鉄骨部材の名称とは?柱・梁・ブレース・ガセット、各部位の呼び方など

  • 鉄骨部材ってどんな種類があるの?
  • 柱と梁以外にもいろんな部材があるみたい
  • ガセット・スプライス・ダイヤフラムって何が違うの?
  • 図面の略号(CL、BM、BR等)の読み方が分からない
  • 二次部材って何?主架構と何が違うの?
  • 鉄骨の現場で部材名が飛び交って覚えきれない

上記の様な悩みを解決します。

鉄骨部材の名称は、鉄骨工事の現場・図面で職長や設計者と話を合わせるための共通言語。柱・梁・ブレースという主役級の部材から、ガセット・ダイヤフラム・スチフナーといった接合部の名脇役まで知らないと、図面を見ても「この部分の名前なんだっけ?」となって質問もできなくなります。「主架構→二次部材→接合部の補助プレート」という3層で整理すると一気に頭に入りやすいので、今回はこの順番で網羅的に整理していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

「今の現場がしんどい」と感じたときの選択肢として、転職サービスの比較記事を置いておきます。

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目次

鉄骨部材の名称とは?

鉄骨部材の名称とは、結論「鉄骨造の建物を構成する各部材の、業界・JIS・図面で共通して使われる呼び方」のことです。

英語では Steel Member Names や Structural Steel Components。日本の建築鉄骨では、主架構材・二次部材・接合部の補助プレートの3グループに大別できます。

ざっくり全体像

グループ 代表部材 主な役割
主架構材 柱、梁、ブレース 建物全体の重さ・地震力を受ける
二次部材 母屋、胴縁、間柱、小梁 仕上げ材を支持、主架構を補助
接合部補助プレート ガセット、スプライス、ダイヤフラム、スチフナー 部材同士を接合・補強

「主役→脇役→裏方」の3層構造、と捉えると分かりやすい。

なぜ建築で重要か

鉄骨工事の現場では、

  • 設計者「この梁端のスチフナー、ピッチが図面と違うんだけど」
  • 職長「こっちの柱はSCで、あっちはBPが先に付くから順番気をつけて」
  • 検査員「この溶接、まわし溶接になってる?」

のように、部材名・略号・接合名が飛び交います。部材名を知らないと指示も質問もできないし、図面を見ても現物との対応がつけられない。

特にガセット・スプライス・ダイヤフラムは混同されやすく、初心者がつまずく代表ポイント。現場で職人さんと話を合わせる第一歩として、部材名の整理は必須ですね。

主要な鋼材(H鋼、Iビーム、C型鋼、Lアングル)の規格は別記事を参考にしてください。

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主架構材(柱・梁・ブレース)

建物全体の重さや地震力を受ける最重要の部材グループ。

①柱(コラム、CL)

項目 内容
役割 建物の鉛直荷重を地盤に伝える
図面記号 C、CL(Column)
主な断面 H鋼、角形鋼管(BCR、BCP)、円形鋼管
呼称例 □-450×450×16(角形鋼管450mm角、t=16mm)

鉄骨柱の主流は角形鋼管(BCR295、BCP235など)。H鋼柱は工場・倉庫など低層建物で使われます。

②梁(ビーム、BM、G、B)

項目 内容
役割 床荷重を支持し、柱に伝達
図面記号 G(Girder:大梁)、B(Beam:小梁)
主な断面 H鋼(H-300×150〜H-1000×400程度)
呼称例 G1、B2、SG(Sub Girder)

大梁(G)は柱と柱を直結する主役の梁、小梁(B)は大梁の間に架かる脇役の梁、と区別。

③ブレース(筋交い、BR)

項目 内容
役割 水平力(地震・風)に抵抗する斜材
図面記号 BR、BS(Brace)
主な断面 丸鋼、Lアングル、H鋼
取付方法 ブレスシート、ガセットプレート経由

ブレースの全般は別記事も参考にしてください。

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④ラチス材

トラス構造の弦材・斜材として使われる細い棒状の部材。トラス梁の中で見かけます。

主架構材の現場名と図面記号を頭に入れておくと、施工図を読むスピードが大幅に上がりますね。

二次部材(母屋・胴縁・小梁・間柱)

主架構を支援し、仕上げ材を取り付けるための骨組みとなる部材グループ。

①母屋(モヤ、PURLIN)

項目 内容
役割 屋根葺き材を支持
配置 屋根面の梁の上に直交方向に配置
主な断面 C型鋼、リップ溝形鋼(軽量鋼材)
略号 P、PR

「屋根に登ったときに足をかける細い梁」のイメージ。倉庫・工場など金属屋根の建物で必須。

②胴縁(ドウブチ、GIRT)

項目 内容
役割 外壁材(金属サイディング・ALC等)を支持
配置 柱と柱の間に水平方向で配置
主な断面 C型鋼、リップ溝形鋼
略号 GT、G

外壁面の二次部材で、外壁仕上げ材の取付下地。

③小梁(コハリ、Beam)

項目 内容
役割 スラブを支持、大梁を補助
配置 大梁と大梁の間に直交配置
主な断面 H鋼(H-300〜H-500程度)
略号 B(Beam)

「大梁の負担面積を割り振る」のが小梁の役目。

④間柱(マバシラ、STUD)

項目 内容
役割 外壁の水平力支持、外壁面の中間補強
配置 柱と柱の中間に立つ補助柱
主な断面 C型鋼、リップ溝形鋼
略号 S、ST

「柱と柱の間が広すぎて外壁が支えきれない」ときに、中間に立てる補助柱。

⑤水平ブレース・床ブレース

水平面(屋根面・床面)に組まれる斜材。水平力を主架構に伝達する役割で、特に倉庫・工場の屋根面で標準装備。

二次部材は「直接、人や荷物を支えない地味な部材」だけど、二次部材なしでは仕上げ材が取り付けられないので、現場の効率に直結する重要な存在ですね。

C型鋼の規格は別記事も参考になります。

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接合部の補助プレート(ガセット・スプライス・ダイヤフラム・スチフナー)

鉄骨部材をつなぐ・補強するための小さなプレート群。初心者が混同しやすい部材ばかりなので、ここを整理できると一気にプロっぽくなります。

①ガセットプレート(GP)

項目 内容
役割 部材同士の節点で、複数部材を集約接合する
形状 三角形、台形、複雑形状
配置 部材交差点(節点)
接合先 ブレース・小梁・吊り材など複数

「部材が一点で集まる節点で、それらを束ねる板」がガセット。

②ブレスシート(BS、ブレースシート)

項目 内容
役割 ブレース1本を取り付ける受け板
形状 長方形・帯状
配置 主構造(梁・柱)の側面
接合先 ブレース1本

ガセットと混同されやすいですが、ブレスシートはブレース1本専用のシンプルな受け板。複数部材を集約しないのが違いです。

③スプライスプレート(SP)

項目 内容
役割 鉄骨部材同士を継ぐ継手プレート
形状 H鋼のフランジ・ウェブを挟む長方形板
配置 部材途中の継手位置
接合方法 高力ボルト摩擦接合

「長尺の梁・柱を運搬可能な長さで切り、現場でつなぐ」ときに使う継手プレート。

④ダイヤフラム(D)

項目 内容
役割 角形鋼管柱の柱・梁接合部の補強
形状 鋼板(柱の内部または外部に配置)
配置 柱と梁が接合する高さ
種類 通しダイヤフラム、内ダイヤフラム、外ダイヤフラム

角形鋼管柱の弱点である梁接合部での変形を、ダイヤフラムが内側または外側から押さえる構造。

ダイヤフラムの詳しい解説は別記事を参照してください。

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⑤スチフナー(ST、Stiffener)

項目 内容
役割 梁ウェブの座屈防止、応力集中部の補強
形状 鋼板(梁ウェブに垂直に溶接)
配置 集中荷重位置、支点上、長スパン梁の中間
種類 中間スチフナー、端部スチフナー、水平スチフナー

H鋼梁のウェブが座屈・変形しないように補強する縦の鋼板。

⑥ベースプレート(BP)

項目 内容
役割 柱脚の固定、コンクリート基礎との接続
形状 厚い鋼板+アンカーボルト穴
配置 柱の最下端
接合 基礎側にアンカーボルトで定着

柱の最下端に溶接された厚板で、柱から基礎に荷重を伝達する受け皿。

⑦補助プレートの混同しやすい組み合わせ

ペア 違い
ガセット vs ブレスシート ガセットは複数部材集約、ブレスシートはブレース1本専用
スプライス vs ダイヤフラム スプライスは部材継手、ダイヤフラムは接合部補強
スチフナー vs ダイヤフラム スチフナーは梁内補強、ダイヤフラムは柱内補強

スプライスプレートの解説は別記事も参考にしてください。

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鉄骨部材の図面記号と略号

施工図には部材名の略号が多用されます。代表的な略号を整理します。

①主架構材

略号 部材名 英語
C / CL 柱 Column
G 大梁 Girder
B 小梁 Beam
BR / BS ブレース Brace

②二次部材

略号 部材名 英語
P / PR 母屋 Purlin
GT 胴縁 Girt
ST / S 間柱 Stud
HB 水平ブレース Horizontal Brace

③接合部補助プレート

略号 部材名
GP ガセットプレート
BS ブレスシート
SP スプライスプレート
D ダイヤフラム
ST スチフナー
BP ベースプレート

④寸法表記の例

表記 意味
H-400×200×8×13 H鋼、せい400×幅200、ウェブt=8、フランジt=13
□-450×450×16 角形鋼管、450mm角、t=16mm
φ300×9 円形鋼管、外径300mm、t=9mm
L-90×90×7 等辺Lアングル、90×90mm、t=7mm
C-200×80×7.5 C型鋼、せい200×幅80、t=7.5mm
FB-9×100 平鋼、t=9×幅100mm

⑤グレードの表記

表記 意味
SS400 一般構造用圧延鋼材(標準)
SN400 建築構造用圧延鋼材(耐震性能保証)
SM490 溶接構造用圧延鋼材(高強度)
BCR295 角形鋼管、降伏点295 N/mm²
BCP235 プレス成形角形鋼管、降伏点235 N/mm²

⑥位置・通り符号との組み合わせ

表記 意味
C-1A 通り1A位置の柱
1G2 1階の大梁、符号2
2B-3 2階の小梁、3番目

略号と部材名・寸法表記の3つを把握できれば、初見の鉄骨施工図でもざっくり読み解けるようになりますね。

この手の知識が身についているなら、それは会社の外でも通用する経験です。どのサービスがどんな人向けかは、こちらで比較しています。

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鉄骨部材の名称に関する情報まとめ

最後に、鉄骨部材名称の重要ポイントを整理します。

  • 鉄骨部材の名称とは:鉄骨造を構成する各部材の業界共通の呼び方。主架構・二次部材・接合部補助プレートの3層
  • 主架構材:柱(C/CL)、大梁(G)、小梁(B)、ブレース(BR/BS)が建物全体を支える主役
  • 二次部材:母屋(P)、胴縁(GT)、間柱(ST)、水平ブレース(HB)が仕上げ材の下地として機能
  • 接合部補助プレート:ガセット(GP)、ブレスシート(BS)、スプライス(SP)、ダイヤフラム(D)、スチフナー(ST)、ベースプレート(BP)
  • 混同注意ペア:ガセットvsブレスシート、スプライスvsダイヤフラム、スチフナーvsダイヤフラム
  • 断面寸法の表記:H-400×200、□-450×450、φ300、L-90×90、C-200×80、FB-9×100など
  • グレード:SS400(標準)、SN400(耐震保証)、SM490(高強度)、BCR/BCP(角形鋼管専用)

以上が鉄骨部材の名称に関する情報のまとめです。

鉄骨部材の名称は現場で職人さんや設計者と会話するための基礎共通言語で、覚えてしまえば施工図がスッと頭に入ってきます。「主架構→二次部材→接合部の補助プレート」という3層構造を意識して整理すれば、混同しやすいガセットとブレスシート、スプライスとダイヤフラムも腹落ちしやすいですね。施工管理として現場に立つ前に、最低限の部材名と略号を頭に入れておくと、初日から職人さんとの会話がスムーズになります。一通り鉄骨部材名称の基礎知識は理解できたと思います。

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