新規入場者教育とは?やり方、内容、所要時間、場所などを解説する

  • 新規入場者教育ってなに?
  • いつやるの?
  • どこでやるの?
  • どれくらい時間かかるの?
  • どうやって実施するの?
  • どんなことを話すの?

上記のような悩みを解決します。

現場に入る人全員が新規入場者教育を受けます。建設業では安全と品質の観点から、新規入場者教育を行わない現場はありません。

建設業で働こうと思うなら、新規入場者教育に関する知識は必須です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

新規入場者教育とは?

結論、現場に初めて入る人に現場のルールを説明することです。

各施主によって、各ゼネコンによって、各現場によって、ルールは異なります。例えば、施主が公的な期間の場合、ゴミの分別を徹底させられたりします。(当たり前のことかもしれませんが)

ゼネコンによっては朝礼が無いゼネコンもありますし、現場によっては腰道具を付けて現場外を歩いてはいけないかもしれません。

建設業全体として共通のルールはありますが、各現場特有の決まりもあります。

初めてきた人は「現場特有のルール」を知りませんので、教えなければなりません。ルールを破って置いて「知らなかった」は通用しませんからね。

送り出し側からすると、新規入場者教育の資料にサインしてもらうことに意味があります。

会社からしても「ちゃんと教えたからね!」というのが証拠付きで保存されます。もし何かしらのトラブルがあった際に、自分の会社を守る書類になるんです。

 

新規入場者教育はいつ・どこで行う?

新規入場者教育は、結論、朝礼前に現場もしくは現場事務所にて行われます。

朝礼が8時だとしたら7時30分くらいに新規入場者教育が始まる感じです。普段よりも若干早めに出社する必要があります。

というのも「新規入場者教育=現場のルールを伝えること」ですので、現場に入る前に教育しなければ意味がありません。

場所に関してはどこでもいいですが、現場が近いので現場か現場事務所で行われます。

また新規入場者教育に似たやつで「送り出し教育」というものがあります。新規入場者教育とはまた別のものですので、区別が必要です。

「送り出し教育」は現場に送り出すのに必要な教育ですので、現場に入る前に行わなければなりません。会社でやってくる必要があります。

順番としては「送り出し教育→新規入場者教育→現場入り」といった感じです。

 

新規入場者教育を実施するやり方

結論、新規入場者教育を実施する方法は、新規入場者教育の資料に書いてあることを読み上げればOKです。ぶっちゃけ、小学校2年生でもできる簡単な仕事です(笑)。

新規入場者教育の資料はもう既に、完結に現場のルールをまとめています。

第三者がアレンジする必要はありません。

もう完成しているのでその通りに新規入場者教育を進めれば問題なくなります。一流企業の現場代理人でも、新規入場者教育の資料をそのまま読み上げるくらいですからね。

逆に自分の言葉で話そうとすると、意図の食い違いが起こったりもするので辞めた方がいいですね。

分かりにくい部分を軽く補足するくらいならいいかもしれませんが、全体的に新規入場者教育の資料を疎かにするのは良くありません。

毎年やってるような工事で、現場のルールを知っているような職人さんだったら、軽くはしょっちゃうくらいならいいと思います。

最後に何か質問があるか聞いてみるのもいいかもしれません。

 

新規入場者教育の所要時間は?

結論、新規入場者教育は15分から30分で終わります。

現場のルールを示した新規入場者教育の資料があるのですが、どこの現場も基本的にA3一枚で収まります。説明するのに1時間もかかりません。

逆に1時間とかかかったらヤバいですね。職人さん帰っちゃいますよ。

先ほどもいった通り、A3一枚の資料を読み上げるだけです。別に大した時間はかかりませんよ。朝礼開始の30分前に集まれば余裕です。

 

新規入場者教育の内容

新規入場者教育の内容その①工事概要

まずは現場の工事概要について解説します。

目的は「現場理解」です。初めて入る人は、現場のことなんて一切分かりません。例えば会話で「A社さんが〜」という単語が飛び出したとしましょう。

初めて入る人は、当然のことながら「A社ってどこ?」となります。

新規入場者教育の時に「A社は空調の担当会社です」と説明受けていたら、話がスムーズに進みますよね。現場に関する情報はあればあるほどいいです。

現場に関する情報を網羅的に説明するのが、この項目です。

具体的には下記のような点があります。

新規入場者教育の工事概要

  • 工事件名
  • 施主
  • 敷地面接
  • 延べ床面積
  • 住所
  • 建築の担当会社
  • 電気の担当会社
  • 空調の担当会社
  • 衛生の担当会社

 

新規入場者教育の内容その②作業所のルール

次に作業所のルールを説明します。

先ほども言った通り、現場には「その現場特有のルール」が存在します。郷に入れば郷に従え、といった感じで、ルールを解説します。

現場によっては、ゴミの分別をしなければならなかったり、そもそもゴミは持ち帰らなければならなかったりします。逆に、分別なんかしなくても、全部打ち込んじゃってもいい現場とかもあります。

建設業において「常識」なんて言葉はありません。

「常識」とは、現場によって異なります(マジです)。「現場の常識」を伝えるのが、作業所のルール説明です。

 

新規入場者教育の内容その③作業日時、作業時間

次に作業日時と作業時間を解説します。

簡単な話、何時から何時までの作業だということを伝えるんです。現場によって微妙に異なるので、その辺についても解説します。

また、現場によっては「残業禁止」という現場もあります。

残業していいなら既存の職人さんが残業すれば終わるかもしれませんが、残業禁止ならその分人を呼ばなければなりません。

 

新規入場者教育の内容その④安全関係のルール

安全関係ルールの解説も重要です。

建設業において、安全は超重要項目になります。もし事故を起こそうものなら「親の仇か?」ってレベルで犯罪者のような扱いを受けます。

大抵は似たようなものだとは思いますが、現場によっては微妙に安全のルールが変わったりします。その辺も解説する必要がありますね。

例えば、2m以上の場所で作業をするなら安全帯使用とか。5mを超える作業ならフルハーネス着用必須とか。電動工具を持ち込む時は届出が必要とか。

色々と話ことはあります。

 

新規入場者教育の内容その⑤緊急時の対応

現場において事故が発生してしまった際の対応についても解説します。

基本的には「担当者もしくは現場代理人へ速やかに報告すること」的な感じですが、そもそも担当者の連絡先が分からなければ連絡できませんよね。

現場の施工体制がどうなっているのか。また、それぞれの連絡先はどうなのか?という点について解説します。

「緊急時なんてねえだろ」と思う方もいるかもしれませんが、結論、間違いです。

建設業で生涯生きていくとしたら、40年くらいは働くことになります。40年間、なんの緊急事態も怒らないなんてあり得ませんからね。

緊急時は今日かもしれませんし、明日かもしれません。キッチリ抑えておきましょう。