- VVFケーブルとは?
- VVRとの違いって?
- 屋外でも使えるの?
- 太さはどんな種類があるの?
- 許容電流は?
- 価格は?
上記のような悩みを解決します。
電気屋でVVFケーブルに触れたことのない人なんかいません。VVFケーブルに触れたことがないなら、電気屋じゃないと言われても文句は言えません。ですが安心してください。
この記事ではVVFケーブルに関する情報を、腰が砕けるくらい分かり安く解説します。
VVFケーブル単体だけでなく、電気設備の全体像からも解説していくので、それなりに実りのある記事になるかなと思います。
VVFケーブルとは?
VVFケーブルとは、簡単に言えば「屋内配線用のビニルシースケーブル」です。
建物の電気設備は「電柱→受変電設備→各配電盤→負荷(照明器具とかコンセントとか)」という流れで供給されます。
流れる電流の大きさが大きければ大きいほど、ケーブルが太くなるのはイメージできると思います。逆に電流が小さければ小さいほど、ケーブルは細くなりますよね。
VVFケーブルは小さな電流を流すのに採用されるケーブルです。
太さは「1.6mm、2.0mm、2.6mm」の3種類があり、このどれかが採用されます。CVケーブルなんかは325mmとかあるので、その細さは理解できると思います。
現場を経験した人間から言わせていただくと、2.6mmはあまり使われないかなという印象です。1.6mmもしくは2.0mmが採用されることが多くなります。
VVFケーブルの「VVF」は下記のような意味合いです。
VVFの意味
- Vinyl:ビニール
- insulated:絶縁された
- Vinyl:ビニール
- sheathed:シース(さや、皮)
- Flat-type:平ったいタイプの
- cable:ケーブル
照明器具の簡単にまとめると「ビニール製で、シースがある、絶縁された、平ったいケーブル」といった意味合いになりますね。
ビニール製ですので加工性に優れ、電線をシースで保護し、絶縁で安全性を確保した、平ったいケーブルです。
VVFケーブルとVVRケーブルの違い
VVFケーブルとVVRケーブルの違いは、結論「剥きやすさ」です。
そもそも「VVRケーブルってなんやねん」ってところですが、簡単に言えばVVFケーブルの丸いバージョンがVVRケーブルです。中身や素材は変わりません。
ただ平たいケーブルと丸っこいケーブル、どちらが剥きやすいかといえば、平たい方が剥きやすいんです。だからVVRよりもVVFが採用されることが多いです。
VVRの意味
- Vinyl:ビニール
- insulated:絶縁された
- Vinyl:ビニール
- sheathed:シース(さや、皮)
- Round-type:丸っこいタイプの
- cable:ケーブル
幹線設備に採用されることの多かった電線です。
先ほど解説した電気設備の流れで行くなら「受変電設備→配電盤」の部分を担うのが幹線設備であり、VVRケーブルが採用されていたルートです。
ただCVケーブルが開発されてからは、VVRケーブルが幹線設備に採用されることはなくなり、VVRケーブルの需要は薄れていきます。
実際、VVRケーブルを使用している現場はほとんどありません。
使うとしたら電気工事士の試験くらいで、現場で使用されるのはCVケーブルもしくはVVFケーブルになります。
VVFケーブルの利用用途
VVFケーブルの利用用途
- 照明器具の配線
- コンセントの配線
- エアコンの配線
- 屋内配線全般
VVFケーブルには上記のような利用用途があります。
繰り返しになりますが「配電盤→各負荷」の部分で利用されるのがVVFケーブルですので、上記のような具体例が出てくるんです。
各設備によって、採用される電線は変わります。
FPケーブルの「FP」は「Fire Protection」であり、耐火性を持ったケーブルです。火災が発生した時に火災でケーブルに不具合が発生し、防災設備に電源供給できなくなることを防ぐ必要がありますからね。
AEケーブルは非常放送設備、CVケーブルは幹線。。。といった格好で、その設備の特性とケーブルの特性によって採用されるケーブルが決まります。
VVFケーブルは特性を持たないノーマルタイプといったイメージです。
コンセントだったり照明設備だったりと、特別な特性が必要ない場合に採用されることが多くなります。
VVFケーブルは屋外じゃ使えない?
結論からいうと、VVFケーブルは「配管なら屋外でも使用可能」です。
VVFケーブルは耐候性が弱いという特徴を持ちます。紫外線に晒されると被覆が劣化し、ケーブルとしての役割が機能しなくなってしまいます。
屋外の照明やコンセントを施工する場合は、基本、別のケーブルが採用されます。
VVFケーブルが屋外で採用されないのは「紫外線に晒されると劣化するから」ですので、紫外線に晒されなければ問題ないということです。
つまり、露出配管ではなく、オール配管なら問題ありません。
要は配管の中にVVFケーブルが入り、露出しなければケーブルとしての役割を果たすことができます。
また、実際にどれくらいの割合で採用されるかというと、そこそこ採用されているんですよ。僕がいた現場でも屋外かつ配管でVVFケーブルが採用されていました。
「理論上可能」というだけでなく、「本当に現場でも採用されている」ということを覚えましょう。
VVFケーブルの太さと許容電流
1.6mm | 2mm | 2.6mm | |
2心 | 18A | 23A | 32A |
3心 | 15A | 20A | 27A |
4心 | 15A | 20A |
VVFケーブルの価格
VVFケーブルは太さや長さによって変化します。実例を見てみましょう。
ちなみに、普通にホームセンターやAmazon、モノタロウなどで購入することが可能です。購入できる長さは「10m、20m、100m」が多いです。
DIYで使用するなら100mも必要ありませんから10mか20m程度でして、実際に施工するとなると100mくらいは平気で必要になりますからね。このバリエーションは納得です。
VVFケーブルを使用するタイミングなんて無限にありますから、多めに買っておいて残してしまってもいいと思いますよ。
1.6mm×2心→20mで2417円
1.6mm×3心→1mあたり353円
2.0mm×2心→100mで11200円
2.0mm×3心→100mで16800円
VVFケーブルに関する情報まとめ
VVFケーブルに関する情報のまとめ
- VVFケーブルとは:屋内配線用のビニルシースケーブル
- VVFとVVRとの違い:剥きやすさ
- 屋外でも使用可能か?:配管なら可能
- VVFケーブルの太さと許容電流:上表参照
- VVFケーブルの価格:上章参照
上記がVVFケーブルに関する情報のまとめです。
一通りVVFケーブルの基礎知識は理解できたと思います。
電気屋としてレベルを高めるなら、許容電流についても学んでおくとベターです。ケーブルサイズ選定にも関わってきますし、知識として押さえておきましょう。