- 原価管理って結局経理の仕事でしょ?現場は何をやるの
- 見積と実行予算って何が違うの。実行予算は誰が作るの
- 月次で回ってくる原価が2か月遅れ。今この現場が黒か赤か分からない
- 発注書は出したけど請求は来てない。あれは原価に入ってるの?
- 差異が出たと言われても、その時期にはもう打つ手がない
- 一人親方に払う金は労務費なのか外注費なのか
- 未成工事支出金って何。なんで普通の売上原価じゃないの
- Excelでやれと言われた。何の表を作ればいいのか分からない
- 材料が上がったのに契約金額は変わらない。どうすればいいの
- 出来高は上がってるのに、利益が出ている感じがしない
上記の様な悩みを解決します。
原価管理は、施工管理の5大管理のひとつに数えられている割に、現場では一番輪郭がぼやけている仕事です。工程や品質や安全は「自分がやること」がはっきりしているのに、原価だけは経理から回ってくる表を眺めて終わる、という現場が本当に多い。しかも検索して出てくる記事は原価管理ソフトを売っている会社のものばかりで、結論が必ず「だからシステムを導入しましょう」に着地するので、明日から自分が何をするのかが分からないままなんですよね。今回は原価の4要素・実行予算・建設業だけの勘定科目といった基本を押さえた上で、ベンダー側の記事では触れられにくい「赤字に気づくのが遅れる本当の理由」「工程と品質が原価に化ける経路」「値上がり分の回収」「Excelでどこまでやれるか」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、原価管理を任されたばかりの方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
建設業の原価管理とは?見積・積算との線引き
建設業の原価管理とは、結論「工事ごとに目標の原価を決めて、実際にかかった原価をそれと比べ続け、ずれたら手を打つこと」です。
言葉が似ているもので混乱しやすいので、先に線引きをしておきます。積算は工事に必要な数量と費用を拾って金額を出す作業、見積は積算に利益と経費を乗せて発注者に出す金額、実行予算は受注後に「この金額の中でどう作るか」を自社の実力で組み直した内部の目標値です。原価管理はこの実行予算を基準に回します。
| 用語 | 何の金額か | 誰のためのもの |
|---|---|---|
| 積算 | 標準的な歩掛と単価で拾った工事費 | 見積の根拠 |
| 見積 | 発注者に提示する請負金額 | 発注者 |
| 実行予算 | 自社の実力値で組み直した目標原価 | 社内・現場 |
| 実際原価 | 実際に発生した原価 | 実績の把握 |
積算の考え方を押さえておくと、実行予算との差がどこから生まれるかが見えます。

原価管理は5大管理の1つで、他の管理と独立していないところが特徴です。

僕の感覚だと、原価管理を「経理の仕事」と感じてしまう原因は、施工管理が触っているものが金額ではなく数量と手間だからです。何人入れたか、何日かかったか、何m3打ったか。金額に変換するのは経理の役目ですが、金額を決めているのは現場の数量と手間です。ここを自分の管理対象だと捉え直すと、原価管理は急に自分の仕事になります。
工事原価の4要素と、建設業だけの勘定科目
工事原価は、結論「材料費・労務費・外注費・経費の4費目に分けて管理する」のが建設業会計の基本形です。
一般の製造業は材料費・労務費・経費の3つですが、建設業は外注費が独立しています。工事の大半を協力会社に出す業態なので、外注費が原価の過半を占めることも珍しくなく、まとめてしまうと管理にならないためです。
| 費目 | 中身 | 現場でつまずく点 |
|---|---|---|
| 材料費 | 生コン、鉄筋、鋼材、建材、仮設材の消耗分 | 現場搬入と請求のタイミングがずれる |
| 労務費 | 自社で雇用している作業員の賃金 | 常用で入れた人の人工代を拾い漏れる |
| 外注費 | 請負契約で他社に出した工事の代金 | 労務外注費との切り分けが会社で違う |
| 経費 | 現場管理費、仮設費、機械経費、労災保険料など | 小口の立替が期末にまとめて出てくる |
切り分けで一番聞かれるのが、一人親方に払う金です。判断は契約の形で決まります。自社の指揮命令で日当を払う常用なら労務費(または労務外注費)、工事の一部を金額と範囲を決めて請け負わせるなら外注費です。会社によって労務外注費という中間の区分を置いているところもあるので、社内のルールを最初に確認しておくのが確実です。
人工と歩掛の考え方はこちらで整理しています。


労務費の単価がどう決まるかを押さえておくと、見積との差が読めます。

そのうえで、建設業には専用の勘定科目があります。工期が決算をまたぐので、一般の売上原価・売掛金・前受金では処理しきれないからです。
- 完成工事原価:完成して引き渡した工事の原価。4費目で構成される
- 未成工事支出金:まだ完成していない工事に投じた原価を、いったん資産として置いておくもの
- 完成工事未収入金:完成工事の未入金分。一般会計の売掛金にあたる
- 未成工事受入金:着手前や工事中に受け取った前受金にあたるもの
未成工事支出金の存在が、現場の感覚とずれる原因になっています。今月使った材料費が今月の費用にならず、完成した月にまとめて原価になるので、月次の損益を見ても現場ごとの実態が掴めない。この構造を知らないと「経理の数字はよく分からない」で終わってしまいます。
完成工事原価の中身と計算はこちらが詳しいです。

未成工事受入金の扱いはこちらで整理しています。

実行予算の作り方|見積からの落とし込みと予備費
実行予算は、結論「見積の内訳を写すのではなく、自社が実際に作る手順に置き換えて組み直す」ものです。
見積は標準的な歩掛と単価で組みます。実行予算は、実際に頼む協力会社の見積、実際に使う機械、実際の現場条件で組み直します。だから見積と実行予算は必ずずれます。このずれが最初の利益であり、最初の赤字でもあります。
作る手順は5段階です。
- 施工計画を先に固める(工法、機械、揚重の方法、仮設計画、工期の割り付け)
- 計画に沿って数量を自分で拾い直す(見積の数量を鵜呑みにしない)
- 協力会社と材料商社から実勢の見積を取る(少なくとも主要工種は2社以上)
- 4費目に配分し、現場管理費と共通仮設を積む
- 予備費を別枠で立てて、目標利益を確定させる
このうち飛ばされやすいのが1段階目です。数量を拾う前に施工計画を固めないと、揚重方法や仮設の取り方が決まらないので、経費が後から膨らみます。実行予算の精度は数量の精度ではなく、施工計画の精度で決まると考えた方が実務に合います。
予備費の置き方も分かれ道です。工種ごとの単価に薄く混ぜ込むと、どこで使ったのか分からなくなり、結果として全部使い切ります。工事全体の予備費として別枠で立て、使うときは理由を記録する。この形にしておくと、完工後に「何に消えたのか」が残ります。
実務だと、実行予算は着工前に一度作って終わり、というのが一番もったいない使い方です。設計変更や工程変更が入った時点で組み替えないと、比べる基準そのものが古くなって差異の意味が消えます。基準を更新し続けることまでが実行予算の作業だと捉えるのが正しいと思います。
原価管理の回し方|実行予算→実績→差→打ち手
回し方は、結論「実行予算を基準に、実績を月次より細かい単位で拾い、差の原因を工種単位まで割ってから手を打つ」というサイクルです。
一般的にはPDCAで説明されますが、現場で効くのは各段階の粒度です。
| 段階 | やること | 現場での粒度 |
|---|---|---|
| 目標を置く | 実行予算を工種ごとに割り付ける | 工種別・月別に割る |
| 実績を拾う | 出面、材料の受入、外注の出来高、経費の立替 | 週単位、遅くとも旬単位 |
| 差を見る | 予算と実績を工種別に並べる | 工種別、率ではなく金額で |
| 手を打つ | 工法変更、手順変更、発注条件の交渉、範囲の見直し | 打てる時期に打つ |
実績の拾い方で差が出ます。出面は日々の作業日報から、材料は納品書の受入で、外注は出来高査定で、経費は立替精算で入ってきます。このうち出来高査定を「協力会社が言ってきた数字をそのまま通す」運用にしている現場は、原価が実態より先に進みます。査定は自分で数量を見て決める作業です。
差の見方は、率よりも金額です。粗利率だけを見ていると、率が同じでも金額の大きい工種の1%と小さい工種の10%を同じ重みで扱ってしまいます。金額で並べて、上から3工種だけ見る。これで現場の判断は足ります。
差の分解のしかたを体系的に押さえたい場合はこちらが参考になります。

正直なところ、このサイクルで一番難しいのは「手を打つ」のところです。差が見えても、その工種がもう終わっていれば打ち手はありません。だから原価管理の実質は、差を見る作業ではなく、差が見える時期を前に倒す作業だと考えています。次の節がその話です。
赤字に気づくのが遅れる理由|発注済みで請求が来ていない原価
赤字工事の発見が遅れる最大の理由は、結論「発注済みだが請求が来ていない原価が、現場の手元の表に載っていないこと」です。
経理から回ってくる原価は、請求書が起点です。協力会社の請求は締めがあり、材料商社の請求も締めがあり、そこから会計処理を経て現場に返ってくる。この間に1か月から2か月かかります。つまり現場が見ている原価は、常に過去の数字です。
そこに、もっと厄介な穴があります。すでに発注書を出して金額が確定しているのに、まだ請求が来ていないぶんです。契約上はもう払う義務が確定しているので、実質は使い切った原価です。ところが請求ベースの表には載らないので、残予算が実際より多く見えます。
- 請求済み原価:会計に入っている。現場も見える
- 発注済み・未請求:金額は確定しているが表に載らない。ここが盲点
- 未発注:残っている予算。本当に打ち手が使えるのはここだけ
この3つを分けて持つと、残予算の意味が変わります。残予算1,000万円と見えていても、発注済み未請求が700万円あれば、実際に融通が利くのは300万円です。発注済みを引いた金額を残予算と呼ぶ習慣にするだけで、判断が2か月早くなります。
やり方は難しくありません。発注書を出した時点で、自分の管理表に金額を書き込む。請求が来たら請求済みに移す。手元の発注控えを金額付きで並べておくだけで、経理の締めを待たずに使い切った額が分かります。
工期が決算をまたぐときの収益と原価の対応はこちらで整理しています。

現場目線で言えば、赤字工事の報告が遅れて上司に怒られる構図は、担当者の隠蔽よりもこの仕組みの問題です。請求ベースでしか見ていなければ、気づけるのは物理的に2か月後になります。発注時点で計上する習慣がある現場は、同じ人が同じ現場をやっても赤字の発見が早い。個人的には、原価管理で最初に入れるべき仕組みはシステムではなく、この発注控えの管理だと思っています。
工程・品質・安全が原価に化ける経路
原価は、結論「原価削減の努力ではなく、工程と品質と安全の乱れから増える」ものです。
原価管理を値切りの話だと捉えると打ち手が単価交渉しかなくなりますが、実際に予算を食っているのは次のような時間です。
| 経路 | 何が起きるか | 増える費目 |
|---|---|---|
| 手戻り | 施工不良や図面違いのやり直し | 労務費・材料費が二重に |
| 手待ち | 前工程の遅れで職人が待つ | 労務費(成果ゼロで人工が発生) |
| 段取り替え | 工程が飛んで同じ職人が再入場 | 労務費・機械経費 |
| 工期短縮 | 遅れの巻き返しで応援・残業・重複作業 | 労務費・経費が跳ねる |
| 事故・災害 | 工事中止、対策工事、信用の損失 | 全費目に加えて工期損失 |
このなかで金額のインパクトが大きいのは工期短縮です。遅れを人と時間で埋めると、投入は増えるのに出来高は増えないので、原価だけが積み上がります。
突貫になったときに原価がどう動くかはこちらで整理しています。

打てるレバーを整理すると次の3つに集約されます。
- 工程を前に倒す(余裕がある時期に前倒しできる作業を探して、遅れの原資を作る)
- 手待ちを潰す(前工程の完了を確認してから翌日の職人を手配する運用に変える)
- 出来高と原価を同じ単位で見る(進んだ量と使った金額を工種別に並べる)
工程表の作り方はこちらを押さえておくと、原価との紐付けがしやすくなります。

出来高の考え方はこちらが参考になります。

実務だと、原価が悪い現場は必ず工程も荒れています。逆に工程が読めている現場は、多少単価が高くても最終的な原価は収まる。だから原価管理の打ち手を探すときは、原価の表を睨むより工程表を見た方が早いことが多いです。
値上がり分をどう回収するか|見積条件・単価改定・スライド条項
材料費の高騰は、結論「現場の努力で吸収するものではなく、契約側で回収するもの」です。
原価管理の記事の多くは「材料費と人件費が高騰しているから原価管理が重要」で止まります。ただ、上がったコストを現場の工夫で吸収し切るのは無理があるので、契約でどう扱うかを知っておく必要があります。
打ち手は3層あります。
- 見積段階:価格の有効期限、対象材料の単価を明示した見積条件、数量精算方式の採用
- 工事中:発注者との単価改定の協議、代替材料や工法変更の提案
- 公共工事:請負契約約款のスライド条項による請負代金額の変更請求
公共工事では、公共工事標準請負契約約款に物価変動へ対応する条項が置かれています。工期全体の物価変動に対応する全体スライド、鋼材類や燃料油など特定の材料の急騰に対応する単品スライド、賃金水準の急激な変動に対応するインフレスライドの3種類です。いずれも受注者からの請求が起点で、一定割合は受注者の負担として残る設計になっているので、放っておいて自動で増額されることはありません。
鋼材のように価格の建て方が特殊な材料は、単価の構造を知っておくと交渉の材料になります。

公共工事の労務単価は毎年改定されるので、時期を押さえておくと労務費の見通しが立てやすくなります。

民間工事でも、標準請負契約約款には物価変動に基づく請負代金額の変更に関する規定が置かれています。ただ実際に協議に持ち込めるかは、見積時点でどんな条件を書いておいたかに左右されます。「本見積は令和○年○月時点の材料単価による」という一文があるかどうかで、話の入り口が変わります。
僕の感覚だと、ここは施工管理が一人で背負う話ではなく、営業と経理と一緒に組む話です。ただ、どの材料がいつどれだけ上がったかを一次情報として持っているのは現場です。現場が納品書の単価推移を記録しているかどうかで、社内の交渉力がまるで変わります。値上がりの記録を残すのは、原価管理の一部だと考えています。
Excelでどこまでやれるか|作る表と、システムに移る境目
Excelは、結論「1人が3〜4現場までなら十分に機能する」というのが実務的な線です。
原価管理の記事はほぼ全てがシステム導入で締められますが、多くの中小はまだExcelです。そして必要な表は多くありません。次の3つだけです。
| 表 | 中身 | 更新頻度 |
|---|---|---|
| 実行予算書 | 工種別に予算額を割り付けたもの。変更時に版を上げる | 変更のたび |
| 発注管理表 | 発注先、発注日、発注金額、請求済み・未請求の区分 | 発注のたび |
| 予算実績対比表 | 工種別に予算・発注済み・請求済み・残を並べたもの | 週次 |
肝は2つめの発注管理表です。前述の発注済み未請求を捕まえる表がこれで、ここが埋まっていれば3つめの対比表は関数で組めます。逆にこの表を作らず、経理から来た請求ベースの数字だけを並べると、Excelでもシステムでも同じように気づくのが遅れます。道具の問題ではなく、何を計上するかの問題です。
工程表のテンプレートを流用して原価と紐付ける方法もあります。

Excelの限界が来るのは、次のどれかに当たったときです。
- 1人で5現場以上を並行して持つようになった(更新が追いつかない)
- 複数の担当者が同じ表を触る(版がずれて、どれが正か分からなくなる)
- 会計側の科目と現場の工種を毎月手で突き合わせている(二重入力になっている)
このどれかに当たっていないなら、システムを入れても効果は限定的です。逆にどれかに当たっているなら、それは表の作り方の問題ではないので、道具を変えた方が早いです。
個人的には、Excelからシステムへ移る判断で一番大事なのは、移る前にExcelでちゃんと回せているかどうかだと思います。発注時点で計上する習慣が無い会社がシステムを入れると、入力が遅い分だけ精度の低いデータが溜まる箱ができるだけです。習慣を先に作り、追いつかなくなってから道具を替える。この順番を守れるかどうかが、原価管理が根付くかどうかを分けている印象です。
建設業の原価管理に関する情報まとめ
- 原価管理とは:工事ごとに目標原価を決め、実際原価と比べ続けて、ずれたら手を打つこと。基準は実行予算
- 原価の4要素:材料費・労務費・外注費・経費。外注費が独立しているのが建設業会計の特徴
- 建設業だけの勘定科目:完成工事原価、未成工事支出金、完成工事未収入金、未成工事受入金
- 実行予算:見積を写すのではなく施工計画から組み直す。予備費は工種に混ぜず別枠で立てる
- 回し方:実績は週単位で拾い、差は率でなく金額で工種別に見て、打てる時期に打つ
- 赤字に気づくのが遅れる理由:発注済み未請求が表に載っていない。発注時点で計上すれば2か月早まる
- 原価が増える経路:手戻り・手待ち・段取り替え・工期短縮。原価の表より工程表を見た方が早い
- 値上がりの回収:見積条件、単価改定の協議、公共工事のスライド条項。いずれも受注者からの請求が起点
- Excelの限界:1人3〜4現場までは十分。5現場以上・複数人運用・二重入力のどれかが来たら道具を替える
以上が建設業の原価管理に関する情報のまとめです。
原価管理は、システムを入れれば始まるものではなく、発注した時点で自分の表に金額を書き込むところから始まります。そこができていれば、残予算の意味が変わり、打ち手が使える時期に差が見え、工程を動かして原価を戻す判断ができます。逆にそこが無いままだと、道具を変えても見えるのは2か月前の数字のままです。まずは発注控えを金額付きで並べる、それだけを今週から始めるのが一番効くと思います。


建設業の原価管理に関するよくある質問
Q1:見積、積算、実行予算はどう違うのですか?
積算は工事に必要な数量と費用を標準的な歩掛・単価で拾う作業、見積は積算に利益と経費を乗せて発注者へ提示する金額、実行予算は受注後に自社の実力値と実際の施工計画で組み直した内部の目標原価です。原価管理は実行予算を基準に回します。見積と実行予算が必ずずれるのは、前者が標準値、後者が実勢値で作られているためです。
Q2:工事原価の4要素は何ですか?
材料費・労務費・外注費・経費の4つです。一般の製造業は材料費・労務費・経費の3つですが、建設業は工事の多くを協力会社に出すため外注費を独立させています。外注費が原価の過半を占める現場も珍しくないので、まとめてしまうと管理になりません。
Q3:一人親方に払う金は労務費ですか、外注費ですか?
契約の形で決まります。自社の指揮命令のもとで日当を払う常用なら労務費(会社によっては労務外注費)、工事の一部を範囲と金額を決めて請け負わせるなら外注費です。労務外注費という中間の区分を置いている会社もあるので、社内の科目ルールを最初に確認するのが確実です。
Q4:未成工事支出金とは何ですか?
まだ完成していない工事に投じた原価を、いったん資産として計上しておくための勘定科目です。建設業は工期が決算をまたぐため、使った月に費用化せず、完成して引き渡した月に完成工事原価へ振り替えます。この構造があるので、月次の損益を見ても進行中の現場の実態は掴めません。現場ごとの状況は実行予算との対比で見る必要があります。
Q5:赤字工事の発見が遅れるのはなぜですか?
経理から回ってくる原価が請求書を起点にしているため、現場が見る数字は常に1〜2か月前のものになります。さらに、発注書を出して金額が確定しているのに請求が来ていないぶんは表に載らないので、残予算が実際より多く見えます。発注した時点で自分の管理表に金額を書き込み、残予算から発注済みを引いて見る運用にすると、発見が2か月早くなります。
Q6:原価を下げるには単価を交渉するしかないのですか?
単価交渉は打ち手の一部にすぎません。実際に予算を食うのは手戻り、手待ち、段取り替え、工期短縮の巻き返しといった時間の乱れで、これらは工程を動かすことで減らせます。特に工期短縮は投入だけが増えて出来高が増えないので影響が大きく、余裕のある時期に前倒しできる作業を探しておくのが最も効く予防策になります。
Q7:Excelでの原価管理はどこまで通用しますか?
1人で3〜4現場を持つ規模までは十分に機能します。必要なのは実行予算書、発注管理表、予算実績対比表の3つで、なかでも発注管理表が肝です。5現場以上を並行する、複数人が同じ表を触る、会計科目と工種を毎月手で突き合わせている、のいずれかに当たったらシステムを検討する時期です。逆に発注時点で計上する習慣が無いままシステムを入れても、精度の低いデータが溜まるだけになります。
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