- レミコンって何の略?生コンと同じもの?
- なんで「レミコン」って呼ぶの?
- 「普通-24-18-20-N」みたいな表記の読み方が分からない
- JIS A 5308って何が決まってるの?
- 発注のとき、何を伝えればいいの?
- 受入検査って誰が何をやるの?立会いで何を見る?
- スランプ・空気量・塩化物って何をチェックしてる?
- 検査で不合格だったらどうするの?
- 90分ルールってよく聞くけど、なんで急ぐの?
- 結局、新人の自分がまず押さえるべきは何?
上記の様な悩みを解決します。
レミコンは、現場で「明日レミコン何㎥頼んどいて」と当たり前に飛び交う言葉ですが、いざ自分が発注や受入を任されると「生コンと同じ?」「何を伝えればいい?」と意外と分からないものです。ネットで調べてもコンクリート技士試験向けの数値暗記か、辞書的な定義ばかりで、現場で発注・立会いする目線の解説は少ないんですよね。今回は定義・呼び方・JIS A 5308といった基本を押さえた上で、現役の施工管理目線で「発注で何を伝えるか」「受入検査で何を見るか」「90分ルールがなぜ重要か」まで、現場の動きに沿って整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
レミコンとは?
レミコンとは、結論「工場で練り混ぜて、ミキサー車で現場に運んでくる生コンクリート」のことです。正式名称は「レディーミクストコンクリート(Ready-mixed Concrete)」で、これを略してレミコンと呼んでいます。
まず一番の疑問、「生コンと同じなのか」に答えると、ほぼ同じものを指していると考えて差し支えありません。生コンクリート(生コン)も、レディーミクストコンクリートも、まだ固まっていないフレッシュな状態のコンクリートのことです。現場では「生コン」「レミコン」「なまコン」あたりが、ほぼ同義でやり取りされています。
ただし豆知識として一つ。「レミコン」はもともと太平洋セメントの登録商標です。本来は特定メーカーの商品名なのですが、あまりに普及したので、ホチキスやセロテープのように一般名詞のように使われるようになりました。厳密に書類で書くなら「レディーミクストコンクリート」または「生コンクリート」が正確、という整理です。
そして、このレミコンの品質を全国どこでも一定に保つために定められているのがJIS A 5308という規格です。材料の品質、配合、強度、検査の方法や頻度まで細かく規定されていて、現場に来る生コンは基本的にこの規格に沿って作られています。なお現行はJIS A 5308:2024に追補1(2026年)が加わったものが最新です。コンクリートそのものの基礎はこちらで詳しく解説しています。

僕の整理では、レミコンは「JIS A 5308という共通ルールで作られた、工場練りの生コン」と押さえておけば十分です。次に、この記事のタイトルにもある「呼び方」を整理します。
レミコンの呼び方
レミコンの「呼び方」には、実は2つの意味があります。ここを分けて理解しておくと、現場での会話と書類の両方がスッと読めるようになります。
1つ目は、通称・別名としての呼び方です。前述のとおり、現場では「レミコン」「生コン」「なまコン」が同じ意味で使われます。どれを使っても通じますが、図面や仕様書などの正式な書類では「レディーミクストコンクリート」「生コンクリート」と表記されるのが基本です。
2つ目が、JIS A 5308で定められた「製品の呼び方」です。これは生コンの配合を表す記号の並びで、例えば「普通 24 18 20 N」のように表記します。この並びは、次の5つの要素を順番に表しています。
- コンクリートの種類(普通/軽量/舗装/高強度)
- 呼び強度(例:24)
- スランプまたはスランプフロー(例:18)
- 粗骨材の最大寸法(例:20mm)
- セメントの種類による記号(例:N=普通ポルトランドセメント)
つまり「普通 24 18 20 N」は、「普通コンクリートで、呼び強度24、スランプ18cm、粗骨材最大寸法20mm、普通ポルトランドセメント使用」という意味になります。発注書も納品書も、この呼び方で生コンが指定されるので、現場の人間がこれを読めないと、来た生コンが図面通りかどうか確認できません。
ここで一つ補足すると、呼び強度は設計基準強度(Fc)とイコールではありません。呼び強度は気温などによる強度低下を見込んで割り増しした、発注用の強度のことです。この違いはつまずきやすいので、こちらで整理しておくと安心です。

個人的には、新人がまず覚えるべきはこの「製品の呼び方」の読み方だと思っています。配合の細かい理屈は後回しでいいので、納品書を見て「あ、図面で指定された強度・スランプと合ってるな」と照合できる状態を最優先で作るのがおすすめです。
レミコンの種類
JIS A 5308では、レミコンを大きく4つの種類に区分しています。発注時にどれを選ぶかで、配合も使い道も変わります。
- 普通コンクリート:最も一般的。建物の基礎・柱・梁・床など、現場で使う大半がこれ
- 軽量コンクリート:軽量骨材を使い、重量を抑えたもの。床スラブの軽量化などに使う
- 舗装コンクリート:道路や駐車場などの舗装用。曲げ強度で評価するのが特徴
- 高強度コンクリート:呼び強度が高い領域のもの。高層建築の柱など、大きな荷重がかかる部位に使う
日常の建築現場で一番触れるのは普通コンクリートです。普通コンクリートの強度や骨材の考え方はこちらが詳しいです。

舗装コンクリートは「強度の評価が圧縮ではなく曲げ」という点が普通と違います。道路や外構を扱う場合に関わってきます。

実務だと、設計図や特記仕様書で種類と呼び強度が指定されているので、現場の人間がゼロから選ぶ場面は多くありません。ただ「なぜこの部位はこの種類なのか」を理解しておくと、配合の打ち合わせや変更があったときに話が早くなります。
レミコンの発注
レミコンの発注は、ただ「何㎥ください」だけでは足りません。JIS A 5308では、発注時に指定する事項が「必ず指定する基本項目」と「協議して指定する項目」に分けて整理されています。
まず必ず指定する基本項目が、次の4つです。
- セメントの種類
- 骨材の種類
- 粗骨材の最大寸法
- アルカリシリカ反応(ASR)抑制対策の方法
これに、先ほどの製品の呼び方(種類・呼び強度・スランプ・粗骨材最大寸法・セメント記号)と数量を加えて発注します。骨材については、種類によって性質が変わるのでこちらも押さえておくとよいです。

これ以外に、必要に応じて生コン工場と協議して指定する項目もあります。塩化物含有量の上限値、呼び強度を保証する材齢、空気量、水セメント比や単位水量の目標値などがこれにあたります。特殊な条件の工事でなければ、基本は標準値で進みますが、寒冷地や水まわりなど条件が厳しい現場では、この協議項目が効いてきます。
発注すると、生コン工場からは配合計画書が事前に提出されます。これは「どんな材料をどんな割合で混ぜるか」を示した書類で、発注した呼び方どおりの配合になっているかを確認する根拠になります。
現場目線で言えば、発注の実務はまず「設計図・特記仕様書で指定された呼び方と数量を、正確に生コン工場に伝える」ことに尽きます。数量は現場の打設範囲から拾い出して、ロスを見込んで少し多めに頼むのが通例です。基本項目を勝手に変えると品質保証が崩れるので、指定は図面に忠実に、が鉄則です。
レミコンの受入検査
現場にミキサー車が到着したら、そのまま打設…ではなく、受入検査をおこないます。ここが施工管理が立ち会う一番の山場です。
重要なのは、検査をおこなう場所が「荷卸し地点」だという点です。つまり工場出荷時ではなく、現場でミキサー車から降ろす瞬間の品質が基準になります。運搬中やポンプ圧送で品質は変化するので、現場で受け取る値で判定する、という考え方です。
受入検査で押さえる管理項目は、基本的に次の4つです。
- 圧縮強度:呼び強度を満たしているか(供試体を採取し、後日試験。1回の試験は3本の平均で判定)
- スランプ(またはスランプフロー):やわらかさが指定値どおりか
- 空気量:普通・舗装・高強度は4.5%、軽量は5.0%が標準値(凍結融解が厳しい条件では上乗せ)
- 塩化物含有量:標準で0.30kg/m³以下、購入者の承認があれば0.60kg/m³以下
スランプ試験や空気量の測定は、現場で実際に器具を使っておこないます。スランプ試験の具体的なやり方と許容値はこちらが詳しいです。

では検査で規定範囲を外れたらどうするか。スランプや空気量が許容を外れた場合は、新しく試料を採取して一度だけ再試験ができます。その再試験でも外れたら、そのミキサー車の生コンは不合格として荷卸しを断る、という流れになります。ここで妥協して受け入れると、後で強度不足やひび割れの原因になるので、施工管理として毅然と判断すべき場面です。
実務だと、受入検査は施工管理(または品質管理担当)が立ち会い、生コン会社の試験担当者が測定する、という分担が多いです。施工管理の役割は、納品書の呼び方が発注どおりか、検査値が許容内か、到着時刻は時間制限内かをその場で確認し、記録に残すことです。立会いで最初に見るべきは、難しい理屈より「納品書の呼び方が図面と合っているか」だと、僕は考えています。
レミコンの運搬と時間管理
レミコンには「時間との戦い」という側面があります。これを理解していないと、なぜ現場があんなに打設を急ぐのかが腑に落ちません。
生コンは練り混ぜた瞬間からセメントの水和反応が始まり、時間とともに固まっていきます。やわらかさ(スランプ)も時間が経つほど失われます。そのためJIS A 5308では、運搬時間に上限が定められています。
- トラックアジテーター(ミキサー車):練り混ぜ開始から1.5時間(90分)以内
- ダンプトラック(舗装コンクリート):1時間以内
この「練り混ぜ開始から90分」が、いわゆる90分ルールです。工場を出てから現場で打設し終わるまでを、この時間内に収める必要があります。だから生コンは「打設の段取りが整ってから手配する」のが鉄則で、現場が止まっているのに先に呼んでしまうと、待ち時間で時間切れになりかねません。
時間管理を外すと、固まりかけの生コンを無理に打つことになり、コールドジョイント(打ち重ね部分が一体化しない不具合)などの原因になります。

打設の段取りそのものは、こちらも参考になります。

なお、現場で余った生コン(残コン)や、打設しきれずミキサー車に戻った生コン(戻りコン)の扱いは、近年は環境面からも管理が求められる部分です。基本は無駄が出ないよう数量を精度よく拾うことが、コスト面でも品質面でも効いてきます。現場目線で言えば、90分という制限がある以上、生コンは「打てる準備ができてから、必要な分だけ呼ぶ」が大原則だと押さえておけば間違いありません。
レミコンに関するよくある質問
最後に、現場でよく出る疑問を整理しておきます。
レミコンとコンクリート、モルタルは何が違うのですか。
コンクリートはセメント・水・砂(細骨材)・砂利(粗骨材)を混ぜたもので、レミコンはそのコンクリートを工場で練って出荷する形態を指します。モルタルはセメント・水・砂だけで、砂利(粗骨材)が入らない点が違います。つまり粗骨材が入っているのがコンクリート(レミコン)、入っていないのがモルタル、と覚えると分かりやすいです。
レミコンは何㎥単位で頼むのですか。
立方メートル(㎥)単位で発注するのが基本です。打設範囲の体積を図面から拾い出し、ロスや誤差を見込んで少し多めに手配します。少量だと割高になったり、運搬の最低数量があったりするので、工場と相談して数量を決めます。
新人がまず押さえるべきことは何ですか。
優先順位をつけるなら、第一に「製品の呼び方を読めること」、第二に「受入検査で納品書の呼び方が図面と合っているか確認すること」、第三に「90分ルールを意識して段取りに合わせて手配すること」の3つです。配合の細かい理屈は後からで構わないので、この発注・受入・時間管理の流れを体で覚えるのが先決です。
レミコンに関する情報まとめ
- レミコンとは:工場で練ってミキサー車で運ぶ生コン。正式名称はレディーミクストコンクリート(「レミコン」は太平洋セメントの登録商標)
- 規格:JIS A 5308で材料・配合・強度・検査が規定。現行は2024年版+追補1(2026年)
- 呼び方:通称(生コン等)と、JISの製品の呼び方(例「普通 24 18 20 N」=種類・呼び強度・スランプ・粗骨材最大寸法・セメント記号)の2つの意味
- 種類:普通・軽量・舗装・高強度の4区分
- 発注:基本指定はセメントの種類・骨材の種類・粗骨材最大寸法・ASR抑制対策+呼び方と数量
- 受入検査:荷卸し地点で強度・スランプ・空気量・塩化物含有量を確認。外れたら再試験、ダメなら不合格
- 運搬:ミキサー車は練り混ぜ開始から90分以内(90分ルール)。打てる準備をしてから手配
以上がレミコンに関する情報のまとめです。
一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。レミコンは現場で毎日のように扱う材料ですが、「JIS A 5308という共通ルールで作られた生コンを、呼び方で正確に発注し、荷卸し地点で受入検査し、90分以内に打つ」という一連の流れを押さえれば、新人でも自信を持って発注・立会いに臨めます。まずは納品書の呼び方を読めるようになるところから始めてみてください。




