- 150分の1ってどう読むの?
- 図面のS=1/150ってどういう意味?
- 200分の1や100分の1と何が違うの?
- 150分の1の図面で50mって何ミリで描くの?
- なぜ建築では1/150がよく使われるの?
- 現場で寸法を読む時の注意点は?
上記の様な悩みを解決します。
建築の図面を初めて開いた時に、図面右下に「S=1/150」と書かれているのを見て「あ、150分の1ってよく聞くやつだ」と思ったものの、実際に図面上の何mmが現実の何mに対応するかピンとこない、という経験は多いはずです。150分の1は、建築の意匠図・配置図でかなりよく使われる縮尺で、ここを押さえておくと現場で図面を読むスピードが格段に上がります。今回は施工管理視点で、150分の1の意味と使い方を整理してみます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
150分の1とは?
150分の1とは、結論「実物を150分の1のサイズに縮小して図面に描いたときの縮尺」のことです。
読み方と表記
「ひゃくごじゅうぶんのいち」と読みます。図面上では「1/150」「1:150」「S=1/150」のように表記され、Sはscale(縮尺)の頭文字です。
意味するところ
実物が150に対して、図面上では1。たとえば実物 1,500mm(1.5m)は図面上 10mm、実物 30,000mm(30m)は図面上 200mm。現実の長さを150で割れば図面上の長さが出ます。
なぜ「縮尺」が必要なのか?
建物は実物大では当然紙に収まりません。20m×30m の建物を A1 図面(841×594mm)にそのまま描こうとすると、図面の縦横を超えてしまいます。そこで実物より小さくして描く=縮尺の出番、という訳です。
図面の話はこちらも参考に。

150分の1の計算方法
150分の1の図面で寸法を読むときの計算は、シンプルに 「実寸 ÷ 150 = 図面上の寸法」 という1本の式だけ覚えておけばOKです。
実寸 → 図面の計算(縮小)
| 実物の長さ | 図面上の長さ |
|---|---|
| 1m | 約6.67mm |
| 3m | 20mm |
| 10m | 約66.7mm |
| 30m | 200mm |
| 50m | 約333mm |
図面 → 実寸の計算(拡大)
逆方向は「図面上の長さ × 150 = 実物の長さ」。図面で 50mm に測れた線は実物 7,500mm(7.5m)、100mm なら 15,000mm(15m)です。
実務では三角スケールが便利
電卓で毎回計算するのは面倒なので、現場では「三角スケール(通称:三スケ)」という、各縮尺の目盛りが刻まれた定規を使うのが一般的です。三角スケールには 1/100、1/200、1/250、1/300、1/400、1/500、1/600 などの目盛りがありますが、1/150は専用目盛りがない ことが多いです。その場合は 1/300 の目盛りを半分にして読む、もしくは 1/100 の目盛りを 1.5 倍するなどで対応します。
縮尺と寸法を扱う図面の基本はこちらで詳しく解説しています。

150分の1の図面で使われる用途
150分の1は、建築の図面の中で 「意匠図・配置図・断面図」 などに比較的よく使われる縮尺です。建物全体や敷地全体を1枚に収めたいときに重宝します。
主な用途
- 配置図:敷地に対する建物の位置を示す図面。1/150 だと、20〜40m 角の敷地が A3サイズ(420×297mm)にちょうど収まります
- 平面図(小〜中規模建物):戸建住宅やコンビニ程度の建物の全体平面が1枚に収まる
- 断面図:建物の高さ方向の構成を示す図面。1/150 で 5〜6階建てまでの建物が A3 サイズに入ります
- 立面図:建物の外観を示す図面。1/150 で1面ずつA3 サイズに分けて描けます
1枚に収まる範囲の目安
| 用紙サイズ | 1/150での実寸範囲(短辺×長辺) |
|---|---|
| A4 | 31.5m × 44.6m |
| A3 | 44.6m × 63.0m |
| A2 | 63.0m × 89.1m |
| A1 | 89.1m × 126.2m |
1/100 と 1/200 の中間という位置づけ
1/100 だと建物全体が1枚に収まりきらず、1/200 だと細かい寸法が読みにくい。「ちょうどいい中間」 が 1/150 で、敷地と建物の両方を見せたい配置図や、中規模建物の全体平面を見せたい場面で使われます。
意匠図・配置図の基本はこちらも参考にしてください。


150分の1と200分の1・100分の1との違い
建築でよく使われる縮尺の中で、1/100・1/150・1/200 はサイズ感が近く、混同しやすいポイントです。それぞれの違いを整理してみます。
主要な縮尺の比較
| 縮尺 | 実寸1mが図面上で | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1/50 | 20mm | 詳細図、平面詳細 |
| 1/100 | 10mm | 戸建平面図、矩計図 |
| 1/150 | 約6.7mm | 中規模建物の平面・断面、配置図 |
| 1/200 | 5mm | 大規模建物の全体図、配置図 |
| 1/300 | 約3.3mm | 大規模敷地の配置図 |
| 1/500 | 2mm | 敷地全体図、都市計画図 |
| 1/1000 | 1mm | 広域地図、都市計画図 |
選び分けの考え方
- 細部の寸法まで見せたい → 1/100 か 1/50
- 建物全体と敷地のバランスを見せたい → 1/150
- 大規模施設の全体を1枚で見せたい → 1/200 か 1/300
- 都市計画レベル → 1/500 か 1/1000
1/150 が選ばれる典型シーン
役所への確認申請図書(配置図)、マンションの賃貸広告用の全体平面図、コンビニ・倉庫など中規模商業施設の意匠図、学校・保育園の敷地配置図など、「建物全体と敷地を1枚で見せたい」場面で多用されます。
平面図・断面図・立面図の使い分けについてはこちらも参考になります。


150分の1の図面を読むコツと施工管理上の注意点
縮尺が小さくなるほど、図面上で同じ「1mm のズレ」でも実寸では大きな違いになります。1/150 の図面を読むときの注意点を整理しておきます。
コツ①:図面上の1mm=実寸150mm を意識する
1mm 違って読むと実寸では 15cm のズレ。「1/150 はざっくり全体を見るための縮尺」 と割り切って、正確な寸法は図面に書き込まれた 寸法線の数字 で読むのが鉄則です。1/150 で定規測定して「2.4m」と判断したら、実寸法では2.5mだったというケースは現場でよくあります。
コツ②:細部寸法は1/100以下の図面で確認する
1/150 の図面で柱の太さや配管経路まで読み取ろうとすると、線が重なって判別できません。「1/150 は位置と全体感、1/100以下は寸法と納まり」と役割を分けて読むイメージです。
注意点③:縮尺を変えて描かれた図面の比較に注意
同じ建物でも、配置図は 1/150、平面図は 1/100、矩計図は 1/50 と縮尺がバラバラの場合があります。各図面の右下に書かれた縮尺を 毎回確認する クセをつけましょう。
注意点④:A1原図とA3縮小版で縮尺がズレる
「S=1/150」と書かれた図面でも、A1をA3に縮小コピーすると紙が縦横ともに約0.71倍に縮むため、実際の印刷物の縮尺は約 1/212 になります。三角スケールで測るときは 元の出図サイズと現状サイズの両方 を必ず確認しましょう。
注意点⑤:CAD/PDF測定ツールの落とし穴
PDFで受け取った1/150の図面をCAD取り込みすると、スケールが1/1で読み込まれることがあります。CADの測定ツールで1スパンの寸法を数字通りか確認するクセをつけましょう。また、1/150 で表現しきれない細部は施工側で勝手に決めず 必ず設計者に確認 することも大事です。
僕も電気施工管理の駆け出しの頃、A3に縮小コピーされた配置図(元はA1で1/150)に三角スケールを当てて「電柱からこの建物の角まで12mだな」と判断して、その距離で電線管の地中埋設配管の数量拾いをしたら、実際は8.5mだった、という痛い経験があります。配置図の縮小コピーは寸法の信頼性が下がるので、必ず数字で書かれた寸法を読むか、設計者に確認するのが鉄則です。
150分の1に関する情報まとめ
- 150分の1とは:実物を150分の1のサイズに縮小して描いた図面の縮尺
- 読み方:ひゃくごじゅうぶんのいち
- 計算:図面上の長さ × 150 = 実寸(逆も同様)
- 用途:配置図、中規模建物の平面・断面、立面図など
- 1/100 との比較:3分の2のサイズに縮む(細部はやや見にくい)
- 1/200 との比較:1.5倍のサイズで描ける(細部はより見える)
- 注意点:定規測定ではなく 寸法線の数字 で読む/縮小コピーでは縮尺が変わる
以上が150分の1に関する情報のまとめです。
縮尺は図面を読むときの基本中の基本ですが、現場では意外と見落とされがちなポイントでもあります。1/150 はとくに「全体感を見せる縮尺」として配置図や中規模建物の意匠図でよく使われるので、施工管理としては「ざっくり読む用」と割り切り、正確な寸法は数字で確認するクセを徹底しましょう。一通り 150分の1 に関する基礎知識は理解できたと思います。
合わせて、図面と縮尺に関連する知識もチェックしておくと現場での読み取りスキルが上がります。





