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FTTHとは?仕組み、VDSL・LANの違い、引込工事の流れなど

  • FTTHって結局なに?光回線と同じ意味?
  • どういう仕組みで通信してるの?
  • VDSL方式やLAN方式と何が違うの?
  • ビルやマンションへの光回線の引込工事ってどう進むの?
  • MDF室・IDF室で何をやってる?
  • 工事中に注意すべきポイントは?

上記の様な悩みを解決します。

FTTHは「光ファイバー回線」の代表選手で、戸建住宅から大規模オフィスビルまで、現代のインターネット接続のスタンダードになっています。電気工事の現場では「光ケーブルを引っ張ってくる」「引込盤を設置する」といった工事を実際に担当することが多く、仕組みと配線方式を押さえておくと現場の段取りが格段に良くなります。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

FTTHとは?

FTTHとは、結論「Fiber To The Home(家まで光ファイバーを引き込むこと)の略で、加入者の建物まで光ファイバーで通信回線を届ける方式のこと」です。

英語の頭文字を取ったもので、「エフティーティーエイチ」あるいは略して「光回線」と呼ばれます。文字通り「Home(家)までFiber(光ファイバー)」を直接引き込む方式で、これに対してオフィスビルまでの中継のみ光化するFTTB(Fiber To The Building)、街路の電柱まで光化するFTTC(Fiber To The Curb)といった分類もあります。

FTTHが普及する前は、電話回線(メタル線)を使ったADSLが主流でした。ADSLは速度が距離に大きく依存し、最大でも下り50Mbps程度。一方FTTHはほぼ距離に依存せず、最大10Gbpsクラスのサービスも出てきており、性能差は文字通り桁違いです。

FTTHが選ばれる主な理由
– 高速・大容量(一般的な家庭向けで1Gbps〜10Gbps)
– 距離による減衰が極めて小さい
– 電磁ノイズに強い(光なので電気的な影響を受けない)
– 同時接続のリモートワーク・動画ストリーミングに耐える

2026年4月時点では、ADSLサービスはほぼ全廃済み。新築マンション・新築戸建ては最初からFTTH前提で建てるのが標準仕様になっています。

FTTHの仕組み

FTTHの通信の流れを、上流から建物まで順番に整理します。

場所 機器
通信事業者の局舎 OLT(光回線終端装置の親機)
街路 電柱 → 光配線盤 → 光成端箱
建物入口(MDF室) 光成端箱・光スプリッタ
各住戸/フロア ONU(光回線終端装置)/ホームゲートウェイ

通信の流れ(家庭/オフィスへの下り方向)
事業者の局舎 → 中継光ケーブル → 街路の光配線 → 建物のMDF → 各住戸のONU → ルーター → PC/スマホ

FTTHでは多くの場合、PON方式(Passive Optical Network)が使われます。PONは1本の光ファイバーをスプリッタ(光分岐器)で複数の宅内に分配する仕組みで、局舎側の機器1台で多数の加入者をカバーできるのが特徴。建物のMDF室にスプリッタが置かれ、そこから各住戸に光ケーブルが分配されます。

主な物理規格
– GE-PON: 下り上り1Gbps級。日本のNTT東西で広く使われる規格
– 10G-EPON: 下り10Gbps級。10ギガ対応サービスの基盤
– XGS-PON: 上下対称10Gbps級。法人向け・データセンター向け

これらは光信号レベルの規格で、エンドユーザー側はONUの種類で区別します。

FTTH・VDSL方式・LAN方式の違い

特にマンション・集合住宅では、建物内の最終配線に3つの方式があります。それぞれ特徴がはっきり違うので、ビルの仕様で迷ったときの判断材料に。

方式 各住戸への配線 速度 既設利用 工事の難易度
光配線方式(FTTH) 光ファイバー 高速(1G〜10G) 既設電話線は使えない
VDSL方式 既設の電話線(メタル) 中速(最大100Mbps前後) 既設電話線を使える
LAN方式 LANケーブル(Cat5e/6) 中〜高速(最大1Gbps) 既設LAN配線を使える

FTTH(光配線方式)
建物入口から各住戸まで光ファイバーで直結。最大1〜10Gbpsの速度が実現できる。新築物件や、リフォーム時に光配線を新規引込できる物件で標準化。

VDSL方式
建物入口は光、各住戸は既設の電話線(メタル)を使う方式。既設のメタル線を活用するので、古い建物でも導入しやすい一方、距離による減衰があり最大100Mbps前後にとどまる。古いマンションでは今でもこの方式が現役。

LAN方式
建物入口は光、各住戸へは LANケーブルで配線する方式。既設のLAN配線が綺麗に引かれていれば1Gbps級が出る。中規模オフィスビルで採用されるケースが多い。

施主から「光回線にしたい」とリクエストされたとき、建物の既設配線がメタルかLANかで採用方式が決まります。新築は光配線方式、改修は既設配線次第、というのが基本ルール。

FTTHの建物への引込工事

ビル・マンションの新築・改修工事で発生するFTTH引込のフローを順番に整理します。

ステップ1: 通信事業者との事前協議
NTT東日本/西日本やKDDI、楽天モバイルといった通信事業者と、引込ルート・引込容量・MDF設置位置を協議。電気の引込盤と並べて設計するケースが多いです。

ステップ2: 街路から建物までの引込ルート決定
電柱から建物外壁まで光ケーブルを架空または地中で引込ます。地中引込の場合は外構工事の一部として、PE管やFEP管を埋設配管します。

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ステップ3: MDF室での成端工事
建物の引込口から最寄りのMDF室(Main Distribution Frame、主配線盤室)まで光ケーブルを引き込み、光成端箱で終端します。MDF室は建物内の最初の通信機器集約ポイントで、ここから各フロアのIDF室や各住戸へ光ファイバーを分岐させます。

ステップ4: PS(パイプスペース)経由で各階へ配管・配線
共用パイプスペース(PS)には、電気・通信・給排水の各種配管・配線が集まります。光ファイバーは通信用の独立配管(PF管・CD管・E管・PE管など)に通すのが基本。

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ステップ5: 各住戸への配線・ONU設置
各住戸まで光ファイバーを引き込み、住戸内の引込盤(マルチメディアコンセント)で成端。ONUを接続して通信が開通する流れです。

ステップ6: 開通試験・成績書作成
光ファイバーの接続損失反射減衰量を測定器(OTDR、パワーメーター等)で測定し、規定値内であることを確認。各住戸の開通試験まで実施して、引渡し書類として成績書を作成します。

FTTH工事の注意点

施工管理で押さえておきたい注意点をまとめます。

光ファイバーの曲げ半径
光ファイバーは曲げ半径が小さすぎると損失が急増したり、最悪折れます。許容曲げ半径は光ファイバーの種類や規格によって変わりますが、SI(ステップインデックス)・GI(グレーデッドインデックス)規格の標準値(一般に外径の10倍以上)を守ることが必要。配管の曲げ角度・支持間隔の設計時から意識します。

接続損失の管理
光ファイバーの接続部分(融着接続またはコネクタ接続)では損失が発生します。融着接続なら0.1dB/箇所、コネクタ接続なら0.3dB/箇所程度が目安。接続箇所が増えるほど信号が減衰するので、設計段階で接続箇所を最小化するルート設計が重要。

MDF室の環境
MDF室は通信機器が集中する場所で、温度・湿度管理が要求されます。空調・換気を確保し、結露しない環境を維持。ホコリも光コネクタ汚染の原因になるので、清掃と立入制限のルール化が運用の鉄則です。

防火区画貫通処理
光ケーブルが防火区画を貫通する場合は、防火区画貫通処理が法定義務。フィブロックなどの認定材料で確実に処理しないと、消防検査で指摘されます。施工管理として写真記録を残しておくのが標準業務。

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ケーブルラック・配管の容量計画
FTTH工事で意外と忘れがちなのが、共用部のケーブルラックの占有率。電気・通信・防災の各種ケーブルが集まる場所では、占有率が80%を超えると追加配線時の引込ができなくなります。設計段階で40〜50%程度の占有率に抑えておくのが、後の改修・増設に強い設計です。

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複数事業者への対応
集合住宅では「複数の通信事業者から光回線を引き込めるようにする」のが今や標準。建物全体を一社専用にしてしまうと、住民の事業者選択肢が狭まり、賃貸需要にも響きます。MDF室の容量も複数事業者用にあらかじめ設計するのがセオリーです。

FTTHに関する情報まとめ

  • FTTHとは: Fiber To The Home。建物まで光ファイバーを引き込む通信方式
  • 仕組み: 局舎 → PON分岐 → MDF成端 → 各住戸ONU の流れ。GE-PON・10G-EPON等の物理規格
  • VDSL/LANとの違い: 光配線方式(FTTH)が新築標準、VDSLは既設メタル活用、LAN方式は既設LAN活用
  • 建物への引込工事: 事業者協議 → 引込ルート → MDF成端 → PS配線 → 各住戸 → 開通試験
  • 注意点: 曲げ半径、接続損失、MDF室環境、防火区画貫通、ケーブルラック容量、複数事業者対応

以上がFTTHに関する情報のまとめです。

FTTHは現代のインターネット接続のスタンダードで、電気工事の現場でも引込工事・MDF成端・防火区画処理など、施工管理として押さえるべきポイントが多くあります。光ファイバーの曲げ半径や接続損失、MDF室の運用といった通信特有のポイントを、電気・通信・防災と横断的に押さえておくと、ビル建設・改修案件で迷わず動けるようになります。

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