- 乙7って、取ったら何ができる免状なの?
- 漏電火災警報器って、そもそもどんな建物に付いてるもの?
- 鉄網入りの壁とか契約電流容量50アンペアとか、何の基準?
- 甲種7類が見当たらないけど、工事のほうはどうなってる?
- 電源の部分は誰が触っていい話になってる?
- 第二種電気工事士を持ってたら、試験はどこまで軽くなる?
- 免除を使ったら何問・何分の試験になる?合格の線は変わる?
- 受験資格や受験料はどうなってる?
- 合格率はほかの類と比べてどれくらい?
- 合格したあと、講習はいつまでに受ければいい?
上記の様な悩みを解決します。
消防設備士の乙7(乙種第7類)は、漏電火災警報器を扱う免状です。消防法施行規則では乙種の表に「第七類」があり、甲種の表(特類〜第五類)に第七類の行はありません。消防試験研究センターは、乙種は「整備及び点検ができます」と案内しています。受験はどなたでもでき、電気工事士の免状があれば申請により基礎的知識(電気)・構造・機能・整備(電気)・実技が免除されます。
乙7を調べると、勉強時間や参考書の話はいくらでも見つかるのに、漏電火災警報器がどの建物に付くのか、甲種の欄に第7類が無いことを条文でどう読むのかまで踏み込んだ解説はほとんど見当たらないんですよね。今回は区分・試験・合格率といった基本を押さえた上で、受験ブログや資格サイトではほとんど触れられていない「施行令第22条の設置基準の全号」「甲種の表と施行令第36条の2の並び方」「免除の組み合わせ別の試験時間」「講習の期限の数え方」まで、条文と消防試験研究センターの案内を一次資料にして、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、電気工事士を持っていて会社から乙7を勧められた方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
消防設備士乙7とは?漏電火災警報器を受け持つ乙種の第7類
「乙7って何ができる免状なの?」という疑問への答えは、結論「消防法施行規則の乙種の表で第七類に区分された、漏電火災警報器の免状」です。乙7で扱える範囲を確かめるには、消防法の条文を3段で追うと迷いません。
1段目:免状が要る仕事の枠を決める消防法第17条の5
消防法第17条の5は「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。」と定めています(消防法 第17条の5)。免状が必要になるのは、工事(設置に係るもの)と整備のうち「政令で定めるもの」という枠です。ここで言う政令が、後で見る消防法施行令第36条の2です。
2段目:甲種と乙種の書き分けを決める消防法第17条の6
続く消防法第17条の6は、免状の種類を甲種消防設備士免状と乙種消防設備士免状の2つとしています。そのうえで、甲種消防設備士が行える「工事又は整備の種類」と、乙種消防設備士が行える「整備の種類」は、免状の種類に応じて総務省令で定めるとしています(消防法 第17条の6)。条文の言葉づかいとして、甲種には「工事又は整備」、乙種には「整備」が当てられている点を押さえておくと、この先の表が読みやすくなります。
3段目:第七類の中身を決める消防法施行規則第33条の3
その総務省令が消防法施行規則第33条の3です。第3項は「乙種消防設備士が行うことができる整備の種類のうち、消防用設備等又は特殊消防用設備等の整備の種類は、次の表の上欄に掲げる指定区分に応じ、同表の下欄に掲げる消防用設備等の整備とする。」とし、表は第一類から第七類までの7行で構成されています(消防法施行規則 第33条の3第3項)。乙種の表を3つのまとまりに分けると次のとおりです。
- 第一類〜第五類:屋内消火栓設備から緩降機まで。下欄の設備名は甲種の表の第一類〜第五類と同じ並び
- 第六類:消火器
- 第七類:漏電火災警報器
乙7の「7」は、この乙種の表の第七類のことです。規則の表が乙7について書いているのは「漏電火災警報器」の「整備」で、点検という語は第33条の3の表には出てきません。
点検まで含めた言い方をしているのは試験機関の案内です。一般財団法人消防試験研究センターは「消防設備士免状には甲種と乙種があり、甲種は工事整備対象設備等の工事・整備及び点検ができ、乙種は整備及び点検ができます。各類ごとに取り扱う設備が限定されていますので、類ごとに免状が必要です。」と案内しています(消防試験研究センター 消防設備士試験 試験案内)。ここで言う工事整備対象設備等は、消防用設備等又は特殊消防用設備等のことです。
大事なのは「類ごとに免状が必要」という一文です。第4類の免状を持っていても、それで漏電火災警報器が第七類の範囲に入るわけではなく、乙種の表のとおり第七類は第七類として別の免状になります。消防設備士の全体像や類の分け方を先に押さえたい方は、消防設備士の資格の全体像をまとめた記事から読むと位置づけがつかみやすいはずです。
漏電火災警報器を付ける建物は施行令第22条で決まる。造りの条件と規模の条件を両方見る
「漏電火災警報器って、どんな建物に付いてるの?」「鉄網入りの壁とか50アンペアとかは何の基準?」という疑問には、消防法施行令第22条が答えています。乙7の免状で整備する設備がどこにあるのかを知っておくと、改修現場で「この建物に漏電火災警報器はあるか」を自分で当たりを付けられるようになります。
柱書が決める「造り」の条件
第22条第1項の柱書は次のとおりです。
「漏電火災警報器は、次に掲げる防火対象物で、間柱若しくは下地を準不燃材料(建築基準法施行令第一条第五号に規定する準不燃材料をいう。以下この項において同じ。)以外の材料で造つた鉄網入りの壁、根太若しくは下地を準不燃材料以外の材料で造つた鉄網入りの床又は天井野縁若しくは下地を準不燃材料以外の材料で造つた鉄網入りの天井を有するものに設置するものとする。」(消防法施行令 第22条第1項)
読み解くと、柱書が求めているのは次の3つのうちいずれかを持つ建物です。壁なら「間柱若しくは下地」、床なら「根太若しくは下地」、天井なら「天井野縁若しくは下地」を、準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りのもの。準不燃材料の意味は建築基準法施行令第1条第五号に委ねられています。
大事なのは、この柱書の条件を満たし、かつ、第一号から第七号のどれかに当たる防火対象物が設置の対象になる、という二段構えの構造です。用途と規模だけを見て「対象だ」「対象外だ」と決めると、柱書の造りの条件を飛ばしてしまいます。
第一号〜第七号が決める「用途と規模」の条件
第1項の各号は、消防法施行令別表第一の項と、延べ面積や契約電流容量の組み合わせで書かれています。7つの号を条文の語のまま並べると次のとおりです(消防法施行令 第22条第1項第一号〜第七号)。
| 号 | 別表第一の項(条文の語のまま) | 規模の条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | (十七)項に掲げる建築物 | 延べ面積の条件は付いていない |
| 第二号 | (五)項及び(九)項に掲げる建築物 | 延べ面積が150平方メートル以上 |
| 第三号 | (一)項から(四)項まで、(六)項、(十二)項及び(十六の二)項に掲げる防火対象物 | 延べ面積が300平方メートル以上 |
| 第四号 | (七)項、(八)項、(十)項及び(十一)項に掲げる建築物 | 延べ面積が500平方メートル以上 |
| 第五号 | (十四)項及び(十五)項に掲げる建築物 | 延べ面積が1,000平方メートル以上 |
| 第六号 | (十六)項イに掲げる防火対象物 | 延べ面積が500平方メートル以上で、かつ、(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イの用途に供される部分の床面積の合計が300平方メートル以上 |
| 第七号 | 前各号に掲げるもののほか、(一)項から(六)項まで、(十五)項及び(十六)項に掲げる建築物 | 契約電流容量が50アンペアを超えるもの |
表を読むときの注意点は3つあります。1つ目は条件の向きです。第二号〜第六号の面積は「以上」、第七号の契約電流容量は「五十アンペアを超えるもの」と書かれています。50アンペアちょうどは「超える」に入らない書き方なので、面積の号と同じ感覚で読まないことです(消防法施行令 第22条第1項第七号)。
2つ目は第七号の括弧書きです。同じ建築物に契約種別の異なる電気が供給されている場合は「そのうちの最大契約電流容量」で判断すると、条文が括弧の中で決めています(消防法施行令 第22条第1項第七号)。契約が複数あるからといって足し合わせる書き方にはなっていません。
3つ目は、号ごとに「建築物」と「防火対象物」の語が使い分けられていることです。第三号と第六号は「防火対象物」、それ以外の号は「建築物」です。別表第一の各項がどの用途を指すかは、この記事では項番号のままにしています。確かめるときは別表第一そのものに当たってください。
現場目線で言えば、この条文は「準不燃材料以外の材料で造った間柱・根太・天井野縁や下地を持つ鉄網入りの壁・床・天井があるか」を先に確かめ、そのあとで用途の項と延べ面積、最後に契約電流容量、という順で読むと整理しやすい作りです。造りの条件と契約電流容量は確かめる資料が別になりやすいので、片方だけで判断を終えない読み方が向いています。
第2項と変流器の取付け位置
第22条第2項は「前項の漏電火災警報器は、建築物の屋内電気配線に係る火災を有効に感知することができるように設置するものとする。」としています(消防法施行令 第22条第2項)。漏電火災警報器が何を受け持つ設備なのかは、この一文がいちばん端的に表しています。
技術上の基準の細目として、消防法施行規則第24条の3第二号は変流器について「建築物に電気を供給する屋外の電路(建築構造上屋外の電路に設けることが困難な場合にあつては、電路の引込口に近接した屋内の電路)又はB種接地線で、当該変流器の点検が容易な位置に堅固に取り付けること。」と定めています(消防法施行規則 第24条の3第二号)。漏電火災警報器を構成する変流器は、屋外の電路やB種接地線に取り付けるものだと、この条文から読み取れます。
甲種の表に第7類の行は無く、施行令第36条の2の工事の号にも漏電火災警報器は無い
「甲種7類は無いの?工事のほうはどうなってる?」という疑問には、推測で埋めず、条文に何が書いてあって何が書いていないかを分けて答えます。
規則第33条の3:甲種の表は特類から第五類まで
消防法施行規則第33条の3第1項の甲種の表は、特類(特殊消防用設備等)と第一類から第五類までの6行です。第一類は屋内消火栓設備を含む4設備、第五類は金属製避難はしご・救助袋又は緩降機で、第六類と第七類の行はありません(消防法施行規則 第33条の3第1項)。一方、第3項の乙種の表は第一類から第七類まであり、第七類に漏電火災警報器が置かれています(同 第3項)。
「甲種第7類は存在しない」と一文で書いた条文や公表文は、確認した範囲(消防法第17条の5〜第17条の7、消防法施行令第36条の2、消防法施行規則第33条の3、消防試験研究センターの試験案内)にはありません。言えるのは「甲種の表に第七類の行が無い」ということです。消防試験研究センターの区分表でも、第7類は「乙種|第7類|漏電火災警報器」の形で載っています(消防試験研究センター 試験案内)。
施行令第36条の2:工事の号と整備の号
消防法第17条の5の「政令で定めるもの」にあたるのが消防法施行令第36条の2です。第1項が工事、第2項が整備を受け持っています。
第1項は「法第十七条の五の政令で定める消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置に係る工事は、次に掲げる消防用設備等…の設置に係る工事とする。」とし、号は屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、金属製避難はしご(固定式のものに限る。)、救助袋、緩降機の14設備です(第一号〜第十三号。ガス漏れ火災警報設備は第九号の二)(消防法施行令 第36条の2第1項)。この14設備の中に漏電火災警報器はありません。
第2項は整備で、「法第十七条の五の政令で定める消防用設備等又は特殊消防用設備等の整備は、次に掲げる消防用設備等…の整備(屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備を除く。)とする。」としたうえで、第一号に「前項各号に掲げる消防用設備等」、第二号に「消火器」、第三号に「漏電火災警報器」を挙げています(消防法施行令 第36条の2第2項)。
並べると、条文の配置は次の3点にまとまります。
- 消防法施行規則第33条の3:甲種の表に第七類の行は無く、乙種の表の第七類に漏電火災警報器がある
- 消防法施行令第36条の2第1項:工事の対象を並べた第一号〜第十三号(第九号の二を含む14設備)に漏電火災警報器は無い
- 消防法施行令第36条の2第2項:整備の対象の第三号に漏電火災警報器がある
同じ配置になっているのが消火器です。消火器も第2項第二号にあって第1項の号には無く、規則の甲種の表には行が無く、乙種の表の第六類に置かれています(消防法施行令 第36条の2/消防法施行規則 第33条の3)。乙6と乙7は、条文の上では同じ並び方をしている2つの類です。甲種の表に行がある類との違いを見たい方は、泡消火設備を扱う2類の記事と見比べると、工事の号に設備が載っている類の書かれ方がつかめます。
なお、ここに挙げた条文の配置どうしを「〜だから甲種が無い」とつないだ公表文は、確認した範囲にはありません。この記事でも、表と号の並びを示すところまでに留めます。
「電源の部分を除く」の括弧書きはどの号に付いているか
第1項の柱書には、工事の範囲から一部を外す括弧書きがあります。第一号から第三号まで及び第八号の設備は「電源、水源及び配管の部分を除き」、第四号から第七号まで及び第九号から第十号までの設備は「電源の部分を除く」と書かれています(消防法施行令 第36条の2第1項)。この括弧書きは第1項の号に並ぶ設備についての定めで、漏電火災警報器は第1項の号にありません。第1項の「電源の部分を除く」を漏電火災警報器に当てはめて読むことはできない、というのが条文の書き方です。
第2項第三号の「漏電火災警報器」には、こうした括弧書きが付いていません。ただ、括弧書きが無いことの意味を説明した条文や公表文は確認した範囲に無いので、ここから「電源も整備の範囲に入る」と言い切ることもしません。
軽微な整備の例示に漏電火災警報器は出てこない
第2項の柱書は、整備から「屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備」を除いています。その総務省令である消防法施行規則第33条の2の2は、軽微な整備を「屋内消火栓設備又は屋外消火栓設備のホース又はノズル、ヒユーズ類、ネジ類等部品の交換、消火栓箱、ホース格納箱等の補修その他これらに類するもの」としています(消防法施行規則 第33条の2の2)。同条の例示は消火栓まわりで、漏電火災警報器を名指しした例は同条にはありません。
電気工事士法の免状とは別の法律の線引き
電気工事士の免状は、消防法とは別の電気工事士法の線引きです。同法第2条第3項は「電気工事」を「一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。」と定義しています(電気工事士法 第2条第3項)。
そのうえで第3条第2項は「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」としています(電気工事士法 第3条第2項)。括弧書きで除かれる作業がある点まで含めて、これが電気工事士法の側の線です。
一方で、漏電火災警報器の電源部分の電気工事が電気工事士法の領域だと明記した公的資料は、確認した範囲(消防法・消防法施行令・消防法施行規則の該当条、電気工事士法第2条・第3条、消防試験研究センターの試験案内)にはありませんでした。消防設備士の免状と電気工事士の免状は、それぞれ別の法律が別の線を引いている、というところまでが条文から言えることです。第二種電気工事士の作業範囲は第二種電気工事士ができることの記事で整理しています。
個人的には、現場で「乙7があれば電気まわりも全部触れる」「電工があれば乙7は要らない」のどちらかに話が寄っていくときほど、消防法施行令第36条の2と電気工事士法第3条を並べて確かめるのが安全だと思います。
乙7の試験は筆記30問と実技5問、試験時間は1時間45分
「試験の科目と問題数は?」「受験資格や受験料は?」という疑問に答えるのがこの章です。免除を使わない一般受験者の形から先に確認します。
| 試験科目 | 区分 | 問題数 |
|---|---|---|
| 消防関係法令 | 共通 | 6 |
| 消防関係法令 | 類別 | 4 |
| 基礎的知識 | 電気 | 5 |
| 消防用設備等の構造・機能・整備 | 電気 | 9 |
| 消防用設備等の構造・機能・整備 | 規格 | 6 |
| 筆記の計 | ― | 30 |
| 実技 | 鑑別等 | 5 |
第7類の基礎的知識と構造・機能・整備には機械の区分の問題がなく、電気と規格だけで組まれています(消防試験研究センター 試験科目及び問題数/試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種))。一般受験者の試験時間は1時間45分です(同 一覧表/試験の方法)。
試験の方法は、筆記が「マーク・カードを使う筆記試験」で全種「四肢択一式」、実技は「写真・イラスト・図面等による記述式」です(消防試験研究センター 試験の方法)。CBT(コンピュータ試験)の実施については、確認した範囲(センターの「試験の方法」「試験案内」「消防設備士試験」トップ)に記載がありません。
合格の線は筆記の科目ごと・筆記全体・実技の3つ
合格基準は、センターの「特類以外」の区分(乙種はここに入る)で「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。」とされています(消防試験研究センター 試験の方法)。筆記の合計点が足りていても、1科目でも40%を下回れば合格になりません。
受験資格・手数料・申込み
乙種は「どなたでも受験できます。」とセンターが案内しており、甲種のような受験資格は求められていません(消防試験研究センター 消防設備士試験 トップ)。申込みまわりで押さえる点は次のとおりです。
- 試験手数料:乙種4,400円(非課税)。一旦納入された試験手数料は返還されない(消防試験研究センター 試験の方法)
- 申請方法:すべての試験で電子申請が可能。書面(受験願書)による申請も現在は可能だが、令和10年度から受験申込みは原則として電子申請のみとなる予定(同 トップ)
- 日程と受付期間:受験する各支部(東京は中央試験センター)ごとに異なり、「試験日程一覧」で確認する(同 トップ)
- 当日の持ち物:写真を貼付した受験票、鉛筆又はシャープペンシル(HB又はB)、消しゴム。電卓・スマートフォン・スマートウォッチ等の機器は使用できない(同 トップ)
電気工事士の免状で残るのは法令10問と規格6問、試験時間は1時間00分
「第二種電気工事士を持っていたらどこまで軽くなる?」は、電気工事士を持っている方にとって、いちばん気になるところだと思います。免除は持っている免状の組み合わせで変わるので、表で比べるのが早道です。原表はセンターの「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)」の乙種第7類の欄です。
| 持っている免状 | 免除される列 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 一般受験者(免除なし) | なし | 1時間45分 |
| 甲種1〜3・5類又は乙種1〜3・5・6類のいずれか | 法令(共通) | 1時間30分 |
| 甲種4類・乙種4類のいずれか | 法令(共通)、基礎的知識(電気) | 1時間15分 |
| 電工 | 基礎的知識(電気)、構造・機能・整備(電気)、実技(鑑別等) | 1時間00分 |
| 電主 | 基礎的知識(電気)、構造・機能・整備(電気) | 1時間15分 |
| 甲種又は乙種のいずれか+電工 | 法令(共通)、基礎的知識(電気)、構造・機能・整備(電気)、実技(鑑別等) | 0時間35分 |
| 甲種又は乙種のいずれか+電主 | 法令(共通)、基礎的知識(電気)、構造・機能・整備(電気) | 0時間45分 |
表の「電工」は第一種電気工事士免状又は第二種電気工事士免状の交付を受けている方、「電主」は第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の交付を受けている方を指します(消防試験研究センター 試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種) 備考)。このほか、技術士(電気電子部門)又は検定協会等職員を起点にした組み合わせもあり、試験時間は0時間35分〜0時間45分の行が並んでいます(同 一覧表)。
電工の免除で残る問題は算出値で16問
電工の行で免除されるのは、基礎的知識(電気)5問・構造・機能・整備(電気)9問・実技(鑑別等)5問です。筆記で残る問題を一覧表の問題数から数えると次の3つで、合計は16問になります(算出値。消防試験研究センター 一覧表の問題数から計算)。
- 消防関係法令(共通):6問
- 消防関係法令(類別):4問
- 構造・機能・整備(規格):6問
筆記30問から免除の5問と9問を引いても16問で、残る列を足した数と一致します。実技は免除なので出題されず、試験時間は一覧表の公表値で1時間00分です。ここで間違えやすいのが「構造・機能・整備」の扱いで、免除されるのは電気の9問だけです。規格の6問は電工の行では免除されません。
もう1つ見ておきたいのが、法令(類別)の列です。一覧表では、どの行にも法令(類別)の免除がありません。他類の免状と電工を両方持っていても、法令(類別)の4問は残ります(消防試験研究センター 一覧表)。
免除を受けても合格の線は「免除を受けた以外の問題」で引かれる
「免除で合格基準は変わる?」という点は、センターが「試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方を合格とします。」と書いています(消防試験研究センター 試験の方法)。科目ごと40%以上・全体60%以上という線そのものは同じで、それを残った問題に当てはめる形です。電工の免除を使う場合、法令と規格の16問の中で線を越える必要があります。
免除は申請して受ける。証明書類は受験申請時に
センターは「消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士等の資格を有する方は、申請により試験科目の一部が免除になります。」と案内しています(消防試験研究センター 試験科目及び問題数)。免状を持っているだけで自動的に免除されるわけではなく、受験申請時に証明書類を出します。電気工事士なら電気工事士免状のコピー、電気主任技術者なら電気主任技術者免状のコピー、消防設備士なら消防設備士免状のコピーです(同 一覧表)。
乙4と乙7を一緒に受ける場合の試験時間
一覧表には、この2つの類をまとめて受ける場合の欄も別に設けられています。「電工」のみの方は1時間45分、「甲種・乙種の設備士」+「電工」は1時間30分、「技術士(電気電子部門に限る)」+「電工」は1時間30分、「技術士(電気電子部門に限る)」+「甲種・乙種の設備士」+「電工」は1時間20分です(消防試験研究センター 一覧表)。自動火災報知設備などを扱う第4類との関係は自動火災報知設備の記事で設備側から整理しています。
電気工事施工管理技士は免除資格の欄に無い
電気工事施工管理技士を持っている方が気になるのがその資格での免除ですが、一覧表と「試験科目及び問題数」のページの免除資格の欄に施工管理技士の記載はありません(確認範囲=消防試験研究センター 一覧表(乙種)・試験科目及び問題数)。乙7の免除を考えるなら、手元にある電気工事士・電気主任技術者・他類の消防設備士の免状や技術士の資格が、一覧表のどの行に当たるかを見るのが先です。電気工事士の資格そのものについては第二種電気工事士の記事でまとめています。
第7類の合格率を、同じ年度の乙種第6類・乙種計と並べる
「合格率はほかの類と比べて高い?」という疑問には、消防試験研究センターの試験実施状況から答えます。第7類の4年分は次のとおりです。
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 5,822 | 3,766 | 64.7% |
| 令和6年度 | 5,138 | 3,285 | 63.9% |
| 令和5年度 | 5,469 | 3,300 | 60.3% |
| 令和4年度 | 5,759 | 3,425 | 59.5% |
数値はいずれもセンター公表の試験実施状況(令和7年度・令和6年度・令和5年度のページ。令和4年度は令和5年度のページの前年度欄)によるものです(消防試験研究センター 試験実施状況)。
同じ令和7年度の表で並べると、乙種第6類の合格率は35.6%(受験者32,400・合格者11,541)、乙種計は38.3%です(消防試験研究センター 試験実施状況 令和7年度)。第7類の64.7%は、同年度の乙種計より26.4ポイント高い数字です(差は計算値)。受験者の数で見ると、第6類が32,400人に対し第7類は5,822人で、受験する人の規模もかなり違います。
正直なところ、合格率が高い理由を説明したものはセンターの表には書かれていません。免除を使った受験者がどれだけいるかも、この表からは分かりません。合格率の数字は「同じ年度の他の類と比べてどの位置にあるか」を見る材料として使い、試験の易しさを言い当てる数字としては扱わないのが無難です。乙種の中でも水系の第1類と比べたい方は、屋内消火栓設備などを扱う1類の記事で同じ年度の数字を確認できます。
合格後の免状申請と講習。期限は「最初の4月1日」から数える
「合格した後の手続きは?」「講習はいつまでに?」という疑問は、合格してから慌てやすいところです。流れを3つに分けると次のようになります。
- 免状の交付申請:試験を行った都道府県知事に申請書を出す
- 1回目の講習:免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内
- 2回目以降の講習:前回の講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内
免状の交付申請と手数料
消防法施行令第36条の3は、免状の交付を受けようとする者は、申請書に総務省令で定める書類を添えて、当該免状に係る消防設備士試験を行った都道府県知事に提出しなければならない、と定めています(消防法施行令 第36条の3)。消防試験研究センターの案内では、新規免状の交付の手数料は2,900円(1種類につき)で、試験日後6ヶ月以上経過して申請する場合は新たに写真1枚が必要です(消防試験研究センター 新規免状の交付)。
講習の期限の数え方
消防法第17条の10は、消防設備士は都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む。)が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならない、としています(消防法 第17条の10)。
期限を決めているのは消防法施行規則第33条の17です。第1項は「免状の交付を受けた日以後における最初の四月一日から二年以内」、第2項は「同項の講習を受けた日以後における最初の四月一日から五年以内に講習を受けなければならない。当該講習を受けた日以降においても同様とする。」としています(消防法施行規則 第33条の17第1項・第2項)。起点は交付日や受講日そのものではなく、その日以後における最初の4月1日です。
講習の科目や講習時間などの細目は、同条第3項で消防庁長官が定めるとされています(消防法施行規則 第33条の17第3項)。手数料については、消防法施行令第36条の8が「法第十七条の十一第一項の規定により納付すべき手数料の額は、七千円とする。」と定めており、これは指定講習機関が行う講習の手数料です(消防法施行令 第36条の8)。都道府県が行う講習の額はこの条文には書かれていないので、受講先の案内で確かめてください。
消防設備士乙7に関する情報まとめ
- 乙7とは:消防法施行規則第33条の3の乙種の表の第七類で、漏電火災警報器の免状。センターは乙種を「整備及び点検ができます」と案内
- 設置される建物:施行令第22条。鉄網入りの壁・床・天井という造りの条件と、第一号〜第七号の用途・規模の条件を両方満たすもの。面積は「以上」、契約電流容量は50アンペアを「超える」
- 甲種との関係:甲種の表に第七類の行は無く、施行令第36条の2第1項の工事の号にも漏電火災警報器は無い。第2項第三号の整備の号にある
- 試験:筆記30問+実技5問、1時間45分。乙種はどなたでも受験でき、手数料は4,400円
- 免除:電工なら基礎的知識(電気)・構造・機能・整備(電気)・実技が免除され、残りは算出値で16問・1時間00分。法令(類別)はどの組み合わせでも残る
- 合格率と合格後:令和7年度64.7%(同年度の乙種計38.3%)。講習の期限は交付日以後の最初の4月1日から2年以内、その後は受講のたびに5年以内
以上が消防設備士乙7に関する情報のまとめです。
乙7は試験の数字だけを見ると手の届きやすい免状に見えますが、取ったあとに効いてくるのは「漏電火災警報器がどの建物に付くか」と「消防法と電気工事士法がそれぞれどこに線を引いているか」の2つです。改修現場で乙7を求められたら、まず施行令第22条で対象の建物かどうかを確かめ、電気工事士の免状で受けられる免除を申請に乗せ、合格後は最初の4月1日をカレンダーに書き込んでおく。その3つを押さえておけば、免状を取ったあとに足をすくわれることは少ないと、僕は考えています。
電気工事士を持っていると、乙7の試験は何問・何分になりますか?
第一種又は第二種電気工事士の免状を持っていて免除を申請した場合、筆記で残るのは法令(共通6問・類別4問)と構造・機能・整備(規格)6問の算出値16問で、実技は免除されます。試験時間は1時間00分です(消防試験研究センター 試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種))。
甲種第7類はありますか?
消防法施行規則第33条の3の甲種の表は特類と第一類〜第五類で、第七類の行はありません。漏電火災警報器は乙種の表の第七類に置かれています(消防法施行規則 第33条の3)。
講習はいつまでに受ければいいですか?
免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内に1回目、その後は講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内ごとに受けます(消防法施行規則 第33条の17)。
