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構造設計とは?流れ、構造計算との違い、構造設計一級建築士など

  • 構造設計って具体的に何をする仕事?
  • 構造計算と何が違うの?
  • 設計の流れはどうなってる?
  • 構造設計一級建築士って何ができるの?
  • 施工管理とどう関わるの?
  • 現場で起きる構造関連トラブルは?

上記の様な悩みを解決します。

構造設計は、建物を「どう建てるか」より前の段階で「壊れない仕組みを決める」仕事で、施工管理者にとっても切っても切れないパートナー業務です。設計と施工の関係を理解しておくと現場の判断力がぐっと上がるので、抑えるべき知識を抑えるようにしましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

構造設計とは?

構造設計とは、結論「建物が地震・風・自重などに耐えられるように、骨組みの形状・部材寸法・接合方法を決める設計業務」のことです。

意匠設計(デザインや空間構成を決める)、設備設計(電気・空調・給排水を決める)と並ぶ、建築設計の3本柱の1つ。一般に建築士が担いますが、規模や用途によっては「構造設計一級建築士」の関与が法令で義務付けられています。

何をやっているか、ざっくり言うと
– 想定する荷重(地震、風、雪、人や家具の重さ)の整理
– 構造形式(RC造/S造/木造、ラーメン構造/壁式構造など)の選定
– 部材寸法・配筋・継手の設計
– 構造計算による検証
– 構造図の作成

「建物を絵で描く」のが意匠設計だとすると、「絵にした建物が壊れないように骨組みを設計する」のが構造設計、というイメージですね。

意匠図と構造図、施工図の違いはこちらの記事も合わせて読んでみてください。

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構造設計と構造計算の違い

混同されやすい2つの言葉を整理しておきます。

項目 構造設計 構造計算
範囲 設計プロセス全体 設計のうち「数値検証」のパート
含まれる内容 構造形式選定、部材選定、構造図作成、構造計算 荷重計算、応力解析、断面検定、たわみ検討
成果物 構造図一式+構造計算書 構造計算書
担当 構造設計者(建築士) 構造設計者または計算専門家

簡単に言うと「構造設計が大きな箱、構造計算がその中の1工程」です。

構造計算は「決めた断面で本当に応力的に持つか」を数値で証明する作業。構造設計は「そもそも何造にするか、柱の本数は何本か、どこに耐力壁を置くか」など、建物の骨組み全体を決める広い活動を指します。

法令上も両者は別概念で、建築基準法では構造計算の方法(許容応力度等計算、ルート1〜3、限界耐力計算、時刻歴応答解析)が細かく定められていますが、構造設計のプロセス自体は設計者の裁量と責任に委ねられている部分が大きいです。

構造計算の難しさを示す例として、層間変形角・剛性率・偏心率といった指標がありますね。

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構造設計の流れ

実際の構造設計プロセスを、フェーズごとに整理します。

フェーズ1: 基本計画(プロジェクト初期)
意匠設計者と意見交換しながら「どの構造形式を使うか」を決めます。木造/RC造/S造/SRC造/混構造の選定、ラーメン構造/壁式構造/ブレース構造といった抵抗形式の選定、基礎形式(直接基礎/杭基礎)の方針までこの段階で決めることが多いです。

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フェーズ2: 基本設計(プロジェクト中盤)
柱・梁・耐力壁の位置と概算寸法を決めます。意匠設計の図面と整合させながら「ここに柱を立てると意匠的にNG」「梁が大きすぎて天井高が確保できない」といった調整を繰り返します。

フェーズ3: 構造計算
許容応力度等計算、保有水平耐力計算、限界耐力計算など、規模・用途に応じた構造計算を実施。各部材の応力・たわみ・安全率を数値で確認し、必要に応じて断面を見直します。

フェーズ4: 構造図の作成
柱伏図、梁伏図、軸組図、配筋詳細図、鉄骨詳細図、基礎伏図など、施工に必要な図面を一式作成します。施工管理者が現場で使う図面ですね。

フェーズ5: 構造設計適合性判定(一定規模以上)
構造計算ルートが「ルート3(保有水平耐力計算)」になる建物では、第三者機関による適合性判定(適判)が必要。判定機関の指摘に対応して図書を修正します。

フェーズ6: 確認申請
建築基準法に基づく確認申請に、構造図と構造計算書を添付。指定確認検査機関の審査を受けます。

フェーズ7: 工事監理(施工段階)
着工後も構造設計者が現場の重要な要所をチェック。配筋検査、鉄骨製作工場検査、柱継手検査などに立ち会うのが標準です。

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構造設計一級建築士の役割

平成20年の建築士法改正で創設された資格で、一定規模以上の建物の構造設計に必須となりました。

構造設計一級建築士の関与が必要な建物
– 高さ60m超の建築物(超高層建築物)
– 鉄筋コンクリート造で高さ20m超または地階を除く階数4以上
– 鉄骨造で4階以上
– 木造で高さ13m超または軒高9m超
– これらに準じる規模の建物

これらの建物では、一級建築士が構造設計をしても、構造設計一級建築士が「法適合確認」をして記名押印しないと、確認申請が通りません。

資格取得のハードル
– 一級建築士として5年以上の構造設計実務経験
– 構造設計一級建築士講習を受講・修了考査に合格
合格率は概ね30〜40%。受験資格を得るまでに最短でも一級建築士取得後5年なので、取得まで早くて30代後半というハードな資格です。

施工管理者から見た意義
構造設計一級建築士が作成・関与した構造図は、ある程度の品質保証があるという見方ができます。逆に、現場で「ここの配筋を変えたい」「梁を1ピッチ動かしたい」といった軽微変更でも、規模によっては構造設計一級建築士の同意が必要になるので、設計者との連絡体制は重要です。

構造設計と施工管理の関わり

施工管理として構造設計者と直接やりとりする場面はかなり多いです。

施工図のチェック

施工管理が作成した施工図(鉄骨ファブ図、配筋施工図など)を、構造設計者がレビューします。設計意図を満たしているか、構造的に問題ないかをチェックする工程ですね。

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材料・配筋の質疑応答

「設計図でD22指定だがD25でもいいか」「コンクリート強度Fc=24をFc=27に上げたい」など、現場発の変更要望を構造設計者に投げて判断を仰ぎます。多くは安全側の変更ならOKですが、応力計算に影響する変更は再計算が必要なことも。

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軽微な変更と再計算の境界

軽微な変更(配筋ピッチを5mm刻みで変える等)は構造設計者の判断で済みますが、構造耐力に影響する変更(耐力壁を移動する、開口位置を変えるなど)は確認申請の計画変更が必要になることがあります。施工管理として「これは軽微で済むのか、計画変更案件か」の感覚を持っていると、対応速度が大きく変わります。

定例検査での立ち会い

配筋検査・鉄骨建方検査・コンクリート打設立ち会いなどに、構造設計者・工事監理者が同行します。施工管理は事前準備(チェックリスト・施工図確認)と当日のスケジュール調整を担います。

トラブル時の判断仰ぎ

コンクリートのジャンカ、コールドジョイント、鉄筋のかぶり不足などの不具合が出た場合、補修方針を決めるのは構造設計者の仕事。施工管理は不具合状況を写真と図面で正確に伝えて、判断を仰ぐ流れです。

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構造設計に関する施工現場の注意点

施工管理として現場でよくある注意ポイントを整理します。

設計図の不整合に気づいたら即連絡
意匠図と構造図、構造図と設備図の整合性が取れていないケースは現場でよく発見されます。「梁の下にダクトが当たる」「柱の位置が違う」など、施工前に気づければやり直しを防げるので、図面照合は念入りに。

設計者の意図を質疑書に残す
口頭で「これでOK」と聞いた変更は、後で「言ってない」「違う意味だった」と揉めがち。質疑応答書で書面化しておくのが鉄則。電話・メールでも記録を残します。

構造計算の前提を変える変更は要再計算
柱本数の削減、耐力壁の移動、用途の変更(事務所→工場など)は、構造計算の前提を変える変更です。「これくらいなら大丈夫」と勝手判断せず、必ず構造設計者にエスカレーションしましょう。

施工誤差の許容範囲を確認する
柱の建方精度、配筋ピッチ、コンクリート断面寸法など、設計図には許容誤差が記載されていることが多いです。「許容範囲外の誤差が出たらどうするか」を事前に決めておくと、現場での対応が早いです。

確認申請の計画変更には1〜3ヶ月かかる
万一、確認申請の計画変更が必要な事態になると、審査・再判定で1〜3ヶ月の工程影響が出ます。早期発見・早期エスカレーションが何よりの防御。

竣工後も構造図書は10年保管
建築士法・建築基準法で、構造図書は引渡し後10年以上の保管が義務付けられています。改修工事の際に過去の構造設計が分からなくなっていると、確認申請が通らないケースもあるので、施工管理としても竣工図書の整理を徹底します。

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構造設計に関する情報まとめ

  • 構造設計とは:建物の骨組み・部材寸法・接合を決める設計業務
  • 構造計算との違い:構造設計が広い設計プロセス、構造計算はその中の数値検証パート
  • 流れ:基本計画→基本設計→構造計算→構造図作成→適合性判定→確認申請→工事監理
  • 構造設計一級建築士:高さ60m超・RC造20m超等で関与が法定義務
  • 施工管理との関わり:施工図レビュー、材料変更承認、検査立ち会い、不具合対応
  • 注意点:図面不整合の早期発見/質疑応答書の書面化/前提変更の再計算/工程影響への備え

以上が構造設計に関する情報のまとめです。

施工管理から構造設計を見ると、最初は「向こう側の世界」に感じるかもしれませんが、実際には設計者と日常的に協働して建物を作り上げる重要なパートナー関係です。設計の意図と制約を理解できれば、現場での判断速度と質が一段階上がりますね。

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