建築の多能工とは?雑工との違い、仕事内容、メリット、デメリットなど

  • 多能工ってなに?
  • 雑工と多能工の違いって?
  • 仕事内容は?
  • 多能工になるメリットって?
  • デメリットはどんなものがあるの?

上記のような悩みを解決します。

多能工はよく勘違いされやすい仕事です。雑工さんとは全然違いますからね。

雑工さんとの違いや仕事内容、メリット・デメリットなどについてしっかりと抑えておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

建築の多能工とは?(雑工との違い)

多能工とは、結論「複数の専門的な技術を持った職人のこと」です。

鉄筋工は鉄筋のプロですし、鳶職は足場のプロです。それぞれ1つの分野において、専門的な技術を持っています。

対して多能工は、鉄筋を組むこともできますし、足場を組むこともできます。

1つの科目で100点を取るのではなく、5科目で80点を取るようなイメージです。複数の専門性を持っており、幅広い場面で活躍します。

「なんでも屋さん」という言い方では雑工と同じですが、雑工は専門的な知識を持っていません。

多能工と雑工の違い

  • 専門性があるなんでも屋=多能工
  • 専門性があるなんでも屋=雑工

といった違いがあります。大きな違いです。

多くの分野について学ぶ必要があるので、大変といえば大変です。ただ多くのことを知れて楽しいですし、建設業での価値も高い仕事です。

多能工さんがいれば現場全体の効率が上がるので、需要は常にあります。将来性もあるので、職人さんとしては目指すべきキャリアの一つかなと思います。

 

建築の多能工の仕事内容

多能工の仕事内容

多能工の仕事内容は上記です。

まず大前提として、多能工の仕事は多岐に渡ります。その都度、仕事内容が変化するのは大前提ですので、あくまで一例と考えてください。

あるときは鳶になり、ある時は配管工になるのが多能工です。

例えば「鉄筋が遅れている!」となれば、多能工は鉄筋の仕事をします。「足場が遅れてる!」となれば多能工は鳶職の仕事をします。

現場によって発生するイレギュラーに対応するのも多能工の仕事です。

 

建築の多能工のメリット

多能工のメリットその①幅広い技術の習得

多能工のメリットその①は「幅広い技術の習得」です。

先ほどもいった通り、多能工は鉄筋工の仕事も鳶職の仕事も、配管の仕事もボード屋の仕事もします。なんでもやります。

雑工とは違い、多能工は「専門性のあるなんでも屋さん」ですので、幅広い技術を習得することができるんです。これは大きなメリットです。

多能工になれば転職先は多数あります。

鉄筋工の仕事ができるので鉄筋工にもなれますし、配管工事ができるので配管工になることもできます。幅広い専門性により、将来の選択肢も広いのが多能工のメリットです。

 

多能工のメリットその②飽きない

多能工のメリットその②は「飽きない」です。

鉄筋工だったら鉄筋の仕事しかしませんし、型枠大工なら型枠の仕事しかしません。どこの現場でも同じようなことをするので、飽き性の人は仕事に飽きてしまいます。

対して多能工は各分野の仕事をやるので、飽きません。

僕なんかは飽き性ですので、職人をやるなら多能工ですね。

建設業には多数の職種があります。それら全てをやれば全然飽きずに学び続けることができますので、楽しいと思います。

 

多能工のメリットその③賃金は雑工より断然高い

多能工のメリットその③は「賃金は雑工より断然高い」です。

賃金というのは、その人の価値に対して支払われます。価値が高ければ賃金は高く、価値が低ければ賃金は低くなります。

多能工は専門性がある分、雑工よりも賃金は高めです。

賃金の面でも多能工は優れています。

 

建築の多能工のデメリット

多能工のデメリットその①覚えることが多い

多能工のデメリットその①は「覚えることが多い」です。

5科目で80点をとるには、5科目を勉強しなければなりません。鉄筋工も型枠も足場もできるようになるには、鉄筋工も型枠も足場も勉強しなければなりません。

「幅広い知識を習得できる=幅広い分野を勉強しなければならない」ということです。

一つの専門性を求める人は、誤解を恐れずに言えば「それだけ勉強していればいい」ということになります。電気屋なら電気だけを学べばいいし、大工なら型枠だけを学べばいいです。

ただ多能工は多くの分野を学ばなければならないので、大変だと思います。

 

多能工のデメリットその②器用貧乏になる可能性がある

多能工のデメリットその②は「器用貧乏になりがち」です。

5科目で80点取るスタイルの多能工は、1つの科目で100点を取ることはできません。80点くらいまで行けば十分ですが、5科目で60点になってしまう可能性があります。

「どれもできる」ではなく「どれも中途半端」になってしまうこともあるんです。

他のこともできるから、一つは中途半端でいいという話ではありません。各分野である程度通用するようなレベルまで持っていかなければならないんです。

器用貧乏にならないよう注意しなければならないのが、多能工のデメリットです。

 

多能工のデメリットその③現場によっては雑工扱い

多能工のデメリットその③は「現場によっては雑工扱い」です。

僕は鬼ほど多能工さんをリスペクトしていますが、そうでない人がいるのも事実です。人によっては「多能工なんて所詮雑工でしょ?」と考えている人もいます。

建設業には謎のカーストがあり、カーストが低いと理不尽に怒鳴られたりすることもあります。

現場での立場が高いか?低いか?と言われれば、多能工は高くはありません。

本人が自分の仕事に誇りを持っているのに、バカにされたらイラッときますよね。誤解されやすく、嫌な思いをする可能性もあるのがデメリットです。

 

建築の多能工に関する情報まとめ

多能工に関する情報のまとめ

  • 多能工とは:複数の専門的な技術を持った職人のこと
  • 多能工と雑工の違い:専門性を持っているか否か
  • 多能工の仕事内容:型枠、鉄筋、足場、配管、ボード、他
  • 多能工のメリット:幅広い技術の習得、飽きない、賃金
  • 多能工のデメリット:覚えることが多い、器用貧乏になる可能性、立場

以上が多能工に関する情報のまとめです。

個人的に多能工は相当面白い仕事だと思います。

僕が職人やるなら間違いなく多能工ですね。ただ一部の求人では雑工と多能工をごっちゃにしている求人もあったりするので、応募する際には注意が必要です。よく確認しましょう。

それでは!