グレアとは?種類、UGR、対策、JIS基準、計算方法など

  • グレアってなに?
  • 直接グレアと反射グレアの違いは?
  • UGRってどう読むの?数値の目安は?
  • LEDに変えたら眩しくなったのは何で?
  • 法規で決まってる数値はある?
  • 対策って何ができる?

上記の様な悩みを解決します。

グレアは照明設計の中でも「快適性に直結する指標」で、近年LED化が進んだことでクレーム件数が一段と増えています。施工管理でも、天井のLED化やオフィス改修の場面で必ず話題に上るので、用語と数値の目安は押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

グレアとは?

グレアとは、結論「視野内に強い輝度の光源があることで起きる、不快感や視認性の低下」のことです。

身近な例だと、夜道で対向車のヘッドライトが眩しくて路面が見えにくくなる現象や、オフィスで天井のLED器具が直接視界に入って画面が見づらくなる現象など。これらは全てグレアです。

英語の「glare」は「ぎらつく」「眩しさ」の意味で、JIS Z 8113(照明用語)でも正式な技術用語として定義されています。「眩しい」と「グレア」は日常会話的にはほぼ同義ですが、設計の場面では「グレア」と呼ぶことで「数値で評価できる眩しさ」というニュアンスが付加されます。

電気施工管理の現場でも、LED化の改修工事をした直後に「以前より眩しい」「天井を見ると残像が残る」というクレームが入ることがあります。光束が同じでも輝度が高くなるとグレアは強くなる。これがLED化で必ず議論になるポイントです。

グレアの種類

グレアはいくつかの観点で分類されます。覚えておきたいのは2軸です。

影響の現れ方による分類

種類 内容
不快グレア(discomfort glare) 眩しさによる不快感、疲労、集中力低下 オフィスの天井照明、店舗のスポット
減能グレア(disability glare) 視認性そのものが落ちて見えにくくなる 対向車のヘッドライト、太陽の直射

不快グレアは「気分の問題」、減能グレアは「物理的に見えなくなる」というイメージです。設計実務で問題になるのは圧倒的に不快グレアの方です。

光源との位置関係による分類

種類 内容
直接グレア 光源が直接視野に入って眩しい
反射グレア デスク・床・モニターなどで反射した光が眩しい

オフィス設計では「画面反射グレア」が特に問題になります。VDT作業(PC作業)の規定でモニター反射のチェックが必須になるのもこのためです。

UGR(屋内統一グレア評価値)

不快グレアを定量評価する標準指標が UGR(Unified Glare Rating)です。CIE(国際照明委員会)が定めたもので、日本でも JIS Z 9110(照明基準総則)で採用されています。

UGRの考え方
– 視野内の光源の輝度・面積、視線方向との角度、背景輝度から計算
– 数値が大きいほど不快グレアが強い
– 一般に16〜28くらいの範囲で評価

UGRの目安

UGR 印象 用途例
13以下 全く気にならない 製図室・精密検査
16以下 気にならない 教室・診療室・読書室
19以下 気になりにくい オフィス・会議室
22以下 やや気になる ロビー・廊下
25以下 気になる 倉庫・通路
28以下 強く気になる 屋外作業区域

照明計算ソフト(DIALux、AGi32、ライティングシミュレータなど)では、室の寸法と器具配置を入れれば自動でUGRを出してくれます。手計算は煩雑なので、設計実務ではほぼソフト任せです。

照度との混同に注意。照度(lx)は「面に当たる光の量」、UGRは「視野内の眩しさ」で別の指標です。照度の基礎は以下の記事も参考になります。

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グレア対策の進め方

グレアを減らす方向は大きく3つに分かれます。

1. 光源側を工夫する
– ルーバー・拡散カバー・遮光板の付いた器具を選ぶ
– 直管ではなく面発光(LEDパネル)にする
– 輝度の低い面光源を選ぶ
– 配光がカットオフされた器具(VDT対応など)を選定

2. 配置を工夫する
– 視線方向に対して光源を直接視野に入れない配置にする
– VDT作業ではモニター画面の上部に光源が来ないように
– 高天井ではタスク・アンビエント方式(手元と全般を分ける)

3. 環境側を工夫する
– 壁・天井を明るい色にして背景輝度を上げる(コントラスト緩和)
– ブラインドや内付けガラスで自然光のグレアを制御
– モニターには反射防止フィルムを貼る

LED化で「眩しい」というクレームが起きる典型パターンは、

  • 旧器具:蛍光灯のカバー付きで面が均一に光っていた
  • 新器具:LEDの直管型に置換しただけで、ランプの素子が直接見える
  • 結果:輝度が局所的に高くなり、UGRが悪化

このとき有効なのが「拡散カバー付きの面発光タイプ」への変更や、ルーバーの追加です。器具コストは上がりますが、クレームが収まらないと結局やり直しになります。

グレアに関する法規・基準

施工管理者としては「設計時にどの基準を参照すれば足りるか」を押さえておきます。

JIS Z 9110(照明基準総則)
– 用途別の推奨照度・推奨UGRが規定
– オフィス:照度500lx以上、UGR19以下、平均演色評価数Ra80以上
– 学校・病院・工場・店舗・住宅まで網羅

JIS Z 9125(屋内作業場の照明基準)
– 工場や倉庫など作業場の数値基準

労働安全衛生規則 第604条
– 一般作業:150lx以上、精密作業:300lx以上(最低限)
– グレアの直接的な数値規定はないが、間接的に「眩しさを感じない」ことが求められる

事務所衛生基準規則 第10条
– 事務作業の照度・グレア・採光について規定
– 2022年改正で照度基準が見直されている

VDT作業(PC作業)では「モニター画面と背景の輝度比を1:3〜1:10程度に収める」のが望ましい、という細かい指針も厚労省ガイドラインに出ています。眩しさ評価は「数値で機械的に判定」というよりも「実測と利用者の主観の双方で確認する」のが実態です。

演色性(Ra)の話は照明設計とセットで押さえておきたいので、別記事も合わせて読むと配光・演色・グレアの3点セットで設計の引き出しが増えます。

https://seko-kanri.com/ensyokusei/
https://seko-kanri.com/iro-ondo/

グレアを扱うときの注意点

設計・施工で陥りやすいポイントを整理しておきます。

「LEDだから眩しい」のではなく「輝度分布が変わる」のが本質
– 光束が同じでも、発光面が小さいと輝度(cd/m²)が上がる
– 拡散カバーのない素子直視タイプは、輝度が一気に高くなる

ロールスクリーン・ブラインドの選定で外光対策を忘れない
– 自然光のグレアは数値より体感の方が強い
– 西日対策はガラス側(Low-Eガラスや遮蔽部材)と内装側の両方で

VDT作業では「机上面照度を上げすぎない」
– 環境照度を上げすぎるとモニターの画面コントラストが下がる
– 「机上面500lx/画面位置300lx」程度が一つの目安

照度の改善=グレアの改善ではない
– 照度を上げるために台数を増やすと、UGRが悪化することが多い
– グレアを抑えながら照度を確保する=器具の輝度を下げて台数を増やす方向

改修工事の際は「現状の輝度・UGR」を測定してから提案する
– 改修後の比較ができないとクレーム対応で泥沼化する
– スマホアプリの照度計はあくまで目安、本番は校正された照度計で

照度計の使い方については以下の記事でも触れています。

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グレアに関する情報まとめ

  • グレアとは:視野内の強い輝度光源による不快感や視認性低下
  • 種類:不快グレア/減能グレア、直接グレア/反射グレア
  • UGR:屋内統一グレア評価値。オフィス19以下・教室16以下・通路25以下が目安
  • 対策:光源側(ルーバー・拡散カバー)、配置、環境(壁色・ブラインド)の3方向
  • 法規:JIS Z 9110、JIS Z 9125、労働安全衛生規則、事務所衛生基準規則
  • LED化で輝度分布が変わるとクレームになりやすい
  • 照度を上げる=グレア改善ではない。器具の輝度低減と台数増のバランス

以上がグレアに関する情報のまとめです。

「眩しい」というクレームは主観的に聞こえますが、UGRや輝度測定で数値化できる議論なので、改修工事では事前に基準値の合意を取ってから進めると揉めません。照明計画は照度・演色・色温度・グレアの4点セットで考えるのが基本です。

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