〜7類・特類という設備ごとの区分が掛け合わさっていて、初めて調べる人が一番つまずくポイントになっています。今回は甲種と乙種の違い、各類で扱う設備、合格率といった基本を押さえた上で、設備・電気工事の実務者目線で「電気工事士との関係」「現場でどの類が必要になるか」「立場別にどの類から取るべきか」まで整理しました。

なるべく分かりやすい表現でまとめていくので、これから受験を考えている方にも、現場で手配する立場の方にも役立つ内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

消防設備士の種類とは?

消防設備士の種類とは、結論「甲種・乙種という業務区分と、1類〜7類・特類という設備区分を掛け合わせた、全13区分の資格群」のことです。「消防設備士」という単一資格ではなく、扱う設備ごとに別々の資格に分かれているのが最大の特徴です。

整理すると、まず甲種か乙種かで「できる業務の範囲」が決まり、次に何類かで「扱える消防用設備」が決まります。甲種は1類〜5類と特類、乙種は1類〜7類があり、6類と7類は乙種のみ、特類は甲種のみです。

区分 できる業務 対応する類
甲種 工事・整備・点検 1類〜5類、特類
乙種 整備・点検 1類〜7類

この「業務区分×設備区分」という二層構造を理解しておくと、求人票や現場で「甲4が必要」「乙6だけでいい」と言われたときに、それが何を指しているのか一発で読めるようになります。

僕の感覚だと、最初にこの全体像さえ掴んでおけば、あとは「自分はどの設備を・点検だけか工事までやるか」で必要な資格が自動的に絞れます。種類の多さに圧倒される必要はなく、自分の現場と業務範囲から逆算するのがコツです。

消防設備士の甲種と乙種の違い

消防設備士の甲種と乙種の違いは、結論「工事ができるかどうか」と「受験資格の有無」です。甲種は工事まで、乙種は点検・整備までと覚えておけば間違いありません。

両者の違いを並べると次のようになります。一番の分かれ目は、消防用設備の新設・増設といった「工事」に手を出せるかどうかです。

比較項目 甲種 乙種
できる業務 工事・整備・点検 整備・点検
受験資格 必要(学歴・資格・実務経験) 不要(誰でも受験可)
合格率の目安 全体で約35% 全体で約42%
向いている人 工事会社・設備施工に携わる人 点検・整備が中心の人

甲種の受験資格は、電気工事士や建築士などの国家資格を持っている、機械・電気・土木・建築系の学科を修めている、乙種取得後に2年以上の実務経験がある、といった条件のいずれかを満たす必要があります。一方、乙種は受験資格が一切ないので、未経験でも誰でも受けられます。

工事を業務にする防災屋や設備工事会社では甲種が前提になりますが、ビルメンテナンスのように点検・整備が中心なら乙種で足りるケースも多いです。

僕としては、将来的に工事まで請けたいなら最初から甲種を狙う、当面は点検業務だけなら乙種から入る、という分け方が現実的だと感じます。受験資格がある人なら、いきなり甲種を受けてしまうのも十分ありです。

消防設備士の1類〜7類・特類で扱う設備

消防設備士の各類で扱う設備は、結論「類ごとに対象がきっちり分かれており、点検・工事したい設備に対応する類を取る必要がある」という仕組みです。1つの類で全設備を扱えるわけではない点に注意が必要です。

各類が対象とする消防用設備を一覧にまとめます。これが消防設備士の種類を理解する上での核心部分です。

系統 主な対象設備 甲種 乙種
1類 水系 屋内・屋外消火栓、スプリンクラー、水噴霧消火設備
2類 泡系 泡消火設備
3類 ガス系 不活性ガス・ハロゲン化物・粉末消火設備
4類 警報系 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備
5類 避難系 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器 消火器
7類 漏電 漏電火災報知器
特類 特殊 特殊消防用設備等

ポイントを補足すると、6類(消火器)は「工事」という概念がないため乙種のみ、7類(漏電火災報知器)は工事に電気工事士の資格が必要なため点検整備担当の乙種のみという整理になっています。特類は従来型でない特殊な消防用設備が対象で、専門性が高く甲種だけが存在します。

自動火災報知設備まわりは現場で関わる機会が多いので、設備そのものの中身はこちらの記事も参考になります。

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実務だと、この対応表を頭に入れておくと「この建物のこの設備を触るには何類が要る」が即座に判断できるようになります。設備の系統(水・泡・ガス・警報・避難)で大きく括って覚えると、丸暗記より定着しやすいです。

消防設備士の各類の難易度・合格率

消防設備士の各類の難易度は、結論「全体では合格率30〜57%とばらつきがあり、乙6・乙7が易しく、甲1・特類が難しい」傾向です。どの類を選ぶかで体感難易度がかなり変わります。

代表的な合格率の目安を整理すると次のようになります。年度によって変動しますが、難易度の相対関係はおおむね一定です。

甲種の合格率目安 乙種の合格率目安 難易度の傾向
1類 約31% 約34% やや難しい
3類 約40% 約34% 標準
4類 約37% 約35% 標準(受験者最多)
5類 約38% 約43% やや易しい
6類 約43% 易しい
7類 約57% 最も易しい
特類 約27% 最難関

乙7の合格率が突出して高いのは、後述する免除制度で電気工事士などの有資格者が有利に受けられるためです。逆に特類は、受験するために複数の甲種を保有していること自体が条件になっているので、受験のハードルが難易度を押し上げています。

数字だけ見ると7類が一番ラクですが、合格率は「受験者層」に大きく左右される点は意識しておくべきです。受験者にもともと知識のある人が多い類は、合格率が高く出やすいだけで、ゼロから受ける人の体感難易度とは別物です。

正直なところ、合格率の高低だけで受ける類を選ぶのはおすすめしません。次に説明する「自分の現場で必要な類か」「キャリアに効く類か」を軸に選び、難易度はあくまで勉強量の見積もりに使うのが正解だと感じます。

消防設備士と電気工事士の関係

消防設備士と電気工事士の関係は、結論「電気工事士を持っていると4類・7類で試験が大幅に免除され、有利に取得できる」という点に尽きます。電気系の資格を持っている人にとっては、消防設備士は相性のいい上積み資格です。

具体的な関係を整理すると次の通りです。電気と消防は警報設備でガッチリ結びついています。

  • 7類(漏電火災報知器)の工事は電気工事士の独占業務で、点検整備を消防設備士が担う分担になっている
  • 電気工事士の資格があると、7類試験で電気に関する問題が大きく免除される
  • 4類(自動火災報知設備)も電気系の知識が土台になり、電気工事士保有者は学習がスムーズ
  • 既に他類の消防設備士を持っていると、共通科目の免除でさらに負担が減る

電気工事の実務者が消防設備士に手を広げる場合、4類と7類は知識の地続き感があり、勉強の立ち上がりが圧倒的に速いです。免除制度を使えば試験問題数そのものが減るので、合格率も自然と高くなります。

非常用照明や非常用発電機など、電気と防災が交わる設備の理解も合わせて深めておくと、現場での対応力が上がります。

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現場目線で言えば、電気工事士を持っている人なら4類と7類はかなり「おいしい」資格です。免除でラクができる上に、自火報や漏電警報は現場での需要が高いので、投資対効果が高い。電気の素地を活かさない手はないと感じます。

消防設備士は施工管理・現場でどの類が必要になるか

施工管理・現場でどの類が必要になるかは、結論「建物に設置されている消防用設備の種類で決まる」ので、自分が関わる物件の設備構成から逆算するのが正解です。資格マニア的に全類を揃えるより、現場に直結する類から押さえるのが実務的です。

現場の規模・用途と、関わりやすい類の対応をざっくり整理すると次のようになります。

現場・設備 関わりやすい類
戸建て・小規模物件 6類(消火器)、4類(自火報)
中〜大規模ビル・商業施設 1類(スプリンクラー・消火栓)、4類(自火報)
駐車場・危険物施設 2類(泡)、3類(ガス)
共同住宅・宿泊施設 4類(自火報)、5類(避難器具)、7類(漏電)

施工管理の立場では、自分で点検・工事をしなくても「どの設備に何類が紐づくか」を把握しておくことが重要です。元請として防災屋に点検や工事を手配する際、種類が分かっていないと適切な業者選定や工程調整ができません。

完成後の消防検査の流れまで含めて押さえておくと、設備の引き渡しがスムーズになります。

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僕としては、設備や電気の施工管理なら、まず自火報に対応する4類の知識を持っておくと現場での会話が一気に楽になると感じます。自分で資格まで取らなくても、種類と対応設備の関係を理解しているだけで、防災業者との打ち合わせや工程の読みが格段に正確になります。

消防設備士はどの種類から取るべきか

消防設備士をどの種類から取るべきかは、結論「立場によって最適解が違う」ので、自分のバックグラウンドで選ぶのが正解です。よく言われる「乙6一択」は、あくまで予備知識ゼロの初心者向けの答えにすぎません。

立場別のおすすめ取得順を整理すると次のようになります。

  • 完全初心者・まず1つ取りたい人:乙6(消火器)。試験範囲が狭く、1ヶ月程度の学習でも合格が狙える
  • 電気工事士を持っている人:甲4または乙7。免除が効き、需要も高い
  • 設備工事で食べていきたい人:甲4と甲1。需要が大きく、工事まで請けられる
  • ビルメン・点検中心の人:乙6→乙7→乙4と、点検需要の高い乙種を広げる

初心者に乙6が勧められるのは、消火器という身近な設備が対象で試験範囲が狭く、短期間で合格しやすいからです。これは入口としては理にかなっています。ただ、電気工事士を持っている人や設備施工で稼ぎたい人にとっては、乙6より甲4のほうが投資対効果が高いケースが多いです。

僕の感覚だと、「とりあえず1つ受かって自信をつけたい」なら乙6、「現場とキャリアに直結させたい」なら甲4が本命です。自分が点検止まりか工事までやるか、電気の素地があるかどうかで、最初の1枚は変わってきます。横並びの「乙6一択」を鵜呑みにせず、自分の立ち位置で選ぶのが後悔しないコツです。

消防設備士の種類に関する情報まとめ

  • 全体像:甲種・乙種という業務区分 × 1類〜7類・特類という設備区分で、全13区分に分かれる国家資格
  • 甲種と乙種の違い:甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検まで。甲種は受験資格が必要、乙種は不要
  • 扱う設備:1類=水系、2類=泡、3類=ガス、4類=自火報、5類=避難器具、6類=消火器、7類=漏電火災報知器、特類=特殊設備
  • 6類・7類は乙種のみ、特類は甲種のみ
  • 難易度:合格率は30〜57%とばらつき、乙7・乙6が易しく、甲1・特類が難しい
  • 電気工事士との関係:4類・7類で免除が効き、電気系資格保有者は有利
  • 現場での必要性:建物の設備構成で必要な類が決まる。施工管理は対応関係の把握が重要
  • どれから取るか:初心者は乙6、電工持ちは甲4・乙7、設備施工は甲4・甲1が狙い目

以上が消防設備士の種類に関するまとめです。

消防設備士は種類が多くて身構えがちですが、「甲乙でできる業務が決まり、類で扱う設備が決まる」という二層構造さえ掴めば、自分に必要な資格は現場とキャリアから逆算で絞れます。特に設備・電気の施工管理者は、自分で全類を取らなくても、設備と類の対応関係を理解しているだけで現場の段取りや業者手配が格段にスムーズになります。これから受けるなら、横並びの定番ではなく、自分の立場で一番効く1枚から始めるのがおすすめです。

消防設備士の種類に関するよくある質問

Q1:消防設備士は全部で何種類ありますか?

甲種が1類〜5類と特類の6区分、乙種が1類〜7類の7区分で、合計13区分です。「消防設備士」という1つの資格があるのではなく、扱う設備と業務範囲ごとに別々の資格に分かれています。6類(消火器)と7類(漏電火災報知器)は乙種のみ、特類(特殊消防用設備)は甲種のみという例外も覚えておくと整理しやすいです。

Q2:甲種と乙種はどちらを取ればいいですか?

工事までやるなら甲種、点検・整備が中心なら乙種です。甲種は消防用設備の新設・増設といった工事ができますが、電気工事士・建築士などの資格や、機械・電気系の学歴、乙種取得後の実務経験といった受験資格が必要です。乙種は受験資格がなく誰でも受けられるので、未経験で最初の1つを取るなら乙種から入るのが現実的です。

Q3:未経験者は何類から取るのがおすすめですか?

予備知識がないなら乙種6類(消火器)がおすすめです。試験範囲が狭く、1ヶ月程度の学習でも合格が狙える上、消火器は設置されていない建物がないほど身近なので需要も安定しています。ただし、電気工事士を持っている人や設備施工で稼ぎたい人は、乙6より甲種4類(自火報)のほうが投資対効果が高い場合が多いです。

Q4:電気工事士を持っていると有利ですか?

かなり有利です。特に7類(漏電火災報知器)は電気工事士保有者だと電気に関する問題が大きく免除され、合格率も全類で最も高い約57%です。4類(自動火災報知設備)も電気の知識が土台になるので学習がスムーズに進みます。電気の素地がある人にとって、4類・7類は相性が良く、上積みとして取りやすい資格です。

Q5:施工管理でも消防設備士は持っておくべきですか?

必須ではありませんが、設備や電気の施工管理なら知識として種類と対応設備を理解しておく価値は高いです。自分で点検・工事をしなくても、元請として防災屋に手配する際に「この設備には何類が必要か」が分かっていないと、業者選定や工程調整が的確にできません。資格取得まで踏み込むなら、現場で関わる機会の多い4類が実務に直結します。

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