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鉄骨の種類とは?H鋼、Iビーム、C型鋼、Lアングル、規格の違いなど

  • 鉄骨ってどんな種類があるの?
  • H鋼とI形鋼って違うの?
  • C型鋼やLアングルはどこに使う?
  • 角パイプや円形鋼管は?
  • 材料規格(SS400とかSM490)って?
  • 部位ごとに何を選ぶ?

上記の様な悩みを解決します。

「鉄骨の種類」は施工管理を始めたばかりの人が最初に頭が混乱する話で、形状の名前(H鋼・I形鋼・C型鋼・L形鋼・角パイプ・縞鋼板)と、用途による呼び方(柱・梁・ブレース・小梁・母屋)が混ざるからこそ難しい。「形で分類するか、使う場所で分類するか」を分けて理解すれば一気にスッキリします。さらに材料規格(SS400・SM490・STKR400 等)が組み合わさると名前が長くなりますが、「どの形・どの規格・どの場所」の三つの軸で読めるようになると、構造図・伏図・鉄骨図のすべてが立体的に見えてきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

鉄骨とは(分類の入口)

鉄骨とは、結論「建物の骨組みに使う鋼材の総称」のことです。

英語では steel frame(スチールフレーム)。建築業界では「鉄骨造(S造)」として、RC造・木造と並ぶ主要な構造方式の一つ。

鉄骨の主な特徴

  • 鋼(SS材・SM材等)を素材とする
  • 工場で製作 → 現場で組立(プレファブ的)
  • 強度が高く、軽い建物が建てられる
  • 火災に弱いので耐火被覆が必要
  • リサイクル性が高い

鉄骨の3つの分類軸

鉄骨の種類を頭に入れるには、以下の3軸で整理すると分かりやすい。

分類軸
①形状 H鋼、I形鋼、C型鋼、L形鋼、角形鋼管、円形鋼管、縞鋼板
②部位(用途) 柱、梁、ブレース、小梁、母屋、胴縁
③材料規格 SS400、SM490、STKR400、STK400、SN400

→ 構造図に「H-400×200 SM490 大梁」と書かれていたら、それぞれ:
– 形状:H鋼
– 寸法:400×200mm
– 規格:SM490
– 部位:大梁

→ 4つの情報を読み解くこと。

S造はこちらの記事も参考にしてください。

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形状による鉄骨の種類

鉄骨を「形」で分類したときの代表種類を整理します。

①H鋼(H形鋼)

項目 内容
形状 アルファベットの H の断面
構成 フランジ(上下水平板)+ ウェブ(中央縦板)
主な用途 大梁、柱、トラス材
強み 曲げ抵抗が大きい(断面二次モーメント大)
規格 JIS G 3192(熱間圧延形鋼)

「曲げモーメント Mが大きい部材の主役」。建築構造の最頻出鋼材。

H鋼の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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②I形鋼(Iビーム)

項目 内容
形状 アルファベットの I の断面
構成 フランジ + ウェブ(H鋼と似るがフランジが先細り)
主な用途 古い構造物、機械の梁
強み 軽量で曲げに強い
規格 JIS G 3192

→ 現代建築ではH鋼にほぼ置き換わっている。古い建物の改修や工場の天井クレーン桁などで残存。

Iビームの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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③C型鋼(Cチャンネル)

項目 内容
形状 アルファベットの C の断面
構成 フランジ + ウェブ(片側だけ閉じた形)
主な用途 母屋、胴縁、軽量骨組、屋根下地
強み 軽くて加工しやすい
規格 JIS G 3350(冷間成形軽量形鋼)

軽量骨組や下地材の主役。母屋・胴縁の代表選手。

Cチャンネルの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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④L形鋼(Lアングル)

項目 内容
形状 アルファベットの L の断面
構成 90°に折れた2枚の板
主な用途 ブレース、母屋、補強材、繋ぎ材
強み 角部材として様々な接合に使える
規格 JIS G 3192

→ 「繋ぐ・補強する」に強い形状。トラスのブレース材としても標準。

Lアングルの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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⑤角形鋼管(角パイプ・SQ材)

項目 内容
形状 四角い中空断面
構成 4辺の閉じた管
主な用途 柱、ブレース、トラス材
強み 軸力に強く、ねじり剛性も大きい
規格 JIS G 3466(STKR400)

「ねじりに強い」ので、開放型の建物の柱に向く。BCP・BCRなどの建築向け規格もある。

⑥円形鋼管(丸パイプ)

項目 内容
形状 円の中空断面
構成 円筒の管
主な用途 柱、トラス材、ブレース、足場
強み あらゆる方向に強い、座屈しにくい
規格 JIS G 3444(STK400)

→ 美観性も高く、屋根トラスや展示館の柱などに活躍。

⑦縞鋼板(チェッカープレート)

項目 内容
形状 表面に滑り止めの突起がある板
主な用途 床版、点検通路、階段
強み 滑らない、踏み抜き防止

→ 床材・通路板の用途で活躍。

縞鋼板の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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⑧主要形状の比較表

形状 主用途 強い方向 特徴
H鋼 梁、柱 曲げに強い 万能、最頻出
I形鋼 古い梁 曲げに強い H鋼に置換
C型鋼 母屋、胴縁 中弱、軽量 加工性重視
L形鋼 ブレース、補強 軸力に強い 繋ぎ役
角形鋼管 全方向、ねじり 美観良
円形鋼管 柱、トラス 全方向、座屈 デザイン性
縞鋼板 床、通路 せん断 滑り止め

「形状=役割」として大まかに整理できる。

部位別の鉄骨の使い分け

形状別の整理に加えて、「建物のどこに使うか(部位)」で見るとより実用的。

①柱

役割:鉛直軸力(自重・積載・地震時)を支える。

採用される形状 採用理由
H鋼(主要構造) 圧縮+曲げに強い
角形鋼管 全方向均等、ねじりに強い
円形鋼管 座屈に強い
BCR・BCP柱 建築構造専用規格

→ 中・大規模の鉄骨造の主流は 角形鋼管(BCR・BCP)

②大梁

役割:柱と柱を結び、床荷重を柱に伝える主要梁。

採用される形状 採用理由
H鋼(SS400, SM490) 曲げに強い、最頻出
ビルトH鋼(溶接組立H) 大スパン、特殊形状

「大梁=H鋼」で9割。

③小梁

役割:大梁同士を結び、床版を支える補助梁。

採用される形状 採用理由
H鋼(細め) 標準
I形鋼 軽量化したい場合

→ 小梁もH鋼が標準。

④ブレース

役割:水平力(地震・風)を負担する斜め材。

採用される形状 採用理由
L形鋼(2枚抱き合わせ) 軸力に強く、施工性も良い
平鋼板(タイブレース) 軽量
角形鋼管 圧縮にも強い
丸鋼+ターンバックル 引張専用ブレース

→ ブレースは多種多様。「軸力専用」が基本。

ブレースの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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⑤母屋(もや)

役割:屋根材を支える水平方向の梁。

採用される形状 採用理由
C型鋼(リップ付き) 軽量、加工性
H鋼(小梁の代用) 重屋根の場合

→ 母屋=Cチャンが定番。

母屋の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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⑥胴縁(どうぶち)

役割:外壁材を支える水平/縦方向の下地材。

採用される形状 採用理由
C型鋼 母屋と同じ理由
L形鋼 ブラケット併用時

→ 胴縁=Cチャン or Lアングル

胴縁の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

材料規格(SS400 vs SM490 vs STKR等)

形状の次に重要なのが、鋼種(材料規格)

①一般構造用圧延鋼材(SS材)

JIS G 3101規格。代表はSS400

項目 SS400
引張強さ 400〜510 N/mm²
降伏点 235 N/mm²(厚み16mm以下)
用途 一般構造、汎用
特徴 安価、汎用的

最も普及している鋼種。ただし溶接性は中程度なので、重要部位はSM材へ。

②溶接構造用圧延鋼材(SM材)

JIS G 3106規格。代表はSM490

項目 SM490
引張強さ 490〜610 N/mm²
降伏点 325 N/mm²(厚み16mm以下)
用途 溶接が多い構造、橋梁
特徴 溶接性が改善された化学組成

「溶接で組み立てる鉄骨造の主流」。SS400より約40%強い。

③建築構造用圧延鋼材(SN材)

JIS G 3136規格。代表はSN400B、SN490B

項目 SN400B SN490B
引張強さ 400〜510 N/mm² 490〜610 N/mm²
降伏点 235〜335 N/mm² 325〜445 N/mm²
用途 建築専用、塑性変形を活用
特徴 降伏点に上下限値を設定(塑性挙動を保証)

耐震設計で塑性化を期待する部材で活躍。降伏比上限0.8で粘り強さを保証。

④機械構造用炭素鋼鋼管(STKR・STK)

規格 形状 用途
STKR400 角形鋼管 一般構造
STK400 円形鋼管 一般構造
BCR295 角形鋼管 建築構造専用
BCP235 角形鋼管 建築構造専用

BCR・BCPは建築構造専用で、より細かい性能保証。

⑤鋼種選定の判断基準

部位 推奨鋼種
一般小梁・ブレース SS400
大梁・柱(中規模) SS400〜SM490
大梁・柱(中大規模) SM490〜SN490
耐震要素(柱梁接合部) SN490B
角型鋼管柱(中大規模) BCR295
軽量骨組(母屋・胴縁) SS400

建物規模・部位の重要度・耐震要件で選定

施工管理での着眼点

施工管理として、鉄骨種類の整理が現場でどう活きるかを整理します。

①ミルシートの確認

鉄骨の入荷時:

  • 鋼種(SS400 / SM490 / SN490B)が設計通りか
  • 化学成分・機械的性質が規格内か
  • 形状寸法は許容差内か
  • 製造日・ロット番号の記録

→ ミルシート1枚で「形・規格・性能」を一括確認できる。

ミルシートはこちらの記事も参考にしてください。

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②溶接の難易度判断

鋼種ごとに溶接の難易度が違う:

  • SS400:溶接OK、難易度低
  • SM490:溶接性改善、安定
  • SN490B:建築専用、安定
  • 板厚 25mm 超:予熱・パス間温度管理が必要
  • 異種鋼接合:特殊な手順書が必要

→ 鋼種別の溶接条件は施工要領書に記載。「設計通りの鋼種=設計通りの溶接条件」が基本。

③形状による加工の見方

形状 加工のしくじりポイント
H鋼 スカラップ形状、ウェブの開孔位置
C型鋼 フランジの直角度(歪みやすい)
L形鋼 アングル端部の溶接処理
角形鋼管 仕口部のダイヤフラム穴位置
円形鋼管 接合部の切欠き精度

→ 形状ごとに「ここで失敗する」ポイントが決まっている。

④建方時の取付ミスを防ぐ

H鋼を「上下逆」に取り付ける、C型鋼を「逆勝手」で取り付ける、等のミスは現場で起きる。

  • 部材図に「アップ」記号(上向き矢印)を確認
  • ボルト穴位置で勝手の確認
  • 仮締め後、本締め前に最終チェック

「形状の対称性に頼らない」目で見るのが大事。

⑤現場での具体例(独自エピソード)

ある倉庫(S造平屋・40m×60m)の鉄骨建方時、母屋(C-150×65×20×3.2)が「リップが上向き」で取り付けられていた経験があります。

  • 設計図では「リップ下向き」(屋根葺き材を貫通して固定するため)
  • 現場では一部の母屋が逆勝手で施工されていた
  • 屋根葺き工事段階でビス留めができない(下向きのリップに引っかからない)

そこで現場では:
– 該当母屋(約30本)を発注し直し or 反転取付
– 反転取付の場合、ボルト穴を新規開孔(現場でのリーマ加工)
– 工程的に約2日のロス

その時に学んだのは、「Cチャンのリップ向き=施工の勝手が決まる」こと。一見、対称形に見えるC型鋼ですが、実はリップ(返し)の向きで施工順序が決まる、現場ではよくある失敗パターン。

教科書では「C型鋼=軽量骨組」と1行ですが、現場では「リップが上か下か」という実務上の勝手判断ができないと、同じ形でも全く違う部材として扱う必要がある、という現場のリアルなノウハウでした。

施工管理として鉄骨建方図を見るときは、「形状の名前」だけでなく「向き・勝手」まで読み取る視点が、結果的に発注手戻りやスケジュール遅延を防ぎます。

胴縁はこちらの記事も参考にしてください。

母屋はこちらの記事も参考にしてください。

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鉄骨の種類に関する情報まとめ

最後に、鉄骨の種類の重要ポイントを整理します。

  • 鉄骨とは:建物骨組みに使う鋼材の総称
  • 3つの分類軸:形状、部位(用途)、材料規格
  • 形状:H鋼、I形鋼、C型鋼、L形鋼、角形鋼管、円形鋼管、縞鋼板
  • 部位:柱、大梁、小梁、ブレース、母屋、胴縁
  • 材料規格:SS400(汎用)、SM490(溶接構造)、SN材(建築専用)、BCR・BCP(角形鋼管専用)
  • 施工管理視点:ミルシート確認、鋼種別溶接条件、形状別加工ポイント、勝手・向きのチェック

以上が鉄骨の種類に関する情報のまとめです。

鉄骨の種類は「形 × 部位 × 規格」の三軸で整理すると一気にスッキリ整理できます。施工管理として現場で「H-400×200 SM490 大梁」のような構造図記号を即座に「H鋼の400×200、規格SM490、用途は大梁」と読み解けるようになると、伏図・鉄骨図の読み込みスピードが段違いになりますよ。各形状の詳細はリンク先の個別記事で詰めてください。一通り鉄骨の種類の基礎知識は理解できたと思います。

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