生コンの価格は1m3いくら?組合の価格表で見る呼び強度21と割増

  • 生コンって1m3いくらなの?
  • 地域で値段はそんなに違う?
  • 価格表の「21-18-20」の行はどれを見ればいい?
  • 呼び強度を1つ上げると何円上がる?
  • 早強セメントにすると高い?
  • 価格表の値段は消費税込み?
  • 公表価格どおりに買えるの?仕切値はどう扱われている?
  • 小型車を指定すると割増になる?いくら?
  • 夜間や休日の打設はいくら上がる?
  • 去年からどれくらい値上がりした?国の調査では?

上記の様な悩みを解決します。

生コンの価格は全国一律ではなく、地区の生コンクリート協同組合が呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・セメントの種類ごとに公表している価格表で示されます。呼び強度21の行で比べると、山梨生コンクリート協同組合(令和8年6月1日改訂・スランプ5・8・12cmの列)は24,300円/m3、伊賀生コンクリート協同組合(令和7年1月1日改定・スランプ共通)は29,000円/m3、兵庫北部生コンクリート協同組合(令和8年10月1日版・スランプ18cm)は31,700円/m3で、いずれも消費税別です。

見積書に載る生コンの単価は、基礎や土間の金額を左右する大きな数字です。それなのに検索すると、値上げの推移を追った民間のまとめ記事か「生コンとは」の解説が中心で、協同組合が出している価格表そのものの数字や、小型車・夜間・残コンといった割増の金額まで載せた記事は、今回調べた検索上位の範囲ではほとんど見当たらないんですよね。今回は1m3の価格、価格表の読み方、値上がりの動きといった基本を押さえた上で、「公表価格と仕切値は別」「割増の項目ごとの実額」「国交省調査の指数は円ではない」という点まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、生コンの見積を自分でチェックする立場の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

1m3あたりの生コンの価格はいくら?地区の協同組合の価格表で示される

生コン1m3の値段は、結論「地区の生コンクリート協同組合が公表している価格表の、該当する行を読む」ことで分かります。全国で1つの価格が決まっているわけではないので、「生コンは1m3いくら」と聞かれたら、まずどの地区の、どの版の表かを確かめるところから始まります。

3つの組合の表から、呼び強度21の行だけを抜き出して並べると次のとおりです。どれも消費税は含まれていません。

組合 表の版 読んだ行・列の条件 価格(税別)
山梨生コンクリート協同組合 令和8年6月1日改訂 呼び強度21/スランプ5・8・12cmの列/普通(N)・高炉(BB)/粗骨材20(25)mm/AE減水剤 24,300円/m3
伊賀生コンクリート協同組合(三重) 令和7年1月1日改定 呼び強度21/スランプ共通/普通ポルトランド・高炉B種/粗骨材20・25・40mm 29,000円/m3
兵庫北部生コンクリート協同組合 令和8年10月1日版 番号10/呼び強度21(w/c=60%以下)/スランプ18cm/N・BB列/粗骨材20mm 31,700円/m3

出典は、山梨が「生コンクリート価格表 令和8年6月1日改訂」(山梨生コンクリート協同組合)、伊賀が「販売価格表」(伊賀生コンクリート協同組合・価格改定日2025年1月1日)、兵庫北部が「生コンクリート価格表 令和8年10月1日より」(兵庫北部生コンクリート協同組合)です。税の扱いは、山梨が「上記1~9の表示価格には消費税は含まれておりません」、兵庫北部が「消費税が別途加算されます」、伊賀が「消費税別途」と、それぞれの表に書かれています。

条件をできるだけそろえて見ても、組合ごとの開きは残ります。山梨の24,300円/m3と同じ呼び強度21・スランプ12cm・N・BB・粗骨材20mmの行を兵庫北部の表で探すと番号8で、31,200円/m3です(令和8年10月1日版)。差は算出値で6,900円になりますが、なぜ違うのかはどちらの表にも書かれていないので、ここでは「並べるとこれだけ違う」という事実だけを置いておきます。なお、伊賀の表は令和7年1月1日改定のもので、表には「今後の経済情勢により価格変動する場合がありますので必要な際は価格問い合せ下さい」と添えられています。

価格表とは別に、仕切値は工場に確かめる

もう1つ押さえておきたいのが、兵庫北部の告知に書かれている仕切値の扱いです。兵庫北部生コンクリート協同組合の価格改定のお知らせには「※仕切値は、各工場担当者にお問い合わせ下さい。」と書かれています(北兵庫生コンクリート株式会社サイト「価格表の改定 兵庫北部生コンクリート協同組合」)。つまり価格表とは別に仕切値があり、その額は各工場の担当者に聞く扱いになっています。

見積書の単価が価格表と一致しないときは、仕切値を含めて工場に確かめるのが先です。どちらかが間違っていると決めつけず、価格表の版と条件をそろえた上で、差の理由を工場の担当者に聞いてください。生コンの発注や受入の基本はこちらで整理しています。生コンとは?呼び方・数量計算・受入検査のまとめ

価格表の読み方|呼び強度・スランプ・セメント・粗骨材で金額はどう動くか

価格表は、生コンの「呼び方」の各要素を縦と横に並べた一覧表です。まず呼び方の構成を確かめてから、山梨の表で実際の金額の動きを見ていきます。

全国生コンクリート工業組合連合会の資料「JIS A 5308 レディーミクストコンクリート 改正案の概要」(平成30年9月21日・2019年版に向けた改正案)では、呼び方は「コンクリートの種類による記号,呼び強度,スランプ又はスランプフロー,粗骨材の最大寸法及びセメントの種類による記号による」とされ、例として「普通 21 12 20 N」が示されています。左から順に、コンクリートの種類が普通、呼び強度が21、スランプが12cm、粗骨材の最大寸法が20mm、セメントの記号がN(山梨の表でいう「普通セメント(N)」)を表します。同じ資料には、例示のスランプを8cmから12cmに変えたことも書かれています。現行の2024年版の本文はこの記事では確認できていないので、ここでは改正案資料の範囲での説明にとどめます。

見積書で「21-18-20」とあれば、価格表では呼び強度が21、スランプが18cm、粗骨材が20mmの行を探す、という読み方になります。呼び方の要素をもう少し詳しく知りたい方は、レミコンの記事で順番に説明しています。レミコンとは?呼び方と発注の基本

山梨の表で呼び強度とスランプの差を見る

山梨生コンクリート協同組合の価格表(令和8年6月1日改訂)の「1 普通コンクリート価格 AE減水剤」から、普通セメント(N)・高炉セメント(BB)、粗骨材20(25)mmの列を写すと次のとおりです。NとBBは同じ列で、別々の価格にはなっていません。

呼び強度 スランプ5・8・12cm スランプ15・18cm スランプ21cm
18 23,800 24,000 24,300
21 24,300 24,500 24,800
24 24,900 25,100 25,400
27 25,500 25,700 26,000
30 26,200 26,400 26,700

単位は円/m3、消費税別です(山梨生コンクリート協同組合「生コンクリート価格表」令和8年6月1日改訂)。

この表から差を計算すると、呼び強度を1段上げたときの増え方は一定ではありません。スランプ5・8・12cmの列で、18から21が500円、21から24が600円、24から27が600円、27から30が700円で、いずれも算出値です。18と30の差は算出値で2,400円になります。

スランプの区分による差は、この表の中ではどの呼び強度でも同じ並びです。5・8・12cmの列から15・18cmの列へ移ると200円、15・18cmの列から21cmの列へ移ると300円、合わせて500円の差になります(いずれも算出値)。たとえば呼び強度21なら、スランプ12cmの24,300円とスランプ18cmの24,500円の差は200円です。

ここで注意したいのは、山梨のスランプは3区分にまとめられている点です。兵庫北部の表は8・10・12・15・18・21cmと行が分かれていて、区分の切り方が違います。2つの表の行を混ぜて「スランプが1cm違うと何円」と計算すると、どちらの表にも無い数字ができてしまうので、差は必ず同じ表の中で取ります。

兵庫北部の令和8年10月1日版でも、同じ表の中なら差を出せます。呼び強度21のN・BB列で、スランプ8cm(番号6)が30,900円、12cm(番号8)が31,200円、18cm(番号10)が31,700円で、8cmから12cmが300円、12cmから18cmが500円の差です(算出値)。呼び強度を見ると、スランプ12cmでは18(番号3)が30,800円で21との差は400円、スランプ18cmでは24(番号16)が32,100円で21との差は400円になります(いずれも算出値)。

山梨の表1には、呼び強度30を超えるものは高性能AE減水剤とする旨の注記があり、高性能AE減水剤の価格は別の表2(呼び強度27〜45)にまとめられています。また注記には、スランプ2.5cmは工場渡しであること、高性能AE減水剤を使うスランプ23cmは350円/m3増しであることも書かれています。呼び強度そのものと設計基準強度の関係は、強度の単位とあわせてこちらで説明しています。コンクリート強度の単位と読み方

早強セメント・高性能AE減水剤の差

セメントを早強にした場合の差は、兵庫北部の表で見られます。令和8年10月1日版の列は左から「N・BB」「高性能AE減水剤」「H」「高性能AE減水剤」の4列で、番号10(呼び強度21・スランプ18cm・粗骨材20mm)はN・BB列が31,700円、H列が32,800円です。高性能AE減水剤の2列は、この行では空欄になっています。N・BBとHの差は算出値で1,100円です。

同じ版の番号6と番号8もN・BBとHの差は1,100円、番号3(呼び強度18・スランプ12cm)は30,800円と31,700円で900円の差です(算出値)。4列すべてに値がある番号16(呼び強度24・スランプ18cm)は、N・BBが32,100円、高性能AE減水剤(N・BB)が33,100円、Hが33,400円、高性能AE減水剤(H)が34,400円で、N・BBに対して高性能AE減水剤は1,000円、Hは1,300円の差になります(算出値)。

伊賀生コンクリート協同組合の表(令和7年1月1日改定)は、基本の価格とは別に割増の列を設けています。呼び強度18・21・24・27・30の価格は28,500円・29,000円・29,500円・30,000円・30,500円で、呼び強度が1段上がるごとに500円ずつの並びです(算出値)。早強ポルトランドセメントの割増価格は1,100円・1,200円・1,400円・1,600円・1,700円、高性能AE減水剤コンクリートの割増価格は呼び強度18が「−」で、21から順に800円・900円・1,100円・1,200円となっています。

粗骨材40mmと杭・連続壁

粗骨材の最大寸法については、山梨の表に「粗骨材40mmは、上記価格の200円/m3増しとなります。」という注記があります。同じ表には、杭及び連続壁コンクリートへの納入割増単価として200円/m3も載っています(山梨生コンクリート協同組合「生コンクリート価格表」令和8年6月1日改訂)。一方、伊賀の表は粗骨材最大寸法20mm・25mm・40mmを1つの表にまとめて示しています。

ここまでの差をまとめて見ると、同じ「呼び強度を1段上げる」でも、山梨は500〜700円、兵庫北部の確認した行は400円、伊賀は500円と、組合によって金額が違います。表の範囲を超えて「強度を上げると何円」と一般化せず、自分の地区の表で差を取るのが確実です。配合の決め方そのものはこちらにまとめています。コンクリートの配合設計の考え方

小型車・少量・夜間・残コンなどの割増と加算の金額

基本の単価に上乗せされる割増は、組合ごとに項目も単位も違います。3つの組合の表に書かれた項目を並べると次のとおりです。「記載なし(この価格表内)」はその価格表の割増の欄に項目が無いと確認できたもの、「未確認」はこの記事で原本の該当箇所を確かめられていないものです。

項目 山梨(令和8年6月1日改訂) 兵庫北部(令和8年10月1日版) 伊賀(令和7年1月1日改定)
小型車の指定 小型車指定割増 2,000円/m3 小型車・中型車指定料 1台 3,000円 4t車〜9t車 3,000円/m3/2t車〜3t車 8,000円/車
少量・小口 1m3未満の注文は1m3の単価 小型車・中型車 1.0m3以下 1台 1,000円/大型車 2.0m3以下 1台 1,500円/大型車 1.5m3以下 1台 2,000円 空積割増(1m3未満の配達)1,000円/車
時間外・夜間 夜間納入時間帯 21:00〜翌日5:00 基本料金200,000円(50m3未満)/300,000円(50m3以上)+加算金5,000円/m3 夜間・早朝出荷等は別途契約価格 5:00〜8:00・17:00〜18:00現場着 5,000円/車/18:00〜22:00 基本料金100,000円/式+1,000円/m3/22:00〜翌朝5:00 基本料金230,000円/式+1,000円/m3
休日 休日=日曜日・祝日・組合カレンダーによる指定日 記載なし(この価格表内) 組合指定休日営業 基本料金300,000円/式+1,000円/m3/大型連休 基本料金500,000円/式+1,000円/m3
荷卸時間の超過・待機 記載なし(この価格表内) 記載なし(この価格表内) 現場着から1.5時間超 5,000円/車+30分毎 3,000円/30分
残コン処理 記載なし(この価格表内) 1m3以上に適用 1m3に付き5,000円 現場都合による複数台の持ち帰り(1台or2台は除く)20,000円/車
水運搬 8,000円/台(大型車・小型車を問わず) 大型車 1台 10,000円/小型車 1台 7,000円 大型車 10,000円/車/小型車 8,000円/車
キャンセル 未確認 1台 30,000円(前日の15時30分を限度とします) 未確認
工場渡しの割引 −1,000円/m3 1m3 1,000円 ▲1,000円/m3

出典は、山梨が「生コンクリート価格表」令和8年6月1日改訂の「9 割増その他の価格スライド条件」、兵庫北部が「生コンクリート価格表 令和8年10月1日より」、伊賀が「販売価格表」(令和7年1月1日改定)です。金額はいずれも消費税別です。

表を読むときに一番気をつけたいのが単位です。同じ「小型車」でも、山梨は1m3あたり(円/m3)、兵庫北部は1台あたり、伊賀は4t車〜9t車が1m3あたりで2t車〜3t車が1車あたりと、掛け方が違います。円/m3の割増は数量が増えるほど総額が大きくなり、1台あたりの割増は台数で決まります。見積書の割増を照合するときは、金額より先に単位をそろえてください。

小型車の指定と少量の注文

山梨の小型車指定割増は「1台の運搬車につき表示単価になります。(ポンプ先行モルタル含む)」と説明され、2,000円/m3です。少量については「少量運搬割増 1m3未満のご注文は1m3の単価とさせていただきます。」とあり、たとえば0.5m3の注文でも1m3分の単価で計算される、という扱いです(山梨生コンクリート協同組合 令和8年6月1日改訂)。

兵庫北部は「小型車・中型車指定料」が1台3,000円、「小型車・中型車小口割増し料」が1.0m3以下で1台1,000円です。大型車の小口割増し料は、原表では上から「2.0㎥以下 1台 1,500」「1.5㎥以下 1台 2,000」の順に並んでいます(兵庫北部生コンクリート協同組合 令和8年10月1日版)。この2行の適用の仕方について表に説明は付いていないので、該当しそうな数量を頼むときは工場に確かめておくと安心です。

伊賀は小型車指定割増が4t車〜9t車で3,000円/m3、2t車〜3t車で8,000円/車、大型・小型を問わず1m3未満の配達には空積割増として1,000円/車が掛かります(伊賀生コンクリート協同組合 令和7年1月1日改定)。

夜間・早朝・休日の打設

山梨の表の項目名は「夜間・早朝・休日」ですが、中に書かれている時間帯は「夜間納入時間帯 21:00~翌日5:00」です。基本料金は50m3未満で200,000円、50m3以上で300,000円、これに加算金5,000円/m3が付き、100m3以上は別途協議です。休日については「日曜日・祝日 組合カレンダーによる指定日」と定義が書かれていますが、早朝や休日に同じ基本料金が掛かるかまでは表から読み取れません。さらに「小型車指定・少量運搬は上記割増料金が加算されます。」とあります(山梨生コンクリート協同組合 令和8年6月1日改訂)。

伊賀は時間帯ごとに細かく分かれていて、5:00〜8:00と17:00〜18:00の現場着指定が時間外指定割増5,000円/車、18:00〜22:00の現場着指定が基本料金100,000円/式+割増料金1,000円/m3、22:00〜翌朝5:00の現場着指定が基本料金230,000円/式+割増料金1,000円/m3です。休日出荷割増は、組合指定休日営業(AM8:00〜PM5:00)が基本料金300,000円/式+割増料金1,000円/m3、大型連休が基本料金500,000円/式+割増料金1,000円/m3で、「日程によりお受けできない場合があります」とも書かれています(伊賀生コンクリート協同組合 令和7年1月1日改定)。

兵庫北部は「夜間・早朝出荷等、特殊コンクリート(高強度・高流動化・水中不分離等)及び指定特殊混和剤・混和材の場合(協議を必要とする)、また遠距離地域・林道等への運搬」をまとめて別途契約価格としています(兵庫北部生コンクリート協同組合 令和8年10月1日版)。夜間の金額は表に出ておらず、個別に決める扱いです。

荷卸しの時間超過と残コン

荷卸しに時間が掛かったときの割増を表に載せているのは、3組合のうち伊賀です。「荷卸時間が現場着から1.5時間を超えた場合」に5,000円/車、さらに「1.5時間以降30分毎別途追加料金」として3,000円/30分が掛かります(伊賀生コンクリート協同組合 令和7年1月1日改定)。

残コンは、兵庫北部が「残コン処理料(1㎥以上に適用)」として1m3に付き5,000円、伊賀が「現場都合による複数台の持ち帰り残コンに対する処理料(但し1台or2台は除く)」として20,000円/車です。兵庫北部にはこのほか「ポンプ車の戻しコン受け作業」1回7,000円もあります。残コンの量にかかわる打設数量の拾い出しは、積算の記事で手順を説明しています。積算とは?拾い出しと見積の基本

水運搬・キャンセル・工場渡し・その他

ミキサー車での水の運搬は、山梨が「大型車・小型車を問わず」8,000円/台、兵庫北部が大型車1台10,000円・小型車1台7,000円、伊賀が大型車10,000円/車・小型車8,000円/車です。

キャンセル料は、兵庫北部の令和8年10月1日版で1台30,000円となっていて、「前日の15時30分を限度とします」という但し書きが付いています。令和7年11月1日版の同じ項目は1台25,000円でした(兵庫北部生コンクリート協同組合)。同じ組合でも版によって金額が違うので、古い表で見積を確かめないよう注意してください。

施工者の車で引き取る工場渡しは、3組合とも1m3あたり1,000円の割引です。山梨は「ミキサー車及びダンプカーなどの施工者様の車両で引取り時の割引単価」と説明しています。また兵庫北部の令和8年10月1日版には、コンクリート技士・主任技士の派遣料として1人35,000円の項目もあります。

運搬先の地域や林道で付く加算

現場の場所によっても単価は変わります。山梨生コンクリート協同組合の価格表(令和8年6月1日改訂)には、納入先の地域による加算が注記で書かれています。

納入先の地域 加算額
北杜市/韮崎市/甲州市/山梨市 1,000円/m3増し
市川三郷町/富士川町 3,000円/m3増し
南アルプス市 500円/m3増し

さらに山梨では、価格表の「運搬加算金」の欄で「生コンクリート運搬加算価格表をご確認ください。」と案内していて、別の資料として「生コンクリート運搬加算価格表」(令和8年4月1日改訂・9ページ構成)があります。林道の区間ごとに加算額が並び、たとえば「林道南アルプス線のうち林道芦安線との分岐から夜叉神ゲート」が2,500、「林道櫛形山線」の区間が2,000と載っています。表の「加算額」の欄には数字だけが並び、単位の表記はありません(同表・2026-10-24確認)。

兵庫北部は、前の節で触れたとおり「遠距離地域・林道等への運搬」を別途契約価格としています(兵庫北部生コンクリート協同組合 令和8年10月1日版)。山梨のように地域名と金額を表に出す組合もあれば、個別の契約で決める組合もある、ということです。山奥の現場や地区の境目の現場では、基本単価の表だけで見積を確かめず、加算の資料まで開いておくのが安全です。

値上がりはどれくらいか|改定の実例と国交省の調査

「去年からどれくらい上がったのか」は、同じ組合の改定前と改定後の表を並べると数字で確かめられます。兵庫北部生コンクリート協同組合は、令和7年11月1日版と令和8年10月1日版の両方を公表しています。

行(番号・呼び強度・スランプ) 令和7年11月1日版 令和8年10月1日版 差(算出値)
番号8/21/12cm(N・BB) 27,200円 31,200円 4,000円
番号10/21/18cm(N・BB) 27,700円 31,700円 4,000円
番号10/21/18cm(H) 28,800円 32,800円 4,000円
番号16/24/18cm(N・BB) 28,100円 32,100円 4,000円

単位は円/m3、粗骨材20mm、消費税別です(兵庫北部生コンクリート協同組合「生コンクリート価格表」令和7年11月1日より・令和8年10月1日より)。両版は列の構成も番号の並びも同じなので、同じ番号どうしで比べられます。この記事で確認した行は、いずれも4,000円の差でした。番号10のN・BB列なら、27,700円に対して算出値で約14.4%の上昇です。改定の理由は、公表資料には書かれていません。

ほかの地区の告知も2つ挙げておきます。東部生コン株式会社(福岡県久留米市・佐賀県神埼市)は2025年4月11日付のお知らせで、「実施時期 令和7年6月1日~ 改定金額 現状価格より +2000円/㎥ *N・Bともに」と告知しています。こちらは協同組合ではなく1社の告知で、価格表そのものはこの記事では確認していません。また姶良伊佐地区生コンクリート協同組合は、2026年10月14日付で「生コンクリート販売価格改訂について(令和9年1月より)」という記事を出しています。本文は添付資料を参照する形で、改訂額はこの記事では確かめられていません。

国交省の調査は「円」ではなく「指数」

国の調査としては、国土交通省の「主要建設資材需給・価格動向調査」があります。令和8年9月1〜5日現在の調査(令和8年9月25日公表)では、「生コンクリート、鋼材、木材など7資材 13 品目の価格動向は先月に比べて全ての調査対象資材において「横ばい」」とされています。10月分はこの記事を書いた時点で公表を確認できていません。

生コンクリートの全国平均値は、価格動向が前回(8月1〜5日)の3.26から今回(9月1〜5日)の3.22へ、差は▲0.04でした。需給動向は2.94から2.92です。都府県の例では、東京都3.3→3.3、愛知県3.2→3.1、大阪府3.3→3.2、兵庫県3.1→3.0、山梨県3.5→3.2となっています(国土交通省 不動産・建設経済局「主要建設資材需給・価格動向調査(令和8年9月1~5日現在)の結果」)。

この数字は1m3あたりの円ではありません。調査の区分では、1(下落)から5(上昇)までの平均で、2.5以上〜3.5が「横ばい」、3.5以上〜4.5が「やや上昇」と定められています。全国平均の3.22は横ばいの範囲で、前回から0.04下がったというのが正しい読み方です。山梨県の3.5から3.2も「指数が0.3下がった」のであって、価格表の単価が下がったことを示す数字ではありません。表-1の生コン(呼び強度21)の欄では、現在の動向が横ばい44・やや上昇3の都道府県数で、3カ月先の予想は横ばい28・やや上昇19と示されています。

需要の側では、国土交通省「令和8年度 主要建設資材需要見通し」(令和8年10月9日)が、令和7年度の生コンクリートの需要量実績を6,028万m3(前年度比8.2%減)、令和8年度を前年度比1.2%増の6,100万m3と見通しています。令和8年度の数字は見通しであって実績ではありません。出荷量は「組合員工場出荷量」と「その他工場推定出荷量」を足したものとされています。

価格表の円と国交省の指数は別のものさしなので、つなげて「指数が下がったから値下がりする」と読まないことが大切です。正直なところ、先の値動きはどの資料からも言い切れないので、見積の説明には「この組合のこの版では何円」という確かめられる数字を使うのが一番強いと思います。

見積・発注の前に価格表で確かめておく条件

ここまで見てきたとおり、同じ「生コン1m3」でも、行の選び方や割増の単位で金額は変わります。見積を比べるときや発注前に、次の条件をそろえてから並べると、数字の食い違いの理由が見つけやすくなります。

  • 呼び方の5要素:種類・呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・セメントの種類が、見積と価格表の行で一致しているか
  • 表の版と税:組合名と改訂日(改定日)が同じか、どちらも消費税別で比べているか
  • 車種と数量:小型車指定の有無、1台あたりの積載量、1m3未満の注文がないか
  • 納入の時間帯と曜日:夜間・早朝・休日・現場着の指定時刻が割増の条件に当たらないか
  • 納入先:地域加算や林道の運搬加算、別途契約の対象になる場所ではないか
  • 取引の条件:仕切値の扱い、キャンセルの期限、価格見直しの条件を工場に確かめたか

価格見直しの条件は、山梨の表に具体的に書かれています。「※契約日より12カ月経過し出荷遂行率が90%未満の物件については、販売価格見直しの対象となります。」という注記です(山梨生コンクリート協同組合 令和8年6月1日改訂)。工期が延びて出荷が進まない物件では、契約時の単価がそのまま続くとは限らない、ということになります。兵庫北部のキャンセル料に付く「前日の15時30分を限度とします」という但し書きも、時刻として控えておきたい情報です(兵庫北部生コンクリート協同組合 令和8年10月1日版)。

そして兵庫北部が明記しているとおり、仕切値は各工場の担当者に問い合わせる扱いです。価格表は版と条件をそろえて比べるための資料、仕切値は工場の担当者に確かめる、と手順を分けておくと、見積の数字を落ち着いて読めます。現場目線で言えば、単価の行と割増の単位を見積書の横にメモしておくだけで、施主や上司から「なぜこの金額か」と聞かれたときの説明がぐっと楽になります。工事全体の原価のつかみ方はこちらが詳しいです。建設業の原価管理の基本

生コンの価格に関する情報まとめ

  • 生コンの価格:地区の協同組合の価格表で示され、呼び強度21で山梨24,300円・伊賀29,000円・兵庫北部31,700円(いずれも税別・版と条件つき)。仕切値は別
  • 価格表の読み方:呼び強度1段で山梨は500〜700円、スランプ区分で200円・300円の差(算出値)。差は同じ表の中で取る
  • 割増と加算:小型車・少量・夜間・休日・残コン・水運搬・キャンセル・工場渡しは組合ごとに項目と単位が違う
  • 地域と林道の加算:山梨は地域ごとに500〜3,000円/m3増しと林道の運搬加算表、兵庫北部は別途契約
  • 値上がりの動き:兵庫北部の確認した行は1年弱で4,000円上昇。国交省の9月調査は円ではなく指数で全国平均3.22の横ばい
  • 見積前の確認:呼び方・版と税・車種と数量・時間帯・納入先・取引条件の6つをそろえて比べる

以上が生コンの価格に関する情報のまとめです。

生コンの単価は「1m3いくら」の一言では答えられず、どの組合の、どの版の、どの行かを添えて初めて意味を持つ数字です。見積書を受け取ったら、まず地区の価格表で該当の行を探し、次に割増の項目と単位を照らし合わせ、最後に仕切値や見直し条件を工場に確かめる。この順番で読めば、値上がりの説明も金額の食い違いも、根拠を持って話せるようになると僕は考えています。個人的には、改定前の表を1部手元に残しておくと、上がり幅の説明に困らずに済むと思います。

生コンそのものの基本をおさらいするなら生コンの基礎知識の記事、見積の組み立て方は積算の記事もあわせて読むと理解が深まります。

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