1級建築施工管理技士の更新、要る人と要らない人をまず判定

  • そもそも1級建築施工管理技士に更新なんてあるのか。失効したら取り直しなのか
  • 総務から「監理技術者の更新をしておいて」と言われたが、何を更新するのか分からない
  • 合格証明書は持っている。資格者証は持っていない。これで足りているのか誰も教えてくれない
  • 講習と資格者証は別物なのか。両方要るのか
  • 5年というのは、いつから数えて5年なのか
  • いまの現場は監理技術者を置くような規模ではない。それでも受けないとだめなのか
  • 受講料はいくらか。会社が出すのか自腹なのか
  • 1日つぶれるのか。半日では終わらないのか
  • 建築士の定期講習も受けている。あれとは別なのか
  • 期限が切れていたことに気づいた。もう手遅れなのか

上記の様な悩みを解決します。

1級建築施工管理技士の「更新」という言葉は、技術検定合格証明書・監理技術者資格者証・監理技術者講習という3つの別々の書類の話が、たった1語に押し込まれた状態で使われています。先に結論だけ置くと、技術検定合格証明書の公式案内に更新の手続きは置かれていません。期限があるのは、監理技術者として現場に立つための監理技術者資格者証と監理技術者講習の修了という2つです。総務から一言だけ投げられて調べ始めると、手続きの説明は山ほど出てくるのに、肝心の「で、自分はやらないといけないのか」が最後まで分からないんですよね。多くの案内ページは受けることを前提に申請方法を並べているだけで、要否の判定には答えてくれません。今回は建築という種目に絞って「あなたに更新が要るかどうか」の判定から始め、そのうえで受講料と実施機関の選び方、5年の起算日、建築士定期講習との二重管理、申請と期限切れの実務まで、実際に動く順番どおりに整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、条文を読むのが苦手な方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

1級建築施工管理技士の資格そのものに更新はない

結論から書きます。1級建築施工管理技士という資格そのものに、更新の手続きはありません。総務から「監理技術者の更新をしておいて」と言われて、資格が消えるのかと焦った人は、まずここで一度落ち着いてかまいません。

根拠になるのは、合格後に交付される技術検定合格証明書の公式案内です。一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部の「技術検定合格証明書について」のページに置かれている手続きは「技術検定合格証明書の新規申請の手続き」と「技術検定合格証明書の再交付・書換の手続き(英文合格証明書の交付手続き)」の2つだけで、更新という語も、更新の手続きも記載がありません(同ページ・2026年9月12日確認)。有効期限の案内も置かれていません。ここは「更新制度が法令上存在しない」と言い切るのではなく、公表されている公式案内に更新の手続きが置かれていない、という事実として受け取ってください。

では何に期限があるのか。期限があるのは資格ではなく、監理技術者として現場に立つための書類のほうです。建設業法第27条の18第4項は「資格者証の有効期間は、五年とする。」と定めています(e-Gov法令検索 建設業法 現行施行版・2026年9月12日確認)。会社が口にする「更新」は、ほぼこの資格者証と、それとセットになる講習を指しています。

この記事で扱う「更新」の中身を、先に分解して置いておきます。

  • 技術検定合格証明書:公式案内にあるのは新規申請と再交付・書換だけで、更新の記載はない
  • 監理技術者資格者証:有効期間は5年で、申請により更新する
  • 監理技術者講習の修了:受講してから5年の期限がある。しかも数え方が資格者証と違う
  • 会社が言う「更新」:多くの場合、後ろの2つをまとめて指している

僕の感覚だと、この最初の切り分けをしないまま検索を始めるから、手続きのページをいくつ読んでも不安が消えないのだと思います。まず資格本体を安全圏に置いてから、期限のある2つの話に降りていきます。

「更新」が指すものを3つに分ける|合格証明書・資格者証・講習修了

「合格証明書は持っているが資格者証は持っていない。これで足りているのか」。この疑問は、3つの書類を並べて、自分がいまどれを持っているか数えれば片が付きます。

書類 何を示すもの 期限 扱う窓口
技術検定合格証明書 1級建築施工管理技術検定に合格したこと 公式案内に更新の記載なし 国土交通省の各地方整備局等
監理技術者資格者証 監理技術者の資格を持つこと 有効期間5年・申請により更新 建設業技術者センター
監理技術者講習の修了 国の登録を受けた機関の講習を修了したこと 受講から5年 登録講習実施機関

窓口が違う点は覚えておいて損がありません。合格証明書について振興基金 試験研修本部は「再交付申請、書換申請、英文合格証明書交付申請等については、現住所(都道府県)を管轄する国土交通省各地方整備局等にお問い合わせください。」と案内しています(同ページ・2026年9月12日確認)。合格証明書の窓口に資格者証のことを聞いても話が進まないのは、そもそも別の機関だからです。

資格者証と講習は、どちらか一方では足りません。建設業法第26条第5項が「監理技術者資格者証の交付を受けている者であつて、第二十六条の六から第二十六条の八までの規定により国土交通大臣の登録を受けた講習を受講したもののうちから、これを選任しなければならない。」と定めているためです(e-Gov法令検索 建設業法 現行施行版・2026年9月12日確認)。

ここで混乱しやすいのが、カードが1枚しかないことです。国土交通省の「監理技術者講習の実施機関一覧」には「平成28年6月1日より下記の資料のとおり、監理技術者資格者証と講習修了証が統合されます。」とあり(同ページ・2026年9月12日確認)、令和7年2月1日適用の監理技術者制度運用マニュアルにも「監理技術者講習修了後、修了履歴のラベルを資格者証の裏面に貼付することとしている。」と書かれています(国土交通省・同マニュアルp.16 四(3)④・2026年9月12日確認)。統合されたのはカードの枚数であって、期限が1つにまとまったわけではありません。表と裏で別々の期限が動いています。

手元にあるもので、いまの状態を数えてみてください。

  • 技術検定合格証明書が手元にあるか
  • 監理技術者資格者証を持っているか。表面の有効期限は何年何月何日か
  • 資格者証の裏面に講習修了履歴のラベルが貼ってあるか。その受講年はいつか
  • 資格者証を持っていないなら、いま専任の監理技術者に選任されることはない

合格証明書も資格者証もこれから申請する段階なら、申請書の書き方や必要になるものはこちらに整理しています。

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講習と資格者証が要るかは、その現場の金額で決まる|建築だけ線が2つ違う

「いまの現場は監理技術者を置くような規模ではない。それでも受けないとだめなのか」。判定の結論を先に置きます。資格者証と講習が要るのは、専任の監理技術者として選任されるときです。令和7年2月1日適用の監理技術者制度運用マニュアルは「専任の監理技術者(専任特例の場合を含む。)は、資格者証の交付を受けている者であって、監理技術者講習を過去五年以内に受講したもののうちから、これを選任しなければならない。」としています(国土交通省・同マニュアルp.15 四・2026年9月12日確認)。

そこへ至るには、金額の線を2つ越える必要があります。建築はその両方で他業種と数字が違います。

見ている線 何の金額か 原則 建築の場合
監理技術者を置くか 元請が結んだ下請契約の請負代金の合計 5,000万円 8,000万円(許可を受けようとする建設業が建築工事業の場合)
専任になるか 工事一件の請負代金(各号の工事であることが前提) 4,500万円 9,000万円(その建設工事が建築一式工事の場合)

上段の根拠は建設業法施行令第2条で、8,000万円になるのは許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合です。下段は同第27条第1項で、9,000万円になるのはその建設工事が建築一式工事である場合です(e-Gov法令検索 建設業法施行令 現行施行版・2026年9月12日確認)。条件の掛かり先が「会社が持つ許可業種」と「その工事の種類」で別なので、建築系の工事をしていても会社の許可が建築工事業でなければ上段は5,000万円のままですし、建築工事業の会社が専門工事を元請で受けた場合の下段は4,500万円のままです。押さえておきたい注意が2つあります。1つは、8,000万円が下請契約の合計であるのに対し、9,000万円は工事一件の請負代金だということ。数字が近いので現場でもよく混ざりますが、対象がまるで違います。もう1つは、令第27条第1項が「次の各号のいずれかに該当する建設工事で」と条件を先に置いていることで、金額を超えただけで自動的に専任になるわけではありません。各号は国や地方公共団体が注文者である工事、学校・病院・共同住宅・事務所・工場など公共性のある施設や多数の者が利用する施設の工事を列挙しています。

自分の状況に当てはめる材料を並べておきます。

  • 自社はその工事の元請か、それとも下請か
  • 元請なら、結んだ下請契約の請負代金の合計が5,000万円(自社の許可が建築工事業なら8,000万円)以上になっているか
  • その工事が令第27条第1項の各号に当たる施設で、かつ工事一件の請負代金が4,500万円(建築一式工事なら9,000万円)以上か
  • 2つとも越える現場に配置されるなら、資格者証と過去5年以内の講習受講が要る

金額の線の条文構造と、令和7年2月1日に動いた改正の経緯はこちらで詳しく整理しています。

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自分の現場がどちらの線も越えていないなら、少なくとも今日明日で慌てる話ではありません。ただし誰をどの現場に配置するかを決めるのは会社なので、「受けなくていい」と僕が断定することはできません。判断材料として使ってください。

規模と無関係に会社が受講を求めてくる理由は、たいてい経営事項審査です。技術職員数の評点は「1級監理受講者 6点/1級技術者 5点/監理技術者補佐 4点/基幹技能者等 3点/2級技術者 2点/その他技術者 1点」の6区分で(国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日改正)」p.2)、1級を取った時点で入るのは5点の区分です。1つ上の6点へ動く条件を、国土交通省中部地方整備局「経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き」(令和3年4月改訂版)は「現行の1級技術者が監理技術者資格者証を保有しており、監理技術者講習修了証を保有している場合に6点の評価となります。」と示しています(2026年9月12日確認)。ここで並んでいる持ち物が2つある点に注意してください。会社から講習だけを促されることがありますが、その1つでは区分は動きません。なお令和8年7月1日施行の改正は、建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度の新設など、その他社会性の項目が中心で、この技術職員数の評点区分には触れていません(国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」・2026年9月12日確認)。評点の項目そのものはこちらで扱っています。

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2つの5年は数え方が違う|起算日が令和3年1月1日に変わった

資格者証と講習は、どちらも「5年」ですが、数え方が同じではありません。資格者証は交付日から5年で、期限日はカードの表面に印字されています。講習のほうは、建設業法施行規則第17条の21が「講習を受講した日の属する年の翌年から起算して五年」を経過しない者でなければならないと定めています(e-Gov法令検索 建設業法施行規則 現行施行版・2026年9月12日確認)。受講した日からではなく、受講した年の翌年から数えます。

この記事で押さえてほしいのは、令和3年1月1日に起算日の扱いが変わったことです。令和7年2月1日適用の監理技術者制度運用マニュアルは「令和三年一月一日以降は、監理技術者講習の有効期限の起算日が講習を受講した日の属する年の翌年の一月一日となり、同日から五年後の十二月三十一日が監理技術者講習の有効期限となる」としています(国土交通省・同マニュアルp.16 四(3)①・2026年9月12日確認)。

暦に置き換えると分かりやすくなります。令和4年1月に受けた人も、令和4年12月に受けた人も、起算日はどちらも令和5年1月1日で、有効期限は令和9年12月31日です。つまり講習の期限は月日を持たず、年で動きます。逆に言えば、年内に受けてしまえばその年のどこで受けても期限は変わらないので、繁忙期を外して都合のいい時期に受けられます。一方、資格者証は交付日という日付で動くため、2つの期限日は普通ずれます。表面の期限が令和10年3月で、裏面の受講が令和4年、といった組み合わせが当たり前に起きます。

なお運用マニュアルはこの部分の条番号を「規則第十七条の十七」と印字していますが、現行の建設業法施行規則で講習の受講を定めているのは第17条の21です。条番号を書き写すときは、e-Govの現行施行版で確かめてください。

カードを出して、次の順番で確かめてみてください。

  • 表面の有効期限が資格者証の期限。ここは日付で管理する
  • 裏面のラベルに書かれた受講年が講習の起算のもと。翌年1月1日から5年後の12月31日まで
  • 2つの期限日は普通ずれる。片方を見て安心しない
  • 平成28年6月1日にカードが統合されたのは1枚にまとまった話で、期限が1つになった話ではない

個人的には、この2つをスマホのカレンダーに別々の予定として入れておくのがいちばん確実だと思います。早いほうの半年前に通知が来るようにしておけば、総務に言われる前に自分で動けます。

受講料は機関で違う|登録6機関と、建築士会という選択肢

「受講料はいくらか」「オンラインで受けられると聞いたが会場と何が違うのか」「1日つぶれるのか」「機関はどこでもいいのか」。ここからが、要否の判定を終えた人が実際に手を動かす部分です。

まず、どこで受けてもいいわけではありません。監理技術者講習は国土交通大臣の登録を受けた機関が実施するもので、国土交通省の「監理技術者講習の実施機関一覧」(令和8年4月1日更新)に載っているのは次の6機関です(同ページ・2026年9月12日確認)。

登録番号 実施機関
1 一般財団法人全国建設研修センター
2 一般財団法人建設業振興基金
5 一般社団法人全国土木施工管理技士会
10 株式会社日建学院
12 公益社団法人日本建築士会連合会
13 株式会社総合資格学院法定講習センター

建築の読者にとって見逃せないのが登録番号12の公益社団法人日本建築士会連合会です。初回登録日は平成27年6月22日で、建築の実務者には名前になじみのある団体が、監理技術者講習の実施機関としてこの一覧に入っています。比較記事はたいてい受講料の表だけを並べるので、建築の人が「あの建築士会でも受けられる」と気づく機会がありません。逆に登録番号13の株式会社総合資格学院法定講習センターは、初回登録日が令和8年4月1日で、この一覧の中では新しく加わった機関です。登録番号が1・2・5・10・12・13と飛んでいることからも分かるように、顔ぶれは固定ではありません(国土交通省「監理技術者講習の実施機関一覧」・2026年9月12日確認)。申し込む前に国土交通省のページで現在の登録を確認するのが確実です。

時間の話もはっきりしています。同じ一覧に「所要日数:1日/講習科目:(1)建設工事に関する法律制度(1.5h)(2)建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理(2.5h)(3)建設工事に関する最新の材料、資機材及び施工方法に関し必要な事項(2.0h)(計6.0h)」と記載されています(国土交通省・同ページ・2026年9月12日確認)。科目は3つで計6時間なので、半日では終わりません。丸1日の予定を空けてください。中身の比重を見ると、いちばん長いのが施工計画・工程管理・品質管理の2.5時間で、法律制度が1.5時間、最新の材料・資機材・施工方法が2.0時間という配分になっています。制度の話を聞くだけの1日ではない、ということです。

受講料は機関によって違います。公式サイトの本文で実額を確認できた2機関を挙げます。

実施機関 形式・申込方法 受講料
全国建設研修センター 会場講習(インターネット申込み) 9,500円
全国建設研修センター 会場講習(郵送申込み) 10,000円
全国建設研修センター オンライン講習(インターネット申込み) 10,000円
建設業振興基金 インターネットからお申し込み 9,500円(税込)
建設業振興基金 FAXによるお申し込み 10,000円(税込)

出典は全国建設研修センター「各種講習」と建設業振興基金「監理技術者講習」の各ページで、いずれも2026年9月12日に確認した表示です。注目したいのは、どちらの機関も同じ内容の講習でありながら、申込方法が紙かインターネットかで500円変わることです。会社が費用を負担する場合は総務の事務フローに引きずられがちですが、自腹なら申込方法を選ぶだけで差が出ます。ただし、受講料に何が含まれるかの表示は機関ごとに異なるため、この表は同じ条件で並べた横並びの比較ではありません。金額だけで決めずに、申し込む機関のページで内訳を確かめてください。

形式の中身も変わってきています。全国建設研修センターは「令和7年9月1日(月)より、オンライン講習はオンデマンド方式となりました。」と告知しています(同センター「各種講習」・2026年9月12日確認)。決められた時間に画面の前にいる方式ではなくなったということなので、現場を抜けにくい人にとっては選択肢が増えたことになります。

修了証の受け取り方も、選ぶときの判断材料になります。国土交通省の実施機関一覧には「・修了証交付:受講終了直後」とあり、建設業振興基金は「建設業振興基金の監理技術者講習は、受講当日に監理技術者講習修了証(ラベル)をお渡しします。」と案内しています(各ページ・2026年9月12日確認)。ラベルは資格者証の裏面に貼るものなので、当日に受け取れるかどうかで、経審の書類や現場への提出をいつ揃えられるかが変わります。

機関を選ぶときに見るところを整理しておきます。

  • 国土交通省の一覧に載っている登録機関かどうか
  • 申込方法で受講料が変わる機関かどうか。紙かインターネットかで500円違う機関がある
  • 会場かオンラインか。オンラインはオンデマンド方式になっている機関がある
  • 修了証(ラベル)が受講当日に手に入るか
  • 受講料に含まれるものの表示。機関ごとに違うので金額だけで比べない

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

【PR】次に狙う資格は、受験対策の情報から当たる

監理技術者講習は国土交通大臣の登録を受けた6機関が実施していて、受講料も、申込方法が紙かインターネットかで500円変わる機関があります。制度の側の情報は、このように自分で一次情報を当たる前提の作りになっています。一方で、次に狙う資格の学習の進め方を探す段階なら、受験対策の事業者が出している情報も選択肢のひとつです。

次に狙う施工管理技士の学習方法は独学サポート事務局でも確認できる

建築士の定期講習とは別の制度|いつ動くか、期限が切れたらどうなるか

「建築士の定期講習も受けている。あれとは別なのか」。建築の施工管理は、法定講習を2つ抱えうる数少ない立場です。土木や設備の同僚と話が噛み合わないのはここが原因で、あちらが持っているのは監理技術者講習だけです。

建築士法第22条の2(定期講習)は「次の各号に掲げる建築士は、三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間ごとに、…国土交通大臣の登録を受けた者…が行う当該各号に定める講習を受けなければならない。」としています(e-Gov法令検索 建築士法 現行施行版・2026年9月12日確認)。法律のほうは幅しか示していません。実際の期間を定めているのは建築士法施行規則第17条の36(定期講習の受講期間)で、「法第二十二条の二の国土交通省令で定める期間は、法第二十二条の二各号に掲げる建築士が同条各号に規定する講習のうち直近のものを受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して三年とする。」となっています(e-Gov法令検索 建築士法施行規則 現行施行版・2026年9月12日確認)。登録講習機関の案内も「建築士事務所に所属する建築士は、3年度ごとに建築士定期講習を受ける必要があります。」と説明しています(総合資格学院法定講習サイト「建築士定期講習について」・2026年9月12日確認)。

2つを並べると、似ているのは「法定講習」という呼び名だけだと分かります。

監理技術者講習 建築士定期講習
根拠 建設業法・同施行規則第17条の21 建築士法第22条の2・同施行規則第17条の36
周期 5年 3年度ごと
数え方 暦年(受講した年の翌年1月1日から5年後の12月31日) 年度(直近に受けた日の属する年度の翌年度の開始日から3年)
対象 専任の監理技術者として選任される者 建築士事務所に所属する建築士

いちばん事故が起きやすいのが、この年度と暦年の混在です。条文どおりに数えると、建築士定期講習を令和5年10月に受けた人は、起算が令和6年4月1日で、そこから3年なので期限は令和9年3月31日側に来ます。一方、監理技術者講習を同じ令和5年10月に受けた人は、起算が令和6年1月1日で期限が令和10年12月31日です。同じ月に2つ受けても、期限は1年9ヶ月も離れます。頭の中で足し算しようとすると必ずずれるので、2つとも持っている人は、それぞれの期限日をそのままカレンダーに書き写して別々に管理してください。なお、建築士定期講習の対象は建築士事務所に所属する建築士なので、1級建築士を持っていても事務所に所属していないなら、こちらの話は自分に来ません。ここも会社経由で言われると混ざりやすいところです。

いつ動くか

資格者証の更新で最初につまずくのが、申請できる時期と案内が届く時期が別だという点です。建設業技術者センターは「※有効期限の6ヶ月前から申請可能となります。」と注記する一方、案内については「更新案内を有効期限の約6ヶ月前に当センターから監理技術者資格者証記載の住所宛てに送付します。」としています(同センター「更新申請」・2026年9月12日確認)。前者が手続きの解禁日、後者が郵便が届く目安で、同じ「6ヶ月前」でも意味が違います。案内が届いていないから申請できない、という話ではありません。

インターネット申込みには期間の条件も付いています。「ご利用は、有効期限前6ヶ月以内の方に限ります。ただし、有効期限の直前(5日以内※)はご利用できません。」という案内です(同ページ)。早すぎても遅すぎても使えない窓、と理解しておくと間違えません。

交付までの日数も方法で変わります。同センターは「インターネット申込みがカンタン・便利です!10日程度での交付が可能です!(2月〜5月の繁忙期及び年末年始等の休日がまとまっている時期を除く)」とし、書面申請については「交付までに20日程度要します。」と案内しています(同ページ・2026年9月12日確認)。繁忙期を外しても書面だと3週間近くかかります。しかも除外されている2月から5月は、まさに経審や期初の配置が動く時期です。期限間際に気づいた場合は、申請方法の選択がそのまま間に合うかどうかを決めます。

手数料は法令に書かれています。建設業法施行令第44条は「法第二十七条の二十一第一項の政令で定める額は、七千六百円とする。」と定めており(e-Gov法令検索 建設業法施行令 現行施行版・2026年9月12日確認)、建設業技術者センターも「書換申請の手数料は7,600円です。」「変更届出の手数料は無料です。(インターネットまたは郵送での届出の場合は送料が別途必要)」と案内しています(同センター「更新申請」・2026年9月12日確認)。住所や勤務先が変わったときは「30日以内に当センターに変更届出又は書換申請をする必要があります。」とされているので(同ページ)、異動の辞令が出たら30日という数字を思い出してください。

期限が切れたらどうなるか

切れても1級建築施工管理技士という資格そのものが消えるわけではありません。変わるのは手続きの扱いです。建設業技術者センターは「更新申請の場合、更新前の監理技術者資格者証の有効期限が5年間延長となります。ただし、有効期限のある大臣認定資格の方は、交付日から5年間にならない場合があります。」とした上で、「監理技術者資格者証の有効期限を過ぎてからの申請は「新規申請」となりますのでご注意ください。」と明記しています(同ページ・2026年9月12日確認)。期限内に動けば有効期限が5年延びるのに対し、過ぎてしまえば新規で取り直す扱いになり、手続きが終わるまでは専任の監理技術者に選任できません。現場から外されるかどうかは会社の配置の判断ですが、少なくとも配置できない状態にはなります。

資格を追加するときの扱いも押さえておくと混乱しません。同センターは「追加申請後の有効期限は、追加した資格者証の交付日から5年間となります。」としています(同ページ)。他の種目に合格して資格を足した場合、期限はそこからリセットされる形になります。

手続きまわりで忘れられやすいものをまとめておきます。

  • 申請できるのは有効期限の6ヶ月前から。案内が届くのは約6ヶ月前で、この2つは別の話
  • インターネット申込みは有効期限の直前(5日以内)には使えない
  • 交付までインターネットで10日程度、書面で20日程度。2月から5月は繁忙期として除かれている
  • 住所や勤務先が変わったら30日以内に変更届出または書換申請
  • 変更届出は無料、書換申請は7,600円
  • 期限を過ぎてからの申請は更新ではなく新規申請の扱いになる

1級を取ったばかりの人と、監理技術者補佐の場合

「1級を取ったばかりだが、いま資格者証まで取るべきか」。資格者証と講習は専任の監理技術者に選任されるときに要るものなので、配置の予定がないなら、会社の配置計画と経営事項審査の申請時期を確かめてから動く順番で足ります。先に済ませておくなら技術検定合格証明書のほうです。

監理技術者補佐として動く予定の人にも触れておきます。令和7年2月1日適用の監理技術者制度運用マニュアルは、監理技術者補佐について「工事現場ごとに専任で置かなければならないこととされており(法第二十六条第三項第二号)、また、次のいずれかに該当する者である必要がある。ただし、建設工事の種類が、機械器具設置工事、さく井工事、消防施設工事又は清掃施設工事の場合は、2)に限る。(令第二十九条)」とし、1)として請け負った建設工事の種類にかかる主任技術者の資格を有する者のうち一級の技術検定の第一次検定に合格した者、2)として請け負った建設工事の種類にかかる監理技術者の資格を有する者を挙げています(国土交通省・同マニュアルp.1 一(2)③・2026年9月12日確認)。講習については同マニュアルが「なお、監理技術者補佐についても、監理技術者を適切に補佐し、資質の向上を図る観点から、監理技術者講習を受講することが望ましい。」としており、義務ではなく望ましいという書き方にとどまっています。会社から補佐で配置すると言われた段階で講習まで求められるかは、この違いを踏まえて確認してください。

なお、建設キャリアアップシステムのカードにも有効期間の話がありますが、あれは監理技術者資格者証とは別の制度で、根拠も運営主体も違います。あわせて読むなら、こちらで整理しています。

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1級建築施工管理技士の講習・更新に関する情報まとめ

  • 資格そのもの:技術検定合格証明書の公式案内に更新の手続きの記載はない。期限があるのは現場に立つための書類のほう
  • 更新の3分割:合格証明書・監理技術者資格者証・監理技術者講習の修了は別物で、窓口も違う。専任の監理技術者には資格者証と講習の両方が要る
  • 要否の判定:専任の監理技術者に選任されるかで決まり、建築は下請契約の合計5,000万円(自社の許可が建築工事業なら8,000万円)と工事一件4,500万円(建築一式工事なら9,000万円)の2つの線を見る
  • 2つの5年:資格者証は交付日から5年、講習は令和3年1月1日以降、受講した年の翌年1月1日から5年後の12月31日まで
  • 受講料と機関:登録実施機関は6機関で建築士会も入っている。申込方法で9,500円と10,000円に分かれる機関がある。所要は1日・科目3つで計6.0時間
  • 建築士定期講習との違い:あちらは3年度ごとの年度基準で対象は事務所所属の建築士、こちらは5年の暦年基準。同じ月に受けても期限は大きくずれる
  • 申請と期限切れ:申請は有効期限の6ヶ月前から、交付はインターネット10日程度・書面20日程度。手数料7,600円、変更届出は無料。期限を過ぎると新規申請の扱い

以上が1級建築施工管理技士の講習・更新に関する情報のまとめです。

今日やることは1つで足ります。財布から監理技術者資格者証を出して、表面の有効期限と裏面のラベルの受講年をメモに書き写す。資格者証を持っていないなら、自分がいま専任の監理技術者に選任される現場にいるのかを確かめてください。見る線は2つです。1つは元請として結んだ下請契約の請負代金の合計で、5,000万円(自社の許可が建築工事業なら8,000万円)。もう1つは令第27条第1項の各号に当たる工事で、工事一件の請負代金が4,500万円(建築一式工事なら9,000万円)。要ると分かったら、次は申込方法で500円変わる受講料と、当日にラベルが手に入るかどうかで機関を選ぶ。実務だと、この順番を踏んでおくだけで、繁忙期に慌てて書面申請へ走る事態はだいたい避けられます。

これから1級建築施工管理技士を受ける後輩に聞かれたときのために、試験日程はこちらにまとめています。

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1級建築施工管理技士の講習・更新に関するよくある質問

Q1:1級建築施工管理技士の資格は、更新しないと失効しますか?

技術検定合格証明書の公式案内に置かれている手続きは新規申請と再交付・書換だけで、更新の手続きも有効期限の案内も記載がありません(一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部「技術検定合格証明書について」・2026年9月12日確認)。期限があるのは監理技術者資格者証と監理技術者講習の修了で、会社が言う「更新」はこの2つを指しているのが普通です。資格そのものと、現場に立つための書類を分けて考えてください。

Q2:資格者証と講習は、どちらか一方だけでもいいですか?

一方だけでは足りません。建設業法第26条第5項は、専任が必要な現場の監理技術者について、資格者証を持っていることと、登録講習を受けていることの2つを同時に満たす人の中から選べ、という形で条件を置いています(e-Gov法令検索 建設業法 現行施行版・2026年9月12日確認)。カードは1枚でも、表面の資格者証の有効期限と裏面の講習修了ラベルの受講年は別々に動きます。

Q3:講習の5年は、受けた日から5年ということですか?

受けた日からではありません。建設業法施行規則第17条の21は「講習を受講した日の属する年の翌年から起算して五年」としており、運用マニュアルも令和3年1月1日以降は起算日が受講した年の翌年1月1日で、その5年後の12月31日が有効期限になると説明しています(令和7年2月1日適用の監理技術者制度運用マニュアルp.16 四(3)①)。令和4年のいつに受けても、期限は令和9年12月31日です。

Q4:受講料はどこで受けても同じですか?

同じではありません。全国建設研修センターは会場講習のインターネット申込みが9,500円、郵送申込みが10,000円、オンライン講習が10,000円、建設業振興基金はインターネット申込みが9,500円(税込)、FAX申込みが10,000円(税込)です(各機関サイト・2026年9月12日確認)。申込方法だけで500円変わります。受講料に含まれるものの表示は機関ごとに異なるので、金額だけの横並び比較にはならない点に注意してください。

Q5:講習は半日で終わりますか。オンラインでも受けられますか?

半日では終わりません。国土交通省の実施機関一覧に「所要日数:1日」、科目は法律制度1.5時間・施工計画や工程管理など2.5時間・最新の材料や施工方法2.0時間の計6.0時間と記載されています(同ページ・2026年9月12日確認)。オンラインを用意している機関もあり、全国建設研修センターは令和7年9月1日からオンライン講習をオンデマンド方式にしたと告知しています(同センター「各種講習」・2026年9月12日確認)。

Q6:建築士定期講習を受けていれば、監理技術者講習は免除されますか?

免除されません。根拠法が建築士法と建設業法で違い、周期も数え方も対象も別です。建築士定期講習は建築士事務所に所属する建築士が3年度ごと(建築士法施行規則第17条の36)、監理技術者講習は専任の監理技術者として選任される者が5年で、受講した年の翌年1月1日から5年後の12月31日までという暦年の数え方です。同じ月に2つ受けても期限は1年以上離れるので、別々に管理してください。

Q7:資格者証の期限が切れていました。どうなりますか?

建設業技術者センターは「監理技術者資格者証の有効期限を過ぎてからの申請は「新規申請」となりますのでご注意ください。」としています(同センター「更新申請」・2026年9月12日確認)。期限内なら更新申請で有効期限が5年延びますが、過ぎると新規申請の扱いになり、その間は専任の監理技術者に選任できません。1級建築施工管理技士という資格そのものが消えるわけではないので、そこは切り分けて考えてください。

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