- 1級造園施工管理技士って難しいの?合格率はどれくらい?
- 2級は持ってるけど、1級を取る意味ってある?何が変わる?
- 受験資格が変わって、19歳から受けられるって本当?
- 一次と二次、どっちが難しい?
- 二次の記述って、造園の経験を何を書けばいいの?
- 勉強時間はどれくらい?働きながら受かる?
- 監理技術者とか経審の加点って、会社にどう役立つの?
- 造園で食っていくなら、1級は必須なの?
上記の様な悩みを解決します。
1級造園施工管理技士は、公園・緑地・街路樹・庭園・屋上緑化など、あらゆる造園工事で監理技術者として現場を統括できる国家資格です。造園業界では価値の高い資格ですが、出題範囲が造園学から土木・園芸・林学まで広く、二次検定では経験記述が求められるため、「難しい」と言われる難関でもあります。今回は合格率・難易度・受験資格といった基本を押さえた上で、現役の施工管理目線で「1級ならではの価値」「造園特有の経験記述の組み立て方」まで整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級造園施工管理技士とは?
1級造園施工管理技士とは、結論「大規模な造園工事で監理技術者として、施工計画から工程・品質・安全・原価までを統括できる国家資格」のことです。国土交通省が管轄し、建設業法に基づいて実施されています。
担当する現場は、公園整備、街路樹、緑地、庭園、商業施設のランドスケープ、屋上緑化など多岐にわたります。造園の施工管理が他の工種と決定的に違うのは、扱う対象に「生き物(植物)」が含まれることです。樹木の活着や生育を見越した植栽の品質管理、季節を考えた施工時期の判断など、コンクリートや鉄骨の現場にはない難しさがあります。
植栽工事そのものの流れはこちらが参考になります。

検定は第一次検定と第二次検定に分かれ、第一次に合格すると「1級造園施工管理技士補」、第二次まで合格すると「1級造園施工管理技士」になります。そして1級の最大の特徴は、合格後に講習を受けることで「監理技術者」になれることです。これが2級との一番大きな差で、扱えるプロジェクトの規模が一段上がります。
個人的には、1級は「造園で長く現場を仕切っていく人が、どこかで必ず通る関門」という位置づけです。資格手当のためというより、任される仕事の幅を広げるための資格と捉えると価値が見えてきます。
1級造園施工管理技士の合格率と難易度
合格率から見ていくと、難易度は施工管理技士の中でも高めです。第二次検定はおおむね40%前後で推移しており、知識だけでは突破できない試験です。
第一次検定の合格率は近年の推移で見ると次の通りです。
| 年度 | 第一次検定 合格率 | 第二次検定 合格率 |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 45.4% | 40.0% |
| 令和5年度 | 35.2% | 43.3% |
| 令和4年度 | 44.0% | 46.0% |
| 令和3年度 | 35.9% | 40.0% |
| 令和2年度 | 39.6% | 41.0% |
なお令和7年度(2025年度)の第一次検定は全国合格率が52.1%まで上がり、平成28年以来9年ぶりに50%を超えました。とはいえ、これは第一次が高めに出た年であって、二次は依然40%前後の狭き門です。年度によって一次は35〜45%と振れるので、「受かりやすい年もあるが、二次は安定して難しい」と捉えておくのが現実的です。
難易度が高い理由は、出題範囲の広さにあります。造園学・材料・設計・植栽・施工管理法・法規に加え、土木工学や園芸学、林学の知識まで問われます。さらに二次では、それらの知識を自分の現場経験と結びつけて記述する応用力が必要です。範囲が広く、かつ実務と結びつけて書ける力が要る——ここが造園1級の壁です。
1級造園施工管理技士の受験資格
受験資格は令和6年度の制度改正で大きく変わりました。結論から言うと、第一次検定は「その年度に19歳以上であれば、学歴や実務経験を問わず受験できる」ようになりました。
第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験で受験資格が決まります。新制度の主なルートは次のようなものです。
- 1級一次検定合格後、実務経験5年以上
- 1級一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
- 1級一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上
- 2級二次検定合格後、実務経験5年以上(1級一次合格者に限る)
ここで「特定実務経験」とは、請負金額4,500万円以上の工事で、監理技術者・主任技術者の指導のもと、または自ら主任技術者等として施工管理を行った経験を指します。
一気に新制度へ移ると不利になる人が出るため、令和6年度から令和10年度までは経過措置として、令和5年度までの旧受験資格(学歴ごとの実務経験年数)でも受験できます。たとえば旧制度なら、指定学科の大学卒で3年以上、2級合格者なら合格後5年以上といったルートがあります。自分がどちらに当てはまるかは、必ず受検の手引で確認してください。
申込時には実務経験証明書などの書類が必要で、ここの準備に時間がかかります。試験は通常年1回で、申込が5月頃、第一次が9月頃、第二次が12月頃、というのが大まかな流れです。書類は早めに揃えておくと安心です。
1級造園施工管理技士の試験内容と勉強方法
試験は第一次と第二次で性格がまったく違うので、対策も分けて考えます。結論は「一次は知識のマークシート、二次は造園の経験記述」です。
第一次検定はマークシート方式で、造園工学・材料・設計・植栽・施工管理法・法規などの知識問題と、施工管理法の応用能力問題が出ます。合格基準は総得点60%以上で、応用能力問題でも一定の正答率が求められます。範囲が広いので、過去問で頻出分野を見極めながら、まんべんなく押さえるのがコツです。
第二次検定は記述式で、ここが造園1級の本丸です。自分が関わった造園工事を題材に、工程管理・品質管理・安全管理などのテーマで、現場で起きた課題とその対策を具体的に書きます。造園ならではの難しさは、書く題材が「植栽の活着」「移植時期の判断」「公園の利用者がいる中での安全確保」など、植物や公共空間に関わる内容になる点です。
剪定や植栽の時期といった造園特有の判断はこちらも参考になります。

造園の二次でやっかいなのは、コンクリートや鉄骨の工事と違って「植物が相手」という事情を答案に織り込む必要があることです。工程管理なら植栽適期との兼ね合い、品質管理なら樹木がきちんと活着しているかの確認、安全管理なら公園利用者や周辺交通への配慮といった、造園ならではの論点を自分の現場と結びつけて書けるかが問われます。だからこそ、担当した工事を工程・品質・安全のテーマ別に分け、それぞれ「造園だからこその課題」を一つずつ言語化しておくと、本番で設問のテーマが変わっても答案が崩れません。
勉強時間の目安は、一次・二次あわせて300〜600時間ほど。範囲が広いぶん、一次対策は半年〜1年前から計画的に始めるのが理想です。働きながらなら、通勤時間で知識を回し、休日に記述練習というリズムが現実的だと思います。
1級と2級造園施工管理技士の違い
1級と2級の違いを一言でいうと、「任せられる工事の規模と、なれる配置技術者の種類」です。結論として、1級は監理技術者になれて、2級はなれません。
2級造園施工管理技士は、一般建設業の専任技術者や、現場の主任技術者になれますが、扱える工事規模に制限があります。一方で1級は、特定建設業の専任技術者や、工事規模を問わず主任技術者・監理技術者になれます。つまり、大規模な公共造園や元請の大型プロジェクトを統括できるかどうかが、1級と2級を分ける線です。
配置技術者の役割そのものはこちらで整理しています。

2級の詳しい内容はこちらでまとめています。

キャリアとしては、まず2級で主任技術者として現場経験を積み、その経験をそのまま1級二次の経験記述に活かして1級へ——という流れが王道です。2級で積む管理経験が、結局1級合格の財産になります。
1級造園施工管理技士を取得するメリット
最後に、苦労して1級を取る価値を整理します。結論として、メリットは「個人のキャリア」と「会社の評価」の両面に効きます。
個人にとっては、監理技術者として大規模工事に携われるようになり、現場代理人や管理職への昇進、資格手当、転職市場での評価アップにつながります。独立を考える場合も、特定建設業の専任技術者要件を満たせるため、建設業許可の面で非常に有利です。造園施工管理の年収の伸ばし方はこちらが参考になります。

会社にとって大きいのが、経営事項審査(経審)での加点です。公共工事を受注するうえで、1級資格者の在籍は企業の技術力評価の加点項目になり、入札で有利になります。

関連資格との違いも押さえておきましょう。造園技能士は剪定や石組みといった「実作業」のスキルを証明する資格で、施工管理技士の「管理」とは役割が異なります。樹木医は樹木の診断・治療に特化した専門資格です。現場を仕切る立場を目指すなら施工管理技士、職人として腕を証明したいなら技能士、というのが基本的な選び方になります。
正直なところ、造園で管理者として食っていくなら、1級は「あれば有利」というより「いずれ必要になる」資格です。範囲が広く難しい試験ですが、取れば任される仕事も評価も明確に変わるので、挑戦する価値は十分あります。
1級造園施工管理技士に関する情報まとめ
- 1級造園施工管理技士とは:大規模造園工事で監理技術者になれる国家資格。植物を扱う品質管理が特徴
- 合格率・難易度:二次は40%前後の難関。令和7年度の一次は9年ぶりに50%超だが範囲が広く油断は禁物
- 受験資格:一次は19歳以上で誰でも、二次は一次合格後の実務経験(令和10年度まで旧資格も併用可)
- 試験内容・勉強法:一次はマークシート、二次は造園の経験記述。目安300〜600時間で計画的に
- 1級と2級の違い:1級は監理技術者になれて扱える工事規模が広がる。2級→1級が王道
- メリット:キャリアアップ・独立に有利、会社は経審で加点。造園で管理者を目指すなら必須級
以上が1級造園施工管理技士に関する情報のまとめです。範囲の広さと経験記述で難関ではありますが、取れば監理技術者として動ける現場が広がり、会社の経審評価にも効いてきます。個人にも組織にも返ってくる資格なので、受験のハードルを越える価値は十分あると思います。

