- 設備設計一級建築士ってどれくらい難しいの?
- 修了率は何%なの?
- 構造設計一級建築士と同じ仕組み?
- 一級建築士よりさらに上の資格?
- 建築設備士を持ってると有利って本当?
- なんで区分で修了率が全然違うの?
- 修了考査の科目は何がある?
- 取るまでに何年かかる?
上記の様な悩みを解決します。
設備設計一級建築士は、一級建築士のさらに上に位置づけられる資格で、設備分野の最上位資格です。構造設計一級建築士と同じく「講習+修了考査」という仕組みで、しかも申込区分によって修了率がまったく変わるのが大きな特徴です。特に「建築設備士を持っているかどうか」で難易度の体感が大きく変わります。今回は区分別の修了率・建築設備士との関係・修了考査の科目・取得までの年数を押さえた上で、現役の施工管理目線で「設備施工の現場とどう関わるか」まで整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
設備設計一級建築士の難易度は?
設備設計一級建築士の難易度は、結論「一級建築士を取った設備の実務者向けの関門で、ルート次第で難しさが大きく変わる資格」です。
この資格を受けられるのは、一級建築士を取得し、その後に設備設計の実務を5年以上積んだ人だけです。つまりスタート地点ですでに一級建築士。そのうえで講習を受け、修了考査に合格する必要があります。
難易度がひとことで語りにくいのは、後で詳しく触れる「申込区分」によって修了率が30%台から90%近くまで大きく開くからです。全科目を受ける区分は難関ですが、建築設備士を持っている区分だと一気に取りやすくなります。だから「設備設計一級建築士は難関」という説明も「意外と修了率が高い」という説明も、どちらも部分的には正しい、という少しややこしい資格です。
同じ講習制度の姉妹資格である構造設計一級建築士と比べると、設備側は「建築設備士という近道ルートがある」ぶん、戦略の立て方に幅があります。構造側の難易度と比べてみると立ち位置がわかりやすいです。

僕の感覚だと、設備設計一級建築士は「純粋な試験の難しさ」よりも「どのルートで挑むか」を先に決めることが攻略の鍵になる資格だと思います。
設備設計一級建築士の修了率
設備設計一級建築士の難易度を数字で見ると、結論「全科目を受ける区分は30〜46%程度、建築設備士の区分だと80%超」と、区分でまるで別物になります。建築技術教育普及センターが毎年、区分別の修了率を公表しています。
ある年度の申込区分別の修了率を並べると、次のようになります。
| 申込区分 | 内容 | 修了率の例 |
|---|---|---|
| 区分Ⅰ | 全科目受講 | 46.2% |
| 区分Ⅱ | 法適合確認のみ受講 | 90.9% |
| 区分Ⅲ | 設備設計のみ受講 | 75.0% |
| 区分Ⅳ | 建築設備士(大幅免除) | 87.6% |
この表を見ると、同じ資格なのに区分によって修了率が2倍近く違うのが分かります。全科目を一から受ける区分Ⅰがもっとも厳しく、年によっては30%台まで下がります。一方、建築設備士を持つ区分Ⅳや、片方の科目が免除される区分は、修了率が高くなります。
数字にばらつきがあるのは、受講者の顔ぶれと年ごとの考査の難易度によるものです。設備設計一級建築士の難易度を調べるときは、「どの区分の修了率を見ているか」を意識しないと、印象が大きくブレます。
建築設備士を持っていると有利|区分Ⅳという近道
設備設計一級建築士を目指すうえで一番知っておくべきなのが、結論「建築設備士を持っていると、区分Ⅳで大幅に免除を受けられて格段に取りやすくなる」ことです。
さっきの表でも、建築設備士の区分Ⅳは修了率87.6%と、全科目区分の倍近くありました。これは労力・費用・受かりやすさのすべてで、建築設備士ルートが圧倒的に有利だということを示しています。
- 建築設備士なし(区分Ⅰ):全科目を受講。もっとも負担が大きく修了率も低い
- 建築設備士あり(区分Ⅳ):受講科目・考査が大幅に免除され、修了率が高い
つまり設備設計一級建築士を本気で狙うなら、先に建築設備士を取っておくのが定石です。遠回りに見えて、結果的に一番確実で楽なルートになります。建築設備士がどんな資格かを先に押さえておくと、この戦略の意味がよく分かります。

個人的には、設備設計一級建築士は「いきなり全科目で挑む資格」ではなく「一級建築士と建築設備士をそろえてから、区分Ⅳで仕上げる資格」と捉えるのが現実的だと思います。ここを知らずに区分Ⅰで挑むと、必要以上に難しい戦いになります。
設備設計一級建築士の修了考査|2科目の中身
修了考査は、結論「設備設計に関する科目」と「法適合確認に関する科目」の2つで構成されます。この2科目という構造が、区分ごとの免除と修了率の差を生んでいます。
- 設備設計に関する科目:設備設計の実務的な能力を問う(設計製図を含む)
- 法適合確認に関する科目:設備関係規定への適合を確認する能力を問う
設備設計一級建築士には、一定規模以上の建築物について、設備設計が法に適合しているかを確認する独占的な役割があります。この法適合確認は設備設計一級建築士だけが担える業務で、修了考査でもしっかり問われます。
区分ごとの免除は、この2科目のどちらを受けるかで分かれます。
- 区分Ⅰ:両科目とも受講(免除なし)
- 区分Ⅱ:法適合確認のみ受講(設備設計が免除)
- 区分Ⅲ:設備設計のみ受講(法適合確認が免除)
- 区分Ⅳ:建築設備士として大幅に免除
自分がどの区分になるかは、保有資格や過去の科目合格の状況で決まります。実務だと、この区分の見極めを最初にやっておくことが、勉強計画を立てる第一歩になります。
設備設計一級建築士になるまでの年数とルート
設備設計一級建築士を目指すとき気になるのが年数ですが、結論「一級建築士取得後、設備設計の実務5年以上が必要で、最短でも大学卒から7年前後」が目安です。
取得までの流れを段階で並べると次のようになります。
- 大学(指定科目)を卒業する
- 一級建築士試験に合格する
- 一級建築士として設備設計の実務を5年以上積む
- (推奨)建築設備士を取得しておく
- 講習を受講し、修了考査に合格する
一級建築士になるだけでも難関で、そこから設備設計の実務を5年重ねる必要があります。建築設備士を並行して取っておけば、最後の講習を区分Ⅳの有利な条件で受けられます。設備の道に進む人にとっては、一級建築士と建築設備士をそろえるところまでが実質的な下準備です。
前提となる一級建築士のハードルを先に知りたい人は、こちらも参考にしてください。

僕としては、設備設計一級建築士は「一直線に狙う」より「一級建築士と建築設備士を積み上げた延長線上に、自然と手が届く到達点」と考えるのが現実的だと感じます。
設備施工管理から見た設備設計一級建築士|現場での関わり
設備施工管理をしていると「設備設計一級建築士って自分に関係あるの?」と思うかもしれませんが、結論「大きめの建物では必ずこの資格者が設備設計に関与している」ので無関係ではありません。
一定規模以上の建築物は、設備設計一級建築士による設備設計または法適合確認が法律で義務づけられています。つまり、規模の大きい現場を担当すれば、空調・給排水・電気などの設備設計図書のどこかに設備設計一級建築士が関わっているわけです。
- 大規模建築物の設備設計図・計算書には設備設計一級建築士の関与が必要
- 設備施工管理としては、その設計意図を理解して施工に落とす立場になる
- 納まりや容量で疑問が出たとき、設備設計者とやり取りする場面がある
現場感覚で言うと、設備屋・サブコンで設備施工管理をしている人が、キャリアの武器として建築設備士や設備設計一級建築士を意識するのは自然な流れです。設備設計者が何を根拠に図面を描いているかを理解しておくと、施工段階の判断や是正のやり取りがスムーズになります。構造側の構造設計一級建築士とセットで押さえておくと、大規模建築の設計体制の全体像もつかめるようになります。
設備設計一級建築士の難易度に関する情報まとめ
- 難易度:一級建築士+設備設計実務5年以上が前提の上位資格。ルート次第で体感が変わる
- 修了率:全科目区分は30〜46%程度、建築設備士の区分は80%超と区分で大きく差がつく
- 建築設備士が近道:先に取っておくと区分Ⅳで大幅免除。労力・費用・受かりやすさで有利
- 修了考査:設備設計と法適合確認の2科目。区分で受講科目が変わる
- 取得までの年数:一級建築士取得後、設備設計実務5年以上。最短でも大学卒から7年前後
- 現場との関わり:一定規模以上の建物では設備設計一級建築士の関与が必須
以上が設備設計一級建築士の難易度に関する情報のまとめです。
一通り難易度の基礎知識は理解できたと思います。設備設計一級建築士は、区分によって難しさが大きく変わる資格なので、「全科目で真正面から挑む」のではなく「一級建築士と建築設備士をそろえて、有利な区分で仕上げる」というルート設計が攻略の要になります。設備の道に本気で進むなら、まず一級建築士と建築設備士を着実に取るところから始めるのが近道です。受験資格の細かい条件は、あわせてこちらで確認してください。

