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給水工事とは?種類、配管材料、責任分界、施工管理のポイントなど

  • 給水工事ってそもそも何?
  • 道路の本管側の工事と建物内の工事って同じ会社がやるの?
  • どんな配管材料が使われるの?
  • 給水方式って種類があるんでしょ?違いは?
  • 工事には資格が必要なの?
  • 施工管理として気をつけるポイントは?

上記の様な悩みを解決します。

給水工事は、建物に水を供給するための配管工事一式。電気と並んで建築設備の基本中の基本ですが、実は「どこまでが水道局/どこからが施主/どこまでが指定業者」という責任分界が複雑で、初担当者が一番混乱するポイントでもあります。ここで一気に整理しておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

給水工事とは?

給水工事とは、結論「水道本管から建物内の蛇口まで、上水を流すための配管・装置を新設・改修する工事の総称」のことです。

「水道工事」と一口に言っても、道路の下を掘る工事から、建物内の水栓を交換する工事まで全部ひっくるめた幅広い概念。具体的には水道法・水道事業者の供給規程・各自治体の給水条例で細かくルールが決まっていて、勝手に工事できないのが特徴です。

給水工事の主な対象

  • 給水管(道路本管〜量水器〜建物内)
  • 給水装置(量水器、減圧弁、止水栓)
  • 受水槽・高架水槽
  • 給水ポンプ
  • 蛇口・水栓金具
  • 加圧給水ユニット

給水ポンプの基本はこちらの記事もどうぞ。

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給水工事の3つの区分(責任分界)

給水工事を理解する一番のキモが、「誰が責任を持って工事するか」の3区分です。

区分 範囲 工事責任 費用負担
① 配水管〜分岐 道路本管から各敷地への分岐部 水道事業者(水道局) 水道局
② 分岐〜量水器 道路掘削〜量水器までの引込管 指定給水装置工事事業者 施主負担
③ 量水器〜建物内 量水器以降の建物内給水管・水栓 指定給水装置工事事業者 施主負担

ここで重要なのが、②と③は誰でもできる工事ではないということ。各水道事業者から「指定給水装置工事事業者」として登録された業者だけが、給水装置工事を行えるルールになっています。

これは無資格業者による不適切な工事で水道水が汚染されるのを防ぐための制度で、水道法で全国共通の運用です。

指定給水装置工事事業者って?

各市町村の水道事業者が指定する、「この業者なら給水装置工事を任せていい」と認めた業者のこと。指定の条件は:

  • 給水装置工事主任技術者(国家資格)が在籍
  • 工事に必要な機械器具を保有
  • 過去の工事実績・技術力

施工管理として元請に入る建築工事の場合、給水工事は必ず指定給水装置工事事業者に発注する必要があります。「ウチの会社で何でもやります」と言われても、給水装置部分はNG、と覚えておきましょう。

給水方式の種類

給水方式は建物の規模・用途によって以下の4方式に分類されます。

主な給水方式

  • 水道直結直圧方式
  • 水道直結増圧方式
  • 受水槽方式(高架水槽併用)
  • 加圧給水方式(受水槽+ポンプ)

水道直結直圧方式

水道本管の水圧をそのまま建物内に引き込む方式。

  • 適用:戸建て住宅、3階建て程度のアパート
  • メリット:受水槽不要、衛生的、停電時も使える
  • デメリット:水圧に依存、断水時は使えない

近年は水道本管の水圧が向上していることもあり、5階建て程度までは直圧で給水可能な地域も増えています。

水道直結増圧方式

水道本管の水を直接吸い込んで、増圧ポンプで上階まで送る方式。

  • 適用:中規模マンション・オフィス
  • メリット:受水槽不要、設置スペース節約、保守が楽
  • デメリット:停電時に使えない、水道局の許可が必要

3.11以降の節水・省スペース志向で、最近の中層マンションでは増圧直結方式が主流になっています。

受水槽方式(高架水槽併用)

道路から引き込んだ水をいったん受水槽に貯めて、揚水ポンプで屋上の高架水槽へ汲み上げ、重力で各階へ給水する方式。

  • 適用:大規模マンション、ホテル、病院
  • メリット:断水時も貯水分は使用可、安定した水圧
  • デメリット:水質管理(清掃)が必要、受水槽スペースが必要

衛生面のメンテナンスとして、受水槽は1年に1回以上の清掃が水道法で義務付けられています。

加圧給水方式

受水槽から加圧ポンプで直接各階へ送水する方式。屋上に高架水槽を持たないのが特徴。

  • 適用:中規模マンション、屋上スペースが取りにくい建物
  • メリット:屋上に水槽不要、見た目スッキリ
  • デメリット:ポンプ故障で全戸停水、電源依存

給水工事に使う配管材料

給水工事で使われる主な配管材料を整理します。

材料 略称 主な用途 特徴
ステンレス鋼管 SUS 大型建物の主管・引込管 高耐久、衛生的、価格高
硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-VA等 建物内の主管 鋼管+塩ビでサビと強度両立
ポリエチレン管(架橋ポリ) PEX 床下の給水管 柔軟、施工が早い
銅管 Cu 給湯管・浴室付近 銅イオンで抗菌、価格高
鋳鉄管 DCIP 道路埋設管 耐圧・耐震性
ポリブテン管 PB 給湯管 柔軟、耐熱

近年の住宅では「さや管ヘッダー方式」と呼ばれる、PEXパイプをさや管に通す方式が主流。配管メンテナンス性が圧倒的に高く、漏水時はパイプだけ引き抜き交換できます。

配管工事一般の話はこちらにもまとめています。

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給水工事の施工手順

新築建物の給水工事の基本フローを書いておきます。

新築給水工事の施工フロー

  1. 設計図・施工図のチェック
  2. 水道局への給水装置工事申込み
  3. 道路掘削の許可申請(道路工事)
  4. 引込管工事(道路本管〜量水器)
  5. 量水器の設置(水道局支給)
  6. 建物内給水管の配管工事
  7. 給湯器・水栓金具の取付け
  8. 通水試験・水圧試験・残留塩素確認
  9. 水道局検査(給水装置検査)
  10. 引渡し

設計図・施工図のチェックポイントはこちらも参考に。

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道路掘削とその段取り

道路下に給水管を引き込むため、道路占用許可・道路使用許可が必要になります。許可取得には1ヶ月以上かかることもあるので、施工計画段階で逆算スケジュールを立てておくのが鉄則。

掘削後の路面復旧も別工事扱いで、舗装業者の手配・復旧水準(仮舗装→本復旧)の管理も施工管理の役目になります。

水圧試験

通水後、設計水圧の1.5倍以上で1時間以上の水圧試験を行うのが標準。圧力低下があれば漏水箇所を特定して修繕します。

僕が電気の施工管理時代に立ち会ったマンション現場では、水圧試験中に天井裏の継手から1滴/秒の漏水が見つかって、内装仕上げ前に発見できて事なきを得たことがあります。試験は省略せずに必ずやる、が鉄則ですね。

給水工事に必要な資格

給水工事には複数の資格が関わります。

給水工事関連の主な資格

  • 給水装置工事主任技術者(国家資格・必須)
  • 配管技能士(1級・2級)
  • 1級・2級管工事施工管理技士
  • 下水道排水設備工事責任技術者
  • 公共下水道排水設備工事責任技術者

給水装置工事主任技術者

指定給水装置工事事業者として登録するために必須の国家資格。実務経験+筆記試験で取得します。給水装置の設計から施工監督、検査までを統括する役割を担います。

1級・2級管工事施工管理技士

ゼネコン・設備業界で評価される国家資格で、1級は元請の主任技術者・監理技術者として認められます。給水だけでなく、空調・衛生・ガスまでカバーする幅広い資格です。

ボルト・配管材料の基礎知識はこちらにも。

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給水工事で施工管理が注意すべきポイント

現場で食らいやすい失敗パターンと予防策をまとめます。

給水工事でハマりやすいポイント

  • 水道局の事前協議の遅れ(許可待ちで工程ストップ)
  • 道路掘削の占用申請忘れ
  • 量水器のサイズミス(口径選定ミス)
  • 給水方式と建物階数の不整合
  • 配管断熱の漏れ(凍結事故)
  • クロスコネクション(飲料水と非飲料水の誤接続)
  • 受水槽の防水・衛生区画

特にクロスコネクションは水道法違反になる重大事故で、井戸水・雑用水・空調冷却水の系統を給水管に直接つなげると、最悪「給水停止+業者指定取消」までいくレベルの問題です。系統色分け・配管マーキング・施工要領書の徹底で予防します。

量水器の選定

量水器のサイズは想定使用流量で決まります。同口径でもメーカーや形式で流量範囲が違うため、設計者・水道局と必ず事前確認。サイズが小さすぎれば水圧不足、大きすぎれば計量精度低下、というトレードオフです。

凍結対策

外部配管・床下配管は保温材+ヒーターによる凍結対策が必須。寒冷地では「散水栓は不凍栓を採用」「水抜き栓を必ず設置」が標準です。

排水との取合い

給水と排水はセットで設計されますが、施工時は別工事になることが多く、排水勾配の確保不足や管径不整合が起きがち。排水勾配の話はこちらをどうぞ。

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給水工事に関する情報まとめ

  • 給水工事とは:水道本管から建物内蛇口までの配管・装置の新設・改修工事
  • 3区分の責任分界:①本管〜分岐(水道局)、②分岐〜量水器(指定業者)、③量水器〜建物内(指定業者)
  • 給水方式:水道直結直圧、直結増圧、受水槽(高架水槽)、加圧給水の4種
  • 配管材料:SUS鋼管、塩ビライニング鋼管、ポリエチレン管、銅管などを用途で使い分け
  • 施工フロー:申請→引込み→建物内配管→水栓→水圧試験→水道局検査→引渡し
  • 必要資格:給水装置工事主任技術者(必須)、1級・2級管工事施工管理技士など
  • 注意点:占用申請、量水器サイズ、凍結対策、クロスコネクション禁止

以上が給水工事に関する情報まとめです。

一通り給水工事の基礎知識は理解できたかなと思います。「3区分の責任分界+指定業者制度+給水方式の4分類」、この3点セットさえ押さえておけば、設計者・水道局・現場業者と話を合わせるのが格段にラクになりますよ。

設備・配管関連の周辺知識は以下も合わせてどうぞ。

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