第二種電気工事士ができること|一般用の範囲と資格が要る作業

第二種電気工事士ができるのは、一般家庭や商店などの「一般用電気工作物等」に係る電気工事の作業です。ビルや工場などの自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)は、原則として第一種の範囲です。資格が要るかどうかは、電気工事士法施行規則で作業ごとに決まっていて、露出型コンセントの取り換えのように列挙から外れている作業もあります。

  • 第二種を取ったら、結局どこまで自分で触っていいの?
  • 一般住宅の電気工事なら全部OKってこと?
  • 店舗や小さな事務所の改装はどう?ビルや工場はダメ?
  • 600ボルトとか500キロワットとか、何の線なのか分からない
  • コンセントを増やすのは第二種でできる?交換だけなら資格なしでいい?
  • 照明のスイッチやアース線の取り付けに免状は要るの?
  • エアコンの取り付けって電気工事士の仕事?
  • 屋根の太陽光は何キロワットまでなら第二種で触れる?
  • 免状を持っていない家族や後輩に、どこまで頼んでいい?
  • 第一種に上がるには何年かかる?

上記の様な悩みを解決します。

第二種電気工事士は「住宅や小さな店舗の電気工事ができる資格」と一言で紹介されることが多いのですが、実際に免状が要るかどうかは、建物の種類だけでなく「どの作業をするか」で決まります。ところが資格スクールや工事会社の解説を読んでも、範囲を建物の例で示すところで止まっていて、施行規則が作業を1つずつ列挙している構造や、太陽光の出力の線を条文で示したものはなかなか見当たらないんですよね。今回はできる範囲・できない範囲・第一種との違いといった基本を押さえた上で、上位の記事ではあまり見かけない「施行規則第2条の列挙に、コンセント・スイッチ・アース・エアコンを1つずつ当てはめる読み方」と「太陽電池の10kW・50kWの線」まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから第二種を受ける方や、取ったばかりで自分の守備範囲を確かめたい方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

第二種で従事できるのは、家や商店などの「一般用電気工作物等」の電気工事

第二種電気工事士の免状で作業できるのは、一般用電気工作物等に係る電気工事です。ただし「住宅の電気なら何でもできる」という意味ではなく、範囲は「どの区分の電気工作物か」と「どの作業か」の2段で決まります。この章は1段目、区分の話です。

1段目を決めているのは電気工事士法第3条第2項で、第一種電気工事士か第二種電気工事士でなければ「一般用電気工作物等に係る電気工事の作業」に従事してはならない、と定めています(電気工事士法 第3条第2項/e-Gov法令検索・2026年10月11日確認)。この項には「一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるもの」を除く括弧書きが付いていて、これが2段目の作業の話につながります(3つ目の章で扱います)。

区分のイメージは、経済産業省の説明が分かりやすいです。同省の「電気工事の安全」のページは「一般用電気工作物等:一般家庭、商店等の屋内配電設備、小規模発電設備等」と書いています(経済産業省「電気工事の安全」・2026年10月11日確認)。同省の資料「電気工事士等の従事範囲」(2018年版)も、一般用の例として「一般家庭、商店、小規模の事務所等の屋内配線、一般家庭用太陽電池発電設備」を挙げています。

「等」が付くと小規模事業用電気工作物まで入る

電気工事士法でいう一般用電気工作物等は、電気事業法の一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせた言葉です(電気工事士法 第2条第1項)。太陽光の話で効いてくるので、ここでは「等」の一字に意味がある、とだけ覚えておいてください。定義の読み方は第二種で就ける仕事と就けない仕事の境界線の前半で詳しく整理しています。

600Vは、受電する電線路の「低圧」を決める数字

一般用電気工作物の定義は電気事業法第38条第1項にあり、電気を使用するための電気工作物の場合は「低圧受電電線路(…)以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの」で、構内に設置するものとされています(電気事業法 第38条第1項第1号)。ここでいう低圧は「経済産業省令で定める電圧以下の電圧」で(同項ただし書の括弧書き)、その電圧は「六百ボルトとする」と定められています(電気事業法施行規則 第48条第1項)。

つまり電気事業法の600Vは、構内に電気を受ける電線路の電圧の話です。「600V以下で使う設備なら全部一般用」と読み替えるのは条文の書き方とずれる、と僕は考えています。同じ項のただし書には、小規模発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するものなどを除く定めもあります。

電気工事士の範囲を調べていると、600Vという数字が条文ごとに違う役割で何度も出てきます。混ざりやすいので、この記事に出てくる分を先に並べておきます。

  • 電気事業法の「低圧」の上限=受電する電線路の電圧(電気事業法施行規則 第48条第1項)
  • 簡易電気工事=「電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)」(電気工事士法施行規則 第2条の3)
  • 接地の作業で除かれる取り付け先=「電圧六百ボルト以下で使用する電気機器」(同規則 第2条第2項第1号ロ)
  • 免状が要る作業の1つ=「電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業」(同規則 第2条第1項第1号ヲ)
  • 軽微な工事の対象=電圧600V以下で使用する接続器・開閉器・電気機器など(電気工事士法施行令 第1条)

ビルや工場の「自家用」は原則として第一種。600V以下の部分には認定電気工事従事者の道がある

ビルや工場の需要設備のような自家用電気工作物の工事は、第二種の免状では作業できません。電気工事士法第3条第1項が、「第一種電気工事士免状の交付を受けている者(…)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(…)の作業(…)に従事してはならない。」としているからです(電気工事士法 第3条第1項)。

経済産業省は自家用電気工作物を「自家用電気工作物:ビル、工場等の需要設備(最大電力500kW未満。なお、非常用予備発電装置は需要設備の附帯設備として需要設備の範疇に含まれる。)」と説明しています(経済産業省「電気工事の安全」・2026年10月11日確認)。

500kW以上は「第一種」ではなく、法の定義の外

ここで数字の向きに注意が要ります。電気事業法でいう自家用電気工作物のうち、「小規模事業用電気工作物及び発電所、変電所、最大電力五百キロワット以上の需要設備(…)その他の経済産業省令で定めるもの」を除いた残りが、電気工事士法でいう自家用電気工作物です(電気工事士法 第2条第2項)。省令はその中身を「発電所、蓄電所、変電所、最大電力五百キロワット以上の需要設備、送電線路(…)及び保安通信設備とする。」と定めています(電気工事士法施行規則 第1条の2)。

ですから、最大電力500kW以上の需要設備は、この法律の「自家用電気工作物」の定義から外れています。「500kW以上なら第一種」と覚えると、条文と逆の向きに読むことになります。

自家用の中にある2つの例外

自家用電気工作物の工事にも、第一種とは別の資格が置かれている部分が2つあります。

1つ目は特殊電気工事で、ネオン工事と非常用予備発電装置工事です(電気工事士法施行規則 第2条の2第1項)。この2つの作業には、原則としてその工事に係る特種電気工事資格者認定証を持つ特種電気工事資格者でなければ従事できません(電気工事士法 第3条第3項。特種電気工事資格者が従事する作業を補助する作業は除かれています=同法施行規則 第2条の2第2項)。どちらも「自家用電気工作物に係る電気工事」の中の話です。

2つ目は簡易電気工事で、中身は「電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)」です(電気工事士法施行規則 第2条の3)。この作業には、第1項の定めにかかわらず認定電気工事従事者が従事できます(電気工事士法 第3条第4項)。認定を受けるための条件は、この記事では扱いません。範囲を広げる2つの道(認定と第一種)の比較にまとめてあります。

4つの資格の範囲を、経済産業省の資料の書き方で並べると次のとおりです。

資格 経済産業省「電気工事士等の従事範囲」(2018年版)の書き方 根拠条文
第二種電気工事士 「一般用電気工作物の電気工事」 電気工事士法 第3条第2項
第一種電気工事士 「最大電力500kW未満の需要設備及び一般電気工作物の電気工事(ネオン用の設備及び非常用予備発電装置の電気工事を除く)」 同法 第3条第1項・第2項
認定電気工事従事者 「最大電力500kW未満の需要設備のうち600V以下で使用する電気工作物(例えば高圧で受電し低圧に変換されたあとの100V又は200Vの配線、負荷設備等)の電気工事」 同法 第3条第4項、同法施行規則 第2条の3
特種電気工事資格者 「最大電力500kW未満の需要設備のうち、ネオン用の設備又は非常用予備発電装置の電気工事」 同法 第3条第3項、同法施行規則 第2条の2

表の資料は2018年版で、第二種の欄は「一般用電気工作物」と書かれています。小規模事業用電気工作物は、経済産業省の保安ネットのお知らせが「2023年3月20日より、保安ネットで電気事業法に関する新制度である小規模事業用電気工作物の届出をご提出いただくことが可能となりました。」と書いている新しい区分なので(経済産業省 保安ネット お知らせ・2023年3月20日)、今の条文で第二種の範囲を確かめるときは「一般用電気工作物等」の語で読んでください。

免状が要るかは「どの作業をするか」で決まる。施行規則第2条の列挙に当てはめる

一般用電気工作物等の工事でも、免状が要る作業と要らない作業があります。分けているのは電気工事士法施行規則第2条第2項で、列挙された作業「以外の作業」を、資格の要らない作業として定める書き方になっています。裏返すと、列挙に入っている作業が免状の要る作業です。

第2項の組み立ては少し入り組んでいます。第2項第1号イが自家用向けの第1項第1号から「イからヌまで及びヲ」を引用し、第2項第1号ロに一般用向けの接地の作業が置かれ、第2項第2号が「電気工事士が従事する前号イ及びロに掲げる作業を補助する作業」を資格の要らない側に入れています(電気工事士法施行規則 第2条第1項・第2項)。

第1項第1号から引用されている作業のうち、住宅や店舗で出会いやすいものを条文のまま抜き出します。

  • イ「電線相互を接続する作業」(電気さくの電線を接続するものを除く括弧書きあり)
  • ハ「電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業」
  • ホ「配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)」
  • ヘ「電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業」
  • ヌ「配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業」
  • ヲ「電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業」

このほか、がいしへの電線の取り付け(ロ)、電線管などに電線を収める作業(ニ)、金属製のボックスの取り付け(ト)、造営材の貫通部の金属製防護装置(チ)、メタルラス張りなどの部分への金属製電線管などの取り付け(リ)も列挙に入っています(同規則 第2条第1項第1号)。配線の工法ごとの中身は配線工事の工法と手順で解説しています。

コンセント:列挙から外れるのは露出型を「取り換える」作業だけ

ホの括弧書きが除いているのは「露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業」です。外れているのは「取り換える」作業に限られていて、取り換えではなく新しく取り付ける作業は、露出型でもホの本文に残ります。「露出型なら資格なしでいい」と短く覚えると、括弧書きより広く読んでしまいます。

コンセントを増やす作業については、配線器具を造営材に取り付ける作業と、配線器具に電線を接続する作業を伴うので、ホの本文に当たる、と僕は読んでいます。電線の分岐で電線相互をつなぐならイにも当たります。現場ごとの判断で迷う場合は、経済産業省や都道府県の担当窓口に確認してください。

スイッチ:露出型の取り換えと、壁埋込の交換で扱いが分かれる

スイッチ(点滅器)も同じ括弧書きの対象で、外れるのは露出型点滅器を取り換える作業です。壁に埋め込まれたスイッチについては、経済産業省の「よくある質問(電気工事士)」(2018年版)が、問6「壁に埋め込まれた室内照明用スイッチを交換する場合、電気工事士が実施すべきか。」に「「電気工事士法施行令」第1条(軽微な工事)から除外されている工事に当たるため、電気工事士が工事する必要があります。」と答えています。

同じ「スイッチの交換」でも、露出型を取り換えるのか、壁埋込を交換するのかで、条文上の置き場所が変わるということです。照明まわりは見た目が似ていても作業の中身が違うので、作業名ではなく電線をどう扱うかで当てはめるのが確実だと考えています。

アース:接地極を埋めるのは列挙の中、600V以下の機器への取り付けは括弧で外

接地の作業は第2項第1号ロに置かれていて、条文は「接地線を一般用電気工作物等(電圧六百ボルト以下で使用する電気機器を除く。)に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業」です(電気工事士法施行規則 第2条第2項第1号ロ)。

括弧書きがかかっているのは「接地線を取り付ける先」です。600V以下で使用する電気機器に接地線を取り付ける作業は列挙の外ですが、接地線同士や接地線と接地極をつなぐ作業、接地極を地面に埋める作業は列挙の中に残ります。

家電の例では、前出のQ&A(2018年版)の問11が、まず「接地線の取り付けについては、保安上支障がないと認められる作業はありません。」としたうえで、「ただし、接地端子付きのコンセントに洗たく機等の機器の接地線を単にねじ止めするものは、従来から電気工事とは扱っていない(…)ため、これらの工事については、電気工事士が実施する必要がありません。」と書いています。

エアコン:端子に差し込むだけか、電線を切って接続するか

エアコンは条文に機器名が出てきませんが、同じQ&A(2018年版)の問9が扱っています。答えは「600V以下で使用するエアコンで、室内機及び室外機の端子に接続電線を差し込む作業であれば、「軽微な作業」にあたるため、電気工事士が工事する必要はありません。ただし、当該作業を業とし、継続的に行う場合は、「電気工事業の登録」が必要となります。」というものです。

続けて「当該接続線を切断・接続等の作業を伴う場合には電気工事士が工事する必要があります。」ともあります。端子に差し込むだけで済むのか、電線を切ったりつないだりするのかで、免状が要るかどうかが分かれるという整理です。専用回路を新しく設ける作業は、ここまでに見たイやホに当てはまると僕は読んでいます。

補助の範囲と、違反したときの罰則

第2項第2号で資格の要らない側に入っているのは、「電気工事士が従事する」作業を補助する作業です。有資格者が現場のどこかにいれば無資格者が何をしてもよい、という書き方ではなく、電気工事士が従事している作業の補助に限られています。

範囲を外れたときの罰則も条文にあります。電気工事士法第14条は「第三条第一項、第二項又は第三項の規定に違反した者は、三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金に処する。」と定めています(電気工事士法 第14条)。

免状が無くてもできる「軽微な工事」は施行令第1条の6つ

免状を持っていない家族や後輩に任せてよいのは、施行令第1条の「軽微な工事」と、前の章で見た列挙の外の作業です。軽微な工事は、電気工事士法第2条第3項のただし書で、そもそも「電気工事」から除かれています(電気工事士法 第2条第3項)。

施行令第1条が定める6つは次のとおりです(電気工事士法施行令 第1条/e-Gov法令検索・2026年10月11日確認)。

  • 第1号「電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事」
  • 第2号「電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事」
  • 第3号「電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事」
  • 第4号「電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事」
  • 第5号「電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事」と、第6号「地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事」

第1号は、つなぐ相手がコード又はキャブタイヤケーブルであることが条件になっています。経済産業省の資料「軽微な工事」も「コード又はキャブタイヤケーブル以外に接続する場合は、電気工事士等資格が必要となります。」と念を押しています。第3号の電力量計と電流制限器については、同じ資料が「「電力量計」及び「電流制限器(アンペアブレーカー)」は、電力会社が契約電力に基づき需要家宅等に設置する機器であるため、電気工事士法の対象外とされています。」と書いています。

経済産業省の「電気工事の安全」のページも、第1号と第2号に当たる工事を例に挙げたうえで「なお、次に示す軽微な工事については電気工事士法施行令第1条で電気工事から除外されているため、電気工事士等の資格は不要です。」としています(経済産業省「電気工事の安全」・2026年10月11日確認)。

「自分の家なら資格は要らない」とは書かれていない

よく聞く疑問が、自宅の工事なら免状なしでもいいのか、という点です。電気工事士法第3条の各項には、工事の場所が自宅かどうかで扱いを分ける文言はありません(確認範囲=同条第1項〜第4項)。家族に頼むときも後輩に任せるときも、上の6つと列挙の外の作業に収まるかどうかで考えるのが筋だと僕は考えています。

建設業法の許可との関係や、軽微な工事と軽微な作業の法律上の違いは、電気工事の2つの物差し(建設業法と電気工事士法)の記事で整理しています。

太陽光などの発電設備は、出力で線が引かれている

屋根の太陽光は第二種の範囲に入り得ますが、どこまで入るかは出力と設置の条件で決まります。太陽電池発電設備の場合、10kWと50kWの2つの線が条文に出てきます。

まず、電気事業法の「小規模発電設備」は低圧の電気に係る発電用の電気工作物で(電気事業法 第38条第1項)、太陽電池では「太陽電池発電設備であって出力五十キロワット未満のもの」が当たります(電気事業法施行規則 第48条第2項第1号)。同じ項のただし書は、同一の構内の他の設備と電気的に接続され「それらの設備の出力の合計が五十キロワット以上となるもの」を除いています。

次に、その小規模発電設備が一般用電気工作物になるか、小規模事業用電気工作物になるかは、出力で分かれます。電気事業法第38条第1項第2号イは一般用の条件を「出力が経済産業省令で定める出力未満のものであること。」とし、その出力を規則第48条第4項第1号が太陽電池発電設備について「十キロワット(二以上の太陽電池発電設備を同一構内に、かつ、電気的に接続して設置する場合にあっては、当該太陽電池発電設備の出力の合計が十キロワット)」と定めています。一方、第38条第3項第1号イは小規模事業用電気工作物の条件を「出力が第一項第二号イの経済産業省令で定める出力以上のものであること。」としています。

太陽電池で読み直すと、10kW未満は一般用電気工作物、10kW以上で小規模発電設備に当たるもの(50kW未満)は小規模事業用電気工作物の側です。そして電気工事士法の一般用電気工作物等はこの2つを合わせた言葉なので(電気工事士法 第2条第1項)、どちらも第二種の範囲に入ります。

ただし、この線には条件が付いています。主なものとして、同じ構内でつないだ設備の出力の合計の定め、低圧受電電線路以外の電線路で構内の外の電気工作物と接続されていないこと(電気事業法 第38条第1項第2号ロ・第3項第1号ロ)、第38条第1項ただし書の除外(小規模発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するものや、規則第48条第3項が定める火薬類(煙火を除く)を製造する事業場・石炭坑に設置するもの)などがあります。ですから「太陽光は50kW未満なら全部第二種」と言い切るのではなく、出力の合計と設置の条件まで確かめる、というのが条文に沿った読み方です。

出力の数字は電源の種類ごとに違い、規則第48条第2項は風力・水力・内燃力の火力・燃料電池なども別々の出力で並べています。太陽光以外を扱うときは、その号を確かめてください。

仕事として請けるなら、登録と主任電気工事士が要る

免状は「作業に従事してよい」という資格で、電気工事を仕事として営むには、別に電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)の登録が要ります。一般用電気工事を含む電気工事業を営むなら登録、自家用電気工事だけなら通知、という区分です。

登録先は営業所の置き方で変わり、営業所を置く都道府県が1つなら所在地の都道府県知事、2つ以上にまたがるなら経済産業大臣です(電気工事業法 第3条第1項)。登録の有効期間は「五年とする。」とされています(同法 第3条第2項)。自家用電気工事のみを営む場合は、事業を開始しようとする日の10日前までの通知になります(同法 第17条の2第1項)。

ここでいう「業」の広さは、経済産業省の説明が参考になります。「電気工事業法における「業」は、有償・無償に関係なく、他の者から依頼を受けた者が自らその電気工事の全部又は一部の施工を反復・継続して行う場合をいいます」とされています(経済産業省「電気工事の安全」・2026年10月11日確認)。前の章のエアコンのQ&Aが、資格が要らない作業でも「業とし、継続的に行う場合」は登録が要る、と書いていたのはこの話です。

会社に勤める場合と、独立する場合

会社員として働く場合、登録を受けるのは会社の側で、本人は免状の範囲で作業に従事する立場になる、と僕は整理しています。会社の側には、電気工事業法第21条第2項で「第一種電気工事士又は第二種電気工事士でない者を一般用電気工事の作業(…)に従事させてはならない。」という義務がかかっています。

一般用電気工事の業務をする営業所には、営業所ごとに主任電気工事士を置く義務が登録電気工事業者にかかっていて、第二種の場合は「電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士」がその要件に入ります(電気工事業法 第19条第1項)。独立して自分で登録する場合は、本人がこの要件を満たし「その者が自ら主としてその業務に従事する特定営業所については、適用しない。」とされているので(同法 第19条第2項)、第二種で独立を考える人にとっても、免状交付後3年の実務が1つの目盛りになると考えています。

主任電気工事士の職務や欠けたときの手当てなど、キャリアの席としての見方は第二種のまま就ける主任電気工事士の席で詳しく書いています。電気の仕事への移り方を比べたい方は、施工管理向けの転職サービスの比較も判断材料になります。

第一種に上がるなら、試験と3年の実務。今の試験の数字と日程

自家用電気工作物まで扱いたいなら第一種電気工事士で、試験に合格して免状を受ける道では、合格に加えて実務の経験が要ります。電気工事士法第4条第3項第1号は「第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者」と定め、その実務の経験を省令が「三年以上の従事とする。」としています(電気工事士法 第4条第3項第1号、電気工事士法施行規則 第2条の4第2項)。このほか、同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者という道もあります(同法 第4条第3項第2号)。

実務に数えられる工事は、電気に関する工事のうち、軽微な工事・特殊電気工事・電圧5万V以上で使用する架空電線路に係る工事・保安通信設備に係る工事以外のものです(同規則 第2条の4第1項)。どの経験が数えられるかは個別の判断になり、経済産業省のQ&A(2018年版)の問12も「各免状申請先(住所地を管轄する都道府県庁等の担当窓口)に直接、ご相談ください」と案内しています。第一種になったあとも、免状の交付を受けた日から5年以内の定期講習が義務づけられている点は覚えておいてください(電気工事士法 第4条の3)。第一種の試験と免状の条件は第一種電気工事士の試験と免状の条件の記事で扱っています。

第二種の受験者数と合格率(直近3回)

第二種の試験は、一般財団法人電気技術者試験センターが学科試験と技能試験で行っています。同センターの試験概要によると、技能試験を受けられるのは学科試験の合格者か学科試験免除者です。直近3回の結果は次のとおりです(電気技術者試験センター 各回のプレス発表資料・2026年10月11日確認)。

実施回 試験 受験者数 合格者数 合格率
令和8年度 上期 学科 78,290人(CBT 36,447/筆記 41,843) 48,692人 62.2%
令和8年度 上期 技能 58,393人 42,875人 73.4%
令和7年度 下期 学科 68,142人(CBT 13,583/筆記 54,559) 37,769人 55.4%
令和7年度 下期 技能 48,034人 34,313人 71.4%
令和7年度 上期 学科 70,945人(CBT 14,090/筆記 56,855) 40,942人 57.7%
令和7年度 上期 技能 51,576人 37,158人 72.0%

令和8年度上期の合格基準は、学科が60点以上、技能が欠陥がないこと、とされています。年度・期をまたいだ通算の合格率は、この表からは出していません。

令和8年度下期の日程(2026年10月11日時点)

令和8年度下期は、申込受付期間が2026年8月17日(月曜日)10時〜2026年9月3日(木曜日)17時で、確認日の2026年10月11日の時点では受付が終わっています。試験は学科試験CBT方式が2026年9月24日(木曜日)〜2026年11月8日(日曜日)、学科試験筆記方式が2026年10月25日(日曜日)、技能試験が2026年12月12日(土曜日)または2026年12月13日(日曜日)です。令和8年度の受験手数料は、インターネット申込み11,100円(非課税)、郵送で書面の申込み12,500円(非課税)です(電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験」・2026年10月11日確認)。

これから受ける方は、学科は第二種の学科試験の対策、技能は第二種の技能試験の対策で準備の進め方をまとめています。資格の全体像は第二種電気工事士の資格の概要からどうぞ。

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第二種電気工事士でできることに関する情報まとめ

  • できる範囲:一般用電気工作物等(一般用電気工作物+小規模事業用電気工作物)に係る電気工事。電気事業法の600Vは受電する電線路の「低圧」の上限
  • できない範囲:自家用電気工作物は原則として第一種。最大電力500kW以上の需要設備は法の自家用の定義の外。特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)は特種電気工事資格者の担当、簡易電気工事には認定電気工事従事者も従事できる
  • 作業の列挙:免状が要るかは施行規則第2条第2項の作業ごと。外れるのは露出型の点滅器・コンセントを「取り換える」作業など、接地は600V以下の電気機器への取り付けが外
  • 軽微な工事:施行令第1条の6つはそもそも電気工事ではない。自宅かどうかで分ける文言は第3条に無い
  • 発電設備:太陽電池は10kW未満が一般用、10kW以上50kW未満の小規模発電設備が小規模事業用で、どちらも第二種の範囲。出力の合計と設置の条件が付く
  • 仕事として請ける:電気工事業法の登録(有効期間5年)。主任電気工事士は第二種なら免状交付後3年以上の実務
  • 第一種への道と試験:第一種試験の合格と3年以上の従事。令和8年度上期の合格率は学科62.2%・技能73.4%

以上が第二種電気工事士でできることに関する情報のまとめです。

第二種の範囲は「住宅なら全部」ではなく、区分と作業の2段で決まります。迷ったら、まず相手の設備が一般用電気工作物等か自家用かを確かめ、次にその作業が施行規則第2条の列挙に入るかを1つずつ当てはめる。この順番を持っておけば、コンセントの増設でもエアコンでも太陽光でも、自分の免状で触れるかどうかを自分で判断できるはずだと、僕は考えています。

範囲を広げる道や、資格を活かせる仕事の選び方まで見ておきたい方は、第二種電気工事士の転職と作業範囲の記事へ進んでください。

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