- コンクリートの強度の単位ってN/mm2でいいの?
- 昔のkgf/cm2ってどう換算するの?
- Fc24のFcって何?読み方は?
- N/mm2とMPaって同じ?違う?
- 圧縮強度と引張強度で単位は変わる?
- 設計基準強度・呼び強度・調合強度って何が違うの?
- 普通のコンクリートって何N/mm2くらい?
- 単位体積重量のkg/m3と混ざって分からなくなる
上記の様な悩みを解決します。
コンクリートの強度と単位は、図面・構造計算・生コン発注のどこにも出てくる基本中の基本です。ところが「N/mm2」「kgf/cm2」「MPa」「Fc」といった表記が入り混じるうえに、設計基準強度・呼び強度・調合強度と似た言葉が並ぶため、初めて学ぶと一気に混乱します。今回は強度の単位・換算・読み方といった基本を押さえた上で、施工管理の目線で「各種の強度の呼び方と単位の使い分け」「単位体積重量との混同」まで、図面でも現場でも迷わないように整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
コンクリートの強度と単位とは?
コンクリートの強度とは、結論「コンクリートが破壊されずに耐えられる力の大きさ」のことで、単位は「N/mm2(ニュートン毎平方ミリメートル)」を使います。
そして、ただ「コンクリートの強度」と言った場合は、原則として「圧縮強度」を指します。理由はシンプルで、コンクリートは圧縮(押しつぶす力)には非常に強い一方、引張(引っ張る力)には弱い材料だからです。引張強度は圧縮強度の1/10程度しかなく、構造設計ではコンクリートの引張抵抗はほとんど当てにしません(引張は鉄筋に負担させます)。
だから「Fc24のコンクリート」と言えば、それは「圧縮強度24N/mm2を基準に設計されたコンクリート」という意味になります。ここを最初に押さえておくと、この後の話が整理しやすいです。
単位のN/mm2は「1平方ミリメートルあたり何ニュートンの力に耐えるか」を表しています。個人的には、コンクリートの強度は「単位=N/mm2、意味=圧縮強度」の2点セットで覚えるのが、混乱しないコツだと思っています。
コンクリート強度の単位(N/mm2)
コンクリート強度の単位は、現在はSI単位系のN/mm2に統一されています。読み方は「ニュートン毎平方ミリメートル」または「ニュートンパー平方ミリメートル」です。
まず整理しておきたいのが、次の3つの表記の関係です。
| 表記 | 読み方 | 関係 |
|---|---|---|
| N/mm2 | ニュートン毎平方ミリメートル | コンクリート強度の標準単位 |
| MPa | メガパスカル | N/mm2と全く同じ大きさ(1N/mm2=1MPa) |
| kgf/cm2 | キログラム重毎平方センチメートル | 昔の工学単位系。今は換算して使う |
特に混乱しやすいのがN/mm2とMPaの関係ですが、この2つは呼び方が違うだけで大きさは同じです。1N/mm2=1MPaなので、「Fc24」は「24N/mm2」であり「24MPa」でもあります。土木分野やメーカーのカタログではMPa表記もよく使われますが、建築の構造では慣習的にN/mm2を使う、という程度の違いだと思って差し支えありません。
一方で古い図面や規準書には、工学単位系のkgf/cm2が残っています。SI単位系に移行したのは1990年代以降で、それ以前の資料や年配の技術者の会話ではkgf/cm2が今も登場します。だから換算の考え方を知っておく必要があるわけです。
僕の感覚だと、新しい図面はN/mm2、古い図面や口頭ではkgf/cm2が混ざる、という前提で両方を読めるようにしておくと実務で困りません。
コンクリート強度の単位換算(N/mm2とkgf/cm2)
N/mm2とkgf/cm2の換算は、「1N/mm2 ≒ 10kgf/cm2」と覚えるのが実務では一番使えます。
厳密には次のような関係です。
- 1N = 約0.1kgf(重力加速度を約10として計算)
- 1mm2 = 0.01cm2
- よって 1N/mm2 = 0.1 ÷ 0.01 = 10kgf/cm2
具体的に換算すると、下の表のようになります。よく使う強度は、この対応をそのまま覚えてしまうのが早いです。
| N/mm2 | kgf/cm2(約) |
|---|---|
| 18 | 180 |
| 21 | 210 |
| 24 | 240 |
| 27 | 270 |
| 30 | 300 |
| 36 | 360 |
要するに「N/mm2を10倍すればkgf/cm2になる」だけです。厳密には重力加速度9.8を使うので誤差が出ますが、現場や試験では10倍で覚えておけば十分実用に足ります。逆に、古い図面で「240」とだけ書いてあれば、それはkgf/cm2で、今の24N/mm2のことだと読み替えられます。
実務だと、この「10倍でざっくり換算」ができると、古い書類を見たときに一瞬でイメージが湧くので、覚えておいて損はないです。
コンクリート強度の種類
「コンクリートの強度」は圧縮強度を指すのが基本ですが、正確には次のように複数の種類があり、いずれも単位は同じN/mm2です。単位が同じでも意味が違うので、そこを区別しておくことが大事です。
| 強度の種類 | 内容 | 圧縮強度との比率 |
|---|---|---|
| 圧縮強度 | 押しつぶす力への抵抗。コンクリートの基本強度 | 1(基準) |
| 引張強度 | 引っ張る力への抵抗。コンクリートは弱い | 約1/10 |
| 曲げ強度 | 曲げる力への抵抗 | 約1/5〜1/7 |
| せん断強度 | ずらす力への抵抗 | 圧縮の1/4〜1/6程度 |
| 付着強度 | 鉄筋とコンクリートの付着力 | 引張と同程度 |
このうち、設計で主役になるのは圧縮強度です。引張・せん断に弱い部分は鉄筋が負担する、という役割分担が鉄筋コンクリート(RC造)の基本的な考え方になります。
同じ単位N/mm2で表されるので、数字だけ見ると混同しがちですが、「何の力に対する強度か」で意味が変わります。特に、引張強度は圧縮強度のおよそ1/10しかないという性質は、ひび割れや配筋の考え方に直結する重要ポイントです。
鉄筋コンクリートで、なぜ鉄筋が入るのか(=コンクリートの引張の弱さを補うため)という背景は、こちらも参考になります。

僕としては、強度の種類は「圧縮が主役、引張は鉄筋が肩代わり」という関係で捉えると、単位が同じでも役割の違いがすっきり整理できると感じます。
設計基準強度Fcと呼び強度などの違い
ここが実務で一番混乱するところです。コンクリートの「強度」には、単位は同じN/mm2でも、設計・発注・調合の場面ごとに違う呼び名があります。代表的なものを整理します。
| 呼称 | 記号 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 設計基準強度 | Fc | 構造設計で基準とする圧縮強度 | 構造図・構造計算 |
| 耐久設計基準強度 | Fd | 耐久性の確保に必要な圧縮強度 | 耐久性の検討 |
| 品質基準強度 | Fq | Fc・Fdのうち大きい方を基準にした値 | 品質管理の基準 |
| 呼び強度 | ― | 生コンを発注するときに指定する強度 | 生コン発注・JIS |
| 調合(配合)強度 | ― | ばらつきや温度補正を見込んで割り増した強度 | 配合設計 |
流れとしては、まず構造設計で設計基準強度Fcが決まり、そこに耐久性や品質管理の要求を加えて品質基準強度Fqを設定し、さらに現場のばらつきや養生温度による強度低下を見込んで割り増したのが調合強度、そして生コン工場に発注するときの指定値が呼び強度、という関係になります。
Fc24は「えふしーにじゅうよん」と読み、「設計上、圧縮強度24N/mm2を想定したコンクリート」という意味です。呼び強度は発注上の値なので、温度補正などの分だけFcより大きい値を指定することが多く、「設計の24」と「発注の27」がずれていても間違いではありません。
設計基準強度と品質基準強度・呼び強度の詳しい違いは、こちらで整理しています。

生コンを発注するときの呼び強度・調合強度の考え方は、こちらが参考になります。

現場目線で言えば、これらは「同じN/mm2という単位を、設計の視点・発注の視点・調合の視点で言い換えているだけ」と捉えると、書類ごとに数字が違っても混乱しなくなります。
コンクリート強度の代表的な数値
実際に使われるコンクリート強度の値には、標準的な範囲があります。設計基準強度Fcは18・21・24・27・30・33・36N/mm2あたりが標準で、住宅から中高層まで大半がこの範囲に収まります。
代表的な目安は次の通りです。
- 18N/mm2:捨てコンクリートや簡易な土間など、強度をあまり求めない部位
- 21〜24N/mm2:戸建て住宅の基礎など、一般的な住宅で多い範囲
- 27〜30N/mm2:中低層のビル・マンションの躯体で使われる範囲
- 33〜36N/mm2:やや高い強度が必要な中高層の躯体
- 36N/mm2以上:高強度コンクリート(100N/mm2を超えるものもある)
JISで規定される普通コンクリートの圧縮強度は概ね18〜45N/mm2の範囲で、36N/mm2以上は指針上「高強度コンクリート」として扱われます。超高層マンションなどでは60N/mm2、100N/mm2超といった非常に高い強度のコンクリートも使われます。
普通コンクリートと高強度コンクリートの位置づけは、こちらも参考になります。

個人的には、まず「住宅は21〜24、ビルは27〜30」というざっくりした相場感を持っておくと、図面でFcを見たときに規模のイメージが湧いて理解が早まると感じます。
コンクリート強度の単位に関する注意点
最後に、単位まわりで初心者がつまずきやすいポイントを整理します。特に「強度の単位」と「重量の単位」の混同は非常に多いので注意が必要です。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 強度の単位と単位体積重量は別物 | 強度はN/mm2、単位体積重量はkg/m3(またはkN/m3)。全く別の指標 |
| N/mm2とMPaは同じ | 呼び方が違うだけ。1N/mm2=1MPa |
| kgf/cm2は約10倍 | 1N/mm2 ≒ 10kgf/cm2。古い図面の数字は10で割る |
| 数字だけでは種類が不明 | 同じN/mm2でも圧縮・引張・設計基準・呼び強度で意味が違う |
| 材齢とセット | 圧縮強度は基本、材齢28日の値を指す |
一番混同されやすいのが、強度の単位N/mm2と、単位体積重量のkg/m3です。前者は「どれだけの力に耐えるか」、後者は「1立方メートルあたり何キログラムの重さか」で、指標としてまったく別物です。鉄筋コンクリートの単位体積重量は概ね24kN/m3(約2,400kg/m3)ですが、これは強度とは無関係の値です。
コンクリートの単位体積重量・比重については、こちらで詳しく整理しています。

もう一つ実務で大事なのが「材齢」です。コンクリートの圧縮強度は時間とともに増していくので、単に「24N/mm2」と言う場合は原則「材齢28日での圧縮強度」を指します。同じコンクリートでも材齢7日ならもっと低い値になるため、試験報告書を見るときは「いつの時点の強度か」も必ずセットで確認します。
正直なところ、単位そのものより「その数字が何の強度で、いつの時点の値か」を押さえるほうが、現場では実用的だと感じます。
コンクリートの強度と単位に関する情報まとめ
- 強度と単位とは:コンクリートが耐えられる力の大きさで、単位はN/mm2。ただ強度と言えば原則「圧縮強度」を指す
- 単位N/mm2:読み方はニュートン毎平方ミリメートル。MPaと同じ大きさ(1N/mm2=1MPa)
- 単位換算:1N/mm2 ≒ 10kgf/cm2。古い図面のkgf/cm2は10で割ればN/mm2になる
- 強度の種類:圧縮・引張・曲げ・せん断・付着があり、単位は同じN/mm2でも意味が違う。引張は圧縮の約1/10
- 各種の呼び方:設計基準強度Fc・品質基準強度Fq・呼び強度・調合強度は、同じ単位を場面ごとに言い換えたもの
- 代表的な数値:Fcは18〜36N/mm2が標準。住宅は21〜24、ビルは27〜30が目安。36以上は高強度
- 注意点:強度の単位N/mm2と単位体積重量kg/m3は別物。圧縮強度は原則、材齢28日の値
以上がコンクリートの強度と単位に関する情報のまとめです。
コンクリートの強度と単位は、「単位はN/mm2」「強度=圧縮強度」「kgf/cm2は10倍」の3点を押さえれば、図面でも書類でも迷わなくなります。そのうえで、設計基準強度・呼び強度・調合強度は同じ単位の言い換えだと理解し、単位体積重量とは別物だと切り分けられれば、実務レベルで十分です。現場目線で言えば、数字の大小より「何の強度で、いつの時点の値か」を読めることのほうが役に立つと思います。
コンクリートの強度と単位に関するよくある質問
Q1:コンクリートの強度の単位はN/mm2でいいですか?
はい、現在の標準単位はN/mm2(ニュートン毎平方ミリメートル)です。かつては工学単位系のkgf/cm2が使われていましたが、SI単位系への移行により今はN/mm2に統一されています。なお、土木分野やメーカーのカタログではMPa(メガパスカル)表記も使われますが、1N/mm2=1MPaで大きさは同じなので、呼び方の違いと考えて問題ありません。
Q2:N/mm2とkgf/cm2はどう換算しますか?
実務では「1N/mm2 ≒ 10kgf/cm2」と覚えるのが簡単です。たとえば24N/mm2は約240kgf/cm2になります。厳密には重力加速度9.8を使うので少し誤差が出ますが、現場や試験では10倍で換算して差し支えありません。逆に、古い図面で「240」とだけ書いてあれば、それをkgf/cm2とみなして10で割り、24N/mm2と読み替えられます。
Q3:Fc24のFcとは何ですか?読み方は?
Fcは設計基準強度(Design standard strengthのFに圧縮=compressionのc)を表す記号で、Fc24は「えふしーにじゅうよん」と読みます。意味は「構造設計上、圧縮強度24N/mm2を基準にしたコンクリート」ということです。構造図や構造計算書に登場し、この値をもとに配合や品質管理の基準が決まっていきます。
Q4:設計基準強度と呼び強度は何が違うのですか?
どちらも単位はN/mm2ですが、使う場面が違います。設計基準強度Fcは「構造設計で基準にする強度」、呼び強度は「生コンを発注するときに指定する強度」です。呼び強度は、養生温度による強度低下(温度補正)やばらつきを見込んで、設計基準強度より大きい値を指定するのが一般的です。そのため「設計はFc24なのに発注は呼び強度27」といったズレが出ますが、これは正しい運用です。
Q5:コンクリートの強度の単位N/mm2と単位体積重量kg/m3は同じですか?
いいえ、まったく別物です。N/mm2は「どれだけの力に耐えられるか」という強度の単位、kg/m3(またはkN/m3)は「1立方メートルあたりの重さ」という単位体積重量です。鉄筋コンクリートの単位体積重量は約24kN/m3(約2,400kg/m3)ですが、これは強度とは無関係の値です。数字が近い場面もあるので混同されがちですが、指標そのものが違う点に注意してください。
Q6:普通のコンクリートは何N/mm2くらいですか?
設計基準強度Fcで見ると、戸建て住宅の基礎で21〜24N/mm2、中低層のビルやマンションの躯体で27〜30N/mm2あたりが一般的な目安です。JISで規定される普通コンクリートの圧縮強度は概ね18〜45N/mm2の範囲で、36N/mm2以上は高強度コンクリートとして扱われます。超高層マンションなどでは60N/mm2や100N/mm2超の非常に高い強度のコンクリートも使われます。
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