- 圧縮指数ってなに?
- どうやって求める?
- Ccの目安値は?
- 圧密係数Cvとの違いは?
- 沈下計算でどう使う?
- 現場で気にすべき?
上記の様な悩みを解決します。
圧縮指数とは、結論「粘性土が応力増加に対してどれだけ圧縮されるか」を表す係数のことです。記号は Cc(Compression Index)。e-logp 曲線という、応力(圧密圧力)と間隙比の関係グラフから読み取る数値で、圧密沈下量の計算には欠かせない重要パラメータです。一見専門的すぎる用語ですが、「Ccが大きい=沈下しやすい土」という基本イメージを押さえれば、設計図書・地盤調査報告書がぐっと読みやすくなります。本記事では、圧縮指数の意味・求め方・目安・圧密沈下計算での使い方・施工管理での扱いまで、地盤工学の入門レベルから整理します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
圧縮指数とは?
圧縮指数とは、結論「粘性土の e-logp 曲線(圧密曲線)の傾き」を表す係数のことです。
英語では Compression Index、記号は Cc。日本工業規格 JIS A 1217(段階載荷による圧密試験方法)で測定方法が定められ、地盤工学の 「圧密沈下計算の基本パラメータ」として位置づけられます。
圧縮指数の定義式
Cc = - Δe / Δ(log p)
- Δe:間隙比の変化量
- Δ(log p):圧密圧力の対数の変化量
- 圧密圧力 p は通常 kPa または kN/m² で表記
- Cc は 無次元の量
→ つまり「圧密圧力を1桁(10倍)増やしたときに、間隙比がどれだけ減るか」を表す数値。Ccが大きいほど 少しの応力増加で大きく沈下する、つまり 「圧縮性の高い土」を意味します。
圧縮指数が必要になる場面
施工管理・構造設計の現場で圧縮指数が登場するのは、
- 粘性土地盤に建物を建てるとき
- 盛土・載荷重を地表に加えるときの沈下予測
- 軟弱地盤改良の効果検証
- 長期沈下予測(数年〜数十年スパン)
→ 砂質土・礫層では 沈下が瞬時に終わるので、圧縮指数はほとんど使いません。粘性土特有のパラメータと覚えればOKです。
粘性土・圧密沈下の細かい話はこちらに整理しています。

圧縮指数の求め方
圧縮指数は 圧密試験で求めるのが基本。手順を整理します。
①圧密試験の概要
JIS A 1217 の 段階載荷圧密試験では、
試験手順:
1. 直径60mm × 厚さ20mm 程度の粘性土供試体を圧密リングに入れる
2. 荷重を段階的に増やす(10 → 20 → 40 → 80 → 160 → 320 → 640 → 1280 kPa)
3. 各段階で24時間放置、圧縮量を測定
4. 間隙比 e と圧密圧力 p の関係を片対数グラフにプロット
5. e-logp 曲線の直線部分の傾きを求める → Cc
→ 「段階載荷を一晩ずつ繰り返す」ので、試験には 約1週間かかります。
②e-logp 曲線の見方
e-logp 曲線は 横軸を log(p)、縦軸を eとして描くと、
- 正規圧密領域:直線(傾きが Cc)
- 過圧密領域:直線(傾きが Cs = 膨張指数、Cc より遥かに小)
- 過圧密 → 正規圧密の屈曲点:圧密降伏応力 pc
→ 一般的に Cc は正規圧密領域の傾き、Cs は除荷時の傾きとして使い分けます。
③Cc の読み取り例
正規圧密粘土の試験結果で、
圧密圧力 p = 100 kPa のとき 間隙比 e = 1.20
圧密圧力 p = 400 kPa のとき 間隙比 e = 0.85
Cc = - (0.85 - 1.20) / (log 400 - log 100)
= 0.35 / log 4
= 0.35 / 0.602
= 0.58
→ この粘土は Cc = 0.58 の 比較的高圧縮性の粘土。
④Skempton の推定式(液性限界から)
圧密試験ができない簡易検討では、液性限界 wLから推定する方法も。
Cc = 0.009 × (wL - 10)
- wL = 40% → Cc ≒ 0.27
- wL = 60% → Cc ≒ 0.45
- wL = 80% → Cc ≒ 0.63
→ あくまで 概算値で、正式な設計には圧密試験が必要。事前検討で 「沈下が問題になりそうかどうか」を判断する目安として便利。
液性限界の細かい話はこちらに整理しています。

圧縮指数Ccと圧密係数Cvの違い
圧縮指数Cc とよく混同される 圧密係数Cvを整理します。
①意味の違い
| 項目 | 圧縮指数Cc | 圧密係数Cv |
|---|---|---|
| 表すもの | 沈下の 「大きさ」 | 沈下の 「速さ」 |
| 単位 | 無次元 | cm²/s、m²/年 |
| 求める対象 | e-logp 曲線の傾き | 時間-沈下曲線(√t法) |
| 使う計算 | 最終沈下量 | 沈下進行時間 |
→ 「Ccは沈下するか/しないか、Cvはどれくらいの時間で沈下が終わるか」という、別軸の指標。
②計算での役割の違い
最終沈下量 S = Cc × H × log(p1/p0) / (1+e0)
→ Cc が大きいほど S が大きい
90%圧密に要する時間 t90 = Tv × H² / Cv
→ Cv が大きいほど t90 が短い
→ 「最終沈下量と完了時間は別々の値」というのが圧密理論の特徴。沈下量が大きくてもCvが大きければ早く落ち着く、というケースもあります。
③実務での感覚
| 土の種類 | Cc | Cv [m²/年] |
|---|---|---|
| 砂質粘土 | 0.1〜0.3 | 30〜300 |
| 一般的な粘土 | 0.2〜0.5 | 3〜30 |
| 高有機質粘土 | 0.5〜1.5 | 1〜10 |
| 泥炭・腐植土 | 1.5以上 | 0.3〜3 |
→ 「Cc 大 & Cv 小」の組み合わせ(高有機質粘土・泥炭)が 施工管理者の最大の敵。沈下量も大きく、収束にも時間がかかる。
圧密沈下の細かい話はこちらに整理しています。
Ccの目安値
土の種類別の Cc の目安を表で整理。
①土の種類別Cc
| 土の種類 | Ccの範囲 | コメント |
|---|---|---|
| 砂、礫 | 0(圧密しない) | 沈下は瞬時 |
| シルト | 0.05〜0.15 | 比較的小さい |
| 沖積粘土(正規圧密) | 0.2〜0.5 | 一般的な範囲 |
| 海成粘土(東京湾、有明) | 0.5〜1.5 | 沈下要注意 |
| 泥炭(ピート) | 1.5〜5.0 | 要対策 |
| 過圧密粘土 | 0.05〜0.15 | 圧縮性低い |
→ 「Cc > 0.5 になると施工管理上の警戒ライン」と覚えておくと、地盤調査報告書を見た瞬間に判断できます。
②過圧密・正規圧密の違い
正規圧密粘土:現在の上載圧力 = 過去最大圧力 → Ccが大きく沈下しやすい
過圧密粘土:現在の上載圧力 < 過去最大圧力 → Csで小さく沈下、その先はCcで大きく沈下
→ 過圧密比 OCR = pc / p0 で判別。OCR>2 が中程度の過圧密、OCR>4 が強い過圧密。
③軟弱地盤の判断基準
施工管理者が 「軟弱地盤かどうか」を判断するときの目安、
- 粘性土:N値 ≤ 4、含水比 ≥ 50%、Cc ≥ 0.5
- 沈下対策必要:Cc ≥ 0.5 + 層厚 ≥ 2m
→ Cc が 0.5を超える層が 2m以上あったら、ほぼ確実に沈下対策(地盤改良 or 杭基礎)が要ります。
圧密降伏応力・過圧密の細かい話はこちらに整理しています。

圧縮指数を使った圧密沈下計算
実務で 最もよく使う圧密沈下量の計算式を整理。
①最終沈下量の基本式
S = Cc × H × log(p0 + Δp) / p0 / (1+e0)
- S:最終沈下量
- Cc:圧縮指数
- H:圧密層の厚さ
- p0:圧密層中央の有効上載圧力
- Δp:建物などによる増加応力
- e0:圧密前の初期間隙比
②計算例:粘土層10m上の建物
条件:
粘土層厚 H = 10m、初期間隙比 e0 = 1.20、圧縮指数 Cc = 0.50
粘土層中央の有効上載圧 p0 = 100 kPa
建物による増加応力 Δp = 50 kPa
計算:
S = 0.50 × 10 × log(150/100) / (1+1.20)
= 0.50 × 10 × log(1.5) / 2.20
= 0.50 × 10 × 0.176 / 2.20
= 0.40 m = 40 cm
→ 40cmの沈下は建物設計上、明らかに過大。地盤改良 or 基礎形式変更が必要、というのが実務判断。
③多層の場合の重ね合わせ
実地盤は層構成が複雑なので、
S_total = Σ Si (各層の沈下量を合算)
- 各層ごとに Cc、H、p0、Δpを求めて計算
- 増加応力 Δpは深さで減衰(Boussinesq の式)
- 通常は 粘性土層のみが沈下対象(砂質層・礫層は計算しない)
④許容沈下量との比較
建物用途別の 許容沈下量は、
| 用途 | 許容沈下量 |
|---|---|
| 一般RC建築 | 10〜20cm |
| 精密工場・倉庫 | 3〜5cm |
| 道路・盛土 | 30〜50cm |
| 配管系統 | 5cm程度 |
→ 計算された S が許容値を超えるなら、地盤改良・杭基礎・載荷重低減のいずれかで対応。
圧密沈下の細かい話はこちらに整理しています。
圧縮指数の施工管理での扱い
施工管理者として、圧縮指数に関わる 実務のポイント。
①地盤調査報告書の読み方
地盤調査報告書には通常、
- 圧密試験結果の e-logp 曲線(粘性土層のみ)
- 圧縮指数 Ccの値(直接表記、または傾きで判定)
- 圧密降伏応力 pc(過圧密判定)
- 「正規圧密 / 過圧密」の判別結果
→ 設計図書を受け取ったら、「Cc が 0.5 を超える層があるか」を真っ先にチェック。
②盛土工事での圧密対策
道路・宅地造成の盛土工事では、
施工前:粘性土地盤の Cc を確認
→ Cc > 0.3 なら長期沈下リスクあり
施工中:載荷重で「先行圧密」を進める
→ プレローディング工法、サンドドレーン工法
施工後:沈下板で残留沈下を観測
→ 設計予測との照合
→ 「Cc が大きい地盤に盛土するときは、置土期間を半年〜1年取る」のが基本です。
③地盤改良の判断
地盤改良の判断基準も Cc が 「重要な入力値」。
- 深層混合処理(柱状改良・セメント系):Cc > 0.3 で検討開始
- 表層改良(軟弱層厚 2m 以下):浅い軟弱層に有効
- 載荷重工法(プレロード):時間に余裕があるとき
→ 改良後の 「改良目標値」は地耐力 100〜150 kN/m² 程度を狙うのが一般的。
④近接施工での影響評価
新築工事が 隣地に沈下影響を与えるかどうかも、Cc を使って予測。
増加応力 Δp の伝播範囲:基礎幅 B の 1.5〜2倍程度
→ B = 10m なら 15〜20m 先まで応力が及ぶ
→ 隣接建物の地盤が Cc 大なら、不同沈下リスク
→ 都市部の新築工事では 「隣地への影響評価書」を提出するケースも増えています。Ccは 近隣説明の材料としても使われる重要な数値です。
杭基礎・地盤改良の細かい話はこちらに整理しています。

圧縮指数に関する情報まとめ
- 圧縮指数Ccとは:粘性土の e-logp 曲線の傾き(無次元)
- 求め方:段階載荷圧密試験(JIS A 1217)または Skemptonの推定式
- Cv との違い:Ccは沈下の大きさ、Cvは沈下の速さ
- 目安値:砂はゼロ、一般粘土0.2〜0.5、海成粘土0.5〜1.5、泥炭1.5〜
- 判断基準:Cc ≥ 0.5 が軟弱地盤の警戒ライン
- 計算式:S = Cc × H × log((p0+Δp)/p0) / (1+e0)
- 施工管理:地盤調査時のチェック、盛土の先行圧密、地盤改良の判断、近接影響評価
以上が圧縮指数に関する情報のまとめです。圧縮指数は 「数式が一見難しい」ものの、「Ccが大きい=沈下しやすい」という単純な感覚を持っておけば、設計図書を読むときの理解度が格段に上がります。粘性土地盤の工事に関わる施工管理者なら、Cc と Cv の2つの記号は必ず覚えておきたい基礎知識です。一通り圧縮指数の基礎知識は理解できたと思います。
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