1級建築施工管理技士の経験記述、品質管理の例文は今のままでいい?

1級建築施工管理技士の第二次検定、経験記述の品質管理で、過去問や参考書の例文をいくつも集めたのに「結局どれが令和7年度の形式に合っているのか」で手が止まっていませんか。例文3つは別解なのか、1つの答案にまとめる項目なのか、②と③はどこまで内容を変えればいいのか。集めた例文を見比べるほど迷いが増えていきます。まずは令和7年度の出題形式と、守るべきルールの線引きを整理します。

先に答えを置いておくと、例文3本は3つの別解ではありません。1つの答案に並べる3つの項目です。どれか1本を選ぶ作業だと思っていると、設問が求める形そのものに届きません。

この記事は、令和7年度の①②③が何を求めているかを確認し、示された事務所ビルの工事概要から工種を拾って、当サイトの作例3本を組み立てるまでを通しで見せます。記述例を並べた解説は多くありますが、その例文が工事概要のどの語から出てきたのかまで示したものは見当たりません。

目次

「例文3本」は、3つの別解ではなく1つの答案に並べる3項目

3本というのは3つの別解のことなのか。集めた例文をそのまま使っていいのか。順番の決まりはあるのか。この3つは、1.の設問文を一続きで読むと片がつきます。

令和7年度の問題1の1.は「1. 右の工事概要に示す事務所ビル新築工事で行われる工種又は作業において,あなたが統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として工事を担当するうえで,品質管理上特に重点を置くべきと考える項目を3つあげ,それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。」です(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。

読みどころは「項目を3つあげ,それぞれ次の①から③について」というつながりです。3つあげる対象は項目で、①から③はその項目ごとに書きます。つまり①②③のセットが3組、同じ答案の上に並びます。3本とも書いて、はじめて1.の解答になります。

①から③の中身は、設問文が語として指定しています(出典=同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。

  • 「① 工種名又は作業名等」
  • 「② 特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由」
  • 「③ ②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容」

例文を差し替え候補として集めていると、この構造が見えなくなります。必要なのは記述例から1本を選ぶことではなく、3本ぶんの①②③を同時に立てることです。

年度をまたぐときに見落としやすいのが、3つ数える対象の語が同じではない点です。令和5年度は「事例を3つあげ」、令和6年度は「軽減策を3つ提案し」、令和7年度は項目を3つあげさせています(出典=建設業振興基金 令和5年度 第二次検定問題 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf /令和6年度 同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /令和7年度 同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・いずれも2026-09-21確認)。

3つを書く順番については、令和7年度の設問文に指定が見当たりません。躯体から先に書くべきだという決まりがあるとは言えないわけです。①②③の語そのものの読み分けは品質管理の設問文をどう読むかでまとめています。1級土木施工管理技士のほうは設問の組み立てが別なので、土木の例文は1級土木の経験記述、品質管理の例文で別に扱っています。

②と③を3本で散らす|出す前に自分で確かめる4つ

工種は3つとも変えないといけないのか。②と③の中身がどうしても似てしまう。この2つは、ただし書きが何を名指ししているかで決まります。

令和7年度の1.には「ただし,3つの項目の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。」と書かれています(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。名指しされているのは②と③で、①については何も書かれていません。令和5年度には①の扱いを明示した文がありましたが、令和7年度ではそれが消えています(出典=建設業振興基金 令和5年度 第二次検定問題 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。年度をまたいだ条件の並びそのものは設問文に付いている条件を年度ごとに並べた記事で扱ったので、ここでは繰り返しません。①も3つとも違う工種にしなければならない、とも、①は同じでよい、とも読まずに、書かれていないまま扱うのがこの記事の立場です。

そのうえで答案側でやることは1つです。②と③が3つとも異なっていることを、自分で確かめてから出す。手順は次の4つで足ります。

  • 3つの②を縦に並べ、言葉を入れ替えただけで同じ意味になるものが無いか見る
  • 3つの③を縦に並べ、同じ作業を別の名前で書いていないか見る
  • ②に書いた判断の根拠を、③でもう一度説明していないか見る
  • ①について、原本に無い条件を自分で足していないか見る

抜けやすいのは最後の1つです。3つとも違う工種にしようとして経験の薄い工種を無理に持ち出すと、肝心の②と③が痩せます。この記事の作例3本は、この4つを通した形で並べてあります。

例文1|鉄骨(柱:角形鋼管、梁:H形鋼)で1項目を立てる

自分の現場が示された工事と違う。重点を置く項目が3つ思いつかない。ここからの3つの見出しが、この記事の本体です。示された工事概要の仕様欄から工種名として使える語を拾う手順そのものは工事概要から工種を拾う手順の記事にまとめてあるので、ここではその手順で拾った語を①に置いた結果を、3本ぶん並べます。

令和7年度の〔工事概要〕は、主要構造が「鉄骨構造 地上7階建て 塔屋1階」、構造部材が「柱:角形鋼管,梁:H形鋼」、床が「合成デッキスラブ」、耐火被覆が「耐火材巻付け工法」と示されています(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―3〔工事概要〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。鉄骨の建方が工程の背骨になる建物だということが、この4行だけで読み取れます。①に書く語も、ここからそのまま取れます。

次に示すのは、当サイトが設問への答え方を示すために作った作例です。実際に施工した工事ではありません。管理値や規格番号をあえて書いていないのは、そこが読者の現場の数字に置き換わる場所だからです。作例を写すのではなく、自分が担当した建物で使っている値と手順を入れて完成させてください。数字が入った瞬間に、同じ骨格でも自分の答案になります。

段 作例1
① 鉄骨工事(鉄骨建方)
② 品質管理項目=建方の各節における建入れ精度の管理。重点を置く理由=下の節で生じたずれがそのまま上の節に持ち越され、階が上がるほど是正に要する手間と工程への影響が大きくなるうえ、外装や建具の取合いにも波及するため。
③ 節ごとに、建入れ直しを終えたことを確かめてから本締めに進む順序を施工計画書に書き込む。測定の担当者と立会いの時期を鉄骨業者と着工前に取り決め、各節の測定結果を記録として残し、次の節へ進む判断材料として使う。

この作例が設問の語のどこに答えているかを見ておきます。①は「工種名又は作業名等」なので、工種名の鉄骨工事と作業名の鉄骨建方のどちらでも成立します。②は「品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由」と2点を求めているので、項目と理由を1文にまとめず分けて書いています。③は「②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容」なので、現場で実際に行う段取りだけを置き、なぜ重要かという話は②に残しました(出典=同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。

①の工種名をどこまで細かく書くかで手が止まる方もいます。令和7年度の①は「工種名又は作業名等」という書き方で、工種名と作業名の両方を受け付ける語になっています。細かさの指定は原本に見当たりません。鉄骨工事と書くか鉄骨建方と書くかは、②と③に何を書くかで決めれば足ります。建方の精度を②に立てるなら、①も建方まで下ろしたほうが読み手にとって筋が通ります。①と②の粒度がそろっていないと、読み手が①と②の対応を追いにくくなります。逆に、②で溶接や耐火被覆まで含めた管理を書くつもりなら、①は鉄骨工事で受けたほうが自然につながります。

この工種が自分に合わないと感じた場合の差し替え先も、同じ4行の中にあります。耐火被覆は「耐火材巻付け工法」と工法名まで示されているので、そのまま①の作業名として使えます。床の「合成デッキスラブ」も同様です。①に置く語が紙の上から取れる以上、経験した建物が事務所ビルでなくても①で詰まることはありません。詰まるとすれば②と③のほうで、ここは建物の規模や用途にかかわらず、鉄骨の建方で自分が何を見てきたかがそのまま材料になります。住宅や改修が中心だったとしても、建方の段取りを一度でも回していれば、②の理由と③の実施内容は自分の言葉で書けるはずです。経験が足りないと感じるときほど、②を一般論に寄せたくなりますが、逆です。自分が実際に気を張った場面を1つ思い出し、それを重点を置く理由として言い直すほうが、③に書く段取りまで一続きでつながります。

例文2|外壁(押出成形セメント板+フッ素樹脂塗装/変成シリコーン系シーリング)で1項目を立てる

事務所ビルの経験が無い。③に検査方法を書いていいのか。2本目はこの2つに触れながら組み立てます。

令和7年度の〔工事概要〕は、主な外壁が「押出成形セメント板+フッ素樹脂塗装」、目地が「変成シリコーン系シーリング」と示されています(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―3〔工事概要〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。板の仕様と目地の仕様が別の行で示されている点に注目します。板を取り付ける作業と目地を処理する作業は別の業者が別の時期に入ることが多く、その取合いが管理の勘どころになります。工事概要は仕様を並べているだけに見えますが、行が分かれているところは、作業の分かれ目になっていることが多いところです。

2本目も当サイトの作例です。特定の現場の記録ではなく、設問の形に沿って書くとどうなるかを示すために組み立てたものです。

段 作例2
① 外壁工事(押出成形セメント板の取付け及び目地シーリング)
② 品質管理項目=シーリングを打つ前の被着面の状態管理。重点を置く理由=目地の不具合は仕上げ塗装が済んだ後に雨水の侵入として現れることが多く、その時点では足場の再設置を含めて手直しの範囲が広がるため。
③ 被着面の清掃と乾燥の確認を、シーリング業者への引継ぎ項目として工程表に明記する。打設に入る前に見本施工を行い、下地処理からの一連の手順を作業員全員で確認したうえで着手し、確認した内容を写真と記録に残す。

③に検査方法を書いてよいかという疑問には、設問の語から答えが出ます。令和7年度の③は「②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容」です(出典=同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。検査も確認も現場で実施する内容の一部なので、実施すべき内容として書けます。気をつけたいのは、③を検査の手順だけで埋めてしまう書き方です。検査は結果を確かめる行為なので、それだけを並べると、品質を作り込むために何を手配したのかが答案から抜けます。作例2で見本施工や引継ぎ項目の明記を先に置き、記録を最後に回しているのはそのためです。手配が先、確認が後という並びにしておくと、③が実施すべき内容として読めます。

事務所ビルを担当したことがないという方に向けて、もう一段ばらしておきます。この作例で②に立てたのは、押出成形セメント板という材料そのものの知識ではなく、後から隠れてしまう面をいつ誰が確かめるかという段取りです。材料が変わっても、隠れる前に確認する必要があるという構造は変わりません。工事概要の内部仕上げの欄には、エントランスホールの床が「モルタル下地+花崗岩ジェットバーナー仕上げ」、壁が「けい酸カルシウム板+ボーダータイル」、事務室の壁が「せっこうボード+EP塗装」と並んでいます(出典=同 P―3〔内部仕上げ〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。自分が見てきた仕上げに近いものがあれば、①をそちらに差し替えても、②と③の組み立て方はそのまま流用できます。タイルなら下地の状態、塗装なら素地ごしらえと、隠れる前に確かめる対象の名前が変わるだけです。①を差し替えたときは、②の理由が新しい工種でも成り立つかを読み直してください。理由が材料の説明になっていたら、まだ設問の形に乗っていません。

作例1と読み比べると、②の中身が重なっていないことも分かります。作例1の②は躯体の精度そのものを管理対象にしていますが、作例2の②は後から隠れてしまう部位の、施工前の状態を管理対象にしています。③も、作例1が節ごとの順序と記録、作例2が業者間の引継ぎと見本施工で、同じ作業の言い換えになっていません。3つの項目の②及び③はすべて異なる内容という条件は、こうして1本ずつ重心をずらすことで満たせます。

例文3|屋上(アスファルト保護断熱防水)で1項目を立てる

2本までは出たが3本目が思いつかない。この詰まり方が一番多いところです。3本目も同じやり方で、工事概要の別の行に手を伸ばします。

令和7年度の〔工事概要〕は、屋上・陸屋根が「アスファルト保護断熱防水/アルミ製笠木,ステンレス製丸環」と示されています(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―3〔工事概要〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。保護という語が入っている防水なので、防水層の上に保護層が載ります。作り終えた後に目視で追えなくなる部位だという性格が、仕様の呼び名そのものに出ています。

3本目の作例も、当サイトが設問の形に合わせて組み立てたものです。

段 作例3
① 防水工事(屋上アスファルト保護断熱防水)
② 品質管理項目=立上りや貫通部まわりの納まりの事前確定。重点を置く理由=保護層で覆われた後は不具合の位置を特定しづらく、納まりが決まらないまま着手すると現場合わせの判断が増えて、部位ごとに仕上がりがばらつくため。
③ 着手前に立上りと貫通部の納まり図を作成し、防水業者と設備業者、笠木を取り付ける業者を同席させて取合いを合意する。合意した納まりを施工図に反映し、保護層で覆う前に漏水の有無を確かめる段取りを工程に組み込む。

①は「工種名又は作業名等」に対して工種名と作業内容を併記し、②は項目と理由を分け、③は工事概要に示された笠木との取合いまで含めた段取りを置いています。③に設備業者を入れているのは、貫通部が他工種との取合いになるためです。ここは建築工事の側の段取りとして書いており、設備工事そのものを解答にしているわけではありません。取合いの相手として設備が出てくることと、設備工事を品質管理項目に立てることは別です。令和7年度の問題1には「なお,建築工事には,建築設備工事は含まれないものとする。」とあるので、この線は越えられません(出典=同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。

3本目がどうしても立たないときの候補は、工事概要の別の行にまだ残っています。どの行に手を伸ばすかの選び方は工事概要から工種を拾う手順の記事のほうにあるので、ここでは1つだけ。躯体で2本出たなら仕上げ側へ、仕上げで2本出たなら地業側へ、拾う行を先に移してから②を考えると早く埋まります。部位を移せば管理の時点も対象も自然にずれるので、②と③の重複も同時に避けられます。

3本を並べたときの②の重心を、最後に確かめておきます。

  • 作例1の②=作りながら精度を確保する管理。対象は建方中の躯体
  • 作例2の②=作る前の下地の状態を確保する管理。対象は隠れてしまう接着面
  • 作例3の②=作る前に納まりを確定させる管理。対象は他工種との取合い

3つとも品質管理でありながら、管理する時点と対象が違います。③も、節ごとの順序、業者間の引継ぎ、関係業者を集めた事前合意と、実施する行為が重なっていません。3本まとめて作るときは、1本ずつ完成させるよりも、②の重心を3つに散らしてから中身を書き足すほうが早く揃うはずです。1本ずつ順に仕上げようとすると、3本目で重なりやすくなります。

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3本を作ったあとに引っかかる2つ|2.との関係と、書けない範囲

作例が3本そろったところで、答案全体としてぶつかる点が2つあります。どちらも設問文の側に書いてあるものです。

3本の③で使った行為は、2.に回せない

令和7年度の2.には「ただし,1.の③と同じ内容の記述は不可とする。」が付いています(出典=建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。2.が何を求めているか、なぜ1.を先に固めるのかは設問文に付いている条件を年度ごとに並べた記事にあるので、ここでは作例3本を持っている側の話だけ書きます。

この記事の作例で③に置いたのは、節ごとの順序を施工計画書に書き込むこと、引継ぎ項目を工程表に明記して見本施工を挟むこと、関係業者を同席させて納まりを合意することの3つです。並べてみると分かるとおり、3本目の③は組織的な取り決めの色がいちばん濃い。2.が求めている組織的な品質管理活動と、内容として近づきます。

つまり作例3の③を書いた時点で、関係業者を集めて取り決めるという行為は1.で使い切っています。それを2.の①でもう一度書くと、ただし書きに当たります。3本の③を決めるときに、組織的な取り決めを何本に入れるかまで見ておくと、2.で手が止まりません。逆に、3本の③を現場の作業寄りでそろえておけば、組織的な活動の側は2.にまるごと残せます。どちらを取るかは書く人の経験しだいですが、決めるのは1.の側が先です。

「工事及び作業」であって「工種」ではない

範囲の条件のほうも、語を正確に読みます。令和7年度の1.には「なお,工事概要に示す工事において,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工上必要としない工事及び作業に関する内容についての記述は不可とする。」と書かれています(出典=同 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-21確認)。不可とされているのは工事及び作業であって、工種という語ではありません。①の見出しが「工種名又は作業名等」なので混ざりやすいところです。設備工事の除外や、採点でどう扱われるかを原本が書いていないことは、前掲の親記事のほうで整理しています。

古い記述例が合わなくなる理由も、ここに戻ってきます。年度が古いからではありません。令和5年度は、イ.工事名、ロ.工事場所、ハ.工事の内容、ニ.工期等、ホ.あなたの立場、ヘ.あなたの業務内容という欄を受検者自身が記入する形式でした。令和6年度と令和7年度は試験側が工事概要を示しています(出典=建設業振興基金 令和5年度 第二次検定問題 P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf /令和6年度 同 P―3 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /令和7年度 同 P―3 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・いずれも2026-09-21確認)。

受検者が工事概要を書く形式を前提に作られた記述例は、工事概要と本文がセットです。工事概要の側を動かせるので、どんな記述例も成立してしまいます。ところが令和7年度は工事概要が固定されていて、動かせるのは答案の側だけです。古い記述例をそのまま出せば、工事概要に存在しない工事や作業の話になりかねません。この違いは年度の新しさでは測れず、工事概要を誰が書くかという構造で決まっています。その経緯は1級建築施工管理技士の経験記述で扱っています。

なお、解答欄の字数や行数の扱いは前掲の親記事で確認しています。令和8年度の第二次検定は2026年10月18日(日)実施予定で、問題は未公表です(出典=建設業振興基金 令和8年度 実施日程 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/year_schedule.pdf ・2026-09-21確認)。

1級建築の経験記述、品質管理の例文に関する情報まとめ

ここまでで固まったことを、作業の順に置き直しておきます。

  • 例文3本の位置づけ:3つの別解ではなく、1つの答案に並べる3項目。項目ごとに①②③を書く
  • ②と③の散らし方:ただし書きが名指ししているのは②と③だけ。出す前に4つの手順で自分で確かめる
  • 作例1(鉄骨):工事概要の構造部材の行から①を取り、建方中の精度を②に、節ごとの順序と記録を③に置いた
  • 作例2(外壁):外壁と目地が別の行という点から取合いを拾い、被着面の状態を②に、引継ぎと見本施工を③に置いた
  • 作例3(屋上):保護層で覆われる性格から、納まりの事前確定を②に、関係業者の合意と覆う前の確認を③に置いた
  • ②の重心:3本を「管理する時点」(作りながら/作る前/着手前)と「対象」(躯体・接着面・取合い)で散らすと、②も③も重ならない
  • 2.との関係:3本の③で使った行為は2.に回せない。組織的な取り決めを1.で何本使うかを先に決める
  • 書けない範囲:不可とされているのは「工事及び作業」であって「工種」ではない

以上が、1級建築施工管理技士の経験記述における品質管理の例文についてのまとめです。

例文を集める作業は準備の入口でしかないと僕は考えています。3本が手元にあっても、どの行から出てきた工種なのか、②の重心が3つに散っているかを説明できなければ、当日に紙の上で組み替えられません。次に取る行動は、令和7年度の問題PDFの〔工事概要〕を1枚印刷し、工種名として書ける語を自分の手で書き出すところからです。経験記述に何時間を割くかは、問題1以外にどれだけ残っているかで決まります。その全体像は第二次検定の出題構成をまとめた記事のほうに置いてあります。

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