生コンとは?発注の単位と数量計算、90分ルールと受入検査の基準値

  • 生コンって注文するとき何を伝えればいいの?
  • 「21-18-20N」みたいな呼び方の意味が分からない
  • 数量って図面の体積そのままで頼んでいいの?
  • 90分ルールってよく聞くけど、どこからどこまでの時間?
  • 到着してから打ち終わるまでの時間は誰の責任?
  • 受入検査で何を測って、どこまでなら合格なの?
  • 生コンの単価はどうやって決まるの?
  • 残ったらどうする?足りなくなったらどうする?

上記の様な悩みを解決します。

生コンは、工場で練り混ぜてミキサー車で運ぶコンクリートのことで、正式にはレディーミクストコンクリートといいます。つまずきやすいのは時間の管理で、「90分ルール」がどこからどこまでを指すのかを取り違えたまま段取りを組み、荷卸し地点で待たせてしまう例が少なくありません。今回は呼び方と発注、数量計算、受入検査といった基本を押さえた上で、生コン工場のサイトでは書かれにくい「90分が生産者と施工者の責任分界になっている」という点まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、打設の段取りをこれから任される方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

生コンとは?

生コンとは、セメント・水・骨材・混和材料を工場で練り混ぜ、固まらないうちにミキサー車で現場へ運ぶコンクリートのことです。正式名称はレディーミクストコンクリートで、JIS A 5308に規格が定められています。

現場で練るのではなく工場で練る理由は、品質を安定させるためです。材料の計量、練混ぜ時間、温度管理を工場設備で行うことで、現場の天候や作業員の技量に左右されない品質が確保できます。

一方で、工場で練るがゆえの制約も生まれます。それが**時間**です。練り混ぜた瞬間から水和反応が始まり、時間の経過とともに硬化が進んでワーカビリティが落ちていきます。生コンの管理が時間との勝負になるのはこのためです。

材料としての性質や強度の考え方は別記事で整理しているので、ここでは発注から受入までの実務に絞ります。

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生コンの呼び方と発注の仕方

生コンを注文するときは、4つの項目を組み合わせた「呼び方」で指定します。伝票に「21-18-20N」のように書かれているものです。

位置 項目 意味
1つ目 呼び強度 21 材齢28日の強度の指標(N/mm²)
2つ目 スランプ 18 軟らかさ(cm)
3つ目 粗骨材の最大寸法 20 砂利の最大粒径(mm)
4つ目 セメントの種類 N Nは普通ポルトランドセメント

「21-18-20N」であれば、呼び強度21・スランプ18cm・粗骨材最大寸法20mm・普通ポルトランドセメントという意味になります。

発注時に注意したいのは、**呼び強度は設計基準強度そのものではない**という点です。気温による強度の伸びの差を補正した値を工場に伝える必要があり、この補正を忘れると必要な強度が出ません。呼び強度と設計基準強度の関係はこちらで整理しています。

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呼び方に加えて、発注時には次の情報も伝えます。

  • **数量**(m³単位)
  • **打設日時と開始時刻**
  • **打設ペース**(1時間あたり何m³か)
  • **圧送方法**(ポンプ車の有無と規格)
  • **現場までの経路と進入条件**

打設ペースの伝達が特に重要です。工場側はこのペースに合わせて出荷間隔を組むため、実際のペースとずれるとミキサー車が滞留するか、待ち時間が発生します。

生コンの数量計算とロスの見方

数量はm³(立方メートル)で拾います。基本は部位ごとの体積の積み上げです。

  • **スラブ**:面積 × 厚さ
  • **梁**:断面積 × 長さ(スラブと重複する部分を控除)
  • **柱**:断面積 × 高さ
  • **壁**:面積 × 厚さ(開口部を控除)
  • **基礎**:形状に応じて分割して積算

図面から出した理論数量をそのまま発注しないでください。実際には次のロスが乗ります。

  • **型枠のはらみ**:型枠がわずかに膨らみ、設計より体積が増える
  • **不陸**:地盤に直接打つ部分は下面が平らでない
  • **ポンプ車の残存**:配管内に残る分(先送りモルタルを含む)
  • **こぼれ・付着**:ホッパーやバケットへの付着

実務では理論数量に数%の割増を見るのが一般的ですが、割増率は部位と工法で変わります。地中梁など土に接する部分は割増を大きめに、スラブなど型枠で囲まれた部分は小さめに見るのが考え方の軸です。

そして重要なのが**足りない場合と余った場合の非対称性**です。足りなければ追加を手配することになり、到着まで打設が中断してコールドジョイントのリスクが生じます。余った場合は処分の手間とコストで済みます。つまり**余らせるほうが安全**です。最後の1台は数量を絞って発注し、不足しそうなら追加するという組み方をすると、中断のリスクを下げられます。

90分ルールとは何を指すのか

生コンの時間管理でいちばん誤解が多いのがここです。

JIS A 5308では、**練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し地点に到着するまで**の時間を運搬時間と定め、90分以内と規定しています。

ポイントは、これが**荷卸し地点への到着まで**であって、打ち終わるまでではないという点です。つまり90分は生産者側が管理する時間であり、到着後の時間は施工者側の管理範囲になります。

区間 管理する側 内容
練混ぜ開始〜荷卸し地点到着 生産者(工場) 運搬時間90分以内
到着〜打込み・締固め・打重ね 施工者(現場) 待機・受入検査・荷卸し・打込み

この責任分界を理解していないと、現場で起きる問題を工場のせいにしてしまいます。到着から荷卸しまでに40分待たせたのであれば、それは現場側の段取りの問題です。

到着後の時間についても、外気温に応じた打重ね時間の制限があります。気温が高いほど硬化が早いため、許される間隔は短くなります。夏場の打設で打重ね時間を守れずコールドジョイントが出るのは、この管理を怠った結果です。

現場でやるべきことはシンプルです。伝票の練混ぜ開始時刻を必ず確認し、到着時刻を記録して、そこから荷卸し完了までの時間も記録する。この3点を残しておけば、問題が起きたときにどの区間で遅れたかが後から分かります。

生コンの受入検査と基準値

荷卸し地点で行う受入検査は、生コンが注文どおりかを確認する最後の関門です。主な項目と基準は次のとおりです。

検査項目 基準
スランプ スランプ8〜18cmの場合、指定値に対し±2.5cm
空気量 普通コンクリートは4.5%が標準、許容差±1.5%
塩化物含有量 塩化物イオン量で0.30kg/m³以下
圧縮強度 3回の試験の平均が呼び強度の値以上

このほか、目視での確認も検査です。材料分離が起きていないか、色が普段と違わないか、骨材の状態はどうか。数値には出ない異常はここで拾います。

検査で押さえておきたい実務的なポイントを挙げます。

  • **試料の採取位置**:荷卸し地点で採取する。工場出荷時ではない
  • **タイミング**:先頭のミキサー車と、その後は所定の頻度で行う
  • **不合格時の対応**:その運搬車を返す。混ぜて薄めるといった処置はしない
  • **記録**:伝票と試験結果をセットで保存する

不合格時の対応は事前に決めておいてください。打設が始まっている状況で「返すかどうか」を協議し始めると、その間にも時間が過ぎていきます。判断基準と誰が決めるかを、打設前の打ち合わせで確定させておくのが段取りです。

空気量の考え方は別記事で詳しく整理しています。

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生コンの単価はどう決まるか

生コンの価格はm³単価で示されますが、内訳は単一ではありません。

  • **呼び強度**:強度が上がるほど単価が上がる
  • **スランプ**:軟らかいほど単価が上がる傾向
  • **セメントの種類**:早強や低熱など特殊セメントは割増
  • **混和材料**:高性能AE減水剤などの使用で変わる
  • **運搬距離**:工場から現場までの距離による割増
  • **数量とロット**:小口出荷は割高

さらに、生コンは他の建材と違って在庫できません。注文した分は必ず出荷され、現場都合でキャンセルすれば費用が発生します。天候による中止の判断期限を、工場と事前に取り決めておく必要があります。

見積もりを比較するときは、m³単価だけでなく、圧送費・ポンプ車の規格・待機料の条件まで含めて並べてください。単価が安くても待機料の設定が厳しければ、打設が長引いたときに逆転します。

打設当日の段取りで効くこと

最後に、当日の管理で効く点をまとめます。

  • **打設ペースを守る**:発注時に伝えたペースからずれると、ミキサー車が滞留するか手待ちになる
  • **1台目を早めに呼ばない**:準備が終わる前に到着すると、その分90分を食う
  • **伝票を毎台確認する**:呼び方・練混ぜ時刻・数量を1台ごとに見る。まとめて後で見ない
  • **雨天時の判断**:打設面への降雨は水セメント比を変える。中止判断の基準を事前に決める
  • **打継ぎ位置の確認**:中断が起きたときに、どこで止めるかを打設前に決めておく

特に3つ目を習慣にしてください。伝票の確認をまとめて後回しにすると、呼び方の違う車が入っていても気づけません。1台ごとに見るのは手間ですが、後から取り返せない部分です。

生コンに関する情報まとめ

  • 生コンとは:工場で練り混ぜて運ぶレディーミクストコンクリート。JIS A 5308に規定。品質は安定するが時間の制約を負う
  • 呼び方:呼び強度・スランプ・粗骨材最大寸法・セメント種類の4項目。呼び強度は設計基準強度に補正を加えた値
  • 数量計算:部位ごとの体積を積み上げ、型枠のはらみ・不陸・配管残存のロスを見る。足りないより余るほうが安全
  • 90分ルール:練混ぜ開始から荷卸し地点到着までが90分以内。到着後は施工者の管理範囲という責任分界
  • 受入検査:スランプ±2.5cm、空気量4.5%±1.5%、塩化物0.30kg/m³以下。荷卸し地点で採取し、不合格は返す
  • 単価:強度・スランプ・セメント種類・運搬距離・数量で決まる。圧送費と待機料の条件まで含めて比較する
  • 当日の段取り:打設ペースの厳守、1台目を早く呼ばない、伝票は1台ごとに確認する

以上が生コンに関する情報のまとめです。

生コンの管理は、材料の知識より時間と段取りの管理が本体だと考えてください。90分がどこからどこまでかを正しく理解し、伝票で実際の時刻を追い、打設ペースを守る。この3つができていれば、コールドジョイントも手待ちも大半は防げます。数量は余らせる側に倒し、不合格時の判断は打設前に決めておく。当日に迷わない状態を作っておくのが、打設を任される側の準備です。

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