建築の意匠図とは?構造図や施工図との違い、読み方などを解説

  • 建築の意匠図とは?
  • 構造図との違いは?
  • 施工図とはどう違うの?
  • 読み方、書き方を知りたい

上記のような悩みを解決します。

意匠図は建物の見た目に関する部分を表現します。

建物は利便性だけでなく、おしゃれさも重要です。同時に意匠も大切であり、施工を進める上では必ず考慮しなければならない部分です。

この記事では意匠図とは?といったところから、読み方、書き方、サイズについて解説していきます。

難しい専門用語は使わずに、例え話を交えてなるべく分かりやすい記事に仕上げていきますので、初心者の方でも理解しやすい内容になるかなと思います。

それではいってみましょう!

 

意匠図とは?

意匠図とは、結論「建物の見た目に関わる部分を示した図面こと」です。

建物はただ構造体として成立すればいいというものではありません。

見た目が大切です。ダサいカフェよりもおしゃれなカフェに人が集まるように、オーナーとしても見た目がおしゃれな方が商業的な効果があります。オフィスビルでもおしゃれな方が儲かりますし、ダサいマンションに入居したがる人もいません。

図面には様々な種類があります。建物の躯体を示した躯体図だったり、実際の施工方法について詳しく記述された施工図などがあります。

この中で意匠図は「見た目」の部分に特化した図面です。

意匠図に示されること

  • コンクリートの柱をどのような仕上げにするのか?
  • どれくらいふかすのか?
  • 床の仕上げはどのようにするのか?
  • 電灯はどこに何個つくのか?

また、意匠図には「平面図」と「断面図」と「立面図」の3種類があります。

平面図は建物を水平方向に切った図面ですので、上から眺めた時の建物の見た目を把握することができます。天井だったり床に関する情報が取得できます。

対して、断面図は垂直方向に切った図面のことを指します。

建物を人に例えるなら、上半身と下半身に切り分けるか?右半身と左半身に切り分けるか?の違いです。前者は平面図であり、後者は断面図です。

それぞれの図面によって読み取れる情報は異なりますよね。

両方の図面を確認することにより、正確な知識をインプットすることが可能です。

ちなみに立面図とは、建物の外観を示した図面になります。東西南北それぞれから建物を見た時の絵ですから、全体を掴むことに長けています。

 

意匠図と構造図との違い

意匠図と構造図との違いは、結論「躯体のみか?仕上げも含まれるか?」です。

まず構造図とは、建物の構造体を記した図面です。柱だったり梁だったりを示す訳ですが、構造図に仕上げ部分は含まれていません。

人に例えるなら、ガイコツが構造図です。

ガイコツなら人の骨部分に対する理解は深まります。背骨の太さだったり、頭蓋骨の形だったり、人が成立する基礎である骨部分の記述に重きが置かれます。

ただガイコツだけだと、どのような人が仕上がるか?を知ることはできません。どこにどの程度の肉がつくのか?どの種類の臓物がどの部分につくのか?目の色は?髪質は?という見た目の部分にはタッチしていないんです。

対して、意匠図ではガイコツだけでなく、肉や臓物についても記されます。最終的に人がどのような仕上がりになるか?についても描かれるのが意匠図です。

ちなみに意匠図にも構造体は描かれますが、構造図ほど詳細には描かれません。

図面の種類によって「どこに重きを置くか」が変わります。自分が欲しいと考えている情報を明確にしてから図面を読むようにしましょう。

 

意匠図と施工図の違い

意匠図の施工図との違いは、結論「解像度」です。

まず、意匠図は設計図に分類されます。設計図の解像度は低く「なんとなくこんな感じでいくよ〜」という図面でしかありません。ざっくりの方向性を示しているだけになります。

対して、施工図の解像度は非常に高いです。

施工図とはその名の通り「施工する際に見る図面」になります。実際に職人さんが見て施工する図面ですので、細かいところまで詰められているんです。

照明器具を具体例に考えてみましょう。

意匠図では「部屋の中心に一個だけ照明器具を置く」と書いているとしましょう。施工図では下記の情報まで記されます。

施工図に記される情報

  • 柱から何mmの位置に照明器具があるのか
  • どの種類の照明器具があるのか
  • 配線にはどんなケーブルを使うのか
  • どのような配線方法をするのか
  • ボックスはどこに置くのか
簡単に言えば「細かさ」でして、意匠図をより細かく書いたのが施工図になります。

 

意匠図の読み方

繰り返しになりますが、意匠図には「平面図」と「断面図」と「立面図」の3種類があります。読み方はそれぞれ解説します。

平面図の読み方

平面図は建物を水平方向に切った図面ですから、建物を上から見た時の断面を読み取れます。例えば、柱を切っているので柱の寸法だったり、梁の太さなどを読み取ることができます。

型枠を組む際は型枠の大きさを選定することができますし、電灯を光らせたい場合は配置の仕方を検討することができます。

建物の構造体や床・天井関係を読み取りたい場合は平面図を読み取りましょう。

 

断面図の読み方

断面図は建物を垂直方向に切ったものですので、壁に関係する情報を読み取りたい場合に見ましょう。

例えばコンセントの位置を検討する際、上からみた平面図だけでは読み取りきれない部分があります。垂直方向に切った断面図を見れば、柱を横から見た時の状況を読み取れます。

壁などの横に関するものは断面図から読み取りましょう。

 

立面図の読み方

立面図は建物の外観に関わる情報を得たい時に読みましょう。

建物を見ている方向は断面図と一緒ですが、立面図は建物の外観情報を読み取ることが可能です。窓だったりドアだったりについて知りたい場合に必要です。

 

意匠図に関する情報のまとめ

意匠図に関する情報のまとめ

  • 建築の意匠図とは:建物の見た目に関わる部分を示した図面こと
  • 意匠図と構造図の違い:躯体のみか?仕上げも含まれるか?
  • 意匠図と施工図の違い:解像度
  • 意匠図の読み方:上章参照

以上が意匠図に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

似たような図面で躯体図と呼ばれるものがあります。意匠は取っ払って躯体や構造体に着目した図面な訳ですが、こちらも意匠図と同様に重要です。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!